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【ポッドキャスト】完全ワイヤレスイヤホン流行機種を語る

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※こちらは音声のみのポッドキャスト配信となります。 

 

 2019年5月現在最新の流行機種について、とりあえず思うままに音質・使い勝手を語っています。今回取り上げた機種は以下の7機種。

 

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【特集】Bang & Olufsen E8 2.0 vs SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 徹底比較!最強のラグジュアリーフルワイヤレスはどっちだ?[完全ワイヤレス深掘り]



Bang & olufsen E8 2.0
SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

 

 

 今回はラグジュアリーデザインとして人気の高い、完全ワイヤレスの高級機種2機種、Bang & Olufsen E8 2.0(E8 2.0)とSENNHEISER MOMENTUM True WIreless(MTW)を取り上げて比較しようと思います。

 

【比較ポイントその1】装着感「ほぼ同等。E8 2.0のほうが若干快適」

 まずこの2つのイヤホンの装着感ですが、非常によく似ています。おそらくE8 2.0かMTWどちらかのイヤホンが耳に合えば、もう一方も合います。

 MTWのほうが少し角が硬いので、タッチパネルの操作時などに耳に硬く当たるところがあり、若干付け心地がきつく思えると思います。あくまで私の場合ですが、E8 2.0はかなり長時間(5時間以上)装着しても不快感はないですが、MTWは2時間も着けていると若干耳に負担を感じます。

 ただし最終的には耳の形によるところもあるので、付け心地に関してはそれほど決定的な差はないです。

 

【比較ポイントその2】外観「E8のほうがこだわりを感じる」

 以下に比較写真を挙げます。

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 画質があまりよくないので恐縮ですが、MTWはフェルト地をあしらったデザイン、E8 2.0は牛革のデザインになります。

 まず確認して欲しいのは各種認可基準のマークがどこに記載されているかで、MTWは底面、E8 2.0はケースカバー内になります。好みにもよるかも知れませんが、E8 2.0のほうがケース外観に認可基準マークがないので、ケースの材質を存分に堪能できるようになっており、私はこだわりを感じました。

 ケースの内部でもプラスチックを使ったMTWとヘアライン仕上げのアルミが美しく映えるE8 2.0では印象に相当の差があると思います。私はどちらがかっこいいかと言われたら、やっぱりE8 2.0のほうが断然いいですねって答えます。

 

【比較ポイントその3】アプリと機能「総合的にはE8 2.0が優れる」

アプリ「対応OSのバージョンに注意が必要」

 両者連携するandroid/iOS用アプリがあります。両者ともイコライザーとヒアスルー制御など似た機能を搭載しており、若干E8 2.0のほうが詳細に設定できる項目が多いですが、実現できる機能はほぼ同等です。

 注意点は各アプリが対応するOSのバージョンです。MTWの付属アプリ「SENNHEISER Smart Control」はandroid 7.0以降でないと使えません。E8 2.0の付属アプリ「Bang & Olufsen」はandroid 5.0から使用可能です。

 つまり、androidのバージョンが古いスマホやタブレットではMTWのアプリは使えない可能性が高いです。参考までにandroid 7.0のリリース時期は2016年8月22日です。それ以前に発売されたスマホでは対応していないものも多いので、OSのバージョンを確認してから購入されることをお勧めします。

 

イコライザー「E8 2.0のほうが直感性で優れる」

 イコライザーのデザインは両者ともサークルを動かして音質を調整する形式でそっくりです。ただし動かす方向の音質について説明があるE8 2.0のほうが直感的に操作しやすく、使い勝手が良いです。(画像は左がE8 2.0/右がMTW)

E8 2.0のイコライザーMTWのイコライザー

 

 どちらの機種もイコライザーの音質設定は本体に記録されるので、一度設定すればアプリの使えないDAPなどでもイコライジングした音質で楽しめます。

 

ヒアスルー「機能と精度でE8 2.0のほうが優れる」

 ヒアスルーの機能についてですが、MTWはヒアスルーの段階調節ができません。ON/OFF切り替えのみ提供されています。

 E8 2.0は無から音楽の透明率100%まで4段階で調節できます。

 

 ヒアスルーの音質についてですが、音の自然さという点で優れているのはMTWです。ただし、あくまで私の使用感での話ですが、音楽との共存性があまり高くありません。衣擦れのような風切り音に近い高い音も露骨に聞こえる印象があります。人のスピーチを聞き取る精度で言えばE8 2.0のほうがしっかり聞こえます。

 しかしE8 2.0の音には明確な欠点があり、輪郭感と明るさが強調されるので、大音量のテレビのようにギャンギャンした音に感じやすいところがあります。人によっては苦手という人がいるかも知れません。

 最終的には何の音を聞き取りたいかというところになりますが、私の印象では、人のスピーチであればE8 2.0、道路状況などの周辺音であればMTWのほうがよりわかりやすいかなと思います。

 ただしE8 2.0のほうは段階調節ができますから、好みにより合わせやすいです。

 

充電「E8 2.0はワイヤレス充電対応」

 もう一つ重要な相違として、E8 2.0はQi規格のワイヤレス充電に対応しています。対応する充電器が必要になりますが、これは大変便利です。

 

【比較ポイントその4】通信品質「MTWのほうが安定」

 通信品質について、E8 2.0はアプリが使えればだいぶ通信品質が安定するのですが、私の環境では、アプリなしでDAPに接続したところ、通信品質があまり安定しませんでした。

 MTWはアプリなしでも通信は安定しており、E8 2.0のような露骨な不安定さを感じません。

 

 E8 2.0の通信品質についてはDAPごとに詳しく比較した記事を参照してください。

www.ear-phone-review.com

 

【比較ポイントその5】連続/最大再生時間「E8 2.0のほうが優れる」

 E8 2.0とMTWですが、イヤホン単体での連続再生時間は公称4時間と差がありません。MTW固有の問題として、左右のイヤホンバッテリーの消費差があることが知られており、ファームウェアで改善されつつありますが、まだ完璧ではありません。私の印象ではMTWのほうが若干短い印象ですが、以上の特性に引っ張られて実際以上に減りが早いと感じている可能性がありますので、決定的に短いとは言いづらいです。

 ここらへんは使用状況によるところもありますが、どちらも3時間は充分持つと思います。

 

 ケース込みの最大最大再生時間はE8 2.0が16時間、MTWが12時間です。

 

【比較ポイントその6】音質「透明で清潔なE8 2.0、ウォームで濃厚なMTW」

 音についてのイメージは人それぞれで、たとえば「豊かな音とは何か」という答えも各人でかなり異なると思います。したがって、わかりやすく音質を色分けすることは簡単なことではないです。

 なので、あくまで私の観点で切り分けた説明であるということを考慮して頂いて読んで頂きたいのですが、おそらくE8 2.0とMTWでどっちが「豊か」な音かとなれば、多くの人がMTWだと答えると思います。

 

  MTWの音には一定の膨張感があってふくよかさを表現でき、高域の色味はやや落ち着いて暗いところはありますが、つややかな光沢感を感じさせるところがあり、低域では床面に自然に広がっていく音を感じることができます。

 E8 2.0の音はMTWに比べると音の輪郭感と透明感を前面に出した、クリアな印象の高い音で、清潔で晴れやかな空間を感じますが、MTWのような音が空間に広がり溶け込むような充実感は得られにくいです。

 

 私の印象ではおそらく多くの人がMTWの方がより自然に近く、聞きやすく優雅だと感じて好ましいと評価すると思われ、どちらかといえば万人向きなのはMTWだと思いますが、具体的にE8 2.0とMTWの音についていくつかの曲を聞き比べてみたいと思います。

 今回選んだ課題曲は基本的に私がE8 2.0で聴き応えがあると評価した曲で、どちらかといえばE8 2.0に分がある勝負になるかも知れませんので、その点だけはあらかじめお断りしておきます。テスト機はE8 2.0の音を楽しむDAPとして、個人的にイチ押しの「ONKYO GRANBEAT DP-CMX1」を用いています。

 

RUANN「There's No Ending」

 少し情報量が多いエレクトロダンス色の強い曲です。シンセ音の透明感を味わうにはE8 2.0は非常に優れたところがあり、その爽快で清潔な音楽を私は高く評価しています。

[E8 2.0]この曲についてはE8 2.0の個別レビューで語り尽くしたので、要点だけまとめます。E8 2.0は透明度と輪郭感の高い音で、音場も広く表現されるので、この曲でも圧迫感を感じさせず、個々の音に焦点がしっかり当たって音像がはっきりとわかる中毒性の高い表現で聞かせてくれます。この曲をクリアでスタイリッシュに味わいたいならE8 2.0は最も有力な選択肢です。そして、このイヤホンの傾向としてボーカルは非常に分離感がしっかりして楽しめます。

[MTW]:E8 2.0が澄みわたる晴天を感じさせる見通しのよい音響を実現していたのに比べて、MTWの音質は若干曇った感じがするかもしれません。シンセの光沢感、デジタルドラムの輪郭感では明らかに劣り、個々の音では明瞭感に欠ける印象を受けます。ただし、低域方向に充実した厚みを感じることができ、曲全体が暖かく穏やかに聞こえてくるところがあります。

 もう一つの大きなポイントは、最初のサビ前にある沈み込むベース音で、E8 2.0では沈み込みが充分感じられませんが、MTWでは確かなブーム感を伴ってしっかり沈んでくれます。個人的にこのブーム音はこの曲の味わいに重要だと思っていますので、この音の響き方に満足感を得られるというだけでMTWを選ぶ人も多いかも知れません。実際私の評価でもE8 2.0の音にやや強く惹かれるものの、甲乙付けがたいです。

 


There's No Ending

 

Rasmus Faber「Rise[Vocal version]」

  私の大好きなRasmus Faberさんの曲です。最高にクールで楽しいJAZZダンス曲で普段から聞き込んでいます。

[E8 2.0]こちらも個別レビューで詳しく紹介しましたが、普段からこの曲をいろいろなDAPとイヤホンの組み合わせで聴いている私からしても、E8 2.0の音は驚くべきものでした。とにかくさわやかでクリア、明るい清涼感に満ちた音響で表現してくれるので、一聴に値します。これはやべぇ。

[MTW]:圧倒的クリア感を誇るE8 2.0の鮮烈といってもいい表現に比べると曇って感じられます。一方でE8 2.0では清涼感が強くて、この曲の持つ暑熱のようなホットな表現があまり感じられませんでしたが、MTWでは低域音に地熱感があり、風切り音のような効果音とつま弾くギターの音に暖かさがあって、夏の日射しをしっかり感じることが出来ます。個人的にはE8 2.0の表現が圧倒的にすごいんで、MTWの音もいいけどねって感想になりますが、人によって評価は違うでしょう。

 


TVアニメ「 はるかなレシーブ 」 オリジナルサウンドトラック

 

久石譲「Summer」

 久石譲さんの曲はかなり好きでいろいろ聴いてますが、そんな私の最高に好きな曲の一つがこの「Summer」です。

[E8 2.0]:このイヤホンの輪郭感の高い音でこの曲を聴くと、低域弦楽のバネに驚くと思います。ビヨンビヨンとした弾力を感じさせる音で躍動的です。

 あまり自然な印象を受ける音ではないので違和感を感じる人もいるかもしれませんが、こういう系統の弦楽の音にはプロ評論家でも虜にされる人がいて、実際同じようにビヨンビヨンした弦楽音を出すAVIOT TE-D01bというイヤホンは国内最大級のオーディオビジュアルアワード「VGP2019」でワイヤレス大賞を取っています。その評者のコメントを読みましたが、「ボーイングが見える音」と評して弦楽をべた褒めしてました。このイヤホンも同じ系統の弦楽音なので、このあたりを「イイ!」って思う人は必ずいるはず。実際私も好きです。

 高域ではピアノの透明な光沢感、透けるような弦楽がとても清潔で、こんな表現は他のイヤホンではなかなか味わえません。音のダイナミクスも素晴らしく、音場全体が輝いて芽吹くような元気な音を味わうことができます。

[MTW]:しかしMTWの音も捨てがたいのです。明るく透明だったE8 2.0の音に比べて、こちらはピアノや弦楽に温もり感があって暖かく、とてもやわらかで調和的。穏やかな空気感にぽかぽかしたものを感じます。低域弦楽はだいぶ自然に深掘り感を出すので、深煎りコーヒーのような風味を醸し出して、豊かな味わいがあります。こうして2つのイヤホンを聞き比べると、全く表情が違うのに、いやむしろそれだからこそ、甲乙はつけられないですね。どちらもよいです。

 


菊次郎の夏(サントラ)

 

【総評】どちらかを選べと言われても困る

 率直に言って、どちらか1個に絞ってと言われても困ります。個人的にはMTWのほうが万人向きで、曲の対応ジャンルも若干広い印象を受けますが、ONKYO GRANBEAT DP-CMX1とE8 2.0を組み合わせたときの、妙なる音が中毒的で、もはやこれなしの生活に戻れないところもあります。MTWも最初はなんだかなーって言ってましたけど、結局ドハマリしてるところはあり、私は影響されやすいのかも。E8 2.0も第一印象はつまんない音って思う人がたぶん大半でしょうけど、これがどうして、この透明感のあるサウンドに嵌まると、一部の曲は他のイヤホンでは満足できなくなるほど抜けだせません。これはやべぇです。

 

 

 

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【特集】「フルワイヤレス列伝 2019」!実際に使い比べて選んだ、今年注目のおすすめモデル「最強編 3機種」【左右分離型】[フルワイヤレス列伝]

https://www.ear-phone-review.com/

NUARL NT01AX

 

 

 新しい企画特集記事です。コンセプトとしてはまず第1回(この記事)で最もおすすめの機種を紹介し、次回以降それぞれの機種の代替案を紹介するといった形で、列伝風に現状のフルワイヤレスを紹介していこうという壮大な構想をぶち上げました。併せて評価基準も普段のオススメ度とは異なる指標で細分化してみました。

 しかし、この記事に着手してからすぐに、インフルエンザにやられてしまいました。

 たまたまその日、マックでダブダブチとマックナゲット5個入り、ホットアップルパイ、シャカチキをドライブスルーしたら、家に帰って袋を開けるとチーズバーガー2個、三角チョコパイ×2、マックナゲット5個入りになっていたという謎現象があって、マックの人に届け直してもらったら、余分な三角チョコパイやチーズバーガーも召し上がってくださいとサービスされました。え?でもなんかこれ、多くない……?ダブダブチ、チーズバーガー×2、三角チョコパイ×2、ホットアップルパイ、シャカチキ、ナゲット5個……。

 知ってか知らずか、長期株主でもある私に対する優しい心配りをしてくれるマックに感謝なのですが、残したら悪いと思って無理して食べたら、さすがに量多すぎて胃が容量オーバー。痛くなってきたので早めに布団に入って横になっていたのですが、夜中になると寒気でブルブル震えが止まらなくなり、おまけに腹の中身が胃液を含んだまま膨張した感じになっていて、嫌な予感が。

 風邪薬と胃腸薬を戻さないよう慎重に飲んで、様子を見ていましたが、案の定、その後すぐに吐瀉する事態に。発熱もひどくて結局2日間グロッキーしてました。多めに頂いたマックはすべて吐瀉物となって出て行きました。この展開は予想できなかったです。

 まだ妙な寒気は消えないので万全とは言えませんが、その間音楽を聴きながらいろいろ構想を温めることができ、この企画特集を楽しいものにしたいと思っています。今まで伝えきれなかったかも、わかりにくかったかもと思う部分も再検討しながら、よりわかりやすく製品の特徴が把握できるような特集に仕立てていきたいと思います。

 

 さて、この記事では普段のレビュー記事とは異なる指標を用いて各製品の音質をより直感的にわかりやすく理解できるよう心がけました。既存記事のオススメ度とは異なります。新たな指標の意味については以下で説明します。

  1. コスパ……コストパフォーマンス。一般的な実売価格から見てお得かどうか。
  2. 通信品質……通信の安定性。途絶・遅延などがあるかどうか。星が多いほど途切れず、遅延しづらい。
  3. 高域……高域ののびやかさ、透明感、煌めき感、発色の良さ。人によって解像度感に大きく影響する。
  4. 中域……中域の充実感、高域低域との連携性、奥行き感。
  5. 低域……低域の厚み、深さ、重み、存在感。
  6. 暖色感(調和性)……音に孤立感がないか、膨張感があって調和的か。星が多いほどウォーム、少ないほどクール。ウォームな音は聞き疲れしにくい。
  7. コントラスト……低域と高域の明度差。星が多いほどコントラストが高く、音響に締まりがある。ドンシャリ系の音はコントラストが高くなる傾向にある。人によって解像度感に大きく影響する。
  8. シャープネス……音の輪郭感。星の数が多いほど音にソリッド感が出て、粒立ちを感じるが、端でシャリシャリ尖りやすい。人によって解像度感に大きく影響する。またシャープネスが強いとなめらかさが減って、全体の音質がドライに感じられるところもある。
  9. 音場……音場の広さ。星の数が多いほど広い。人によって解像度感に大きく影響する。また音場が広いと聞き疲れしにくい。
  10. ボーカル……ボーカルの分離感。星の数が多いほどボーカルの分離が良く、明瞭に歌詞が聞き取れる。
  11. バッテリー……数値で表記。イヤホン単体の連続再生時間/ケース込みの最大再生時間。
  12. 防水性能……IPX数値で表記。不明なものは不明と表記。

 音質傾向については、解像度という言葉がよく用いられますが、私がレビューをいろいろ読んだ経験から言えば、その意味するところは一様ではありません。コントラスト感のある音をメリハリがあって解像度が明確だと感じる人もいれば、シャープな音を見通しが良いので解像度が高いと感じる人もいますし、同じように音場の広さからくる見通しの良さを解像度に直結して考える人もいます。またコントラスト感に関わると思うのですが、高域の透明感や発色の良さに解像度を感じる人もいます。そこで解像度に関わる指標を細分化しました。

 

 「コントラスト」と「シャープネス」については以下の記事で補足説明しました。併せてお楽しみください。

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真っ先に検討すべきフルワイヤレス3機種

NUARL NT01AX「コスパ最強」

NUARL NT01AX

NUARL NT01AX

NUARL 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth5 高音質HDSS採用 IPX4防水 最大再生時間35時間 片側紛失サポート有 マイク・リモコン付 NT01AX ブラックゴールド

 「音質は最強クラス、スペックも最強クラス。それで2万円以下。フルワイヤレスイヤホンとしては最強のコスパを持っている機種」

NT01AX のおすすめポイント
  1. 最新チップ採用で長い連続再生時間を誇る
  2. 完全ワイヤレスとは思えない立体感のある優れた高域表現
  3. この品質で2万円以下のリーズナブルな価格設定

  NT01AXは2019年2月現在、総合的に見て最もコストパフォーマンスに優れている機種です。Qualcommの最近チップ「QCC3026」を搭載して10時間以上の連続再生時間、ケース込み35時間の最大再生時間を実現しているだけでなく、HDSSという独自の仕様を盛り込んで音質的にも完全ワイヤレスとは思えないダイナミックなサウンドを実現しています。低域の厚みのある表現と、高域のつややかさとのびやかさを共存させている音質は比較的万能に近く、クラシックやJAZZからロック、ポップス、ダンスミュージックに至るまで、完全ワイヤレスとは思えない満足度をもたらしてくれます。

コスパ 
通信品質 
高域 
中域 
低域 
暖色感(調和性) 
コントラスト 
シャープネス 
音場 
ボーカル 
バッテリー 10/35
防水性 4

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音質が似ている機種
  1. AVIOT TE-D01d
  2. Master & Dynamic MW07
  3. JBL Free X
  4. AVIOT TE-D01b
  5. JBL UA Sport Wireless FLASH
  6. GLIDiC TW-7000
使い勝手が似ている機種
  1. AVIOT TE-D01d
  2. ZERO AUDIO TWZ-1000
  3. AVIOT TE-D01b
  4. GLIDiC TW-7000
  5. Marvin Air-X

 

