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【ワイヤレスヘッドホン OneOdio FuSion A7 レビュー】低域に充分な温かみがあり、量感のある充実感が高い音響を聴かせてくれる。おすすめ

OneOdio FuSion A7

OneOdio FuSion A7

OneOdio ヘッドホン Bluetooth モニターヘッドホン 音源ミックス 音楽シェア 低音強化 有線 無線 密閉型 FuSion A7

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質も普通。2台までのマルチポイント対応」

おすすめ度*1

OneOdio FuSion A7

ASIN

B07RY1ZSJ6

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

30h/-

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック SBC(2台までマルチポイント)
防水性能 たぶんありません
音質傾向

低域重視、濃厚、ズドンズドン、どっしり、ズンドコ、ぎっしり、密度が高い、重みがある、音が太い、前進的、もっさり、ツヤツヤ、潤いがある、ぽかぽか、ウォーム

 側圧はわずかに強めかも知れませんが、イヤーマフはかなり厚みがあり、装着感は比較的良好です。熱が篭もりやすいところはあり、夏場は蒸れが気になるかも知れません。遮音性は悪くありません。

 

 対応コーデックはSBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは関東某ターミナル駅周辺だが、人混みの多いところでは少し乱れます。

 通信品質的には普通といった印象を受けます。

 マルチポイントはHiby R6 ProとCayin N6II/T01で切り替えを確認しましたが、比較的スムーズに行えます。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとCayin N6II/T01、ONKYO GRANBEATで行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「スペックは優秀」

 付属品は充電ケーブル(Micro-B)、3.5mm/6.3mm両用出力ケーブル、キャリイングポーチ、説明書。

 興味がないので試してないためわかりませんが、有線接続時に左右に別の音源を繋ぎ、ミックスが可能だそうです。

 

OneOdio FuSion A7OneOdio FuSion A7

 

【3】音質「低域の暖かみの強い重みと中域の豊かな広がりを感じつつ、中高域ではツヤが少し強めに艶やかさを感じられる。充実感の強いサウンド」

 音質的には豊満傾向の音で、低域で充分厚みがあり、中域も豊か。中高域でも鮮やかさが充分感じられるところもあり、彩り感も良いです。高域の上の方は暗く、中域の音の濃さを閉じ込める感じになっています。ポップスでは潤い感があり、かつ温かみのあるサウンドを、ロックではドラムの重量とライブ感に寄った熱気重視のサウンドを、ダンスでも床面をやや厚みを出してどっしり強調する感じになります。JAZZはかなり濃厚感のあるサウンドでたっぷりめに聴かせ、クラシックもやや押し出し感強めに雄大さを強調して聴かせます。

 一般に音楽にボリューム感を求める人には非常に好感されそうな反面、もっさりしやすい感じもあるので、比較的選り好みはされそうです。全体の印象としては低域多めのフラットというくらいになると思います。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
色味は濃いめで濃厚感がある。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鈍い。低域のドンドコ、中域でも音の広がりを感じさせるところがあり、金管に一定の粒立ち感があるが、シンバルも少しマイルドでどちらかというと全体的な印象は柔らかい。
明るさ
(明るい/暗い)
普通。低域も重めではあるが、黒くなりすぎない。高域はやや暗い印象を受けるが、中高域でのツヤに光沢も感じられ、自然な明るさがある。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域でツヤを強調する感じもあり、音もぎっしり系で前進的。全体的にやや音色を濃厚にたっぷり聴かせてくる感じがある。
硬さ
(硬い/柔らかい)
柔らかい。ボーカルや楽器音は中域で温和で、低域もドラムが基本的にかなり膨らんで聞こえるので、全体的な印象は柔らかめになる。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや丸みがある。中高域以外で鮮やかにキラキラする感じがわずかに刺激的だが、基本的に音は膨張的で丸みを感じる。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
普通。暖かみが強いので温和な印象を受けるが、低域の量感や中高域のツヤはやや強調するところがあり、人によってはやや押し出しが強く圧迫してくる感じに聞こえるだろう。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。低域にどっしりとした重みはしっかりと感じられ、低域は迫力重視になる。音場も前進的でしっかり密度を出してくる。
豊かさ
(豊か/貧弱)

豊か。全体的に前屈みで頭を囲んでくる没入的なサウンド。音も太く、色づきもしっかり。

太さ
(太い/細い)
太い。全体的に音が太い。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。基本的に膨張感があり、滑らかな感じがあるが、息感とギターエッジに少しシャープネスを感じる。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや粗い。基本的に少し輪郭はぼけやすい。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや濁っている。ほとんどの曲で熱気が強い印象で、もやの中で音を聴くような感じはある。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや潤いのある。しっとり感は出やすい。
重さ
(重い/軽い)
重い。低域のどっしり感は強めに出る。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや濁っている やや濁っている

明るいか

(明るい/暗い)

普通 やや暗い

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

普通 やや天井感がある

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

しっとりしている しっとりしている

太いか

(太い/細い)

太い 太い

濃いか

(濃い/薄い)

濃い 濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

普通 普通

 

空間因子評価
ボーカル因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや天井感がある
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや前屈み

 

美点
  1. 音が全体的に太く、ボリューム感がある
  2. ウォームで豊か、聴き心地が安定している
  3. 低域が充分に膨らみ、足場をしっかり作る
  4. ライブ感が強い
欠点
  1. 清潔感に欠ける
  2. 女声ボーカルが暗く聞こえやすい
  3. 音楽がもっさりしやすい

 

[高音]:高域は基本的に閉じている。中高域では充分に鮮やかな色彩感が感じられるが、高いところに向かうともやっと消えていく感じがあるだろう(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域はやや膨らみが強く、たとえばボーカルピアノは広がりが強く、豊満な印象を受け、甘味が少し強め。みずみずしい感じもたっぷり感じられ、ポップスなんかは非常に充実感して聴かせてくれる。

[低音]:振動のはっきりしたブーッという太い振動。100hz~40hzまで素直な減衰。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域弦楽に厚みがあり、しっかり濃く深掘り感を出す。ドラムもどっしり、ベースはじんわりした感じをかなり感じさせてくれる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に密度感が高め。高域は閉じており、熱気が中域に集中する感じがある。床面も量感多めのパワフルサウンドで重い。選ぶ曲や好みによっては篭もっているという評価も出そうではあるが、ライブ感が高く、没入感がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスは床面方向が力強く、キックのズドン、フロアタムのどっしり感が強く出て重くパワフルな感じがある。反面、上辺はややゆるい感じがある。ドシンドシンに近い、バツンバツン。ハイハットはチリチリしたあたりに強調があるが、少し目立ちにくい。重厚でパワフル(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは濃く太め。女声ボーカルも濃い目の音で、やや天井感が出て厚みが出る。全体的に豊満なボーカル表現になるが、子音はほどほどはっきりしている。

 

【4】官能性「JAZZ、温かみのあるポップスでは満足度が高そう。ロックはライブ感重視」

鵜島仁文「TRUST YOU FOREVER」

Trust You Forever

Trust You Forever

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲を少し温かみがある感じでライブ感重視で聴くならおすすめです。まずボーカルは充分に濃さを感じさせてくれます。ちょっとツヤが乗るので、上でツルッとした潤い感のあるのびも感じられ、若々しさと力強さが共存して感じられるでしょう。足場のドラムは少し柔らかく膨らみながら、表面はほどよくタタンと硬すぎない感じで表現するので、生命的な雰囲気があります。中域で密度感は少し高めに思いますが、中高域でほどよく伸びていくので、ギターのエッジが結構きれいに上昇し、シンセの粒感も比較的良好です。全体的に調和的ながら、パワフルさと艶やかさを兼ね備えたライブ感重視で、少し圧迫感はあるかも知れませんが、基本的に聞き疲れしにくい感じで聴かせます。