SENNHEISER MOMENTUM True WIreless「音質最強」

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

ゼンハイザー Bluetooth 完全ワイヤレスイヤフォン MOMENTUM True Wireless 【国内正規品】

 「評論家絶賛の本物の音質。フルワイヤレスの音質を超えたフルワイヤレス。プライスレス」

MTW のおすすめポイント
  1. 評論家絶賛、ユーザー大満足の音質
  2. ラグジュアリー感に溢れたデザイン
  3. コスパはあまりよくない

  MOMENTUM True Wirelessは2019年2月現在、音質では他の追随を許さない高評価を博している機種です。その音は、音場重視の鳴らし方で豊かで雄大な中低域を得意としていますので、クラシックやJAZZ、映画音楽などに浸るには最適ですし、意外とさわやかな瞬発力のある音を奏でるところもあるので、ロックやポップスもそれほど悪くありません。ただスペック的には価格の割に見劣りするところも多く、装着感も人を選ぶところがありますから、この機種に関しては値段が値段なだけに、よく店頭で装着感や音質を試してから購入することをお勧めします。

コスパ 
通信品質 
高域 
中域 
低域 
暖色感(調和性) 
コントラスト 
シャープネス 
音場 
ボーカル 
バッテリー 4/12
防水性 4

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音質が似ている機種
  1. EARIN M-2
  2. ZERO AUDIO TWZ-1000
  3. Beoplay E8 2.0
使い勝手が似ている機種
  1. Beoplay E8 2.0
  2. EARIN M-2
  3. BOSE SoundSport Free
  4. Master & Dynamic MW07

 

Jabra Elite Active 65t「機能性最強」

Jabra Elite Active 65t

Jabra Elite Active 65t

Jabra Elite Active 65t コッパーブルー 北欧デザイン Alexa対応完全ワイヤレスイヤホン BT5.0 マイク付 防塵防水IP56 2台同時接続 2年保証 【国内正規品】

 「ヒアスルー性能や通話品質が高く、バッテリー性能も充分。マルチポイント対応なうえに、付属アプリが優秀」

EA65t のおすすめポイント
  1. 付属アプリが優秀
  2. ヒアスルー、マルチポイント、通話品質改善、全部入りの多機能モデル
  3. 音質は独特で人を選ぶ

  完全ワイヤレスイヤホンを使い勝手だけで選ぶとすれば、2019年2月現在、Jabra Elite Active 65tに勝る選択肢はありません。Jabraが業界最強を豪語するワイヤレスマイク品質を生かした優秀なヒアスルー品質と通話品質改善機能はヘッドセットとして見た場合、最も素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれます。マルチポイント対応なのもうれしく、たとえばスマホとタブレットに同時に繋いで使い分けたり、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)を聴きながら、スマホの通話に応答するといったことができます。音質はドンシャリで、黒みの強い低域と非常にシャープな高域が共存したコントラスト感の強い音質なため、苦手に感じる人がいるかも知れません。

コスパ 
通信品質 
高域 
中域 
低域 
暖色感(調和性) 
コントラスト 
シャープネス 
音場 
ボーカル 
バッテリー 5/15
防水性 6

www.ear-phone-review.com

 

音質が似ている機種
  1. Jabra Elite 65t
  2. RHA TrueConnect
  3. Nuforce BE FREE 8
  4. Nuforce BE FREE 5
  5. SONY WF-SP700N
  6. BeoPlay E8 2.0
  7. GLIDiC TW-7000
使い勝手が似ている機種
  1. Jabra Elite 65t
  2. Beoplay E8 2.0
  3. Nuheara IQbads
  4. JBL UA Sport Wireless FLASH
  5. SONY WF-SP700N
  6. GLIDiC TW-7000
  7. SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

 

【総評】完全ワイヤレスは使い勝手も音質もよくなっている!

 今回紹介した機種は私がとくに普段使い込んでいるほど気に入っている3機種です。どれも優れた点があり、代替が利かないところがあって、レギュラーメンバーとして大活躍してくれています。数ある魅力的な完全ワイヤレスイヤホンの中でも、この3機種はとくに満足度が高く、完全ワイヤレスイヤホンの購入を検討しているなら、真っ先に検討して欲しいと思うイチ押しの機種になります。

 まだ予定ですが、次回以降はそれぞれの機種の代替になり得る機種を紹介していく形で特集を広げていこうと思っています。

 

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【完全ワイヤレスイヤホン SENNHEISER MOMENTUM True Wireless レビュー】完全ワイヤレスイヤホンとは思えない豊かな音場表現と雄大な空間表現で聴かせる。本格オーディオセットの音を完全ワイヤレスで実現した名機。ただしコスパは悪い。おすすめ

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

ゼンハイザー Bluetooth 完全ワイヤレスイヤフォン MOMENTUM True Wireless 【国内正規品】

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は人を選ぶ。仕様面では完全に1世代遅れ」

おすすめ度*1

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

ASIN

B07HRHM8F3

 装着感は耳に合えば比較的良いが、結構大きめのハウジングなので、女性では耳に収まらないんじゃないかと思う。遮音性はそこそこ。音漏れは少し。

 aptX対応。通信は基本安定している。私の環境では遅延・途絶はほぼない。

 

 この機種の装着感に関してはギズモードジャパンのスイートスポット論があり、私の場合は収まりがよいのかそれほど装着感で音が変わる感じはほとんどないのだが、人によっては相当装着感を調整しないと低音が聞こえてこないかも知れない。

 

www.gizmodo.jp

 

 一応、私がいろいろ情報を集めて実際に試してよいと思った方法を紹介する。

 まず、スイートスポットだが、イヤホンを装着したら、イヤホンの下側を少しずつ持ち上げるようにするとステムが耳によく入るようになり、音の伸びと低域が増して聞こえるようになる。ただし私はこれでほとんど音質に差を感じなかった上に、むしろ装着の安定感が減るので、外出時にこれを試すのは向かない。反対にイヤホンのハウジングを下方向に動かしてステムをひねり上げる方法もあり、こちらのほうが聞こえがよい場合もあるかも知れない。私の場合は少し高域が篭もった感じがしたが、同様に低域の量感は増して感じられる。持ち上げる方法よりは装着感がきつくなるので外出時に使えるくらい実用性は高いが、少し耳にテンションがかかるので長時間聴くのには向かないかも知れない。どちらにせよ、私は標準イヤーピースで普通に着けたら充分に聞こえたので、スイートスポットを無理して探す必要は無かったが。

 次にイヤーピースをコンプライTs-200T-200に替えるという方法がある。両方とも試したところ、個人的にはTs-200のほうが装着感が安定する気がする。これで劇的に低域が改善するという話も聞いた気がするが、正直私には劇的な効果は無く、ちょっと低域が厚ぼったくなったかなといった程度だった。むしろこれらのコンプライイヤーピースをしっかり耳に嵌めると、耳からイヤホンを取り出す時に、ステムからイヤーピースがひっこぬけて耳に残ることも多く、めんどくささを感じた。とはいえ、このイヤホンで低音不足を感じる人は試してみても良いかもしれない。

 ただ、私の意見としては、そもそも装着感が合わないものを無理して買う必要は無いわけで、試聴してみて装着感が悪かったり、音質が篭もっている感じがしたら、むしろ買わないか返品すべきである。いちいち「スイートスポットが~!」なんて無理して使うより、普通に装着できて普通に良い音が出る機種を使った方がいいに決まっている。YCやBCの販売員と話していても、MTWがうまく装着できなかったという意見は結構あって、MTWは音は良いかもしれないけど、装着感でダメというのは結構メジャーな意見だ。私も含めてMTWの音質を賞賛している人はたまたま装着感が合っていただけの少数派かも知れない。

 amazonのカスタマーレビューではこういう装着感の問題はあまり書かれないけれども、とくに完全ワイヤレスの場合は装着感が重要なので音質の高評価に踊らされず、店頭で良くテストすることをおすすめする。RHA TrueConnectのように膨大なイヤーピースが付属していたり、NUARL NT01AXのようなイヤホンであればイヤーフックを使って比較的万能に耳に合わせることも出来るので、装着感の問題は生じにくいと思うが、MTWに関しては装着感のチェックが一番大事だ。

 忘れられがちなことではあるが、イヤホンの音質に影響することが科学的に充分立証されているのは装着感の善し悪しである。音が篭もっているのはエイジングが足りないせいだなどと考えてはいけない。真っ先に疑うのは装着感が適切かどうかである。エイジングには今のところ科学的根拠はない。

 一応イヤホンを適切にフィットさせる方法についての記事を貼っておく。一般的には大きめのイヤーピースから試した方が良い。

www.ear-phone-review.com

 

 この機種の音質について、他機種との比較レビューもあります。併せてお楽しみくださいませ。

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

 

【2】外観・インターフェース・付属品「ヒアスルーはまあまあ。連続再生時間などは残念。付属アプリはイコライザーだけ面白いかな」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 

 操作インターフェースがタッチパネルで個人的にこれはやめてほしかった。あくまで個人的な話ではあるが、Jabra Elite Active 65tとかNUARL NT01AXを私がいいと思うのも、物理ボタン式で明確にプッシュしないと操作されないので、誤操作が少なく、思った通りの動作をさせやすいところ。しかし、MTWはちょっとイヤホンに触れただけで曲が中断するし、寝っ転がって手枕もできない。このイヤホンだけの問題ではないが、せっかくくつろいで浸れるような音質なのに台無しである。

 Jabraがすでに実現している完全ワイヤレス最高の利便性をいまだに他のメーカーは実現できていないが、MTWもその点残念である。まあJabra Elite Active 65t先生は、マルチポイント対応な点で、私のような複数のデジタルオーディオプレーヤー(DAP)を使い分けしている人間にはありがたすぎる神イヤホンである。多少音質が気に入らなくても利便性で圧倒的に優れている。

 

 充電ケースはコンパクトなほうで、比較的持ち運びやすい。イヤホンの取り出しもスムーズ。充電ケーブルがUSB Type-Cなのは地味に便利かも知れない。

 連続再生時間はイヤホン単体で公称4時間。ケース込みでも最大12時間。発売時期と価格を考えると、お世辞にもスペック標準を満たしているとは言えず、もう少しなんとかならなかったのかと文句を言いたいが、さらに片耳だけ異様に早くバッテリーがなくなる。聞き疲れしにくい音質なので、浸って曲を聴いていると、いつの間にか片耳出なくなっている。

 防水性能はIPX4。小雨程度なら問題ないという品質だが、水たまりに落としたり派手な水はねを被ると支障が出るかも知れないので、雨になったらしまったほうがよいレベル。どちらかといえば防汗目的と考えた方が良い。

 

ヒアスルーはまあまあ

 ヒアスルーに関してはあまり精度は高くない。といっても、私の使い方の話なので、これには些か説明を要する。私の場合、ヒアスルーを最も使っているのは、音楽を聴きながらテレビを見たりゲームをしたりという用途でである。あくまでこの使い方に限れば、MTWのヒアスルーは外部音声をあまりはっきり分離させない。Jabra Elite Active 65tと比べてみると明瞭だ。これはおそらくマイク品質の問題もあるだろうが、それ以上に音質的な特性の差もあって、Jabra系が比較的細くキレの良い音で分離感が良いので、外部の音声が入ってきてもそれを阻害せずに見通しよく聞こえるのに対し、MTWの音質は豊かなので、外部の声は同じレベルで聞こえてきたとしても、豊かな音楽に少し埋没しやすい。Jabra Elite Active 65tでヒアスルーをしている時よりはテレビやPCの音量をかなり上げるか、イヤホン側の音量をかなり下げないといけない。

 また私の場合、MTWのヒアスルーはかなり露骨に衣擦れ音を拾うので、シャッシャッとうるさい。Jabra Elite Active 65tは衣擦れ音をそれほど大きく拾わない。

 個人的にはヒアスルーに関しては少し使いづらく、片耳外した方が早い。外さなくても充分に使えるJabraとは雲泥の差である。あくまで私の場合だが、やや音楽の聞こえが強すぎるバランスなので、この機種はヒアスルー機のメインとしては使っておらず、手持ちのJabraの2機種かSONY IER-NW500Nをメインに使っている。

 

アプリはイコライザー専用みたいなもの

  アプリで設定できる項目は、ヒアスルーをON/OFFするとか、ヒアスルー時音楽止めるかとかのON/OFFというように、段階調整ではなく、どれもON/OFFばかりで、わざわざアプリにする意味ないじゃん的なものばかり。設定項目も多くない。「Jabra Sound+」とかいうどこぞの神ガジェットと違い、細かな設定は出来ない。イコライザーだけは細かに音質調整できるが、私はイマイチ直感的に使えていない。ただそもそも私はスマホにつないで使わないので、このアプリ自体ほぼ利用してないから、イコライザーについては単に慣れてないだけで過小評価かも知れない。

 

おすすめのイヤーピース

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【3】音質「ゆったりとした音場重視の豊かな音質」

 音質的には音場重視で地平線やや下付近にしっかり音を集めて厚みのある音楽空間を作りながら、残りの空間にゆったりと音を広げていく、雄大な表現力を感じさせる音響だ。プロ批評家がとくにこの音質を高く評価しているけど、それも理由のあるところで、イヤホン的というよりヘッドホン的ないしスピーカー的な音場感重視の鳴らし方だからだ。一方で音を近くで聴かせる大抵のイヤホンの音になれていると、場合によって篭もっている、もさもさしているとかって評価になりやすいかも知れない。音場が広いってことは聞き疲れしにくいってことでもある。

 よりイヤホンとして正統派的な音場感があり、躍動感のある音を奏でるNT01AXとかAVIOT TE-D01bとかと比べると、率直に言って静的で、つまらないところが多いのも事実で、スピード感はあまりよろしくなく、アタック感も少し物足りず、高域の透明感や残響感も足りない感じで発色が悪く思える場面が多く、エレクトロダンスミュージック的な最近の音楽には向かないところが多いが、一方で音場の広さを生かした雄大さのある表現が得意で、JAZZやバラード、R&B、クラシックなどはかなり楽しめる。ここらへんの詳細については具体的に曲を挙げて官能性のところで詳しく語ってみたいと思う。

 

[高音]:BAドライバー系の音や、最近流行のグラフェン系ドライバーの鮮明感を強調した音に比べると、この機種の高域はおそらくだいぶ発色が足りず、伸びてこないように感じられるのは事実だ。やや滞留する印象があるだろう。立体感よりは密度感に貢献するような鳴らし方で、音は太く表面はなめらかな感じの自然なつややかさがあって明るすぎないし、上にはだいぶマージンを残して聞かせるゆったりしたところのある音。エレクトロダンス系の曲ではスピード感や発色に劣る印象を受けやすい。上方向でも空間に溶け込む感じがあるので、高域にはっきりした感じを求める人には物足りなく思えそう(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:低域と高域を橋渡しする中域だが、このイヤホンの連携の仕方は高域が中域に近づいて、低域と中域がとくに親密といったバランス。中低域の厚みから音が高域に立ち上がるというより、広がっていくという形で伸びていく。音に演出感はあまりなくて、膨張感だけはそれなりに強調している感じで柔らかく、個々の音がなめらかに聞こえる。音質がクリアという表現を良く聞くが、私は他の人のレビューを読んでいると、このクリアという表現を理解するのが意外と難しくて、高域の透明感のある音をクリアと感じる人と、硬質な輪郭感の良さ(シャリ感)をクリアと感じたり、MTWのような音表面の滑らかさをクリアだと感じる人がいるようだ。一番最後のタイプの人にはかなり満足度が高いはず。

[低音]:重みのある芯の見えない厚い振動で100hz~60hzまで素直な減衰。50hz以下で少しおとなしく、30hzでも淡い振動。20hzはほぼ無音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:上方向にはゆとりがある。やや奥まった広い音場を感じさせる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはかなり膨張感と地熱感があり、ズボボンズボボンという音。ハイハットは粒は細かいが光沢感抑えめで少し暗い。アタック感は強くなく、疾走感はあまり感じない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:厚みのある中低域でふっくらした感じの声色で、透明感は抑えめで暗めでドライな印象を受けやすいところはある。音場がやや後退しているところがあるので、ボーカルはやや奥まって感じられるかも知れない。

 

【4】官能性「曲を選ぶ。得意な曲では雄大で豊かな音を奏でる」

水瀬いのり&久保ユリカ「動く、動く」

  最初に、個人的にこのイヤホンで聞くとイマイチってのから敢えて挙げていくと、たとえばこの曲。まず音の発色が悪く、個々の音にアタック感がなくて立ち上がりももっさりしているので、全体的に元気がなくて、この曲の快活な雰囲気が全くない。表現の方法として完全に間違っている鳴らし方に思う。

 なお、この曲については、SONY NW-ZX300NW-A55につないで聴くと輪郭感とコントラスト感が改善され、もっさり感は残るものの、メリハリ感がだいぶ改善されてよい感じに聴けた。この曲はドンシャリ傾向の音質に向く。

 


TVアニメ「 少女終末旅行 」オープニングテーマ「 動く、動く 」

 

OxT「UNION」

 個人的にダメダメな感じに思うこの曲その2。まず低域ドラムが膨張してボワンボワンゆったり聞かせるので、まったくスピード感がない。本来は明るさを加えて楽しい雰囲気を出すはずのピアノも色味を抑えて妙にJAZZっぽい色気を出していて、空気読めてないし、ギターがピアノに弱みでも握られているのか遠慮しすぎて、自己主張してこないのでロックな感じが全然無い。こんな調子で「侵略されてるぞ!」とか言われても危機感が湧くわけない。

 


SSSS.GRIDMANオープニング主題歌「UNION」

 

戸田恵子「コスモスに君と」

 一方で怖気が来るくらい、このイヤホンが感動的に聞かせてくれるのが、このアニソン史上に残る名曲。ゆったりとした雄大な空間表現とオーケストレーションの管弦の瑞々しい色合い、ポポンポポンと優しく調和的に響く低域、広い空間を感じさせ、高域に豊かに伸びていくボーカル。この曲に関しては完全ワイヤレスイヤホンの中で選ぶなら、誰もがTOP3に挙げるのは確定だと断言できるくらい、最高です。

 


戸田恵子 パーフェクト・ベスト

 

早見沙織「ブルーアワーに祈りを」

 このイヤホンが最高に思えてくる曲その2。この曲はTVアニメ「赤髪の白雪姫」第一期OP「やさしい希望」のカップリングで、あまり有名でない曲だと思うが、早見沙織屈指の神曲。地平線付近にたしかな密度のある暖かで濃厚な空間を作り、そこを足場にボーカルが弦楽と交わりながら思う存分伸びる美しい空間を、本当に完全ワイヤレスとは思えない豊かな表現で再現する。素晴らしくて感涙できる。

 


やさしい希望

 

高田梢枝「秘密基地」

 この曲も個人的にこのイヤホンで是非聞いて欲しい。中低域の濃厚さとムード感が最高で、誰もが「ああ、音が豊かってこういうことか」っていうのが聞いた途端にわかる。低域に重みがあるんだけど、膨張して暖かで耳障りさがこれっぽっちもなく、熱量を与えて、中域の豊かな情感を丁寧に下支えしているのと、弦楽がヒステリックにならず、穏やかに中域と色味を合わせる形で嫋やかに伸びてくるといった、調和性の高い安定感と豊穣さのある表現に嘆息するしかない。今のところ、完全ワイヤレスでここまで奏でるプレーヤーは数えるほどしかいないことは確かだ。

 


雨天決行

 

ヨルシカ「準透明少年」

 これまであんまりスピード感がないとか言ってきたんで、「じゃあロックは無理かなー」なんて思うかも知れないけど、それがそうでもないんだなー。この「準透明少年」なんて結構深掘りされたベースと粒感のあるドライなハイハット、膨張感のある熱いドラムスに結構なスピード感が乗って、温もり感のあるボーカル表現も耳当たりよくって気持ちよく聴ける。弱点としてはシャープネスとコントラスト感が足りない感じはあって、ややボヤっとした印象を受けるので締まりは悪いと感じる人はいるかも知れない。ライブハウスよりは野外フェスみたいな音の聞こえ方って言うと、少しイメージできるかな。ちょっとだけ音がふんわりして聞こえる感じ。

 


負け犬にアンコールはいらない

 

ALL THAT JAZZ「海の見える街」

 やっぱり一番の得意分野がJAZZってあたりは揺るがないと思う。まず膨張する音で地熱感も感じさせてムードをしっかり出す低域表現、ソリッドで刻みが良く、金属光沢だけ意外と感じられるシンバル、上に撥ねない透明感でどちらかというと下方向に濃厚なピアノ表現はJAZZを意識しているとしか言いようがなく、この曲を聴けば目の前で演奏しているかのような精彩のある演奏を思う存分楽しめる。

 


ジブリ・ジャズ

 

【5】総評「音質的には最高峰の一つだが、万能ではなく、むしろ好き嫌いは激しい。コスパは文句なく悪い」

 私の個人的な印象だと、AVIOT TE-D01bとかNUARL NT01AXなんか比較的なんでもいけますって感じで、オールラウンドに近い印象があるが、このMTWは結構好き嫌いが激しいところがあって、「これはすごくいい!」ってのと「おいおい、そりゃないだろ!」って落差が曲によって激しい。そういう意味では案外ピーキーとも言える。

 得意分野ははっきりしていて、アコースティックな音色の多い曲。デジタルな音の緻密で細かな音を表現するには足回りが悪いところがあって、いまいちついていけない。

 肝心のコスパだが、とてもじゃないけど3万円以上は高すぎる。たしかに音質は最高クラスというのは認められるけど、それは現状での話。それもあらゆるジャンルで素晴らしいパフォーマンスを発揮するわけではないし、スペック的には微妙で、装着感も人を選ぶので最高の音質は万人が味わえるわけでもないだろう。評論家大絶賛という割にはいろいろ物足りないところが多いのも事実で、仮に音質だけ見てもコストに見合うかは微妙なところで、よくよく店頭で試聴してから選ぶのが良い。ジャンルが合えば最高のイヤホンで間違いない。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51ks-pETweL._SL1200_.jpg

 

【6】このイヤホン向きの曲

鹿乃「それがあなたの幸せとしても acoustic cover」

 この曲の聴き応えは素晴らしい。ピアノの音色が豊かでボーカルも生気感に満ちてふっくらした甘味を存分に感じさせる。完全ワイヤレスイヤホンで他にこの曲をここまで聴き応えある表現で出せるのは数えるほどしかないんじゃないかな。音に深みがある。

 

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【特集】SENNHEISER MOMENTUM True Wireless と NUARL NT01AX を聞き比べる!どっちが本当に「豊かなサウンド」を奏でるのか?[完全ワイヤレス深掘り]

SENNHEISER MOMENTUM True WirelessNUARL NT01AX

 

 

 つい先日、「NUARL NT01AXはSENNHEISER MOMENTUM True Wireless(MTW)よりクラシック向きかもね」みたいなことを迂闊にも口走ってしまいました。個人的に、印象論で語るところはあるんで、また余計なこと言っちゃったなって感じなんですが、一度発言した以上フォローしておかなくちゃいけないよなってことで、今回聞き比べる特集記事を企画しました。ていうか、これ比べてみると面白いんじゃね?的な軽いノリです。まあどうせやるならクラシックだけでなく、いろいろ聴いてみようって趣旨で気楽に行こうと思います。しばしお付き合いください。

 本当はBGVP DMGの個別レビュー記事書き上げて、もはや愛着もないあの機種とおさらばしたいんですけど、DMGのレビューはそのひどい音質を詳しく説明するような感じになりそうで、どうしても尖る内容になるので、適当にお気に入り機種をヨイショするのが好きなお気軽派の私としては書くのは気が重いです。NICEHCK M6だって明確な問題点以外はだいぶ好意的にレビュー書いたつもりですけど、コメントで辛辣ですねって言われちゃいましたし。私は何度も言っていますが、特定機種を貶めようとかいう意図はありません。感想と知見を気軽に紹介するレビューブログを目指しており、辛口レビューとかいうのを目指しているわけではございません。このテーマに興が乗ったので優先しちゃいました。

 

MTWとNUARL NT01AXの紹介

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

  フルワイヤレスイヤホン史上最高の音質ともて囃されている、もはやお馴染みMTWです。発売日当日に在庫切れ(というか大手家電量販店やネット通販では予約段階で完売多数)という伝説を作った完全ワイヤレスイヤホンです。私もずっと使ってきて、こいつの音質の特徴はほとんどそらんじて言えるくらいになっており、「奥行きと広さのある広大な音場と地平線やや下くらいに集まる調和的で豊かな音響」っていうのが個性です。高域方向は空間を感じさせるためにわざとマージン取ってある感じで、発色がおとなしく感じられるという特徴もあって、そのため上方向へは音が伸びるというより、溶け込んでいく鳴り方をします。そのせいで中域の方がむしろ明るく豊かに感じられるくらいです。

 私の聴いているMTWの印象でサウンドイメージを映像化してみると、たとえばこんな感じ。

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 やや俯瞰した形で少し遠くから都市の風景を眺める、こういう奥行き感と見通しのよい音響で、ビルが立ち並ぶ様子が遠くまでおぼろげながら見渡せるように、音が地平線まで立ち上がっているのが空気感の中にわかるといった感じです。空がだいぶ見えているのもこうした俯瞰した見取りと同じで、高域付近にマージンが取られているので、音の立ち上がり感(画像的にはビルの高さ)が認識できるのです。ただどちらかといえば空の方に密度感がないので、発色は中域中心になるという感じです。

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NUARL NT01AX

NUARL NT01AX

  価格はMTWの半額くらいですが、かなり高音質で迫力のある音を奏でるのがこのNUARL NT01AXです。こちらも2019年1月現在結構な人気機種で、比較的品薄気味のようですが、さすがにMTWの伝説には敵いません。この機種の音の特徴は低域の厚みと量感のある迫力感と立ち上がる音が天空に伸び上がるような抜群の立体感にあり、音場の広さの表現の仕方がMTWとは少し異なります。

 NT01AXから受ける私のサウンドイメージをやはり同じように映像化するとこんな感じ。

f:id:kanbun:20190123194800j:plain

 下から高いビルを見上げる感じで、地面の広がりと音の高さが強調されて、奥行き感はMTWのように見晴らす感じとは異なり、吸い込んでくるような出し方で聞こえます。かなり上まで音が伸びていて、床面も厚く近くまで迫ってきていて、音がダイナミックな印象を受けます。

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 まあこの説明がわかりやすいかどうかは私にはよくわかりませんが、参考になれば幸いです。とにかく両者は立体感の表現の仕方に少し違いがあり、同じように音場表現に優れている機種ですが、その音から受けるサウンドイメージは大分異なるということです。どちらかというとNT01AXのほうがダイナミックでわかりやすく立体感を感じさせる傾向はありますが、少し圧迫感を感じるところはあります。それに比べるとMTWの音は一見NT01ほど迫力は感じないが、俯瞰して音を眺めることができる距離感があります。

 そしてこの記事では、そうした違いが音楽として受ける印象にどの程度差を生むのかというのを私がいろいろ聞き比べながら論じてみたいと思います。

 

【音質比較】

【音質比較①】池田綾子「時の旅人」

 この曲は池田綾子さんの最新アルバム「風を紡ぐ」の1曲です。初期のころはEDM色が強いような曲が多かったり、多彩で若々しい曲も多かったんですけど、「星降る森」を出したあたりから、だんだん声楽表現を素直に生かすオペラ的な曲を増やしてきていて、作風が定まってきた観があります。どちらかというとゆったりした空間表現を生かす傾向が強くなって、多彩さが減ったという意味では初期からするとおとなしい曲が多いですが、声楽的な声色の持ち味をより生かした曲作りが多くなって、声色を楽しみたいファンには最近の傾向の方が良いのかな。私はもはや池田綾子さんの歌は生活の一部で、初期から最新まで満遍なくプレイリストに放り込んでますが。

 で、この曲は重低感のある低域が地平線を強調する広い空間に声楽的ボーカルがダイナミックに展開する曲調になっています。高域の味わいは、初期の曲だと「三日月」に匹敵する聴き応えがあります。

 


風を紡ぐ

 

[MTW]: 音場がやや目線下に広く感じ、少し遠くからボーカルが響いてきます。いつもどおり上方向にだいぶマージンを取っているので、出だしはボーカルがやや寂しげに聞こえます。ちょっと透明感を強調している声色はサビでゆったりと上にのびていき、空間に溶け込むように聞こえます。全体的に地平付近に濃厚さがあり、その余韻がゆったりと空間を伝わって穏やかに抜けていく豊かな音場表現です。圧迫感はないので聞き疲れはしにくいです。

[NT01AX]:地平線付近に厚みがあり、左右、奥から力強く音が立ち上がります。ボーカルは地平線付近から自然な厚みのある声色でまっすぐ聞こえてきますが、サビに向かうにつれ徐々に上に、樹木が生育するように伸びていき、見上げるようなダイナミックな高さを感じさせます。音の迫力、高低感のダイナミックさ、躍動感では明らかにMTWに勝りますが、音は少し圧迫感が出やすいところがあり、聞き疲れはしやすいかも知れません。

 

【音質比較②】ムラヴィンスキー指揮、ショスタコーヴィチ「交響曲第8番」第一楽章 Symphony No. 8 in C Minor, Op. 65: I. Adagio

  クラシックも取り上げないわけにはいかないでしょう。私の大好きなムラヴィンスキー指揮の音源です。ムラヴィンスキーはこのショスタコーヴィチと個人的にも親交があって大好きだったらしく、私の持っている音源ほとんどショスタコーヴィチの曲なんですけど、私はクラシックとか素人なんで、誰?って感じです。で、例の如くウィキペディアによると、何でも、交響曲における「マーラー以後最大の作曲家の一人」だという評価を受けているそうです。私はにわかムラヴィンスキー好きでクラシック好きではないので、こんな適当な紹介になってしまって申し訳ございません。

 


Symphony No. 8

 

[MTW]:音場表現的には客席中程からオーケストラをやや下に見渡しながら聴いている感じです。各パートの音が少し下から立ち上がってきて、上の広い空間に吸い込まれていく鳴らし方です。音味は弦楽なんか芯のある空気を震わす音で、透明感もあって発色は良いですが、キラキラではないです。木管や金管は意外と締まっていて、やはり音の芯が見える鳴らし方に聞こえます。俯瞰した感じです。

[NT01AX]:私がNT01AXがMTWよりクラシックを楽しく聴かせてくれるって思うのは、たとえばこの曲だと低域弦楽の厚みがしっかり出て地平線を意識させ、そこからしっかり弦楽や木管が立ち上がってくるっていうこの曲の構成のダイナミックさをよく感じさせてくれるからです。MTWのほうがオケ構成はわかりやすく感じられるかも知れないんですけど、弦楽の高低感は明らかにNT01AXのほうがダイナミックに感じられて力強いです。下からすくっと天に向かう音がしっかりと感じられます。そして奥行き感の面でも木管が場の空気を吸い込んでくるような音を出してくるのがなかなかに中毒的です。とにかくこの曲の奥行き感と高低感のダイナミクスをよりよく表現してくれるのは、私にとってはNT01AXのほうで、MTWは面白味に欠けます。

 

【音質比較③】鮎川麻弥「風のノー・リプライ」

  TVアニメ「重戦機エルガイム」の後期OP主題歌です。80年代サウンドで、今の緻密な楽曲に比べると、だいぶスカスカした印象を受けやすいです。元々空間広めに感じられる曲なので、これを聞き比べたらどうなるか興味を持ったので選びました。この曲はボーカルにダイナミクスが出ないと楽しめないところもあるので、そこらへんがどう出るかなって興味もありました。

 


鮎川麻弥 パーフェクト・ベスト

 

[MTW]:この曲を聴いて気づいたのですが、MTW結構爽やかな音の出し方をします。ドラムはパリパリポポンと張りがよく、金管も芯がある鳴らし方でやや粒感が目立ち、グロウ感を出すチャイムの音も結構爽やかで意外と清涼感のある見通しの良い音響になっています。音が全体に低域付近に集まるところがあり、ややもさっとした感じはありますが、意外と面白い鳴らし方です。

[NT01AX]:密度感は高く、ドラムの重量感と膨張感のバランスが良く、締まりの良い音で聴かせます。ドラムの存在感は明らかにMTWより上です。ボーカルののびやかさも明らかにMTWに勝るので、密度感のある低域を超えて高空へ向かうボーカルの突き抜け感はNT01AXのほうが力強く妙味があります。やや圧迫感があることは事実ですが、音圧的なメリハリと肯定的に捉えられるでしょう。

 

【総評】決してMTWは音質抜群というわけではない

 以前も述べましたが、MTWは決して既存のフルワイヤレスを全て過去にするような圧倒的高音質の機種ではありません。むしろその特徴的な俯瞰して音楽を感じられる音場表現にその独自性が求められるべきです。見通しよく音楽を聴けるという意味では解像度感に優れていることは確かですが、その音にはNT01AXのようなダイナミックさはあまりなく、そういう躍動的なメリハリ感はありません。どちらかといえば静的で、安定した調和的な雰囲気で音楽を聴けるのがMTWの美点です。

 で、結局どっちが「豊か」なのかという議論に戻りますが、はっきり言って両者の音の世界観は違いすぎて同じ土俵で「豊かさ」を語るのはナンセンスです。音のダイナミックさを豊かと思うならNT01AXを、見通しの良い俯瞰した解像度感を豊かと思うなら、MTWを選びましょう。

 私自身もまだまだMTWの魅力は勉強中で、わかりやすくまとめられたかはわかりませんが、参考になれば幸いです。

 

 

 

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【特集】SENNHEISER MOMENTUM True Wirelessの音質を解剖する。音質面で置き換え可能な機種はあるのか?B&O E8、Master & Dynamic MW07と聞き比べる![完全ワイヤレス深掘り]

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

 昨年12月20日に発売されたSENNHEISER MOMENTUM True Wireless(MTW)ですが、このとき販売された初期ロット品のあとは入荷が安定しておらず、通販サイトや量販店でも1月下旬から2月以降に入荷予定と実質的な在庫なし状態が続いております。手に入れたくても入手手段がない、そんな状況ですから、じゃあなるべくMTWに似た機種でもいいから手に入らないかと考える方がいらっしゃるかもしれません。代替機種で満足できないかという話です。

 私のブログでは以前、欧米の専門家によるMTWの代替製品を紹介する記事を掲載しましたが、今回は私自身が音質的に、MTWとほぼ同等か匹敵すると評価する2機種を取り上げて、実際どこまで代替可能なのか、違いはどの程度あるのかということについて紹介いたします。そして比較によってMTWの音質の魅力をより綿密に明らかにして、皆様のお役に立てたいと思っています。もちろんMTWの個別レビューの前に私自身がその音質をよりよく理解しておきたいという目的もあります。

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MTWに音質的に(価格的にも)匹敵する2機種

B&O E8

BeoPlay E8

Bang & Olufsen 完全ワイヤレスイヤホン Beoplay E8 NFMI AAC対応 リモコン・マイク付き 通話可能 ブラック(Black) 高級オーディオブランド 【国内正規品/保証期間2年】

  MTWの代替案として最も使い勝手が近い製品として挙げられるのが、このBang & Olfsen E8です。Bang & Olufsenはデンマークの高級ラグジュアリーオーディオメーカーで、SENNHEISERとはこの分野で競合関係にあり、SENNHEISERがMTWを設計した際におそらく最も参考にし、競争相手として意識していたのがこのE8ではないかという話はまことしやかに語られています。ラグジュアリーな高級感のあるケースや本体のデザインはMTWと共通性が多く、音質的にも音場の広さを重視している点が共通しています。

 あくまで私個人の印象ですが、このイヤホンには高級スピーカーを部屋で味わうような音質を目指しているコンセプトの音質設計を感じ、MTWも同様に音場を重視した印象を受けるので、音質的には両者ともに高級オーディオ好きな年配の購買層に好まれそうな雰囲気がある点は共通しています。

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Master&Dynamic MW07

Master & Dynamic MW07

Master & Dynamic(マスター&ダイナミック) 完全ワイヤレスイヤホン MW07 Bluetooth4.2 NFMI接続 IPX4 防滴仕様 AAC, Apt-X対応 連続再生約3.5時間 最大14時間再生 優れた装着感 アセテート素材 ステンレス製充電ケース メーカー保証2年 トータスシェル 【国内正規品】

 アメリカのラグジュアリーオーディオブランド、Master & DynamicのMW07はMTWが登場するまでは、多くの批評家にとって完全ワイヤレスの音質評価でNo.1を飾るにふさわしい機種とされていました。どちらかといえばラグジュアリー性を重視した製品のため、使い勝手に対するコスパの悪さが欠点ですが、音質面でMTWに匹敵する機種の筆頭として挙げられることが多いのは事実です。

 ただし、B&O E8と比べると、同じ高級感を出すという目標は同じでもMTWとはラグジュアリーデザインの方向性が異なり、そのまま置き換えたようなデザインとは言い難いです。このデザインをかっこいいと思う人がいる一方、無駄に重い充電ケースと独特のイヤホンプレートのデザインに、成金っぽい派手好みを感じる人もいるかもしれません。

 

 今回私はそれぞれのイヤホンについて、3曲ずつ選んで詳しく比較しました。採用した曲は完全に私の趣味です。

 

【音質比較】MTW vs B&O E8

渕上舞「グラヴィティ」

 個人的な意見を言えば、MTWはあまりテクノ系やエレクトロダンス系の音が得意でないように思います。率直に言って高域の発色はあまりよくありませんし、音が膨張するところがあるので見通しはそれほどよくなく、緻密感に欠けます。高域の表現の傾向もエレクトロ系の精彩を強める透明感よりは、アナログな金属光沢のある材質感を表現する方が得意なようですし、音の滑らかさもそれほどつややかではありません。しかしこうした音質特性はE8にも見られるところがあります。

[MTW]:低域ドラムの量感はよく、柔らかい弾みで下から調和的な音場を作り出します。金属表現の光沢感はリアルさを感じさせるほどに精彩が乗っています。ボーカルはやや遠めに聞こえて楽器音に包まれて一体感があり、ふっくらとした厚みのある温和な声色です。

[E8]:低域ドラムの調和的な雰囲気はMTWに似ています。しかし表面の弾力感が異なり、ドラム表面の衝撃力が強めに感じられ、MTWよりはメリハリ感があって、やや攻撃的に感じられるかも知れません。ボーカルはMTWに比べて近いです。金属光沢はMTWよりもさらに強調されており、エッジが強い、尖りのあるリズム感で聴かせます。MTWより各楽器の自己主張が強く、楽しいところはありますが、聞き疲れはしやすいです。

 


~TRΛNSMISSION~【通常盤】(CD)

 

ずっと真夜中でいいのに。「脳裏上のクラッカー」

  私の個人的な分析では、この曲にはドラムスを中心にしたロック成分とピアノを中心にしたJAZZ成分が混じり合っており、大抵のイヤホンではどちらかが強調されて表現されます。そのため意外とイヤホンによって印象が変わる曲です。

[MTW]:低域の厚みがしっかり出て、重厚感では明らかにE8より勝ります。ボーカルがやや奥まり、それを包む楽器音も全体的に色味が抑えられいて、世界観的に暗いところは感じられます。個々の音は空間への膨張感があり、スカスカしたところなく空間を埋めるので充実感はあります。どちらかというとJAZZ成分の高い濃厚味を前面に出した表現になっていると言えます。

[E8]:音のエッジ感と張りはMTWよりよい印象で、全体的にMTWよりは元気な印象です。MTWのふっくらしたボーカル表現に比べると、ボーカルの息感を強調してシャープに聴かせようという傾向はあり、音量によっては刺さり気味に聞こえるかも知れません。低域ドラムは表面の輪郭感が強く、硬質なリズムを作るうえ、シンバルの金属光沢も尖った明るみの強い色彩で鳴らすので、攻撃的に聞こえます。この攻撃的なシンバルは自分から周りの音に絡みにいくような喧嘩腰なところがあって、とくにシャープなボーカルとは時々混濁して一緒に刺さってくるように聞こえやすいです。こうした攻撃性はこの曲の中に秘められた味わいでもあるので、剥き出しにして楽しませてくれるという意味ではポジティブに評価もできます。E8を聴いたあとには、MTWが良いにせよ悪いにせよ、曲の攻撃性を減じて調和性を押し出す傾向があることを悟ります。