 


Free Judgement (Remaster Deluxe Edition)

 

Rasmus Faber「ムーンライト伝説(Jazz Ver.)」

ムーンライト伝説

ムーンライト伝説

【Hiby R6 Proで鑑賞】全体的に暖かみがあり、濃厚感が出ます。具体的には楽器音が全体的にボディを強調する膨らみ重視に聴かせてくる感じで、ピアノもタッチが少し優しく聞こえます。金管なんかちょっとプワプワした感じで聞こえるので、コメディ調のこの曲の楽しい感じが、ややオーバーに強調され、より楽しく感じられるでしょう。全体的に音に潤い感があり、少し輪郭をぼやかして優しく聞かせてくれるのに、色づきは良いので、妙にノスタルジックで懐かしい感じに溢れているのも好感できます。ノリも悪くないですが、どちらかというとムーディーという方が良さそうな感じです。

 


ラスマス・フェイバー・プレゼンツ・プラチナ・ジャズ ~アニメ・スタンダード Vol.4~

 

奥華子「愛を見つけた場所」

愛を見つけた場所

愛を見つけた場所

【Cayin N6II/T01で鑑賞】温かみのある音場に、潤い感を出しつつ、太く豊かな感じで楽器音が満たされて聞こえてきます。ボーカルはやや暖かい息感とふっくらした法要感を重視した声色ですが、子音の発音は明確で歌詞が聞こえづらいことはありません。ベースのじんわり感がピアノやストリングスに温和な表情を与えていますが、彼らはサビになるとより一層鮮やかに太く豊かな雰囲気を維持して伸び上がっていきます。そのため、サビではまさに場面の全てが一気に華やぐような充実した色づきを感じることができ、情景がまざまざと印象づけられるでしょう。この楽曲のテーマである愛に満ちた抱擁感を丁寧に感じさせてくれます。

 


奥華子BEST -My Letters- Special Edition

 

【5】総評「抱擁感のあるサウンドが好きなら」

 音質的には前進的で、包み込んでくるサウンドになります。使い勝手の面では防水性能がないため、外出時の使用では少し慎重になる必要がありますが、軽量で持ち運びには困りません。サウンドにキレを重視する人には物足りない可能性がありますが、ムーディーな曲を楽しみたいなら、低価格ではなかなかこれ以上の相棒は見つからないかも知れません。

 

まとめ
  • 低域と中域、中高域で充実感のある音質
  • 防水性能がなく、通信品質も高い感じではないので、外出時の使用にはやや向かない
  • 人によっては出音が暖色的すぎるかもしれない

 

OneOdio FuSion A7

OneOdio FuSion A7

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン Arbily F7 レビュー】重厚感を出してくれるパンチの利いたドンシャリ。低域のズドン&ブンブンと中高域のキラキラ感を共存させて聴きたい人には魅力的だろう。おすすめ

Arbily F7

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【ワイヤレスイヤホン bluetooth5.0 190時間連続再生 3350mAh超大容量ケース 】bluetooth イヤホン 高音質 片身 自動ペアリング ノイズキャンセリング IPX6防水 完全ワイヤレスイヤホン 左右分離型 音量調整/両耳通話/iPhone/iPad/Android対応

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感はJabra Elite 65tに似ていて、耳にスポっとはまる感じ。通信品質は普通」

おすすめ度*1

Arbily F7

ASIN

B07X1HQG6B

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

10h/180h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

IPX6

音質傾向

弱ドンシャリ、チャリチャリ、ズドンズドン、ブンブン、ツヤがある、ドンドコ、シャリシャリ、ウォーム、アタック感がある、どっしり

 ハウジングデザインがJabra Elite Active 65tなんかに似ている感じです。耳に当たる部分の面積は大きめなので遮音性が少し高い感じになる反面、耳の形を少し選ぶところがあるので、Jabra系の装着感が苦手な人には合わないかも知れません。私にとっては装着感良好で遮音性もそこそこ高めです。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは新宿駅周辺ですが、駅構内でもあまり途切れませんが、人通りの多いところに行くと露骨にプチプチなりました。

 レシーバーが左側にあるので送信している機器を左側ポケットに入れると相対的に安定します。同時にテストした機器の中では、同じArbilyのG7とほとんど変わらない印象を受けました。

 価格帯では堅牢な方ではなく、かといって貧弱でもないので、ちょうど標準的な通信品質といったところだと思います。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「インターフェースは物理式」

 付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書。インターフェースは物理式。反応は少し遅延する程度。

 充電ケースはモバイルバッテリー機能も付いており、充電が可能。

 

Arbily F7Arbily F7

 

【3】音質「ドンシャリ的ではあるが、パンチ力も少し強調があるので音に厚みをそこそこ出してくれる。中域で一定の濃さも感じられ、低域は少し深いところで重みも出す」

 音質的な第一印象は、Anker Soundcore Liberty 2 Proにだいぶ似ているというものでした。具体的には、中高域のほうで艶を出して、ややチャリチャリする感じ、ボーカルが若干後退していてサビで伸びてくる感じ、低域で少しドシドシ重みを出してくる感じがクリソツです。

 この価格帯の機種にしては中高域で細かいディテールが感じられ、シンバルやギターの音に細かめの刻みが見られるほか、ガラス質的な光沢成分も多めで、ピアノ音に透き通る感じを出してくれます。色味はやや派手めにはなるのと、中域の真ん中でそれほど膨らまないので、抱擁感だけやや少なめかなと思いますが、その分高域方向でディテール感が、低域方向で量感が存在感のある形で聞こえると思います。

 Liberty 2 Proのデフォルト音質に比べると少し前進的な音響になっており、ボーカルはやや濃く甘味は少し強めに、ドラムも少し迫力が増して感じられると思います。全体としてはモニター的な解像度と奥行き感を意識しつつも、ボーカルに少しフォーカス感を出し、中域下にも暖かみを足して聴き心地を安定させている、比較的万能系に感じやすい音です。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。中域下のパンチ感のある音に迫力と濃さがある感じ、中高域の艶やかな感じがよく出るので、鮮やかさはやや高め。ただし中域で膨らまないので空間は清潔系でスカスカするところがあり、その分だけ色味が薄い感じがある。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。中高域でギラつき、やや尖りやすい感じがある。しかし、ドラム音が少し濃く音場を温める感じがあるので、大抵の曲で目立ちすぎることはないだろう。
明るさ
(明るい/暗い)
明るい。中高域の光沢感とシャープネスが目立つので、上で緻密であり、個人差はあるだろうが明るさはかなり強い音響に感じるはずである。
派手さ
(派手/地味)
派手。繰り返しになるが、高域で鋭利な感じを強調し、キラキラ感が強め。低域の方も少し受領感を目立たせるところがあるので、全体的に派手な感じになる。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。高域は鋭利で硬めだが、低域のボリューム感があり、暖かく柔らかめに音場をクッションして支えている感じがあるので、全体を眺めると、硬すぎる感じはない。しかし高域音により敏感な人にはやや硬すぎると思われる可能性はある。
尖り
(尖っている/丸みがある)
尖る。高域のエッジ感はやや鋭く感じられやすい。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。高域の出音が派手でギラつくので、好みにもよるが、ガチャガチャ感は強く、ややうるさげなところはある。さらに中域が清潔なぶんだけ少し目立つ低域もパンチやキックを聴かせて少し圧迫感が高く感じられやすいので、好みにもよるが、少しうるさく感じやすい可能性はある。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや強い。ドラムはパンチを利かせて少し迫力を出して聞こえてくる。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。中域は若干後退的でやや充実感に欠けるが、ボーカルに濃さはあり、太さはわずかに細い感じではあるが、実体感はそれなりにある。低域に迫力が出やすく、音場の支えも安定している。

太さ
(太い/細い)
普通。中高域以上でやや細さを強調するが、低域はドシンと図太めの音で総合すると音の太さは普通くらい。
手触り
(ざらざら/滑らか)
普通。中高域でキラつく鋭利な感じがあるが、低域も暖かみもあり、全体と見渡すと滑らかな質感の部分のほうが多いかも知れない。ただし一番刺激的なアタック感があるあたりの音が大抵エッジを強調して聞こえてくるので、相対的に毛羽立ちが目立ちやすいところもある。
粒感
(きめの細かい/粗い)
細かい。高域でややシャープネスが強調され、さらに光沢感も派手めなので、粒立ちはくっきりする。
清潔感
(澄んだ/濁った)
普通。中域の清潔感は少し高め。高域は派手で、低域も少し暖かみが強いので、全体的なバランスを考えると普通。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや潤いのある。中域はどちらかというと清潔ではあるが、温かみがあるのでじんわりした感じが出る。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。低域はベースもキックも結構深く聞こえ、量感もあり、どっしり感も結構出る。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや澄んでいる やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

やや明るい やや明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

伸びやか 伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

ややしっとりしている ややしっとりしている

太いか

(太い/細い)

普通 普通

濃いか

(濃い/薄い)

少し濃い 普通

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややスカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや奥まる

 

美点
  1. 中高域、高域のディテールが良い
  2. 低域が充分に暖かく、重みも感じられる
  3. パンチがあり、アタックも良好なノリの良いサウンド
  4. 少し鋭角的で解像度重視だが、それでも聴き心地は相対的に安定している
欠点
  1. 中域での充実感が薄い
  2. 音がややチャラく、派手め
  3. 人によっては音が攻撃的すぎる

 

[高音]:高域の高さは基本的に高く、開放的である。音はドライさも少し強いかも知れないが、ツヤや光沢感も充分にあるので、カサカサ感はそれほど目立たない。かなり緻密さを強調する感じがある。シンバルやギター音は高いところの空気感から、下の方のチンチンチリチリしたところまで繊細に出すところがあり、弦楽もやや細身に立ち上がる感じがある。またピアノのキンキンした光沢感は透明度高めに表現される。電子音もチャリチャリと粒立ちが強い感じで聴かせる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は清潔系でやや膨らみは抑えられている。中高域と中低域が目立つバランスになっており、奥行き感が感じられるとともに、楽器音に一定の実体感を持たせている。スカスカな感じは強くないが、それでも曲によってはやや豊かさに欠ける印象を受ける。

[低音]:少し重みを感じる振動で100hz~40hzまで素直な減衰。30hzで沈み、20hz以下ほぼ無音。量感はそこそこ強調される感じがあり、キックのドシッとした感じやベースのボディも結構感じられる。床面で一定の重みと深みがある(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:基本的にはドンシャリ。低域に結構な重量感があり、中高域以上にもディテールと明るさの集中が見られ、曲の立体感がわかりやすくなっている。中域はやや奥に行ってはいるが、濃さはそこそこ(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスはスネア・タムも、バスドラもややアタックが強く、ノリが良い音。上辺では張りのあるパリパリ・パシパシ・パチパチ感を明るめに出しつつ、下ではズドンズドンも結構しっかり感じさせてくれる。少し重みが強いバランスだが楽しげ。重みの強いバッツンバッツン。ハイハットも濃いチンチンしたあたりから高いシャンシャンまで結構縦軸を出して聴かせてくれる。概ねリズムについては外連味を充分に出してくれるので、ロックな曲を聴く人にはかなり満足できる出来だろう(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは濃さに足りない感じはあまりないが、やや中性的に感じられる。女声ボーカルのほうはやや細身にサビで伸びてくる感じがある。やや上昇圧のかかる声色なので、あどけない感じが出る。また、息に温もり感をほどよく感じさせてくれる。子音と息感はほどよく強調され、口の形はややくっきり見えるかなくらいのバランスになる。ツ音も少し尖る感じ。

 

【4】官能性「低域の床面をしっかり感じながら、ツヤと粒立ち感があり、パンチとアタックも少し高いノリの良いサウンドを味わえる」

777☆SISTERS「MELODY IN THE POCKET」

MELODY IN THE POCKET

MELODY IN THE POCKET

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】この曲のボーカルの、ちょっとあどけない感じで明るくキャンキャンした感じで弾む声色がハモるところはかなり詳細に味わえます。語尾がちょっと元気にのびて媚びる感じもよく表現され、息感に温かみもあるので、コケティッシュです。低域の重量感も出ますが、サビのボーカルより少し抑えめなバランスになっているので、基本的にボーカルを邪魔せずに支えてくれるでしょう。シンバルとドラムス、ギターのアタック感は強めで、この曲の押し出し感は遺憾なく表現してくれます。こういう元気いっぱいに弾ける系のガールズロックはとくにおすすめできます。

 


MELODY IN THE POCKET【初回限定盤】

 

勇者パーティー「えんどろ~る!」

えんどろ~る!

えんどろ~る!

【Hiby R6 Proで鑑賞】やや賑々しい系統の曲ですが、中域で奥行き感を出してうまく整理している感じがあるので、混濁感がありません。高域木管の明るい突き抜け、弦楽の高域での花開くような立ち上がり、ピアノの派手めのツヤキラ感がクリアに聞こえます。下の方を見てみれば、ドラムスの支えは厚みの感じられるドンドコ感でしっかりしていながら、目立ちすぎて重苦しくならないバランスが保たれています。

 


TVアニメ「 えんどろ~! 」オープニングテーマ「 えんどろ~る! 」

 

加藤浩義「I miss you baby」

I miss you baby

I miss you baby

【Hiby R6 Proで鑑賞】全体的にアタック感が強く、床面含めて押し出し強めなので、こういう勢いのあるEDMとは相性抜群です。電子音の色づきも艶やかで、キラキラきれいに虹色の発色を見せてくれますが、それでいて、中域でほどよくすっきりするので、煌びやかで勢いのある音同士に混濁感がありません。透明感も高く感じられます。緻密感をうまく出して解像度の高さを印象づけつつ、適度な暖かみを出しながら、ビシバシ感のある低域の支えも良く、全体的な組み立ては良好です。おそらく多くの人にとってかなりのコスパが感じられるほどには満足度が高いでしょう。

 


消滅都市 ORIGINAL SOUNDTRACK (特典なし)

 

【5】総評「低価格で解像度が高く、透明感があり、しかも快活さに満ちた押し出し感のある楽しい音楽を楽しみたいならおすすめ」

 音質は中高域で派手さが目立つ感じでしかも押し出しも強く、媚びた音ではありますが、音は良く整理されており、ごり押しする感じでもありません。低音の支えが結構しっかりしているので、曲によってほどよい暖かみも感じられやすく、ボーカルも薄くならないので、フォーカス感があります。通信品質だけちょっと平凡な印象を受けますが、それでも一般的には実用的な範囲と言えると思います。繁華街では少し途切れが目立つ、そんな感じです。個人的に音質的な好感度が高かったので、やや甘い評価になっている可能性はあると思いますが、おすすめです。

 

まとめ
  • 清潔感と派手さを兼ね備えた音で解像度が高い
  • 通信品質は普通で、バッテリー品質は高い
  • ほっこりした抱擁感のある音楽を重視する人には向かない