 


正しい偽りからの起床(通常盤)

 

花澤香菜「ざらざら」

 私の評価では、こういうウォームで厚みのあるような曲はMTWの得意とする分野です。穏やかで厚みのあるピアノ、ヒステリックさのない色味を抑えた情緒安定感のある弦楽表現なんかMTW向きです。

[MTW]:全体的に音に優しい膨張感があって、耳当たりがよく、期待通りの調和的な音楽空間を作ってくれます。ただしボーカルはふっくらしていますが、透明感には欠けているので、場合によっては暗く感じるかも知れません。ドラムは温かみのある音で、弦楽も穏やかにたゆたう音色で温度感に貢献しています。全体的に濃厚な調和性を感じさせるウォームなリラックス空間を作り出しています。

[E8]:弦楽の発色が明らかにMTWより明るく、ドラムの爆発力も強めで、リズムや曲の色合いはMTWより元気で快活です。ボーカルはかなり息遣いが強調されて刺さりやすいところは出てきますが、メリハリ感が増してスリムに聞こえてくるところはあり、MTWではあまり感じられない爽快味があります。シャキシャキとした歯ごたえとすっきり感のある爽やかな後味が感じられるようになっており、見通しはMTWよりよいです。

 


ざらざら

 

【結論】MTWは情緒安定感が高いが、面白味がないところもある

 MTWとE8を比べると、E8のほうが場合によって曲の攻撃性を素直に表現しようとする傾向があり、情緒安定感に欠けるように感じられます。そうするとMTWのほうが聴き心地が良いように思うかも知れませんが、裏を返せば、MTWの音には面白味のない味のはっきりしないところもあって、老成しすぎている印象を与える音の鳴らし方をする癖があることも事実です。MTWには音のエッジの面取りを熱心にするようなところがあって、それが音の濃厚さにつながっているわけですが、悪くすると音の個性やメリハリ感を失わせてしまうところがあります。

 

まとめ
  1. 音場の広さは拮抗
  2. 音の調和性はMTWが優れる
  3. 音の厚みはMTWが優れる
  4. 音のエッジ感はE8が優れる
  5. 音の発色はE8が優れる

 

【音質比較】MTW vs M&D MW07

TVアニメ「やがて君になる」ED「hectopascal」

 E8との比較での課題曲、渕上舞「グラヴィティ」でも述べましたが、私はMTWのエレクトロダンス系の曲の表現力を高く評価していません。発色の悪さと緻密感の出なさ具合は致命的とさえ思っています。

[MTW]:落ち着いた発色で音のシャープ感を抑えつつ、厚みを出して重厚感を感じさせます。元来明るめの色調を感じさせる曲なので、MTWの発色の悪い表現の仕方でも、だいぶ明るく聞こえて暗い印象は受けません。この曲の表現は、低域付近にリズムを集めつつ、中高域に緻密な音をばらまくような、音に役割分担がはっきりした、分離感のある曲調なので、MTWの近くの音をまぜこぜにしてしまう悪い癖は目立ちません。むしろ厚みのあるリズムと細かな煌めき感を与える演出音の緻密さをMTWはよく拾っており、その2つが両立されてしかも一体感がある感じで聞こえます。ボーカルは空間を埋めるようにふっくらして温もりと充実感のある声色で、聴き心地が良いです。

[MW07]:MTWに比べて音は全体的に近く、音場の印象は狭いです。高低感の表現の傾向としてはMTWに似て厚みのある低域を存分に生かそうとする感じですが、輪郭感はよりはっきり、色味も明るく、なめらかささえMTWに勝ります。全体的に音が近いせいか、背景音の緻密さや奥行き感を味わう前に、ボーカルと低域が前面に出てきてそれらを覆い隠してしまう見通しの悪さがあり、圧迫感を感じさせるところはあります。全体的な印象としてはMTWより若々しく、元気で楽しいです。

 


TVアニメ「 やがて君になる 」エンディングテーマ「 hectopascal 」

 

Choucho「優しさの理由」

  繰り返しになりますが、MTWはお世辞にも発色が良いとは言えないし、音のエッジのシャープ感はわざと削ぎ落としているかのような傾向がありますから、この曲のような元気で明るいスピード感のあるロックサウンドには向かないと思っています。

[MTW]:ピアノと弦楽の発色は抑えめで、相対的にボーカルが浮き上がってよく聞こえます。全体的に音の色味が抑えられた中で、シンバルの金属光沢のシャリ味だけはやたらと精彩よく聞こえるので、シンバルの奏でる金物のリズム感がMW07より目立つ感じで、明るく元気なロックというよりは少し大人びた、JAZZっぽい印象を受けるところもあります。ボーカルの声色も明るさは抑えめ、声質は少しドライに聞こえてハスキーな感じもあり、単純に楽しく聴かせる感じではありません。

[MW07]:ピアノに充分な厚みがあり発色も良く、弦楽も同様に厚みと光沢感に優れています。ドラムも膨張感と地熱感が出ていて、優しく暖かで調和的な雰囲気で心地よいです。ボーカルだけは少し楽器音に埋もれて聞こえるところがあり、人によっては息苦しく感じるかも知れませんが、声色は明るくも太さが一定程度あって力強いです。快活なガールズロック色を思う存分表現する秀逸と言って良い聴かせ方です。

 


優しさの理由

 

 ヨルシカ「冬眠」

  重厚感のあるロック曲で、少し暗い世界観の曲でもあり、厚みのある表現が生きる曲でもあります。そういう意味ではMTWとMW07双方が得意とする傾向の曲です。

[MTW]:予想通り重厚さを前面に出したような鳴らし方をします。厚みのある暗い音の中で、シンバルだけは元気よく粒感もしっかりした明るい色彩を持っており、浮き上がります。元々発色は暗めの曲ですが、MTWで聴くと、なおさら暗く聞こえるところがあります。厚ぼったい低域が支配的になって黒みを出し、背景の暗さはより強いです。その分濃厚で大人びた印象はあって、ボーカルもかなり下の方に厚みのある重厚な声色に聞こえます。

[MW07]:音の輪郭感と張りは明らかにMTWより一枚上手です。そのためメリハリ感のあるロックらしい感じが出ており、MTWはなんだかぼんやりして暗かったのと異なり、リズム音が快活で元気な印象を与えてくれます。とくにドラムの肉感は明らかにMTWより上で、弾力も強く、下から音を上方向に反発させて明るい力強さのある躍動感を音場に加えています。一方でシンバルは相対的におとなしい印象で軽めに聞こえます。この曲本来のロック色を出して、楽しく聴かせてくれます。

 


負け犬にアンコールはいらない(通常版)

 

【結論】MTWの音はじじくさく思えることもある

 MTWとMW07を比べると、ゆったりした音場を確保してから音を鳴らしていくようなMTWと、個々の音の発色を優先して音場を狭くしても詰め込もうとするMW07の、発想の違いが鮮明になります。明らかに若く、楽しい音を奏でるのはMW07で、高低バランスはMTWと変わらない印象を受けますが、音の輪郭感や発色に優れて、とくにロックやエレクトロ系の曲に強みを感じます。しかし音場は狭くて窮屈なところがあるのは事実で、それに比べると、MTWはリラックスして聴かせる音の鳴らし方をするので、聞き疲れしにくくはあります。

 

まとめ
  1. 音場の広さはMTWが優れる
  2. 音の調和性はMTWが優れる
  3. 音の厚みは拮抗
  4. 音のエッジ感はMW07が優れる
  5. 音の発色はMW07が優れる

 

【総評】3万円超えの高級完全ワイヤレスイヤホンはコスパが悪い

 で、聞き比べて真っ先に感じたことを言えと言われれば、一言目に出るのは「どれもコスパ悪すぎ」、これに尽きます。たしかに2万円クラスの完全ワイヤレスに比べて相対的に音は良いとは言えますし、プロレビュアーはその点、この音質を認めなければならず、むしろプロレビュアーほど魅了され、この音質に賞賛を送るのはわかります。しかし、これらの高級機種は使い勝手においては、格下機種に劣るところも多いですし、価格差以上の音質差があるとも思えません。むしろ音質を求めるなら、高性能化している1万円台のワイヤレスオーディオレシーバーに2万円クラスのイヤホンをつないで聴いた方がよほど満足できます。個人的な感想としては、現状で完全ワイヤレスイヤホンに3万円以上出すのは得策ではありません。

 とはいえ、それでは身も蓋もないので、この記事のまとめらしいことを書くと、MTWはプロレビュアーが言うほど音質的にずば抜けているわけでもなく、人によってはMW07やE8のほうがより面白く、気持ちよく音楽を聴けることも多いだろうということです。そしてそれはおそらくロックやエレクトロダンスミュージックを聴くような年齢の若い人ほどそう感じることが多いでしょう。MTWの音はJAZZやクラシックには向くかも知れませんが、少し老成しすぎて面白味のないところもあり、また装着感も人によってはすっきりいかないことが多いようなので、買う前にはよくよく冷静になって選んだ方が良いです。MTWはプロレビュアーが絶賛するくらいの音質があることは事実ですが、それは決して万人向きではないということです。

 MTWの代替機としてE8とMW07はどうかというこの記事のもう一つの主題については、これらはMTWではないし、MTWと完全に代替可能ではありません。どちらかといえば、音質傾向がより似ているE8のほうが使い勝手さえも似ているので、代替機としてふさわしいように思えますが、MTWが本当に好きなら妥協せずにMTW一筋で行くのが良いでしょう。MW07は音質傾向で似ているのは高低バランスくらいで、ほとんど別物ですから代替機とはなり得ません。MW07に関しては曲の得意ジャンルがMTWとそもそも異なるので、購買層も厳密には被らないんじゃないかと思います。

 

 

 

 

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【コラム】SENNHEISER MOMENTUM True Wirelessが買えなかったあなたに海外批評家がおすすめする代替案はこれだ!

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

 

 発売当日に品切れという怒濤の展開を見せてくれたSENNHEISER MOMENTUM True Wireless。手に入れようと思ったけど売り切れてて買えなかったという人も、興味があるけど高くてとてもじゃないけど買えないという人もいると思います。海外レビュアーはそんなあなたのために代替案を用意してくれています。この記事はそんな海外レビュアーの代替案をまとめサイト風に集めました。

 参考にどうぞ。

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Scott Scrivens(Android Police)

「299.95ドルも支払いたくなかったら、音は劣るけどJabra Elite Active 65tが安価でバッテリー寿命が長いよ」

 

Ryan Waniata(DIGITAL TRENDS)

「このクラスになると代替案はそんなに多くないから心配しなくていいよ。AirPodsは良い選択肢だね。あとはJabra Elite Active 65tは見逃しちゃダメね」

 

Adam Clark Estes(GIZMODO)

「この機種の代替品?現ナマと引き換えに最高のサウンドが買えるのに何言っちゃってんの?……まあ、音質だけならMaster & Dynamic MW07がいいとこいってるかな」

 

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Henry St Leger(techrader)

「いやぁ我々の期待を超えた出来だよ?でもまぁはるかに安くていいのはあるんだけどね……」


Napier Lopez(thenextweb)

「300ドル出せるなら、これがいいに決まってるじゃない。まあ、Master & Dynamic MW07は音もフィット感も機能的にも劣るけど、いいんじゃない?」


DAVID CARNOY(CNET)

「サウンドではとてもかなわないけど、Jabra Elite Active 65tは機能面では全部同等かそれ以上。それで値段は半額以下なんだぜ?知ってた?」

 

AJ POWELL(gearpatrol)

「価格と音質で匹敵するのはB&O E8。あとはNuforce BE Free 8もおすすめかな。AirPods? Jabra Elite Active 65t? そいつら音質ダメじゃん。俺はMOMENTUM True Wirelessを手に入れてから、愛用してたBowers & Wilkins P5を卒業しちゃったよ。HAHAHA!」

 

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Carroll Moore(MAJORHiFi)

「同等の低音を楽しみたいなら、RHA TrueConnectがいいよ」


Andreas Seeger(Connect)

「うーん、安上がりで済ませたいならSENNHEISER CX7.00BTかな」


Hannes A. Czerulla(heise online)

「ライバルはJabra Elite Active 65tBOSE SoundSport FreeSamsung Galaxy Gear IconX

 

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WHAT HI-FI?

「半値で買えるSONY WF-1000Xと比べちゃうと星5はあげられないよ」

 


Kevin Hofer(digitec.ch)

AirPodsBOSE SoundSport Freeより100ユーロも高いことを忘れちゃダメだよ」

 
 
STEIN JARLE OLSEN(tek.no)

「音は良いけど、コスパは悪い。代替としては音は悪いけど廉価なAirPods、使い勝手がクリソツで音がよりシャープなB&O E8、音は全然違うけど通話品質の優れたJabra Elite Active 65tをおすすめする」

 

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【総評】

 ざっと無作為に検索して拾い上げていったんですが、代替案としては使い勝手の面でAirpodsやJabra Elite Active 65tを推す声は比較的多く、ほかに音質や機能が似てるB&O E8が多いですかね。B&O E8については、私もMTWの先出し音質レビューで似ているという感想を述べました。私の実感からも、代替機種としては一番使い勝手と音質が近いですね。各レビューとも基本的にMOMENTUM True Wirelessの音質がダントツという評価は動かないようで、声を合わせて褒めちぎっています。

 完全ワイヤレスイヤホンの真打ちが出てきたという熱狂が各レビューの文面にも表れていて、賑やかで少しかしましい。今後はユーザーレビューが蓄積され始めると思いますが、果たして批評家評と比べてどういう声が上がってくるんでしょうか?楽しみです。

 

 私自身が音質比較をして代替機種について論じたレビューがあります。併せてお楽しみくださいませ。

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【特集】SENNHEISER MOMENTUM True Wireless の機能性レビュー[完全ワイヤレス深掘り]

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

ゼンハイザー Bluetooth 完全ワイヤレスイヤフォン MOMENTUM True Wireless 【国内正規品】

 

 

個別レビュー

この記事は、個別レビューの前の、使ってみてのとりあえずのレビューになります。使い込んだ後の個別レビュー記事が以下にあります。ただし内容的にはこちらの記事が掘り下げているところもあります。

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ついに解禁!日本では発売日当日にしてすでに入手困難

 全世界のオーディオファンサイトでここ数ヶ月ずっと話題沸騰していたSENNHEISER MOMENTUM True Wirelessが発売されました。発売日当日、いつもお世話になっている家電量販店YCとBCで店員さんに売れ行きについて確認しましたが、すでに初期ロット分は全店在庫なし、次回入荷は年明けという状況です。amazonも在庫切れの模様。SENNHEISERウハウハだろうな。

 

 とりあえず予約分で入手することができましたので、私も海外レビューやオーディオコミュニティの情報を吸収しつつ、使い込んでみて、個別レビュー記事はおいおい用意するとして、まずは比較的わかりやすい機能面の特徴をファーストインプレッション的に今回レビューいたします。音質については正規販売前の試聴機でのファーストインプレッションをすでにお届けいたしました

 

 その前に軽くこの製品の紹介として、イベント発表で試した方々に、商品の使用感についてSENNHEISERがインタビューしたPR動画を張り付けます。

 

 この機種の音質面での詳しい比較レビューを書いております。併せてお楽しみくださいませ。

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【1】装着感/操作性/防水性能

 Cnetのレビューページ行くと言ってますけど、大きさはJabra Elite Active 65tより若干大きいんですが、装着感的には私の耳にはElite Active 65tよりしっかり嵌まります。イヤーピース周りのデザインの差かな。

 ただ装着性ですが、商品を手に入れてからいろいろ試してたら、嵌まりは良いんですけど、イヤーピースよく選ばないとしっかりは嵌まらないらしくて、いい感じに嵌まっているように思えても低域が出てないことがあるみたいです。私は最初、低域言うほど出ていないなって印象だったんですけど、ぐりぐり動かしてたら重低感の良い音が出てビックリしたので、初期に印象が悪かったらまだ充分なフィットに達していない可能性があります。ここらへんは私もまだ研究中。コンプライのイヤーチップComply Ts-200が合うらしいので、重低感が足りない人はそちらを試してみると良いかもしれません。私も一応注文しました。

 操作インターフェースはタッチパネル。はっきり言ってタッチパネルはまだどの機種も感度安定しないので、率直に言って使いづらいです。押下感のあるアナログスイッチのほうが断然好み。いろいろ事情はあるんでしょうけどね。あとタッチパネルのほうがバッテリー効率悪いんじゃないの?って思います。

 スペック上はIPX4であまり防水性能は優れません。生活防水レベルなので、まあ雨が降ったら仕舞いましょう。上から来る雨粒は問題ありませんが、車からのひどい水はねを食らったり、水たまりに落としちゃったら壊れる可能性があるのがIPX4。水はね被害は泣き寝入りになりやすいとか。頻繁にあることではありませんが、気をつけましょう。完全ワイヤレスイヤホンって、ハプニングで落としちゃったりすることもあるから、防水性能には結構気を遣った方が良いかもしれないと私は思います。

 あ、落とすの私だけ?くしゃみしても飛んでくときあるからね、私の場合。でも中華製の安い機種も含めて今まで完全ワイヤレスイヤホンを破損したり紛失したことはありません。かなり丁寧に使っている方だと思います。

 とにかくお値段考えると、防水性能はもうちょっと頑張った方が良かったんじゃないかな。ここらへんSONY WF-1000Xと同じ轍を踏んでる気がしないでもありません。

 

【2】遮音性/音漏れ/マイク品質

 ヒアスルー機能を搭載してます。私は最初勘違いしてたんですが、アクティブノイズキャンセリングは搭載しておりません。パッシブノイズキャンセリングなので遮音性はあんまり優れた性能ではないという評が多いです。私の感覚でも遮音性優秀って感じじゃないです。まあ私の場合Jabra Elite Active 65tBOSE QC35Ⅱとかと比べてとか言い出すんで、参考になりませんな。

 マイク品質は圧倒的支持を集めているJabra品質には全然劣ると思いますね。マイクとか私は使わないんで、あんま試してないですけど。

 

【3】通信安定性

 通信安定性に関してはJabra Elite Active 65tの高い評価に比べると、各所の評価は控えめです。決して悪くはないが、環境によって細かな途絶が見られ、ペアリングもまれに混乱するとのこと。しかしながら、私の環境では今のところ、遅延・途絶はなく、安定しています。まだちょっと近所をぶらついたくらいですけどね。

 対応コーデック

 

対応コーデック
  • aptX LL
  • aptX
  • AAC
  • SBC

 個人的にはaptX HDに対応して欲しかったですね。来年あたりには反撃を画策しているSONYがLDAC対応機とか出してきそうではあります(当てずっぽう)。完全ワイヤレスで高品質コーデックがなかなか搭載されないのはバッテリー消費の大きさが一番の問題だと聞きますが、バッテリー効率も年々かなりのスピードで改善されつつあるので、aptX HD搭載機の登場も遠い未来ではないかも知れません。

 関連する話題として、私が使用してみた感じ、この機種のバッテリー切れ結構早い気がするのですが、コーデックのバッテリー効率の問題もあるかもしれません。そして個人的な意見を重ねれば、最近のSBCの音質はすでにaptXに遜色ない気がします。環境による通信状況の違いもあって、aptX LLみたいなコーデックを利用した方が良い場合もあるでしょうが、本機種のようにバッテリー効率があまりよろしくない機種は、日常使用の場面では無理してaptXでつながなくてよいかも。

 コーデックの音質差については、私がよく参考にする藤本健さんの以下の記事が詳細でためになります。いつも良質な記事を提供してくださる藤本さんに感謝を。

av.watch.impress.co.jp

 