 

Arbily F7

Arbily F7

【ワイヤレスイヤホン bluetooth5.0 190時間連続再生 3350mAh超大容量ケース 】bluetooth イヤホン 高音質 片身 自動ペアリング ノイズキャンセリング IPX6防水 完全ワイヤレスイヤホン 左右分離型 音量調整/両耳通話/iPhone/iPad/Android対応

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ワイヤレス骨伝導イヤホン AfterShokz Aeropex レビュー】個人的にはこれまでの「骨伝導は音が悪い」という常識を覆された。骨伝導にしては中高域と低域に抜群のディテール感があり、さらにウォームで聴き心地が安定している。おすすめ

Aftershokz Aeropex

Aftershokz Aeropex

AfterShokz Aeropex 骨伝導ワイヤレスヘッドホン 防水bluetooth5.0 コズミックブラック

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「薄型で一般的な眼鏡やサングラスと干渉しづらく、装着感は良い。通信品質はそこそこ良い」

おすすめ度*1

Aftershokz Aeropex

ASIN

B07RRQ59JR

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

8h/-

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック SBC
防水性能

IP67

音質傾向

弱ドンシャリ、爽快、キラキラ、ツヤツヤ、ほっこり、ポンポコ、鮮やか、のびやか、温和、朗らか、滑らか、華やか、嫋やか、しっとり

 フレームデザインはかなり工夫されていて、耳にかけるところは薄くなっているので、ほかの耳掛け製品(眼鏡・イヤホン・サングラス)などと共存しやすい。また上からヘッドホンを被ることも可能である。

 骨伝導なので遮音性はない。

 

 対応コーデックはSBCのみ。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみた。テストしたのは秋葉原駅周辺だが、駅構内ではそれほど途切れは感じない。家電量販店店内でもほぼ途切れない。一方で人通りの多い通りや交差点付近で途切れが見られた。

 通信品質的には上位とはいかないまでも、そこそこ安定しているだろう。私の環境では、たとえばSONY WF-1000XM3とこれとどっちが安定しているかというと、WF-1000XM3である。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「インターフェースは物理式。反応は良い」

 付属品は充電ケーブル(独自コネクタ)、低域改善用の耳栓、キャリイングケース、説明書。インターフェースは物理式。反応は良い。

 

 

Aftershokz AeropexAftershokz Aeropex

 

【3】音質「中高域で適度に解像度を強調しながら、中域に豊かさがあり、温和で透明感のある音響を実現している。低域は音圧低めだが、骨伝導でディテールが補われるので、存在感は充分」

 音質的には艶やかで光沢のあるあたりの中高域を丁寧に聴かせつつ、中域にも広がりがあって、豊かに膨らむ抱擁感がある。低域は全体のバランスから見ると出音はやや抑えめで、音圧を抑えた清潔な感じになるが、重低音の地熱感は骨伝導の振動で補われるので、一般的なイヤホンで低域を聴く感じとは異なるところに違和感を覚えるかも知れないが、ディテールは充分に感じられる。

 遮音性はほぼないので静かなところでないと、音のディテールはややぼやけやすいところがあるが、これまで私が聴いてきた骨伝導の水準を軽く越えているだけでなく、聴き心地とディテールにおいて、かなりの高水準を実現しているのに率直に言って、驚いた。

 

低域改善用の耳栓が付いてきます

 下のような低域改善用の耳栓が付いてくる。効果について個人差があるかも知れないので、今回は詳しく触れないが、耳栓を装着すると、中低域の量感が増し、中域でより豊かになり、ボーカルフォーカス感が増す。曲によっては篭もって感じられる場合もあるので、好みによって使い分けると良い。

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音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
鮮やか。低域だけ薄味だが、中高域で充分なツヤ、中域で充分な広がりを感じられるため、音の風味はかなり豊かに表現され、充分に鮮やかな印象を受ける。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

普通。シンバルやギターにツヤがあり、シャリシャリした感じは鮮明に出るが、上の尖りは空気に溶け込む優しい感じである。また中域に充分な豊かさがあるので、音に適度な丸みが出ている。
明るさ
(明るい/暗い)
明るめ。中高域の艶やかさがかなり鮮やか。中域も充分に厚みを出して色づくが、高い刺激音は多くない。ギターのじわじわしているあたりやピアノのポロンとしたあたりなどで温和な明るさを感じる。そのため昼白色から電球色くらいの生活空間程度の明るさを感じる。
派手さ
(派手/地味)
派手め。音に色づきは強いので鮮やか。派手なほうの出音である。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや柔らかい。中高域でギラつく感じはあるのでやや硬い印象を受けるが、シャープネスは強くなく、中域は膨らみ豊かな広がりがあるので温和で、低域は音圧的に主張が少なく、圧迫感がない。
尖り
(尖っている/丸みがある)

やや丸みがある。中高域の出音が派手でピアノ音などにわずかにキンキンする硬さはあるが、中域が豊かに膨らんで音を丸めてくれる感覚がある。基本的に音場には暖かみを感じる。

穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや穏やか。高域ので音が派手だが、音楽表現の全体像は中域充実しており温和で、高域と低域にくどい感じがなく、音が混濁して聞きづらい感じがない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。低域は量感をほどよく抑え、キレを強調する高域でもない。骨伝導の振動をパワフルと表現できるかどうかが難しいところだが、個人的には、振動音を含めても低域は音圧的には少し緩い印象がある。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや豊か。高域・低域に比べて、中域に充実感があり音の広がりがよく、抱擁感がある。

太さ
(太い/細い)
やや太い。音はどちらかといえば広がり重視で、包み込んでくる感じであり、やや輪郭をぼやかしながら聞こえてくるので太めに感じるだろう。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。全体的に中域の広がりが良く、丸みが出る。
粒感
(きめの細かい/粗い)

細かめ。ディテール感を強調する感じではないが、中高域でかなり緻密になるので、シンバルやギターの音には繊細な感じがよく出る。

清潔感
(澄んだ/濁った)
やや澄んでいる。中域は暖かいが、低域にマスキングされる感じがなく、透明感がある。中高域も光沢を出すので、ポロポロとした、水晶のような温和な透明感を出してくれる。
潤い
(潤いのある/乾いた)
潤いのある。中高域が鮮やかでつやっぽさが強く、ボーカルもみずみずしい。
重さ
(重い/軽い)
普通。低域支配力が強くなく、中域の真ん中かやや上くらいに重心を感じる。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや澄んでいる やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

明るい 明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか やや伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

ややしっとりしている ややしっとりしている

太いか

(太い/細い)

やや太い やや太い

濃いか

(濃い/薄い)

普通 やや濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

普通 やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
普通
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
普通

 

美点
  1. 中高域のディテールが良い
  2. 中域に温かみがあり、音の広がりも良く、抱擁感があり、聴き心地が安定している
  3. 低域は量感を抑えて清潔で見通し重視だが、地熱感は骨伝導で補われるので、一般的なイヤホンとは少し印象が異なるが、ディテールは高い
  4. 音量を上昇させても圧迫感が出にくい
欠点
  1. 骨伝導の振動もあり、耳に入れるイヤホンに比べて音の輪郭が雑に思われる可能性がある
  2. 環境音が多い場所では音が埋没しやすい
  3. 人によっては低域は明らかな重量感不足に感じられる可能性がある
  4. 音は全体的にキレを強調する感じではなく、メリハリ感は低め

 