【4】連続再生時間/バッテリー

 ライバルと比べると、後発にしては短め。イヤホンの連続再生時間は公称4時間、ケース込みで最大12時間という数値で、3万円を越える価格帯では、あまりよいスペックとは言えません。とはいえ、私の経験上、通勤通学や休憩時間に使うというような一般的な日常使用のスタイルであれば、イヤホンで3時間、ケース込みで10時間程度連続再生できれば困る場面はまず無いと思います。使ってみている感じ、3時間は充分再生出来たので、スペックは4時間というのは妥当そう。

 バッテリーの減りに左右差があるようです。自分は最初この機種をアクティブノイズキャンセリング搭載となぜか思い込んでいて、片方の減りが早いのはそのせいかと思ってましたが、アクティブノイキャンは搭載してませんでした。

 

最大再生時間と連続再生時間
 

【5】専用アプリ「Sennheiser Smart Control」

  アプリにつなぐとチュートリアル始まります。ここらへんはBOSEと同じ感じで、ユーザーとしては説明書読まずに気軽に始められるから良いかも。

 イコライザーに関しては、個人的にはちょっとまだ使い慣れない。基本DAP接続で使うんで慣れるまで使う気もないけど、丸カーソルを動かして表示される「アンビエントウェーブ」を調整するタイプ。慣れれば直感的に調節できるんだろうけど、個人的には「Jabra Sound+」のスライダータイプの方が好きかな。

 あとはアプリからイヤホンのコントロールに関する細かな機能を調節できます。たとえば片方のイヤホンを耳から外したら音楽をストップする「Smart Pause」をON/OFFするとか、ここらへんは後発らしくカスタマイズ性の高さをアピールしている印象です。アプリのデザインはJabraに比べるとそんなに直感的な感じじゃない気がしますけど、JabraとBOSEのいいとこ取りをしてきているところはあります。

SENNHEISER Smart Control

 

【6】機能面での総評

 Cnetさんはこう言ってます。「音は良いけど、機能はまだまだかな(タッチコントロールとか万人受けしないよ)。Jabra Elite Active 65tのほうが音質に目を瞑れば、安くて使い勝手もろもろいいよ。この強気価格は結構ボッてきたね。まあ、完全ワイヤレスでこれ以上の音はなかなかないから、金に糸目つけないならいいんじゃない」(超訳)

 私としては、Jabra Elite Active 65tより機能面で劣ることには文句なく賛成ですが、音質も言うほどいいだろうかってところもあります。SENNHEISER製品を結構愛用していてこのブランドに比較的好意的な私でも、コスパ的には厳しいかなぁって思います。音はBASS(低域)の評価が各所で異様に高いんですが、BOSE Soundsport Freeと比べると、そうでも?と思いますが、ここは音質に関する感性の個人差もあるんでわかりません。音質面でプライスレスなところを感じたら魅力は無限大でしょう。というわけで、音質の方にやや脱線しましたが、あくまで本筋の「機能面の総評」としては機能は充実しているが、使い勝手の良さにつながっているかは微妙といった感じ。

 まあそこらへんの完全ワイヤレスモデルより機能面で使いやすいことは確かなんで、悪い機種でないことは確かです。

 

【7】代替機種について

 海外の批評家がおすすめする代替機種については以下の記事にまとめました。

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SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

 

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【特集】その調和的な音質はまさにSENNHEISER精神を受け継ぐ! MOMENTUM True Wireless プレレビュー!Jabra Elite Active 65t & BOSE Soundsport Free と徹底比較!その音質を味見する。[完全ワイヤレス深掘り]

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

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ゼンハイザー Bluetooth 完全ワイヤレスイヤフォン MOMENTUM True Wireless 【国内正規品】

 

 全世界の完全ワイヤレスイヤホンユーザーが待ちに待ったSENNHEISER MOMENTUM TRue Wireless。12/20に発売が予定されていますが、一足早くその音質をテストすることができたので、皆様にお届けします。

 比較対象として用意したのはライバル機となるであろう、Jabra Elite Active 65tBOSE Soundsport FreeSONY?私の眼中にないね。この2つの人気機種と詳しく音質を比較していきます。ちなみに、テスト機は販売品とほとんど変わらないとは思いますが、使い勝手などを加味した詳細なレビューは正規販売品を入手後にご報告する予定です。本日の記事ではあくまで音質面にフォーカスします。

 

 発売後、SENNHEISER MOMENTUM True Wirelessの機能性についてのファーストインプレッション記事を書きました。 併せてお楽しみください。

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 また入手後の音質比較レビューについては以下の記事をお楽しみください。

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【音質傾向】

 私がこの機種の音を聞いた当初の印象は、「SENNHEISERにしては硬い音だな」というものでした。BOSE Soundsport Freeの音がだいぶBOSEらしからぬ滑らかで柔らかな調和的な風貌を持っていたので、それと比べてファーストインプレッションは硬く思えました。ただいろいろ曲を聴いていくうちにSENNHEISERらしい調和性を発揮してくれる場面も見えてきて、さすがと思わせてくれました。正規販売品入手後に音質については改めて詳細に楽しんでから報告しますが、ファーストインプレッションとしては以下のようにまとめておきます。

 

[高音]:シャープで少し尖る。透明感少なめ(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ギターの色は抑えめでどちらかというと黒い。光沢感抑えめ。ピアノはつややかで丸い。

[低音]:全体的に重厚。深掘り感そこそこ(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音場やや広め(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ハイハットはシャープで尖る。シャリ気味だが痛くはない。ドラムは少し膨張感があり、わずかに地熱を感じる。表面は少し硬いが、肉には柔らかみを感じる音。バシンバシン(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:やや太く、丸みのある耳当たりの良い声色。

 

【官能性】

 数曲チョイスしてJabra Elite Active 65t および BOSE SoundSport Freeと聞き比べ、比較しました。

 

Perfume「Dream Fighter」

 Perfumeの曲の中でも私が2番目くらいに好きな曲です。主に低域の表現とデジタル表現の密度感から音場の広さを比較するために選びました。

  SENNHEISER MOMENTUM True Wirelessの音を聴くと、まずこの曲の立体感の再現度は高いです。足場は少し深みを感じさせ、デジタル音もほどよく距離を持った定位感があります。しかし遠すぎる感じはありません。リズムはやや硬く、衝撃音は強め、ハイハットはシャリ味強めで、シャープで攻撃的といった印象です。ただしこれはこの曲の表現に本来そういうところがあるので、その再現力が悪くないと読み解くべきかも知れません。デジタルドラムはタイトでほどよい柔らかみもあって、よく弾んでいる印象です。キーボードは比較的色彩感がよいように思われ、ツヤツヤしています。全体として低域に向かう安定した重厚感があります。

 この曲ではJabra Elite Active 65tを比較対象としました。Elite Active 65tの音はMOMENTUM True Wirelessに比べてだいぶ細いです。ハイハットのシャープ感はさらに尖りが強く、音場はやや窮屈です。一方で低域のブーム感はElite Active 65tのほうが明瞭感があって心地よいですが、重量感では少し敵いません。

 

秦基博「Rain」

 秦基博さんの曲の中では好きな曲で繰り返し聴いています。表現として個々の楽器の連携がよく調和性が見られるかがこの曲のポイントです。

 MOMENTUM True Wirelessですが、この曲ではドラムに重厚感が感じられ、ベースも厚いです。色味は抑えめでボーカルの声は少し太く聞こえます。ドラムの柔らかい躍動的な弾みが下方向から音場を包み込んでいて、一体感があり、これは比較的私の好きな表現の仕方です。

 これもJabra Elite Active 65tを比較対象としました。重厚感ではやはりMOMENTUM True Wirelessには敵いません。しかし、パーカッションは明度が高く、より締まって聞こえます。ドラムは少し軽く、MOMENTUM True Wirelessの音を聞いた後だと、風船のような淡い音で、少し物足りなく思うかも知れません。

 

GARNiDELiA「BLAZING」

 TVアニメ「ガンダム Gのレコンギスタ」のOP主題歌です。迫力あるリズムと緻密な背景表現のバランスを味わうために選びました。

 MOMENTUM True Wirelessは多用される衝撃音がやや重めで重量感をしっかり出しながら、抜けはよく、音の端はさらりと空間に溶け込ませて聴かせます。全体的にこの曲を楽しめるほど充分に重厚で、ドラムは刻みが良くタイトなのに、肉は柔らかくて耳に暖かく、調和的です。キーボードにはつややかさもあります。

 BOSE SoundSport Freeはそれに比べてもう一段厚みのある重厚感で攻めてきます。音は太めで肉厚、濃厚味では勝っています。

 

鹿乃「Iberis Song」

 私の大好きな鹿乃さんのアルバム「アルストロメリア」の収録曲です。このアルバムはどの曲も素敵でナイスな良いアルバムですが、なんと現在moraでハイレゾ音源がクリスマスセール中!気になった方はチェックしてみましょう。←宣伝

 この曲に関しては選んだ理由は一つ。甘味のある私の大好きな鹿乃さんのボーカルが好みの感じで出るかどうか。

 この曲におけるMOMENTUM True Wirelessの表現は音に瑞々しさが感じられ、しっとり落ち着いていて、私はかなり引き込まれました。ドラムは柔らかく調和的で暖色のほんわかした雰囲気をよく出し、ボーカルはふっくらした甘味を持って耳に優しく溶けて丸くつややか。おおっ、MOMENTUM True Wirelessすげぇ。

 この曲はJabra Elite Active 65tと比較しましたが、ややシャリ味が目立ち、ちょっと落ち着きがないですね。ボーカルは発色が良く、少し細めでしなやかなので、こちらが好きという人もいそうですが、私はそうでもないので、MOMENTUM True Wirelessを推します。

 

petit milady「360°星のオーケストラ」

 この曲は案外難しい曲です。個人的には低域に調和的な柔らかさを、高域には透明感がほしくて、シャリ感は抑えめにってくらいが理想のオーダーです。

 MOMENTUM True Wirelessはドラムが耳に優しく穏やかな膨張感を持っていて、この点はすごくいいです。シンバルがややシャリシャリしますが、音の端は柔らかく溶けるので、案外調和的です。空間的には丸みのある球状が感じられて、包まれている感覚があり、なかなか気持ちいい。

 比較対象はElite Active 65tです。鮮明度が高く、透明感の強く感じられる音で、ピアノ音には少しキンキンした透徹したクールなサウンドがあります。ドラムは締まりよくかなりタイトで材質硬め。粘りも少し強く、バツバツした感じを越えてクチャクチャ固着するところがあります。高域の透明感は理想的ですが、どちらをとるかといえば、MOMENTUM True Wirelessかな。

 

ねごと「アシンメトリ」

 この曲では音のコントラストが大事になってきます。黒みのある背景をしっかり出せて、そこに音の色彩感を丁寧に散りばめることが出来るかというところがポイントです。もちろん低域の重厚感と音場の調和性も問われます。

 MOMENTUM True Wirelessの音は一聴して調和的です。デジタルドラムは音場を包み込むような生命的な鼓動で有機的、ハイハットも粒感があって刻みも良いのに、音の端は丸く空間への溶込みがよいです。ただ、背景の色は少し淡くなってしまっていて、濃い黒は出せていません。

 Elite Active 65tを比較対象としました。一番大事なコントラスト感に関してはこの機種の圧勝です。背景はしっかり黒く、デジタル音の色彩感はきれいに浮き上がっており、ドラムのタイトで明瞭な輪郭感のある音もリズムを丁寧に刻みます。ハイハットはシャープで、途中ドラムの奏でるスティック音も鮮烈に浮き上がって、メリハリ感はハンパないです。クールでスタイリッシュかつエモーショナル。Elite Active 65tの面目躍如というところでしょう。

 

戸松遥「ユメセカイ」

 はい、この曲に至っては完全に個人的な趣味です。この曲を気持ちよく聴けるかどうかなんで、詳しいチェックポイントなんてどうでもいいんですけど、強いてあげるなら調和性ですかね。ギラつく感じが出ちゃうとこの曲は途端に楽しくないです。

 MOMENTUM True Wirelessは柔らかく調和的でかなり満足させてくれます。ボーカルも滑らかで全体的に一体感があって、暖かに聴かせてくれます。

 比較対象としてはSoundSport Freeですけど、重厚感、濃厚感はこちらのほうが上です。しかもSoundSport FreeはBOSEらしからぬ嫋やかな音を出すところがあって、高域に空気感というか風味があります。ボーカルも厚みがあって説得力があるので、難しいですが、この曲はSoundSport Freeの勝ちかな。

 

TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」ED曲「ここから、ここから」

  私が今年最も愛したアニソンと言って良い、この曲。当然テストせざるをえません。ええ、テストしないわけがないです。

 MOMENTUM True Wirelessの音は若干色味を抑えながら温度感があってほんわかしていて、悪くないです。ピアノの音もつややかで有機的で、音場を支えるドラムも暖かい膨張感を持っています。音は全体的に丸いです。おお、良い感じといったところですが、一点、ボーカルの突き抜け感と透明感だけはどうしてもあまりよくないです。いい雰囲気なのに、なんでここだけというところで、他の曲なら妥協してもよいかもしれませんが、私のお気に入りであるこの曲に関しては、このミスは許されません。残念だったな。MOMENTUMさんのこと、嫌いなわけじゃないのよ?

 比較対象のElite Active 65t先生はこの曲に関してはさすがです。ピアノは鮮明でギターも明瞭なエッジ感を持っており、音場はコントラスト感に秀でていて、色彩感豊かです。ドラムはタイトで肉は柔らかめですが、輪郭感はっきり。何よりボーカルの透明感と突き抜け感は秀逸と言って良く、青春のキラキラ感が思う存分表れてます。これはいい。以前、SoundSport Free相手では僅差で私は後者に与しましたが、MOMENTUM True Wireless相手ではこのイヤホンの爽快サウンドが勝ります。

 

rionos「ウィアートル」

  この曲は事前の予想では案外良い勝負になるんじゃないかと思いました。MOMENTUM True Wirelessの調和性ある音響と、Elite Active 65tのコントラスト感と透明感のある音の真っ向勝負になったらどうかな~という興味本位の選曲です。

  MOMENTUM True Wirelessの色味は抑えめで、しっとりした情緒感をよく醸してきます。ピアノは相変わらずつややかで穏やかに響いてきて、沁み入るような耳に優しい音です。低域にもほどよい重厚感があり、安定感を感じさせる表現です。

 しかし予想以上にElite Active 65tの音は凄かったですね!ピアノの透明感と楽器の色彩感が圧倒的によくて、音が瑞々しく、ボーカルも透き通る声色で鮮烈です。ちょっと予想外にElite Active 65tの音に感じ入ったので、この勝負はこちらの勝ちとします。

 

【総評】すでに品薄らしい?

 音質はなかなか味わい深いものの、「思ったよりは?」というのが私の感想で、使い勝手はともかく、音質はBOSE SoundSport FreeやBeoplay E8あたりをすでに楽しんでいる人には改めて買うほどの妙味はないかも知れません。あくまで私の印象ですけど、お国が近いせいか、Beoplay E8なんて音の雰囲気が似てます。E8よりはもう少し低域に寄せてるかな?音場はE8のほうがもうちょっと広いかな?まだ手許にMOMENTUM True Wirelessの実機があるわけじゃないんで比べてないから迂闊なことは言えませんが。こればかりは手に入れてじっくり味わってみないとね。

 まだ発売前で予約中のこの機種ですが、人気は高いらしく、すでに品薄だとか。12/20の初期ロット品以降は年明けの入荷となるそうで、年末は品薄が続くだろうとの販売店の予想を聞きました。RHA TrueConnectなど完全ワイヤレスイヤホンの人気製品は入荷してはすぐ品切れする状態が続いているようで、予想以上に値段も下がらず、この機種についても半年後くらいまでは、あまり値段は下がらないんじゃないかとの見方を伺いました。予約中の今が手に入れるチャンスかも知れませんね。私はいそいそと予約注文しました。待ち遠しいなぁ!早く届けぇえええ!

 発売日にちゃんと届くかだけ心配で仕方ありません。

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

 

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【特集】BOSE Quiet Comfort 35Ⅱのワイヤードモードの音質を味わう。課題曲で聞き比べてみた!

Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

 

 目下のところ私にとって楽しいおもちゃとなっているのがBOSE QuietComfort35 Ⅱ(QC35Ⅱ)です。この機能性に溢れた製品は使えば使うほど、その驚くべき快適性を露わにしてくるところがあります。大抵の人はこの製品をワイヤレスオンリーで使うことが多いので、私もそれを前提に今までのレビューでは語ってきましたが、ふと「これ、有線で聴いたらどうなんだ?」という疑問が湧きました。そこで今回は番外編としてワイヤードモードでQC35Ⅱを味わってみようと思います。比較対象としては例の如く私のお気に入り、SENNHEISER HD599です。

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 さて、いちいちテスト環境がこうでみたいなのを語るのがあまり好きでも無く、どちらかというとあまりそういう細かい話を聴くのもするのも好きでは無いので、普段はあまり語りませんが、今回はテスト環境について若干説明します。

 私は家で音楽を聴くとき、ヘッドホンアンプはOPPOの「HA-2SE」という機種を愛好しています(この機種は不良品率が高いのか、ネットでの評判は必ずしもよくないのですが、私の個体はじつに長く安定して使えてます)。ほんとはこれ、一応持ち運べる程度のポタアンなんで、携行目的で買ったんですが、結局持ち運ぶのがめんどくさくなって、自宅使用になりました。これくらいだと家の中でも部屋を移動するのと一緒に持ち運べます。結局最近はそれもめんどくさくなって、HA-2SEはPCに備え付けちゃって、あとはDAPでいいやって感じですが。

 で、このヘッドホンアンプの特徴はとにかく締まりよく音を出してくれるところで、若干音に緩いところのある我がSENNHEISER HD599とは率直に言って相性が良い。まあ逆に言えば、出歩く先で「ふんふん」口ごもりながら(口ずさむというほど粋のある感じじゃないし、周りの目もあるので口「ごもる」感じなのですが、)気軽に音楽を聴くには、音に没入感がありすぎて、別に音に大してこだわりがあるわけでもない私なんかだと、やはり手持ちのDAP、ACTIVO CT10くらいの耳当たり良いサウンドと手のひらに収まるサイズ感と使い勝手の方が、なんだかんだいって屋外ではちょうど良いというところで、HA-2SEでは持て余します。ちなみにCT10も私にとっては使い勝手なかなかのものですが、再生時間なんかでよく不評を聞きます。小まめにファームアップデートもしてますから、初期に不満を持った人でも今使うと印象が違うかも知れません。

 あとはSONYのウォークマン、NW-A27HNを普段使っていて、こちらも何かと不便なところはありながらも、大きさの手頃さ、BTイコライジング機能や、動画をそのまま再生出来る機能とか最新機種のNW-A55がもう忘れてしまった利点を兼ね備えており、手放せません。なんだかんだいってその利便性を評価する人も多いのか、中古でも人気が高く、古い機種なのに比較的高値で取り引きされていたりいます。無線有線を問わず、私がオーディオをレビューする場合は基本的にこのNW-A27につないで聴いています。有線製品を使うときは、一応公平性に配慮して、音源の情報を一度ワイヤレス品質(それでもLDACですが)に落としてaudio-technica AT-PHA55BTとかEarStudio ES100みたいなレシーバーに受け渡してから聴いてます。これらのレシーバーのDACチップは前者はESS社製「ES9118」、後者は旭化成「AK4375a」で、どちらもオーディオ専門製品向けというよりはスマホ向け製品です。などと、したり顔で言っていますが、私はチップがどうこうなんてあまりよくわからず、はっきり言って一般人の知識水準を越えてませんから、とりあえずスマホ向けくらいの一般的なDACチップを使って聞けば、レビューとして多くの人に違和感なくイメージを伝えられるだろうという趣旨で、こういう一応の手間をかけてます。

 ただ今回のような特集と銘打った記事で聴くとなると、やっぱり本気度を出すという面でもう少しのめり込める音でやりたいところもあるので、OPPO HA-2SEくらいを投入してもう少し聞き込んで書いていくというスタイルです。DAPは今はもう一つ、SONY NW-ZX300というゴツイのも使っていますが、これは外で使うのは、店頭試聴をするときくらいで、もっぱら家でくつろぐときに使ってます。あとは物欲に負けて注文してしまった「ごちうさコラボモデル」のPioneer XDP202月以降届くのを待っている状態ですが、あまりよい噂を聞かない機種ですし、CT10がいる以上、出番はほとんどなさそうな気がします。DAPについては、気が向いたらレビューしても良いかな。

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 閑話休題。そういうわけで、これまでも特集記事で課題曲を聴いているときはワイヤレスでない場合は、大抵OPPO HA-2SEです。時々普段のレビューと特集記事の温度差があるかもしれませんが、そういうときは聴いている音の違いもあるかも知れません。というわけで、今回も課題曲を聴いていきましょう。

 

【課題曲その1】ヨルシカ「冬眠」

 最近ずっと聴いているヨルシカの曲だけど、たとえばこの曲なんて個人的に好きなのでとくに私のプレイリスト上での再生回数が多いです。ミニアルバムの「負け犬にアンコールはいらない」に収録されているんですけど、一言で言うと、とにかく「エモい」曲。でもそろそろ「エモい」って死語かもしれません。重厚なドラムベースの上に情緒感のあるシンバルやらギターやらが味わいたっぷりに満たして、その中にふんわりやわらかな温もり感のあるボーカルが甘く聞こえてきます。

 個人的な印象としては、それぞれ若干フレーバーは違いますけど、大好きなnano.RIPEの「月花」とか、いきものがかり「花は桜 君は美し」とかの延長線上に聴ける曲で同じプレイリストで聴くことが多いです。プレイリスト的にはここらへんの「エモい」ロックナンバーを足がかりに、より落ち着いた叙情感のある、南壽あさ子の「みるいろの星」とか「冬の旅人」、奥華子「変わらないもの」「さよならの記憶」「楔」「愛を見つけた場所」、rionos「ウィアートル」だかにつないで、情緒感に浸る方向に向かっても良いし、逆に藤田麻衣子「高鳴る」あたりにつなげて、そのままSPYAIRやUVERWorldなんかのスタイリッシュな熱気のある曲に飛び込んで行ってしまってもよい。まあつまり、現在の私のプレイリストの入り口付近に大抵位置する、定番な曲で個人的に入れ込んでます。

 で、半ば本来の意図を忘れかけていますが、この記事の趣旨はあえてワイヤードでCQ35Ⅱを味わおうと企画ですけれども、はっきり言ってワイヤレスで聴いたときより、断然音の量感と引き締まりが違います。やや熱気をセーブした黒めの背景を残すところは変わりませんが、音の濃さと密度感、張りに差があり、とても同じ機種とは思えない。HD599と比べると、空気感ではやはりHD599が勝るが、メリハリ感とコントラスト感ではCQ35Ⅱの秀逸さが光り、これはちょっとどちらがいいとか迂闊に言えません。ああ、BOSEやっぱりやばいね。ワイヤレスで感じていた若干の物足りなさはすっぱり吹き飛びました。

 

【課題曲その2】「ここから、ここから」

 そうすると当然、目下私が最も愛するアニソンの一つであるこの曲も、是非聞き比べてみたくなる。

 この曲の素晴らしさはことあることに繰り返して来たが、改めて紹介すると、出だしからキャッチーなキーボードがギターを従えながらキラキラと誘ってきて、そのうち熱量を加えるドラムが加わって徐々に楽しげになってくる。ここでリスナーの期待感はすでにだいぶ膨らんでいる。すると、甘味と透明感を重層的に醸し出すカルテットが手を振って、海外ツアーの現地スタッフのように歓迎してきて、そこから一気にリスナーの気持ちと併走するように曲が走り出す。そこからは青春のワンシーンのそれぞれを、それこそ走馬灯のように駆け巡りながら、クライマックスではそれぞれのボーカルがメッセージ性のある歌詞を耳に残してギターの南国を思わせる熱い色彩の中に消えるかと思ったら、ラストではもう一度帰ってきて、元気づけるように快活なサビをたっぷり歌って、曲全体がフェードアウトしていく。なに、この曲。聴いてるだけで涙が出てくるんだけど!曲を聴きながら、この記事書いてて、ここですでに涙目。

 ちなみに「ここから、ここから」ばかり褒めてますが、カップリング曲の「One Step」も劣らず秀逸な曲です。

 はっきり言ってワイヤレスじゃBOSEさんより断然HD599でしたが、キレと迫力を増したQC35Ⅱの本気ワイヤードモードでは、さすがのHD599でもワンパンKOとはいかないです。個人的に最初に感じる差異はギターのエッジ感で、QC35Ⅱのほうがエッジがドライでギュワギュワした辛味のある刺激的な音を奏でる。HD599はこういう音を空間にとろかすところがあるので、この音をキャッチーと見るか、うるさいと感じるかで評価が分かれるでしょう。あとはヨルシカ「冬眠」でもそうだったけど、背景の黒み。熱気で全てを包み込んで暖色感のある一体性を感じさせるHD599に対して、CQ35Ⅱには暗い背景と楽器に包まれたボーカルを中心とした手前のフィールドの分離感があって、これがピアノから受ける印象の差にもなっている。HD599のピアノは光沢感を感じさせながらバターのようにとろけるところがあり、それに比べるとCQ35Ⅱのピアノは光沢感の芯がよりはっきりと鮮烈に感じられる音で、相手がバターならこっちはチーズだくらいの味の違いがあります。

 で、結論としてはやはり私はHD599を推したいところで、実際個人的にはそちらをより好みますが、もはやCQ35Ⅱを無碍にすることも出来ません。

 

【総評】

 率直に言って、恐るべしBOSE QC35Ⅱ。ワイヤレスでもなかなかの音質と使い勝手ですが、多少使い勝手が変わるものの、ワイヤードではさらに魅力を見せてくれるところがあります。

 私は以前、BOSE QC35はワイヤードモードではノイズキャンセリングが出来ず、ワイヤレスモードではノイズキャンセリングをOFFにできないというようなレビューを見たことがあります。しかし、QC35ⅡはワイヤレスモードでもノイズキャンセリングOFFにできて、ワイヤードモードでもノイズキャンセリングがONにできました。快適性ではQC35よりさらに向上が見られます。さすがBOSE。

 ともかくワイヤードでもノイキャンの恩恵を受けられるので、たとえば外出時でも、EarStudio ES100なんかのBTレシーバーを使って、そこからワイヤードで音楽を聞くという使い方も充分アリです。多少の使い勝手の差はありますが、音質をより楽しむならそういう使い方もイイ。

 今回ワイヤードの音質を確認して、BOSEをあまり好まない私でも、この製品に関してはもはや愛着を感じずにはいられなくなりました。手に取って眺めると、「俺がファイナルアンサーでいいじゃん。墓まで持って行きな」っていうQC35Ⅱの声が聞こえてくるようです。むぅぅぅ。


Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

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【特集】価格がこなれた人気機種 BOSE 渾身のQuiet Comfort 35 Ⅱ の音質を解体する。課題曲で味わうHD599との実力差


Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

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 いよいよ明日に迫ってきた2018年サイバーマンデーセール。消費増税前にオーディオ製品を買い増す数少ないチャンスの1つです。しかし、それこそ星の数ほどあるオーディオ製品。なかなか目移りして商品が絞りきれないという人も多いでしょう。そんな方の一助になるかはわかりませんが、私がおすすめする有力選択肢の1つはBOSE QuietComfort35 Ⅱ(QC35Ⅱ)です。

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 アクティブノイズキャンセリングを搭載したワイヤレスヘッドホンとして人気を博したBOSEのQCシリーズの現行のフラッグシップモデルです。

 目下のところ、BOSEコミュニティではQC45が出るのかが話題になっています。BOSE党にとってはコンスタントに製品を充実させているSONY勢に対し、このクリスマスセールで充分な対抗馬が揃っていないところがもどかしいところらしく、しきりにQC45をせがんでいますが、いまのところBOSEに具体的な動きはありません。とりあえずそんなコアオーディオファンでもなく、BOSEだろうがSONYだろうがあまり愛着のない私には、世界にBOSEとSONYしかないかのように語るノイキャンワイヤレスバカにはついていけないところがあります。こういう人たちはノイキャンとBluetoothがなければ音楽が聴けないと思っており、スピード狂のカーマニアのごときで、ノイキャンの性能とBTのバージョン、対応コーデックだけを話題にしがちです。そんなノイキャンワイヤレスバカの面々は、BOSE党とSONY派がその大部分を分け合う形となっており、二大勢力となっておりますが、BOSEの主力が1年前に発売されたこのQC35Ⅱなのに対し、SONYにはWH-1000XM3という新戦力が登場し、これには忠誠挺身なBOSE党からでさえ乗り換えるやつらが出る始末。それもそのはずで、QC35Ⅱはさらにその1年前に発売されたQC35のマイナーバージョンアップ製品ですから、仕様の面では旧世代の謗りを免れず、もどかしい限りです。乗り越えがたいスペック上の差、これは彼らにとって致命的とも言って良い屈辱です(言っときますが、ノイキャンワイヤレスバカでない普通のオーディオファンはあんまりそんなこと気にしません)。たとえば、これはとあるBOSE党の言葉ですが、「BOSEがより良い音を持っていることは事実だが、SONYはより良いノイキャンを持っている。これは死活問題だ!」といった具合です。BOSEの音がいいなら問題ないじゃん、BOSE聴けよって思いますが、BOSE党にとってBOSEのノイキャンはいわば聖域のようなものであり、一番でなければダメなようです。BOSE党はともかく、BOSEの経営陣の側は冷静なので、QC35の売れ行きが良いのに、SONYのように慌てて新機種を出す必要も無いわけで、むしろ完全ワイヤレスモデルのSoundSport Freeあたりを値下げして、客層を広げてもっと売ってやろうというところなのでしょうが。

 そうとはいえ、BOSEもこれ以上のBOSE党の退潮を看過するわけもないでしょう。目下いろいろとキャンペーンを始めてますが、その一環なのかサイバーマンデーを前にして突然amazonでQC35Ⅱを下位機種QC25とほとんど変わらない値段で販売し始めました。だったら最初からその値段で売れとは思いますが、これを見逃すのもなんだかもったいないですね。ちなみに私が買ったときは10%割引クーポンまでのって30000円ちょうどくらいでした。

 

 前置きが長くなりましたが、そういうわけでQC35Ⅱは現在比較的リーズナブルな価格で提供されており、QC35以来の安定した評判を考慮すれば、有力な選択肢であることは間違いないです。なんてたってBOSEですからね。デザイン的にもドラゴンボール的世界観そのままのような製品デザインのSENNHEISERより、スポーティでスタイリッシュです。

 というわけでこの機会につねづねQC35に興味を持っていた私はこれを入手しました。この記事では個別レビューをする前にファーストインプレッションとしていくつかの曲を手持ちのヘッドホン、とりわけ私が音質的に高く評価するSENNHEISER D599と比較します。本来であればライバルというべきSONY WH-1000XM3と比較すべきでしょうが、率直に言って私はSONY WH-1000XM3の音もBOSE QC35Ⅱの音も特別好きな部類ではなく、しかもどっちもあまり変わり映えがしない音を奏でるので、2台もいりません。なので、ここでは私の好きなHD599を比較対象とします。それでも手持ちの中にはSENNHEISER MOMENTUM M2 OEBTがあり、こちらのほうが同じワイヤレスヘッドホンで価格帯もかぶるのでよりふさわしいということも言えるかも知れませんが、音質としてはM2 OEBTは、溌溂としていて、比較対象としては音質が離れすぎてしまっていて、比較として面白みがなくなる気がします。もちろんワイヤレスとワイヤードなHD599では比較にならんという声は当然でありますが、私としてはHD599が情感系の低音ヘッドホンではレファレンスなので、それに迫るワイヤレスモデルにこそ意味があります。ワイヤレスヘッドホンの低音だけで比べるならば、Skullcandy CRUSHER WIRELESSという頭のおかしな低域ヘッドホンを持ってきて、「なるほど振動感ではCLUSHERはすげーな、この熱湯風呂どんだけ熱いのよ」みたいなことを語ることもできますが、自分にとってあまり好きでもない音を2つ並べて比べるというのは熱意も湧かないどころか、もはや苦痛でしかないので、とてもやりたくはないですね。

 ともかく、サイバーマンデーはもう目前ですので、レビューはサイバーマンデーに間に合いそうにないため、とりあえず有力選択肢である本機種の音質面のポイントを撮って出ししておこうといった趣旨で書いたのがこの記事です。レビューするとなると、その恐るべきノイキャン力について一応いろいろ言っておかないといけなくなり、手っ取り早く音楽の話に行けませんからね。

 

【課題曲その1】ねごと「アシンメトリ」

 オシャレでちょっと近未来なテイストのポップでテクノな曲調が魅力のガールズバンド「ねごと」。ねごとのコアファンに聞かれるといろいろ文句を言われそうですが、私の印象としては、最近のねごとはperfumeをアコースティックな方向に近づけてマイルドにした感じの音楽が心地よく、perfumeほどギラつかずに肩の力を抜いて聴ける曲が多いのが魅力です。こういう括り方をすると、おそらく相当な不満を一部から寄せられるのは確実で、初期は曲調的には結構普通のガールズバンドで、どちらかといえばアタック感のあるビートサウンドに柔らかくふわふわしたボーカルを加えてくるところが愛らしいという声が圧倒的多数と思われます。

 コアなファンじゃないので、非常に大ざっぱで私的な形になりますが、個人的には「シンクロマニカ」がかなりよくて注目し、そのあとアルバム「ETERNALBEAT」というのが宣伝文句通り新境地を開いて、一気にオシャレでスタイリッシュな音になってびっくりしたといったところです。「アシンメトリ」は「ETERNALBEAT」で私が最も好きな曲です。ただこういうのは古参のファンからすると、いくぶん本来の魅力を失わせる路線変更でもあり、冒険でもあるわけです。最新アルバムの「SOAK」も路線的には「ETERNALBEAT」を引き継いでいて、現状のねごとは初期からだいぶ印象が変わっているかも知れません。と、したり顔でそれらしいことを言ってはいますが、コアファンでもなんでもないので、実際のところはあまりよく知りませんから、鵜呑みにしないで下さい。

 私自身の経験で言うと、たとえばアヴリル・ラヴィーンという歌手がいまして、一枚目のアルバム「Let Go」、二枚目のアルバム「Under My Skin」というのは非常に出来が良く、荒削りで剥き出しの心情を激しく歌ったり、憂鬱さでそのまま塞ぎ込むような真情をそのまま込めた曲が多く、悲喜交々こもった迫真の曲が目白押しで素晴らしかったのですが、その後デリック・ウィブリーとかいうギタリストにかぶれて変な方向に感化されちゃったのか、三枚目に出した「The Best Damn Thing」というアルバムではこれまでの路線を捨てて、オシャレでポップなサウンド表現に乗り換え、アヴリル自身は「これまでにない最高のアルバムできました!」と言ったり、評論家なんか「新境地!」とべた褒めするやつもいましたが、私にはちょっとツイていけませんでした。このアルバムを高く評価する声も多く、実際個々の曲を見ればむしろ洗練されていて大衆受けしやすいと言えるかも知れませんが、私はどうしても受け付けなかった。おそらく初期のアルバムに入れ込んでなければ、「The Best Damn Thing」をすんなり受け入れていたかも知れません。と、思わず余計な話に深入りしてしまいましたので、ここまでにして本筋に戻りましょう。

 個人的にこの「アシンメトリ」はとくに私の中では、ねごと史上最高の名曲の1つと言って良く、ねごとのコアファンには大変申し訳ありませんが、私にとって「ねごと」と言えばまずコレというくらい聞き惚れています。むしろ私の場合はあまりに「アシンメトリ」がしっくり来すぎて、ほかの傾向のねごとの曲にあまり入れ込めないので、これはこれで健全ではないかも知れません。

 率直に言って、この曲に関してはBOSE QC35Ⅱにとっては得意分野です。電子的な厚い暗い熱量のある低域表現はBOSEが昔から得意にしているところで、BOSEのどこがいいって聞くと、大抵「分厚くて、でも膨らみすぎないスタイリッシュな重低音」という声がほとんどでしょう。この曲でBOSE QC35Ⅱの聴かせるビート音はワイヤレスでありながら、かなりの重量感を出しつつ、締まりを感じさせます。

 私はBOSEの低音というと、比較的無機的というか冷たくもないけど、それほど暖かくもない、若干クールでうすら寒い程度の音という印象を受けます。この曲を聴かすQC35Ⅱでも、ビート音を奏でる低域の周囲に地熱感があまりなくて、ぽっかり浮き上がって響いているように聞こえて、どことなく孤立感があり、さびしいところがある気がします。こういう鳴らし方は理知的であるので、分解能という言葉を使えばたしかに音をよく表現していると言えます。そのうえで、BOSEのサウンドはクールに冷たくならず、隙間を強調して音を細くすることもなく、一定の充実感をしっかりと聴かせて、「こりゃうまい」といえる鳴らし方をします。個々の楽器音の色味についても同じ事が言え、たとえばシンバルとか非常に中立的でキラ味が少なく、むしろおとなしく、背景のグロウ表現も理知的に感情を抑えており、背景の黒さを丁寧に浮かび上がらせます。この曲をスタイリッシュで現代的な理知的部分と情感表現の強い部分に分けるとしたら、感情な部分を適度に抑制して、理知的な部分を潰さないまま、感情の厚みはそれはそれとして伝える高度なバランス感覚があります。スピード感への追随の面では、必ずしも瞬発力が良い音の鳴り方ではなく、ためてから鳴らしてくるところがありますが、それがたしかな重厚感に伝わっていて、充実感につながっています。こういうところがおバカ一辺倒のSkullcandy CRUSHER WIRELESSと違うところで、「ブンブンやりゃいいだろ」みたいな投げやり感がありません。

 で、SENNHEISER HD599との聞き比べですが、率直に言うと、勝負になりません。低域の地熱感、シンバルの噴き上がる立体感、背景に広がるグロー表現の光沢の豊かさ、臨場感と色彩感、空間の広がりにおいて、聴いただけで情感の篭もり方が全く違いがわかり、世界観の提示力に圧倒的差を感じます。これだからBOSEじゃ満足できないのよ。BOSE党は「なにこれ、ボワボワじゃん。イモ臭くてこんなの全然スタイリッシュじゃない」と言うでしょうが、言わせておけばよろしい。

 

【課題曲その2】「ここから、ここから」

 私にとって目下、これを味わうためにオーディオを選んでいると言っても良い曲の一つがこれ。

 率直に言ってQC35Ⅱの音は、この曲を聴くには大変魅力的で素晴らしいです。各楽器に配慮するバランス感覚が見事というほかなく、はっきりキラキラ、明瞭に聞こえるピアノと柔らかで生命的な反動感を持ちながらボワボワしない締まりの良いドラム、ギターの情感の篭もった、熱く幅広な広がり方、きつすぎずに情感をしなやかに突き上げるエッジ感を巧みに演出して、そりゃあ聞き惚れさせてくれますし、ボーカルも浮つかない明るすぎないバランスで楽器に寄り添っており、ふっくらした甘味のある味で非常に暖かい。BOSEさん、あなたはすごいと思わず嘆息できる瞬間です。

 しかしそんなBOSEさんにHD599は語りかけます。「もうちょっとドラムの地熱感を出した方がこの曲の生命感はより味わえるんじゃなかろうか。それにBOSEさんの楽器音の精彩を大事にする姿勢はもっともで、ボーカルをそれに寄り添わせるいう考え方は大いに結構なんだが、それならより楽器音を空間に溶け込ませて、ボーカルを包み込んで一緒に盛り上げた方がよりうららかで、より美しくないだろうか。どうですか?」BOSEさんにはおそらくあまりピンと来ないでしょうが、私にはHD599さんの言いたいことは大変よくわかります。以上。