[高音]:高域はマイルドカーブして減衰している。減衰は空気に溶け込む感じで自然。中高域でかなり艶やかさと繊細さが感じられるバランスになっているので、解像度は高く感じられるはずだが、シャープネスは強くないウォームな印象に感じるはずである(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は真ん中に充実感があり、ボーカルに充分な濃さと実体感があって、ピアノや弦楽の音にも広がりが充分に感じられる。これらの楽器音はガラス質の光沢感を感じさせつつ、厚みと深みも出してポロンという感じの温かみのある質感を充分に出してくれるだろう。またロックではギターに充分な縦幅と厚みを出してくれ、鮮やかにジュワジュワするエッジ感を出しつつ、横の広がりと少しの黒みも感じさせてくれるくらいのバランスになる。ギターの音色に潤い感は出やすい。中域下は少し清潔にされているので、奥行き感が感じられるようになっている。

[低音]:音の振動波自体はかなり淡い感じでぼーっとしている振動である。100hz~50hzくらいまで素直に減衰する印象で、40hz以下はほぼ無音。骨伝導振動は100hzでかなり強く、周波数を下げていくにつれて穏やかになるが、40hzくらいまで感じられる。中低域は少し清潔な印象でパンチの強調を感じない。一方、キックやベースのあたりでは骨伝導振動が強く出るので、その地熱感、地鳴りを肌で感じさせてくれる。低域は普通のイヤホンとは音響原理が異なるので、厳密にほかのイヤホンと比較して論じるのは難しいが、一般的に、見通しよく、ベースで深みを感じる印象を受けるはずである。重低音はどちらかというと振動になっており、音が濃く黒く出るわけではないので、重みのほうはあまり感じないと思われる。骨伝導振動を除けば、音自体は浅い感じなのでリズムコントロールは良く、低域は迫力不足に思うかも知れないが、ディテールは良好に感じるはずである(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中域から中高域にディテールの集中がある、温和で伸びやかなサウンドに聞こえるはずである。厳密にはドンシャリとは言いづらいが、中域下から中低域は後退して清潔感を重視している印象を受け、重低音は骨伝導でややはっきりと出るので、ドンシャリに近い立体感を感じると思われる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:バスドラムキックやフロアタムの音は骨伝導振動になりやすく、本体全体の振動につながりやすいので、これらの音が強い曲ではややリズムパート全体の印象がガタガタして感じられる可能性はある。上辺ではタムやスネアがやや膨張感を出す暗めのパッツンパッツン、ないしバッツンバッツン系のドラムスになる。シンバルの浮き上がりは良く、ハイハットはやや濃いめに、非常に艶やかにチンチンチリチリしたあたりを聴かせてくれる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男性も女声も中域で充分に甘味を出し艶やかになる。色味も濃いめ。男性ボーカルだけ相対的に色味が薄くなりやすいが、それでもボーカルフォーカスは良く、基本的に前進して聞こえてくるはずである。女声ボーカルはふっくらとした実体感と温かみがありながらも、少し高いところで艶やかさを増す傾向にあるので、大抵の曲でサビに向かうにつれ、しっかり鮮やかになってくれるメリハリ感があるだろう。ツ音系の子音は少し尖るが、基本的に丸い声色。

 

【4】官能性「充分に広がりを出してウォームな聴き心地の安定感を出しつつ、艶やかに聴かせる、特に女声でボーカルフォーカス感の強い音響。基本的に万能系だが、JAZZやオーケストラなんかではティンパニの拍動や低域弦楽が弱く感じるかも知れない」

菅野よう子「White Falcon」

White Falcon

White Falcon

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】上の動画は実演奏版である。私が聴いたのはサントラ収録版なので、若干音の印象が異なっている可能性があるが、アレンジなどはされていないので、おそらく基本は変わらないはずである。

 さて、このイヤホンでこの曲を聴くと、音の広がりも良く、弦楽音や金管音に充分な艶やかさとみずみずしさがあって華やかで、奥行き感もあり、低域管楽にドシッとした重みもある。しかし一方で、ティンパニの音に膨らみがなく、低域弦楽も薄味で床面がやや清潔すぎてスカスカする印象を受ける。骨伝導の振動感は強く出るので、音の一番底の深みの持つ鳴動感はむしろはっきり肌で感じられるのだが、ティンパニの音に厚みがなく薄いために重厚感にいまいち欠ける。このイヤホン特有の、ディテールは良く、深さも感じられるが、重みが感じられない低域はしたがって、フルオーケストラのような重厚で低域の情報量の多い音楽をいまいち不得手とするところがある。

 


∀ガンダム オリジナル・サウンドトラック 2 ディアナ&キエル

 

(K)NoW_NAME「rainy tone」

rainy tone

rainy tone

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】この曲の、中域で透明感と暖かみのある感じがよく出る。出だしのシンバルはシャリシャリというよりはシュリシュリに近く、質感も滑らかで、温かみのある砂粒感のある音になる。ボーカルはふっくら感を少し出しつつ、ツヤもあって潤いと甘味も感じられる、みずみずしいボイス傾向。ギターが膨らみやすい曲だが、その少し湿ったじんわりしたあたりを強調するので、温度感と湿度が高めに感じる。

 ところで低域だが、まずドラムは大抵のイヤホンでもしかすると結構ドコドコ膨らんでやや重たげな感じになると思われるが、このイヤホンではそこは清潔に、重さをあまり感じさせずにベースの地熱感を骨伝導振動込みでやや強めに感じさせるので、少しベース優位で深いところでギュンギュンくる感じになる。このドラムがどちらかというとスコスコ清潔で、ベースの方で抉ってくるバランスは、聴いてみると個人的にはなかなか好み。低域が清潔なおかげで、少し泣き出しそうなボーカルが浮き上がって、しかもベースのじんわり感とも合わさって、印象的に聞こえてくるように思えるからだ。

 そういうわけで、このイヤホンで聴く、こういうしっとりしたロックは非常に情感に訴えかけてくる気がする。たとえばAimer「StarRingChild」とか。

 


「灰と幻想のグリムガル」エンディング・テーマ「Harvest」

 

西沢幸奏「Brand-new World」

Brand-new World

Brand-new World

【Hiby R6 Proで鑑賞】まずこの曲はところどころガラス質の透明感を強調するシーンがあるが、光沢感とツヤがよく感じられるこのイヤホンはそこでかなり透徹した感じを強く出してくれるので気持ちが良い。Hiby R6 Proにもやや潤い感を強調する傾向があるせいもあるだろうが、ギターとボーカル、シンバルに潤い感があり、全体的に活き活きと艶やか。ボーカルの息にじわっと媚びた甘味がのるセクシーさがある。唇のリップの潤い感が見える感覚すらある。本来は床面を強調すべきドラムは清潔系でやや輪郭が緩く、量感的にもパッとしないのが好みを分けそうだが、ボーカルのみずみずしく妖艶な声色と、ウォームで実体感がありながら、奥行きがあり透明感も感じる音場に、かなり満足できる印象を受ける。

 


Brand-new World/ピアチェーレ

 

【5】総評「骨伝導が欲しいって?買うならこれでしょ!」

 骨伝導をさんざん小馬鹿にして来た私だが、Aeropexの音はかなり完成度が高く、むしろ同価格帯のイヤホンより装着感が安定しており、耳に圧迫感がないだけ優れているとすら言える。とくにカナル型イヤホンではどうしてもおろそかになりやすい低域のディテール感は重低域の鳴動が骨伝導になってる分だけより分析的になっており、重みには欠けるが、深さと見通し感は非常に良くモニター的である。中域の充実感はすでに充分なレベルで、艶やかな音を開放的に聴かせてくれる。

 実を言うと、これまで店頭試聴でAfterShokz製品は何度も聴いてきたが、ぶっちゃけ魅力を感じてこなかった。しかしそれはやはり遮音性が低すぎて店舗のうるさいところではその魅力を十分に感じられなかった可能性が高い。遮音性の低さはノイキャンヘッドホンを被るなどしてカバーすることは出来る。