 

【課題曲その3】「清廉なるHeretics」

  正直「Fate」シリーズなんてアニメ観たくらいでよく知らんし、この曲の使われているゲームも人気らしいけど、さっぱりやる気もしません。私には「きららファンタジア」で充分。しかし、この曲は私にとって神曲です。このPVはサントラのものですが、サントラなんて買わなくても単曲でシングルカットされているので、気に入った人はそれを探しましょう。そこまでしなくてもyoutubeいけばたくさん上がってるんですけど、ここらへん権利関係ちゃんとしてんのか私にはわからないので埋め込みません。「たくさんyoutubeで上がっているよ」なんて私が言ったことはくれぐれも内緒にして下さい。

 さて、それで実際に音質の話です。QC35Ⅱは、この曲をスタイリッシュにキレを出しながら、火力を加えて押し込んできます。黒みのある背景をしっかり感じさせて、導入の静謐感を出し、ピアノとボーカルは無機的な一直線な音にならずに有機的な幅と揺れを感じさせてくれます。幅広でエネルギーの高いギターとドラムのぶっとい重量音が奏でる地熱からくる熱気も充分で、前半の静謐さに対して盛り上がるサビ部分の沸騰する情感の対比が丁寧に表現されています。率直に言ってレベルが高く、充分に満足できます。

 さて、HD599です。QC35Ⅱの導入が描く、静謐な表現に心打たれたような私ですが、あれは妄言でした。忘れて下さい。HD599の温かなピアノが充満し、その満たされた雰囲気の中で生命感に溢れたふんわりした嫋やかさで一気に引き込んでくるボーカルの表現に比べて、CQ35Ⅱの主張する静謐感などというものが小手先芸に過ぎず、いかに陳腐であったか、早速思い知らされます。冒頭から豊かな充実感の中に捉えて、その心地よい豊穣さのなかで、ドラムはしっかりした圧の篭もった地熱感を加えて生命的な音場を盛り上げ、ギターなんか、ほとんど何言ってるのかわからないくらい熱量に飲まれて一体化しており、クライマックスでようやく浮き上がってエネルギーを爆発させます。充実感と熱量に満ちて、ほとんど我を忘れたかのような圧倒的な力強さを持ち、魂が沸きたつようなその空間に、飲み込んでくる圧倒的吸引力。ボーカルの歌う、愛に向かう狂おしさ、それを、忠実かどうかはともかく、印象深く感じさせるのがどちらであるかはもはや語るまでもありません。

 

【課題曲その4】Sia「Big Girls Cry」

  BOSEで楽しむ曲っていうと、私のイメージでは、たとえばこんな曲ですね。黒みのある暗黒に飲み込まれていくような静謐感の中で重厚なサウンドがズドンズドン響いてくる。聴いて頂ければその圧倒的な世界観はすぐわかって頂けると思うので、ここで曲の内容について、あまり言葉を紡ぐ必要はないでしょう。この曲こそ、私の思い描くBOSEのサウンドイメージそのままです。

 HD599では印象がやはり違います。まずキックの音がBOSEでは締まった、やや無機質な鳴り方だったのに対し、HD599のキックは明らかに脈打って鼓動のようです。それ以上にボーカルの空間への広がりに圧倒的差があり、QC35Ⅱがこの曲を語り合う距離から表現していたとすれば、HD599は体内に入り込んで、その腹の内から音楽を聴いている一体感があります。

 正直、この曲をHD599ほど肉体的に表現するのが美しいのかは私もちょっと迷うところがあって、むしろQC35Ⅱのようにもうちょっと硬さを出して、背景の暗黒面とのコントラストも必要な気がしますし、そのほうが引き立つ気がします。

 

【総評】

 これまでずっと読んでくださった方々は私が相当BOSEを嫌いで、QC35Ⅱをひどくけなしていると思っているかも知れません。実際手放しで褒めちぎるほど好きじゃないことは確かですが、冷静になってください。私はHD599への入れ込みが尋常ではないので、ここで語られていることはかなりBOSEにとって分が悪いです。それにHD599はワイヤレスではないし、ノイキャンなんてついていません。むしろHD599で世の中の8割がたの音楽はカヴァーできて、他はおまけでよくね?程度の感覚の私から見ても、QC35Ⅱに関しては、一目置かざるを得ない魅力を持っています。実際使い勝手は凄く良く、デザインもかっこよくて、街で出歩くときに、ただ自慢するためだけにでも持っていきたいアイテムです。HD599なんて街中で着けて歩いてたら、「なんであの人スカウター着けて歩いてんの?プププ」くらい白眼視されそうなデザインです。熱狂的なBOSE党をはじめ、多くの人々がこのヘッドホンを支持するのもじつに合理的で、結局のところ私もこの魅力から逃れられそうにありません。

 今なぜか唐突に値下がりしているQC35Ⅱ。今年のサイバーマンデーの買い物の有力候補であることは疑いないです。


Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

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【特集】2万円台の情感表現力の王者はどちらだ? SENNHEISER HD599 と JVC HA-FX1100 を課題曲で聞き比べる!

SENNHEISER HD599JVC HA-FX1100

 

  JVC HA-FX1100のレビューでうっかり「空間表現でSENNHEISER HD599に遜色ない」などと言いつつ、その後に「実際には差がある」というようなあいまいぼかした書き方をしてしまいました。文章全体のまとまりの面からも、レビュー記事では詳しく掘り下げませんでしたが、なんだかお茶を濁した感じです。そのままにしておくのも後味が悪いですから、この記事ではその点について深く掘り下げたいと思います。

 私があの点で問題にした空間表現力とは、一義的には音場表現の広さを指すことはもちろんですが、もう一つの面として音同士の広がりの連携の仕方という意味もあります。そうして厳密に2点に切り分けて言えば、一義的な音場自体の広さに関しては差があるが、後者の音同士の音場への広がりにはほとんど遜色がないというのが私の発言の正確な意図になります。

 まあヘッドホンとイヤホンを比べようというのは端的に言って無茶な話ではあります。が、それを言っても始まらないので、気にしないことにしましょう。

 

 この節では話は少し話がそれますので、面倒な方は読み飛ばして次の節に行って下さい。

 さて、私はSENNHEISER HD599をこよなく愛していて、半ば信者と言っても良いです。SENNHEISER製品全般が好きなわけではなくて、IE80Sなんか世間では高く評価されてますけど、私はギミックを変にくっつけて使い勝手は悪くなっていて、そのギミックにこだわったせいで音自体の方向性はあんまり定まっていない感があるので、こっちで手間を掛けて自分の音を探して調整してやらなければいけない不自由なイヤホンに見えます。もちろんコアなオーディオファンとしてはそういった手間を掛けて自分の音を追求することに味わいがあるのでしょうが、私はどちらかというと手軽に自分のプレイリストを楽しむ派なので、スクラッチ&ビルドして一つの機種をカスタマイズがどうこうなんてことに時間と金をかけるより、一定の製品レベルで組み上げられた既製品を手っ取り早く使い分けたいという考え方です。だって世の中、こんなにオーディオ製品あるんだぜ?自分の気に入った機種をさらに血眼になって改造してまで音を求める時間があるなら、いっそ気に入った別々の音質の機種を2個買って、プレイリストを機種毎に分ければいいじゃないくらいの感覚です。

 音質の好みとしてはaudio-technicaのSOLID BASSシリーズやJVCのXXシリーズやらをとくに好んでいたので、素性的には低域ジャンキーでありましたが、重低音モデルの至宝のように言われていたSONY MDR-XB950とかいうバカなヘッドホンを聴いて、率直に言って興ざめしました。SONY MDR-XB950は評価が高いヘッドホンで今でもBluetooth対応版のMDR-XB950N1が人気があるくらい、あまり悪い評判を聞きませんが、私が求めていた迫力はこういうものではありませんでした。詳しくは書きませんが、SONY MDR-XB950にはライブ感がなくて豊かな情感を感じさせる味がなく、そこには無味乾燥なブーム音しかありませんでした。

 私はそれまでパッケージの説明文を読んでそのまま買ったり、PHILE WEBみたいなレビューとamazonのレビューをさらっと読んで、雰囲気がよさそうな機種を適当にポチッてましたが、店頭試聴で実際に音を聞き込んで選ぼうと思い始めました。そうして私が出会った、私にとって理想に近い最高のヘッドホンがSENNHEISER HD598です。お値段的にも目玉が飛び出るくらい高い値段ではなく、安くはないですが長く使うなら出してもいいと思える値段設定でした。

 

 私がこよなく愛したSENNHEISER HD598の後継機種がHD599です。特徴としては開放タイプらしい抜けの良いすっきりした聴きやすいところがありながら、個々の音に厚みと濃密な広がりを持たせて空間をスカスカにしない充実感の高い音響が魅力です。この音場全体が一体的に充実して満たされる雰囲気を私は自己流に「調和性」と呼んでいます。「包まれている」感覚といえばわかりやすいでしょうか。その一つの完成形に近いものを示してくれるのがHD599という機種なのです。私が知る限りでは、「調和性」の表現は一つではなく、実際にはSHURE SRH1440のように虚空を感じさせながら、音を緻密にぎっしり綺羅星のように散りばめるタイプの「調和性」もありますし、HD599と同じような傾向に見えて、より色づきのよいfinal SONOROUS IIみたいな機種もあります。final SONOROUS IIは私の求める「調和性」について、音質的にはHD599以上といえるかも知れませんが、いかんせんお値段が少し高いところでお財布に調和的でなく、装着感もHD599の軽妙な付け心地に比べると重くて長時間聴くには調和的ではありません。SHURE SRH1440についてはパッションに満ちたHD599とは違う理知的な方向の「調和性」なので、ここでは考慮しません。

 そういうわけでHD599は「調和性」において一つの理想型に近かったわけですが、しかしイヤホンでこれに匹敵する「調和性」を味わうのはなかなか難しく、いろいろ聴いていく中で比較的近い形で実現してきていたのがJVC WOODシリーズのイヤホンだったわけです。そうしてWOODシリーズをいろいろ試した途中はすっ飛ばし、結論としてはJVC HA-FX1100こそがイヤホンでこれに並び立つにふさわしいものと認めるに至ったわけです。

 そこでこの記事では私の大好きな曲をあれこれ聴きながら、両者がいかに「調和性」のアプローチにおいて似通っているか、似ていてもどこが違うかについて語ろうというわけです。

 

【課題曲その1】佐々木恵梨「ふゆびより」

 アニメ「ゆるきゃん△」のED曲です。こういう温もり感のあるほっこりサウンドはHD599が最も得意とするジャンルの1つです。

 ほどよい柔らかみがあって煌めきすぎないアコースティックなギター音の表現に、空間を歪ませないようにお互いに配慮するかのように丸い角とゆったりとした幅を持たされたパーカッション、芯の厚みを感じさせるとともに、濃すぎない余韻感でのびやかに空間を満たす弦楽音が、濃密に聴かせてくれるのがHD599です。

 ではJVC HA-FX1100はどうでしょうか。一聴した印象としてはアコースティックの弦楽の煌めき感には差があり、より精彩が強くキラキラとして聞こえてきます。同様にシンバルも少し発色が良く、そのせいか疾走感がやや強く感じられて、HDD599と同じくゆったりはしていますが、走ったリズムをより明確に感じます。この違いは最後に加えられる弦楽のワンフレーズの浮き上がり方に差となって感じられ、やわらかく浮き上がってふんわりとした空気感を失わずにまろやかにとけこんでいくHD599に比べると、HA-FX1100はしっかり厚く音を浮かび上がらせ、はっきり響かせてから溶かし込みます。これを分解能の差と重視する人もいるかも知れません。一方で空間の濃密さという面では、音が球状に広く濃かったHD599の密度感と比べると、HA-FX1100の音は、いささか地平線付近に集まってきてしまっている印象を受けます。

  率直に言って曲の精彩という面でいえば、JVC HA-FX1100のほうが優れており、その音を聞いた後だとHD599の音はところどころメリハリ感が薄くマイルドすぎてぼやけたイメージを持つかも知れません。しかし全体として眺めてみると、この曲の空気感の濃密さを空間全体に調和させていて充実感を感じられるという点ではHD599にやや分があります。どちらがより好ましいかははっきり言って趣味の問題で、私はラストのワンフレーズの印象力でJVC HA-FX1100にかろうじて軍配を上げたいと思いますが、甲乙付けがたいです。

 

【課題曲その2】TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」ED曲「ここから、ここから」

 個人的に今年最高のアニソンの一つとして愛好していますが、こういう火力のある曲で低域の熱気を空間に広げて音場全体のパッションにつなげるのがうまいのがSENNHEISER HD599です。

 一方で、個々のボーカルの透明感や鮮明さを味わいたいという人は「たしかに迫力はあるが、これは全て混ぜ込んでしまっていてボーカルが背景に埋もれて音の像が壊れてしまっており、美しくはない」というかもしれません。そういう人はSHURE SRH1440で聴いて下さい。

 異論があるのを承知しながら、私はこの曲に関しては理知的なSRH1440よりはHD599の感情的な音が好きだということを申し上げます。

 背景の透明感やキラキラ感を感じさせるグロー表現に緻密さがなくて精彩に欠ける?ギターが膨らんでギャンギャン吠えてうるさい?ドラムの地熱感が暑苦しくてうざったい?

 ――おおいに結構。どうして、そんな細かいこと気にして生きてんの?

 重低域の深掘りされた地熱感が腹の底から情感を盛り上げてきて、空間全体を沸騰させており、ギターもその熱気を受けて気持ちを昂ぶらせて最高に走ってる。曲全体を破綻させない速度は守っているんだから、多少のスピード違反くらい見逃してくれてもいいんじゃない?もちろんコンプライアンスが大事なことくらい知っているさ。ボーカルは太い温かな膨張感のある生命的な息感で力強くしなやかに、声の端は空間すべてに溶け込んで熱気に変わって耳に戻ってきてくれる。単なる残響とは全く異質で、空間全体を振動させるエネルギーに一体化していて、音場に充実感をもたらす。曲全体が輝かしい未来を伝える福音のように、希望に満ちて聞こえてくるんだ、心揺さぶられると思わないか。

 この曲については理知的な聴き方があることを承知で、あえてパッションに傾いて聴きたい私にとって、HD599は最高の選択肢の一つです。

 JVC HA-FX1100をSENNHEISER HD599と比べると率直に言って、まず低域の地熱感の空間への広がりには差があります。低域全体だけでなく若干中域にはみ出すように熱気を空間全体に広げるHD599と比べると、同じく空間への膨張感がありながらも、明確に下方向にとどまる性質を感じさせるのがJVC HA-FX1100です。そのため熱気が充分にありながら、熱気に染まりきらない冷えた背景が存在します。ギター音についても、よりもまとまりがよく、熱く無軌道に広がろうとするHD599のそれと比べると、いくぶん冷静です。結果、全体の印象としてはやや地平線付近に厚い音がまとまり、ボーカルは上ではやや冷めた空間に声を吸い込まれるような広がり方をしています。

 こうした違いは曲から受ける感情の乗りの差にはなっており、HD599が「夢のためなら全力疾走。夢なくしてなにが人生か。玉砕上等、死なば諸共」といった熱狂した情熱に満ちているとすれば、HA-FX1100は「ひたむきに夢を追う強い情熱」を感じさせながら、「でも、現実とどう向き合うか」という冷静な判断をまだ残しているといった感じです。前者に圧倒的な勢いと迫力と一体感があるとすれば、後者には確かな熱意の中にも、現実との緊張関係を自覚している部分があって、いくぶん葛藤を感じさせ、わずかなドラマ性があります。

 ――で、結局どちらがいいかって?……悪いけど、どっちも選べないくらい、いいよ!

 

【課題曲その3】挾間美帆「ザ・サイクリック・ナンバー」

 SENNHEISER HD599やJVC HA-FX1100はJAZZ向きという評判をよく聞きます。SENNHEISER HD599はまだそうでもありませんが、JVC HA-FX1100についてのオーディオ雑誌やWeb媒体の記事を読むと、大抵JAZZ、JAZZ、JAZZ。HD599のお世辞にも洗練されているとは言えないダサかっこいいギリギリを攻めているデザインに比べると、HA-FX1100は木製のシックで大人びたデザインですし、外面もJAZZに合いそうなのでお上品な購買層を獲得するためにはよいのでしょう。私はそれでも躊躇なくアニソンを聴きますがな。

 しかし私だってJAZZを聴かないわけではありません。とくに最近愛好しているのが挾間美帆のアルバム「ダンサー・イン・ノー・ホエア」。下に埋め込んだPVを見て惚れました。

 ただ実際は、どの曲も下のPVのように盛り上がるまで、だいぶ緩急入り乱れた展開があるので、出だしなんか一見退屈に装っているものもあります。一曲目の「トゥデイ、ノット・トゥデイ」なんてそうです。おっかなびっくり「もういいかい?」「まーだだよ」を繰り返しながら、いつのまにやら日常を踏み出して見知らぬ大都会の路地裏に迷い込んでいってしまう、そういう冒険心のある盛り上がりをする曲が多く、私のような、Rasmus Faberの「プラチナ・ジャズ・アニメ・スタンダード」やらTVアニメ「坂道のアポロン」サントラやら大野雄二バンドの「ルパン三世」サントラやら日本ファルコムのゲームミュージックのJAZZアレンジ版やらを入り口としている、あまり正統派でないタイプにはいささか難解なところがあって、まだ馴染めないところもあります。

 そういうわけでJAZZについては、はっきりよくわからないところがあると前置きしつつも、この「ザ・サイクリック・ナンバー」の面白みを説明してみます。重厚感ある静かな低域弦楽の独奏で始まり、その音色の行き先に耳を凝らしていると、いきなり金管とともに視界が開けて眩しくてびっくりし、それでも立ち止まれずにいると、一気に厚く楽器が重なってきて奔流に飲み込まれ、いざなわれていき、なんとなく方向感が見えてきます。場面としてたとえで置き換えてみると、暗い道を歩いていたら、突然手を引っ張られて車に乗せられて、そのまま疾走して、どこだか知らないがにぎやかなところへ連れ去られてしまったけど、どうする?みたいな入り方です。そしてピアノが入って色づいてくる辺りまでは比較的見通しが良いのですが、そのうち突然突き放したように彼らはおさらばしてしまって、また弦楽一人で孤独を楽しんでみたり、もう一度仲間を呼び戻してみたりと楽器同士が付き合い方をいろいろ模索し始めます。ここからはピアノが誘ってみたり、金管が先導してみたりと弦楽だけが主役を張るわけではなく、それぞれ思い思いに感情を主張し合うようになり、じつに展開が面白くなってきます。最後はちょっと熱が入りすぎて調子を崩したように音が旋回し始めて、「あーもうくたびれた。ここまでね、もう寝るわ」って感じで残った余力をしぼりきった音を出して締めて終わります。

 前述したように、JAZZをどこで楽しむかっていうのにはまだよくわからないところがありますが、何より空気感が圧倒的に差をもたらすのはわかります。そして両者充分な空気感を出しながら、この曲に関しては明らかに表現の仕方に違いがあって、HD599がスムースでまろやかな展開を重視しているのに対し、HA-FX1100はところどころはっきり攻めてきます。序盤で金管がびっくりさせるところがありますが、HD599では物語の開幕を告げるファンファーレといった感じで盛り上がりつつ、次へスムースにつながっていくのに対し、HA-FX1100のそれはホラー映画の恐怖シーンのように出合い頭に本気でびっくりさせて心臓を縮ませてくる、ちょっと愛嬌のある音です。楽器音の精彩には明らかな差があり、それが緩急のあるこの曲では展開の印象に差を与えてきます。HA-FX1100のほうが明らかに雰囲気の誇張感があり、HD599が曲の世界観に浸れる鳴らし方をしているのに対し、HA-FX1100は曲の世界観に引き込む鳴らし方をします。ちょっと血なまぐさくなりますが、殺人事件があったとして、HD599がそれをサスペンスドラマのように筋立てを重視して提示するとしたら、HA-FX1100はスリラー映画のように場面ごとにインパクトを与えて見せてきます。