 Aeropexを手に入れてからは私の外出時のオーディオは「完全ワイヤレス+Aeropex+ノイキャンヘッドセット」のスタイルが一般的になり、なんだかんだいって手放せなくなってしまった。

 

まとめ
  • 音質は骨伝導では最も良く、とくに女声ボーカルの艶やかで潤いのある色気は秀逸
  • 通信品質やバッテリー性能もまずまず満足できる
  • 遮音性は低い

 

Aftershokz Aeropex

Aftershokz Aeropex

AfterShokz Aeropex 骨伝導ワイヤレスヘッドホン 防水bluetooth5.0 コズミックブラック

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン Anker Soundcore Liberty 2 Pro レビュー】ツヤと光沢のある派手さと清潔感をうまく兼ね備え、奥行き感を出す。低域は少しドンドンするが、それでも主張しすぎることはない。ロックやEDM好きにおすすめ

Anker Soundcore Liberty 2 Pro

Anker Soundcore Liberty 2 Pro

Anker Soundcore Liberty 2 Pro(完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth 5.0)【IPX4防水規格 / 最大32時間音楽再生 / Qualcomm® aptX™ / ワイヤレス充電対応/Siri対応/マイク内蔵/PSE認証済】

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感はSONY WF-1000XM3に似ていて、よく耳に嵌まる感じ。通信品質は良好」

おすすめ度*1

Anker Soundcore Liberty 2 Pro

ASIN

B07XYQYDMN

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

8h/32h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX4

音質傾向

弱ドンシャリ、爽快、シャープ、チャリチャリ、キラキラ、ズンドコ、シャキシャキ、鮮やか、派手め、抜けが良い、清潔、風通しが良い、粒立ちが良い

 ハウジングデザインがSONY WF-1000XM3にそっくりで装着感も似ている。遮音性はそこそこ高めに感じると思う。

 

 対応コーデックはaptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみた。テストしたのは関東某ターミナル駅周辺だが、ほとんど途切れはなく、バスターミナル付近や、人の多い交差点などで途切れが見られた程度である。私の印象ではAVIOT TE-D01gないしTE-D01dとほぼ同等の通信品質である。

 QCC3020を使用していると思われるが、私の環境ではQCC3020で稀によくある接続の乱れはあまりない。

 個体差や相性の可能性もあるので確実なことは言えないが、あくまで個人的な感想としては、Noble Audio FALCONより通信品質は少し良いように思う。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「インターフェースは物理式。付属アプリは優秀」

 付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書。インターフェースは物理式。反応はまあまあ良いが、ボタンが浅く、本体に比べて面積が小さめなので少し見つけづらい。

 

 付属アプリにはイコライザー機能と音質パーソナライズ機能が付いており、自分の好みにあった音質を味わえるようになっている。残念ながらカスタムイコライザーを組むことは出来ないようなので、用意されたプリセットの範囲での音質調節になるが、それでもパターンは多く、22種類(デフォルト+21種類)用意されている。

Cayin N6IIでアプリのイコライザー画面を開いたところ

Cayin N6IIでアプリのイコライザー画面を開いたところ

 

Anker Soundcore Liberty 2 ProAnker Soundcore Liberty 2 Pro

 

【3】音質「清潔傾向だが、やや派手さも出してくれるドンシャリ。Noble Audio FALCONを高域で光沢感とツヤを増し、低域のボリューム感を上げてみた感じの音質」

※この機種には音質パーソナライズ機能がついており、使用すると音の広がりと豊かさ、ボーカルフォーカス感に改善が見られた。しかし、この機能の効果には個人差が考えられるので、以下のレビューではあくまでデフォルトの音質を用いている。

 

 音質的にはNobleAudio FALCONに似たような印象を受けるが、多くの人にとって、より正統派ドンシャリ的な音はたぶんこっちだろう。高域は清潔系でディテールを重視した細かい音で空気感重視のところもあるが、同じ清潔系のFALCONに比べるとより鮮やかで、たとえばギターやシンバルによりチリチリした金属光沢感がある。低域の方も中低域の膨らみがFALCONより量感多めで、音の全体的な印象はFALCONより鮮やかになる。その分音はちょっとくどくなっているところがあり、聞き疲れる感じは増しているが、人によっては高域でとくに、よりディテールを強調されていると感じ、相対的にFALCONより緻密な音に感じられる可能性はある。

 とくに高域音で鮮やかさがあり、光沢感を出してキラキラチャリチャリとツヤを出してくれる感じは、ピアノや電子音の透明感を増して感じさせてくれる可能性が高いし、アコースティックギターの刻みにより明確な金属光沢感を感じさせてくれる。ハイハットは少し低いところが濃くなるが、それでも充分に高さを主張して空気感もある。ボーカルはFALCONに比べて少し鮮やかになって、アニソンなんかの明るいボーカル曲でキラキラ感が増す反面、ツ音に尖りが見られるようになったため、人によってはしつこい味わいに感じられるかも知れない。

 中域にあまり抱擁感がないので、音の膨らみは弱く、低域は充分に暖かいが、それでもあまり音に暖かみを感じられない可能性はある。そのため、選曲や音源にもよるが、人によってはややギラついた攻撃的な色彩感を感じるかも知れない。それでも奥行き感に配慮した音響設計がされているので、尖る感じが強くなるほど音量を上げなくても充分に音楽に立体感が出るはずである。

 音量を上げると高域はやや尖りが強く繊細になり、刺激は強くなるが、低域もほどよく暖かみを増すので、きつさが目立たないようになっている。比較的音量を上げて楽しむ傾向のある人にも充分緻密さを提供しつつ、適度に安定した聴き心地を提供してくれるだろう。

 そういう意味で、全体の音響設計は解像度に寄せながらも、聴き心地に適度な配慮が見られるバランスになっており、価格を考えると充分に満足できると思われる。FALCONに比べると、こちらのほうがツヤ出し感が強いので、金管やシンバルの音色などでより「グルーヴィー」だと感じる人はおそらく多いだろう。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
普通。音がドライで少し清潔で、中域で膨らまない分だけ、やや薄味とも思えるが、中高域でツヤや光沢感が出て派手さは充分にあるので、高域方向ではかなり鮮やかに感じられる。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

鋭い。シンバルやギター音はシャープなエッジを持っている上に、やや鋭利な金属光沢感でギラつくところがあるので、人によってはかなり鋭角的で攻撃的な音に感じるはずである。しかし、人によっては刺さりやすいかも知れないが、おそらく一般的には刺さるほど高い音ではない。
明るさ
(明るい/暗い)
明るい。中高域の光沢感とシャープネスが目立つので、上で緻密であり、個人差はあるだろうが明るさはかなり強い音響に感じるはずである。
派手さ
(派手/地味)
派手。繰り返しになるが、高域で鋭利な感じを強調し、キラキラ感が強めで、ギラつくとことがあるので派手である。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。高域は鋭利で硬めだが、低域のボリューム感があり、暖かく柔らかめに音場をクッションして支えている感じがあるので、全体を眺めると、硬すぎる感じはない。しかし高域音により敏感な人にはやや硬すぎると思われる可能性はある。
尖り
(尖っている/丸みがある)
尖る。高域のエッジ感はかなり鋭く感じられやすい。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。高域の出音が派手でギラつくので、好みにもよるが、ややうるさげなところはある。しかし、音場は良く奥行き感が確保されているので、ゴチャゴチャする感じはたぶんあまり感じられないはず。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや強い。中低域に少し膨らみと量感があるので、低域で少しパンチ力が強く、また高域のエッジ感とキラつきが強いので、全体的にやや攻撃的な力強さを感じる。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや貧弱。中域にあまり充実感はなく、どちらかといえば清潔で音が細い感じがある。

太さ
(太い/細い)
やや細い。中域や中低域で膨らむ感じはなく、どちらかといえばミニチュア的な細かさを重視したサウンドに聞こえる。
手触り
(ざらざら/滑らか)
ややザラザラ。中高域でキラつく鋭利な感じがあり、質感は少しエッジに毛羽立ちと光沢感があり、手触りはややのこぎり状の、荒い質感に感じられる可能性が高い。たとえば金管の音は粒立ちが良いが、ビビビッという摩擦感が少し強い。
粒感
(きめの細かい/粗い)
細かい。高域でややシャープネスが強調され、さらに光沢感も派手めなので、粒立ちはくっきりする。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや澄んでいる。清潔感は高め。高域で少し金属的なキラキラ感があるので澄んでいるというほどではないが、一方でピアノの光沢に強めの透明感があり、曲によっては透徹した印象を出してくれる。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いている。中域が膨らまないので基本的には音は少しドライ傾向に聞こえる。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。低域は浮き上がりは良いが、やや膨らめみが強めで量感があり、全体的な印象では少し重みが目立つように思える。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや澄んでいる やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

明るい 明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか 伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

やや細い やや細い

濃いか

(濃い/薄い)

普通 普通

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ 目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややスカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
普通
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや奥まる

 

美点
  1. 中高域、高域のディテールが良い
  2. 音場が清潔で風通しが良い
  3. 低域が充分に暖かく、重みも感じられる
  4. 少し鋭角的で解像度重視だが、それでも聴き心地は相対的に安定している
欠点
  1. 中域での充実感が薄い
  2. 音が少し乾燥している
  3. 人によっては音が攻撃的すぎる

 

[高音]:高域の高さは基本的に高く、開放的である。音はドライだが、ツヤや光沢感も強く、かなり緻密さを強調する感じがある。シンバルやギター音は高いところの空気感から、下の方のチンチンチリチリしたところまで非常に繊細に出すところがあり、弦楽も細身で少しヒステリック感が強い。またピアノのキンキンした光沢感は透明度高めに表現される。電子音もチャリチャリと粒立ちが強い感じで聴かせる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は清潔系で膨らみは抑えられている。中高域が目立つバランスになっており、奥行き感が感じられるが、人によっては音に少しか細い印象を受けるかも知れない。低域が少し張り出して中域を支えているので、スカスカな感じは強くないが、それでも曲によってはやや豊かさに欠ける印象を受ける。

[低音]:少し重い厚みのある振動で100hz~40hzまで素直な減衰。30hz以下も振動感が残る。中低域に少し強調があり、曲によってはベースは結構ブンブン感じられるところがある。キックも結構ドシンと出るが、浮き上がりも悪くなく、重低域方向は意外と明るめに感じられる。床面に一定の重量感は出やすく、多くの人にとって不足感はないと思われる。ただしややブンブン感が強く出過ぎる可能性もあるので、人によっては少しうるさいと感じられるかもしれない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:基本的にはドンシャリ。低域に結構な重量感があり、中高域以上にもディテールと明るさの集中が見られ、曲の立体感がわかりやすくなっている。一方で、中域の不足によって、曲によっては低域が少し強すぎたり、逆に高域が少し派手になって尖りすぎるといった若干のピーキーさはある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:キックは少し重く、パンチも少し強め、上ではスプラッシュ感が少し派手という、かなりロックなドラムスになっている。タムの鼓面の粘りもバチッと強めで手応え多めで、少し重みが強いバランスだが楽しげ。重みの強いバッツンバッツン。ハイハットも濃いチンチンしたあたりから高いシャンシャンまで結構縦軸を出して聴かせてくれる。概ねリズムについてはロックな曲を聴く人にはかなり満足できる出来だろう(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは率直に言って少し薄く、細めに感じる。中性的。女声ボーカルのほうもやや細身でサビで伸びて突き抜け感をやや強調する感じがある。また子音と息感に強調を感じ、ツ音も結構尖るので、少し上でくどい感じはある。

 

【4】官能性「低域の床面をしっかり感じながら、ツヤと粒立ち感のあるグルーヴィーなサウンドが味わえる」

大原ゆい子「透明な翼」

透明な翼

透明な翼

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】この曲だと低域がほとんどキックだけな感じなので、むしろ高域の緻密さや光沢感が強調され、かなり透明感が強い感じになる。ボーカルのふっくら感はほとんどないが、高域ですーっと明るく突き抜ける感じは充分楽しめるので、上の方に向かって開放的な音響に感じられるはずである。ほどよくキラキラした光沢感を感じながら、ギターもウキウキに上に向かって歌い上げるような、澄んだ空間表現を味わえる。

 


透明な翼(アニメ盤) TVアニメ『リトルウィッチアカデミア』 第2クールエンディングテーマ

 

安月名莉子「rise」

rise

rise

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】個人的にはどういう感じの音楽をアコースティックというのかというのは結構難しいところがあるが、たとえば仮にこのような曲をアコースティックとするとして考えて語ると、この曲のギターの刻みはギラつく感じやチョーク音も含めて非常に繊細に感じられるので、エレキギターも含めてアコースティックな雰囲気は充分に感じられる。ボーカルが息感重視で少しスーハーしており、ツ音もやや尖るのが好みを分けるかも知れないが、電子音の光沢感もきれいで、弦楽も奥から伸びてくる立体感があり、奥行き感がきれいに感じられる。

 


TVアニメ「 やがて君になる 」オープニングテーマ「 君にふれて 」

 

スフィア「Non stop road」

Non stop road

Non stop road

【Hiby R6 Proで鑑賞】このイヤホンでこの曲おすすめ。かなりボーカルが澄んだ感じで上に伸び、その伸びていく空間はキラキラ華やかでありつつも爽やかで、突き抜け感もある開放的な音場。ちょっとギラついた派手めにディストーションする感じのギターの浮ついた感じ、ちょっと上の方で媚びる、少し幼いくらいの若々しいボーカル表現、シンバルのチンシャリした上から下まで細かい感じ、とても完成度が高いと思う。この曲は比較的明るいドラムス表現なのもあって、下で重苦しい感じもなく、ベースラインはかなり明るい感じでじんわり聞かせてくれるので、なおさら快活。

 


Non stop road

 

【5】総評「率直に言ってこの価格では完成度が高い」

 音質は中高域でちょっと派手さが目立つ感じではあり、曲や好みによってはややトゲトゲしい感じはあるが、それでも一般に充分満足できるはずである。なによりアプリで音質を調整できるので、デフォルトの音質の欠点は容易に改善できる。基本的には解像度重視の人におすすめで、とくにテクノやEDM、ロックを好む人におすすめしたいが、ギターやピアノ主体のアコースティックな曲でも個人的には十分な魅力が感じられる。そもそもイコライザー使えばほぼ万能である。Ankerの本気を見た。

 

まとめ
  • 清潔感と派手さを兼ね備えた音で解像度が高い
  • 通信品質やバッテリー性能も充分満足できる
  • 甘味や抱擁感のある音楽を重視する人には向かない

 

Anker Soundcore Liberty 2 Pro

Anker Soundcore Liberty 2 Pro

Anker Soundcore Liberty 2 Pro(完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth 5.0)【IPX4防水規格 / 最大32時間音楽再生 / Qualcomm® aptX™ / ワイヤレス充電対応/Siri対応/マイク内蔵/PSE認証済】