 どっちかというと、HA-FX1100のほうが曲の精彩をうまく提示しており、私は好きですが、どこかやりすぎなところはあります。人によっては、HA-FX1100に情緒不安定感を感じるかも知れません。

  

【課題曲その4】水瀬いのり&久保ユリカ「動く、動く」

 この曲はTVアニメ「少女終末紀行」のOP曲です。

 まず最初に断っておきますが、この曲に関しては、SENNHEISER HD599もJVC HA-FX1100も素晴らしい解像度を出しながら、さらに迫力を加えてライブ感を出してくれ、秀逸であることを認めますが、それでも唇を噛み締めつつ、たとえばWestone W40の鳴らし方の方が洗練されていて、スムースかつキレよく、スカッと爽快に聴かせてくれるので、私はそちらのほうが好きだということを先に申し上げる必要があります。個人の嗜好といったらそれまでですが、この曲に関しては迫力もさりながら、やっぱりクリクリッとした愛嬌のある旋回力と瞬発力を求めたい。その点、HD599とHA-FX1100は勢いでなんとかしてるところはありますが、結局大味になってしまうところがあります。

 とはいえ、両者の調和的な表現も、ウォームな表現でほんわかした雰囲気を感じさせつつ、重い低域が地熱を持って広がり、迫力を充分に出して盛り上げます。パワフルで勇気づける曲調で聴かせてくれるので、気持ちが沈んだときなどは確かな活力を与えてくれるところがあります。

 一聴した感じだと、HA-FX1100のほうが音の出し方がはっきりしていて、メリハリがついており、キレがよいように聞こえます。しかし、HD599の温かな世界観で統一された音を聞いたあとには、HA-FX1100のような音の出し方はこの曲の雰囲気には野暮で、個々の音のキャラ立ちが強すぎる、窮屈な音に聞こえます。HA-FX1100には若干音の押しを強くしてしまう癖があって、それは曲によってよいメリハリ感となることはたしかですが、この曲に関してはもう少し肩の力を抜いて聴きたい。世界観に包み込んで聴かせてくれるという意味では、迫力を出しながらも、全体の調和性をより重視して、個々の音をなめらかにとろかして聴かせるHD599の秀逸さのほうが勝ります。

 

【総評】

 どちらも「調和性」に優れており、最高クラスの迫力と感情表現力を持っていますが、性格は少し異なっています。HD599がより「調和性」にフォーカスして聴かせてくれるのに対し、HA-FX1100は「調和性」を重視しつつも、ときには楽器のキャラ立ちを目立たせて、より濃密さで勝負してくるところがあります。表現として全体的に同じ方向を向きつつも、HD599が構図の表現性にこだわる芸術家らしい音の作り方をするのに対し、HA-FX1100にはときおり職人気質なところがあって、最終的には細部の表現を捨てません。なので、たとえばJAZZではそのジャンル特有の遊び心を、全体の流れの中に落とし込むHD599に対し、HA-FX1100は引き立てて表現する違いがあります。そういう意味ではHA-FX1100はよりJAZZ向きであろうということは明確ですね。HA-FX1100というのは熱血漢のような音を奏でるやつだと思っていましたが、案外チャーミングなところもあるのかも知れません。

SENNHEISER HD599JVC HA-FX1100

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【カナル型イヤホン SENNHEISER IE 80S レビュー】低域調整機能は面白い。低音を最大にするとウーファー感が出る。ギミックを楽しみたい人には良い

SENNHEISER IE 80S

ゼンハイザー カナル型イヤホン 耳かけ式/低音域調整機能 【国内正規品】 IE 80 S

 

おすすめ度*1

SENNHEISER IE 80S

が高域寄せ

が低域寄せ

ASIN

B074DYM9WY

 耳にしっかり嵌まる装着感の小型ハウジング。遮音性はかなり高く、周囲の音はほとんど聞こえず、音楽に集中できる。音漏れもかなり少ない印象。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース、イヤーフック、クリーニングツール、マニュアル。リケーブル可能。付属ケーブルはややタッチノイズあり。ハウジングにあるツマミを回すことで低域の調整が可能。

SENNHEISER IE 80SSENNHEISER IE 80S

 

【2】音質

 低域調整でかなり重低音の振動感が増し、ウーファー感が出る。それと引き換えに中高域の精彩やリズム感の明敏性などが失われる印象。調節次第で自分好みの音を見つけられるというのがこの機種の最大の売りだろう。低域に振ると他のイヤホンではちょっと味わえないほどの振動のある重低音が楽しめ、高域に振ると、価格帯では標準クラス程度の中高域イヤホンになる。好みや気分、シーンに合わせて使い分ける感じだろう。イヤホン自体の素質も悪くない。

 

[高音]:突き抜け感はそこそこ。高域に振るとかなり鮮明度と尖りが出てくるが、刺さりやすくもなるので注意(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノの精彩が非常に生々しい。弦楽は若干渋みのある感じで、キィキィ引っ掻く感じではない、やや温もりを感じる膨らみもある音で、色気が感じられる。

[低音]:高域寄りでは存在感が薄まるが、それでもブーミーな感じは残る。低域寄りではウーファーを感じさせる重低音の振動が支配的になり、場合によって中高域は埋もれやすい(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:左右の張り出しのあるドーム状の空間。奥行き感も感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはブーミーな方向の味付けで、表面のは寺家より地鳴り感の方が出やすい。低域に振るとなおさら存在感が増す。もともとシンバルもやや遠目に感じるが、低域に振るほど奥まって埋もれる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:分離感は良好。低域極振り状態でもしっかりと浮かび上がる。高域方向に振ると、息遣いが強く出る傾向になり、突き抜け感も増す。

 

【3】官能性

 Choucho「優しさの理由」は低域方向に振るとせっかくの精彩のあるピアノが押されていく。ボーカルはどちらでも分離感があり、突き抜け感も感じられる。低域寄りではボリューム感が出る。

 Rie fu「For You」は高域寄りでも比較的ボリューミーに骨太に感じる。低域のウーファー感の違いはあれど、基本的にはパワフル。

 TrySail「オリジナル。」では、分離性能の高さを感じさせる見事なボーカルのハモリを見せる。低域に寄せると重厚感が増して足場を意識しやすくなるので熱量は増す感じではあるが、サビ付近での高域の開放感が低域に引っ張られがちになる。

 水瀬いのり&久保ユリカ「Endless Journey」はボーカルのハモリの表現がやはり綺麗。低域に振るとウーファー感が増して重厚感が出る。

 

【4】総評

 個人的な感想を先に言うと、思ったよりどうなんだこれ?といった印象。3万円ちょうどくらいで素性はそこそこ良く、分離感はなかなかにあって重低音を調節して楽しめるとなると一見すごく魅力的に思える。ただ、個人的には1万円クラスの高域モデルと重低音モデルを別々に買った方がよほどよさそうに思われる。3万円台の音質としては個人的には不満。個性的で面白いイヤホンで、実際手に入れたくなったことは確かだが、コスパ的にはやや微妙な評価で、人にお勧めはあまりしない。ハイレゾ対応でもない。ただ重低音のウーファー感は本物なので、それをよしとすれば途端に「strong buy」だ。

SENNHEISER IE 80S

 

【5】このイヤホン向きの曲

 低域方向に振っていくと、ウーファー感のある低域が楽しめる。中高域の精彩も高バランスで、このイヤホンでは比較的高域低域どっちでも楽しめる傾向の音源。ただし高域方向の煌めき感や突き抜け感は1万円クラスのRHA MA 650の方が個人的には断然好みの音を鳴らしてくれるので、結局低域の表現をどこまで気に入るかといったところが評価の分かれ目か。(秦基博「Rain」)

 

ゼンハイザー カナル型イヤホン 耳かけ式/低音域調整機能 【国内正規品】 IE 80 S

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【aptX対応ワイヤレスヘッドホン SENNHEISER MOMENTUM M2 OEBT レビュー】個人的に文句なくオススメ。中高域の色彩感と突き抜け感、躍動感と解放感、そして遊び心を感じさせる味わい深い表現は好みです

SENNHEISER MOMENTUM M2 OEBT

ゼンハイザー MOMENTUM On-Ear Wireless ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン 密閉型/オンイヤー/NFC・Bluetooth対応/aptX/折りたたみ式 ブラック M2 OEBT BLACK【国内正規品】

 

おすすめ度*1

SENNHEISER MOMENTUM M2 OEBT

ASIN

B00TKH1AQC

 重量的には軽め。折りたたみ式で側圧は若干強く感じられ、付け心地は硬めだが、イヤーマフは柔らかで厚みも十分。ただ夏場は蒸れやすい。

 遮音性はそこそこ。駅のホームでのアナウンスや列車の発着メロディーは聞こえるが、人の話し声などは大きくなければほぼ聞こえない。音漏れはそれなりに目立つかも知れないので、満員電車での使用には注意。

 aptXに対応する。AACには対応しない。通信に遅延・途絶はなく、動画鑑賞にも使える。なお試してないので真偽は不明だが、各種情報を集めている時にiPhoneの一部とは相性が良くないという書き込みをいくつか見た。AAC未対応であるし、iPhone/iPadでの利用を考えている場合は店頭でテストしてから購入するのが良いかもしれない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はオーディオケーブル、2種の携行ヘッドホンケース、充電ケーブル、航空機内用の変換プラグ、マニュアル2種。

 

SENNHEISER MOMENTUM M2 OEBTSENNHEISER MOMENTUM M2 OEBT

 

【2】音質

 高域の突き抜け感がとにかく爽快で、ピアノや弦楽の色づきも強く、全体的に明るく色彩豊かな中高域が魅力。低域はだいぶブーミーで空間にゆるく広がる味わいになっており、ウーファー感を感じさせる。これはおそらく中高域の色彩感を生かすための調整に思え、表現としてはおとなしめながら、量感のある低域が中高域の煌めき感や質感を削がない形で音楽に重量感のみを加えるような感覚がある。どちらかといえば中高域に妙味を感じやすい。

 

[高音]:高域は突き抜け感があり、のびやか。高低の感覚がはっきりしアタック感も出やすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノの色彩がかなり強い。それに比べると弦楽の光沢感はピンポイントに響く感じで、抑揚が利いており、表現としては全体的に比較的落ち着いた中で、鳴らすところでは一気に色づいて印象に残る、若干外連味の強い味になっている。アタック感が出やすい。

[低音]:低域はややブーミーで抑揚の少ない、空間に膨張するように溶けていく音。曲にボリューム感と熱量を加える仕事に終始する縁の下の力持ち的な鳴らし方(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:上に高く、奥行きも丁寧に出る。天井の高いドーム型(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは衝撃が控えめで自己主張が少なめ。ハイハットはやや弱めでドラムの背景になることが多い(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:突き抜け感がしっかり味わえるので、高域ボーカル向き。

 

【3】官能性

 山崎あおい「君のいない夏なんて嫌いだ」は色彩感のバランスが良く、キラキラしすぎないややしっとりとした煌めき感があって、この曲の情緒感にふさわしい。ボーカルはやや濡れた感じで潤いがあり、抑揚を利かせるパーカッションが感情の起伏を色づけ、低域の支えが曲を量感的に充実させている。

 UVERWorld「CORE PRIDE」はややもっさり気味。ドラムがメインのこの曲だが、そのドラムに弾ける爆発力が感じられづらく、ブーミーで重たい音は鈍重さが強調されがちに思う。絨毯爆撃のような感じのドラム。重厚さのある味付けが好みの人にはいいだろうが、スプラッシュ感を味わいたい人にはやや向かないか。

 伊藤由奈「trust you」のリズム表現の生々しさのある聞かせ方はかなりいい。ボーカルの伸びやかな声色と楽器との一体感が味わえる曲だが、このヘッドホンは抑揚をうまく出してその一体性を高めている印象。混濁せず描き分ける解像度もさすが。

 大原ゆい子「言わないけどね。」は全体的に精彩度が高い。ピアノや弦楽のアタック感もよく出ている印象。そのせいか人によってはパンチが利きすぎてうるさく感じられることもあるかもしれない。

【4】総評

 全体的に色彩感覚に優れていて、突き抜け感もあり、とにかくキラキラ明るく元気な中高域と、それを躍動的に支える仕事上手なアシスト役の低域のコラボレーションが個人的にはすごくいい。音の抑揚の付け方もなかなか絶妙で、遊び心も感じさせてくれる。遮音性もなかなかあって没入感も高い。外出用、家用どちらでも楽しめる。

 付属品も一通り揃っており、通信性能も安定していてaptXにも対応。マニュアルなどで確認する限り、AACに対応していないところはウィークポイントか。3万円ちょうどくらいの価格設定だが、場合によって5万円クラスに匹敵するレベルでコスパは高く思える。死角らしい死角が見当たらない良機種。

SENNHEISER MOMENTUM M2 OEBT

 

【5】このヘッドホン向きの曲

 低域に厚みと深み、中盤ややふっくらとする膨張感と消失感があり、曲全体にメリハリを感じる。ボーカルも残響感がきれいで空間への拡がりが良く、世界観を支配する。ボーカルの表現がかなり印象的で存在感が強いので、後半クライマックスで劇的にコーラスが増えて盛り上がる場面ではうるさくなることを覚悟したが、解像度が高く描き分けがしっかりしているのでガチャガチャした感じがなく、気持ちよく聴かせてくれる。

 

 中高域の抑揚が情緒を増すので、このような曲では出だしからパンチを食らわせてくれて一気に世界観に引き込んでくる。(菅野よう子「Farewell」)

 

 ボーカルに妙味あり。透明感と伸びやかさに優れ、若さに溢れた初期の飯島真理の声色を楽しむには持って来い。瑞々しい甘味のある魅惑的な声色を堪能できる。(飯島真理「天使の絵の具」)

 

 弦楽に煌めき感がある。抑揚で高低の感覚が強く出て、それに伴いアタック感もかなり感じられ、若干外連味が増しているのがこの曲のサビ付近の盛り上がりによく合う。落ち着いて大人びて聞こえやすい曲だが、このヘッドホンでは全体的に躍動感と色彩感が増して、やや若く聞こえる。

 

 煌めき感のあるピアノや存在感のある楽器たちが個性を主張するので、楽器をいろいろ散りばめて遊ぶようなこの曲にはよく合う。弦楽ののびやかさによる高低の表現と、ボーカルの方向感による左右の定位表現が空間的にも広さを出して面白い。この曲の遊び心をしっかり聞かせてくれる。

 

 ドラムの重厚感と躍動感がよく出て元気な音場のうえにコケティッシュなボーカルが展開するこの曲はやや密度が高めだが、それをガチャガチャさせずに聞かせてくれる。とくにボーカルが見事に楽器音の波間から浮かび上がってくる感じは綺麗に出ている印象だ。

 

ゼンハイザー MOMENTUM On-Ear Wireless ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン 密閉型/オンイヤー/NFC・Bluetooth対応/aptX/折りたたみ式 ブラック M2 OEBT BLACK【国内正規品】

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ヘッドホン SENNHEISER HD599 レビュー】開放的で圧迫感がないが、スカスカせず密度も良好。一体性のある調和的でしかも広い音楽空間を彩る

ゼンハイザー ヘッドホン オープン型 HD 599【国内正規品】

 

おすすめ度*1

f:id:kanbun:20170606050215j:plain

ASIN

B00O3QGOJ8

 装着感はやや硬めだが、イヤーマフの肌触りが良く耳当たりは柔らかい。ただし、蒸れやすい。

 遮音性は低い。音はかなり漏れる。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品は3.5mm変換アダプタ、着脱可能な3.5mmオーディオケーブル。

audio-technica ATH-PRO05MK3

 

【2】音質

 開放的な音質。中高域は抜けが良く色彩感があり、低域はその中高域を下から優しく支える。アタック感も良好で、もっさりしたところはなく、メリハリが利いており、爽快感もしっかり出る。

 

[高音]:突き抜け感良好。煌めき感もある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:抜けが良く、色彩感も良好。金管に色気がある。音は全体的に滑らか。アタック感も良好。

[低音]:中高域を邪魔しない優しく柔らかな低音。ドラムには地熱もあり、優しいが存在感はある。上方向への弾みは少なく、ややブーミー。振動ははっきり肉厚で減衰は素直。深掘りされる、下方向に広い味わい(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:広めで開放的。個々の音はなめらかでみずみずしさも良く出る(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは地熱が強いが表面の弾力もあり、タイトさも出る。上辺ではタイト、下辺ではブーミーといった感じ。ハイハットは粒が細かく、精緻という表現が似合う(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは自然な味わいだが、突き抜け感は良好で高さ方向へののびやかさははっきりしている。

 

※音質については以下のレビュー記事も参考にしてください。

www.ear-phone-review.com

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【3】官能性

 FLOW「COLORS」は立ち上がりが良く、地平線から湧き上がる熱気を感じる出足が丁寧に表現される。重みがあり、空間に豊かに広がる低域は元気。ボーカルの味わいは自然な伸びやかさがあり、突き抜け感もあってシームレス。

 AiRI「君と僕はそこにいた」はリズム感良好かつ重厚感のある低域には弾力もあって、ハイハットは粒が細かく繊細な色彩を加える。ボーカルには突き抜け感があり、開放感も感じられる。

 ClariS「ヒトリゴト」は低域の弾みが良好でなめらかな生肌感のある生命的な音が魅力的。金管の吹き慣らしにも生々しい厚みがあり、密度が高い。ボーカルは楽器音に囲まれながらも、それらに色彩を奪われることなく、のびやかでみずみずしい。

 Aimer「茜さす」は重厚な低域が足場を作る。濃密なのに圧迫感がない抜けの良さが有り、音の密度感を不快感無く味わえる。サビでは密度が高くなり、ガチャガチャしやすい曲だが、弦楽が鮮明さとのびやかさを失わずに包み込んでサポートするので、その推進力を受けてボーカルが綺麗に上昇する。

 

【4】総評

 同価格帯最強クラスの表現力で、全体的にバランスが良い音質で隙が無い。開放タイプでありながらスカスカしたところはなく、強いて言えば曲によって若干低域が深掘りされすぎて分離感を感じるところがかすかに出るかも知れないが、厚みはしっかりしているので密度感は失われない。ただし旧機種のHD598と音質的な差は少なく、旧機種も人気機種で出回った量も多いせいと為替レートの影響でかなり価格がこなれており、この機種とはかなりの価格差が存在するため、本機種は様子見してHD598をあえて狙う手もある。

audio-technica ATH-PRO05MK3

 

【5】このヘッドホン向きの曲

 開放感のある広い音場。パーカッションは立ち上がりと粒感が良好で弦楽も色彩感があり、全体的に鮮やか。ボーカルはのびやかさがあって突き抜け感も良好。

 

 全体的に立ち上がりの良い音ですっきりのびやかで抜けが良く、爽快。それでいて密度も高く、とくに金管とエレキギターの交歓に色気とキレがあって中毒的。音圧ははっきり感じられるのに圧迫感はなく、没入感良好。

 

 低域が空間的広がりをしっかり感じさせ、ライブ空間を現出させる。音の精彩と空間の白熱感。しかも音量を上げても音像が乱れなく、圧迫感も出ないのでライブ空間に没入して楽しめる。

 

 ピアノのなめらかで肉厚なメロディに乗って、ボーカルがバックコーラスとともに充実した空間を作る。良好な定位感とレイヤーの重なるような多層的で包まれる感覚が、楽曲の空気感を作り出し、満たしてくれる。

 

 深く厚みのある重厚な低域は広い音場を支える。細やかな音まで丁寧に表現された精緻な中に展開される、粒感良好なパーカッションの微細な輝きが心地よい。音場には空気感も濃厚に出ており、一方でキラキラとした透明感も明瞭で非常に楽しい。

 

 重厚な低域は表面に反発力があり、元気。ドライになりやすい曲だが、ボーカルは伸びやかさと突き抜け感が良好で高くまでみずみずしさを失わない。

 

ゼンハイザー HD599 オープン型ヘッドホン【国内正規品】

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。