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【aptX HD対応 TaoTronics SoundElite 71 レビュー】高域の主張が若干強め、光沢感とシャープなエッジを持つ爽快系ドンシャリイヤホン。解像度重視系。おすすめ

TaoTronics SoundElite 71

TaoTronics SoundElite 71

【進化版 apt-X HD cVc8.0 18時間連続再生】TaoTronics Bluetooth イヤホン(IPX6防水仕樣 Bluetooth5.0)ノイズキャンセリング 自動ペアリング 高音質 マグネット搭載 スポーツ仕様 TAOTRONICS SoundElite 71(ブラック)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質も良い」

おすすめ度*1

TaoTronics SoundElite 71

ASIN

B07VDR785D

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

18h/-

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX HD/aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX6

音質傾向

明るいドンシャリ、爽快、シャープ、シャキシャキ、サクサク、シャリシャリ、チャリチャリ、派手め、抜けが良い、清潔、風通しが良い

 イヤーフック付きで装着感は良好。遮音性もなかなか良い。

 

 対応コーデックはaptX HD/aptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみた。テストしたのは関東某ターミナル駅周辺だが、ほとんど途切れはなく、かなり安定していた。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「スペックは優秀」

 付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Micro-B)、イヤーポーチ、説明書。

 

TaoTronics SoundElite 71TaoTronics SoundElite 71

 

【3】音質「高域に詳細なディテールと光沢感を持たせた明るいドンシャリ」

 音質的には同じくaptX HD対応だったTaoTronics TT-BH072と同様にTT-BH07系の後継機種になっている。しかし、どちらかというと機能強化版の高級機といった感じのTT-BH072に比べると、素直にTT-BH07の置き換えを狙ったような立ち位置になっている。そういう意味では正統派的な後継機といえる。

 TT-BH072に比べると、低域はややセーブされていて、中域以上のすっきり感を重視している感じがあり、たとえばボーカルや弦楽は高域までかなり素直に突き抜けてくれる。ややドライな清潔感重視の音になってはいるが、中高域で少しツヤのある光沢感も加えられており、質感的に乾燥しすぎないよう適度に発色が加えられている感じになる。そのためエレキギターエッジや弦楽音は特にツヤが出て鮮やかで、やや清潔で静寂な空間に浮き上がる感じがある。中域で膨らむ感じがないので、ピアノは光沢感はあるが、少しカクカクしていてちょっと硬い感じがするかも知れない。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
少し色味が薄い。中高域でそこそこ鮮やかさが強調されるものの、低域と中域の色味はやや薄く、全体の印象はやや薄味に感じる。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。シンバルやギターのエッジは強調されるので音楽に鋭い感じは出やすい。
明るさ
(明るい/暗い)
やや明るい。音場は清潔で高域も明るめに聞こえる。また中高域で少し鮮やかに発色する。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。高域のディテール感は強く金属的な硬質感が強めなほか、中高域でも光沢感がやや強めで、若干派手めの出音に感じる。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。中域で膨らむ感じがなく、中低音もややおとなしいので、音楽全体を眺めると、角立っている印象を受ける。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや尖る。中高域から高域にかけて鮮やかさを出しつつ、エッジも強調される感じがあり、人によってはやや刺激が強い音響になっている。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。中高域より上が若干目立ち、派手めで荒々しく感じるところがある。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。高域に伸びやかさがあり、エッジも強くてスネアの音などに衝撃力を感じるので、それなりに力強さを感じるが、低域のパワーは抑えめ。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや貧弱。中域にあまり充実感はなく、どちらかといえば清潔で音が細い感じがある。

太さ
(太い/細い)
やや細い。中域や中低域で膨らむ感じはなく、どちらかといえばミニチュア的な細かさを重視したサウンドに聞こえる。
手触り
(ざらざら/滑らか)
ややざらざら。高域で尖りを少し強調する毛羽だった感じがあるので、少なくとも滑らかさが強くはない。ボーカルの息感にもやや強調がある。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや細かい。高域でややシャープネスが強調され、粒感が細かに出る。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや澄んでいる。清潔感は高め。中域はかなり清潔になっている。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いている。中高域でツヤを強調しているので、光沢に潤い感を感じないわけではないが、どちらかというとドラム音やシンバルの乾いた感じを強く感じる。
重さ
(重い/軽い)
やや軽い。中域の清潔感のおかけで低域の存在感は悪くないが、低域の支配力は弱め。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや澄んでいる やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

やや明るい やや明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか 伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

やや細い やや細い

濃いか

(濃い/薄い)

やや薄い やや薄い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
ボーカル因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややスカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや浮き上がりが良い
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや奥まる

 

美点
  1. 中高域、高域のディテールが良い
  2. 音場が清潔で風通しが良い
  3. 低域が抑えめで中域がマスキングされる感じがない
欠点
  1. 中域での充実感が薄い
  2. 音が少し乾燥している
  3. 音にざらつきがある
  4. 中高域で少しガチャガチャしやすい
  5. 若干聞き疲れやすい

 

[高音]:かなり高いところは結構減衰しているようだが、それでもシャープネスは強めで弦楽がややヒステリックに伸びる。中域も低域も抑えめなので、マスキングされる感じがなく、シンバルの空気感もそれほど強い感じでもないが、浮き上がりは悪くなく、全体的に出音は丁寧に味わえる。中高域のツヤ出しも結構派手なんで、高域はかなりディテール感高めに感じる可能性はある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は中高域以外はほとんど派手さや膨らみがなく、清潔。ピアノも弦楽もギターも基本的に上で妙に明るい浮ついた出音に感じられるはず。

[低音]:やや地味めのブンブンした振動で100hz~40hzまで素直な減衰。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。ややスカスカする。標準イヤピの傘が薄めでさらさらしており、密閉度がそれほど高くなりにくい材質なのもあって、基本的に物足りない。私の感覚だとSednaEarfitを付けるとかなり締まりの良いベース音が感じられる。SednaEarfitを付けた状態でも低域の量感は強すぎる感じはなく、またパンチは抑えめで、キックやベースが少しだけ深掘りするような、基本的にはタイト傾向でしかも薄味な低域である。低域弦楽の色味もやや薄め(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中高域で鮮やかさとディテールを感じるような、のびやかで清潔な、上方向の縦軸重視のサウンドになっている(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスはタムやスネアのパリパリ感を強調する感じがあって、かなり明るい。破裂感のあるパッツンパッツン。シンバルの浮き上がりも良く、全体的に鮮やかで高さもあり、リズム表現は全体的に明るく快活である(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは率直に言って少し薄味で、細めに感じる。中性的。女声ボーカルのほうもやや細身でサビで伸びて突き抜け感をやや強調する感じがある。また子音と息感に少し強調を感じる。ツ音にも強調が少しあり、艶やかさはあるがそれでも少し乾燥している印象を受ける。

 

【4】官能性「明るくのびやかで爽やかに聴かせる」

沼倉愛美「Climber's High!」

Climber's High!

Climber's High!

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】イヤピの具合にもよるだろうが、バスドラキックが基本的にちょっと浅く、ドラムはズドンが抑えめで、パスパスした破裂感の強い表現になる。ギターも黒い感じはなく、どちらかといえば上辺のジンジンジュワジュワしてるあたりを若干ギラつかせて聞かせるバランス。ボーカルはのびやかで突き抜けも良いが、コシは抑えめで下で踏ん張る感じはあまりない。基本的に爽快系サウンドに仕上がって聞こえる。

 


Climber’s High!(初回限定盤)(DVD付)

 

Leroy Anderson「Serenata」

Serenata

Serenata

【Hiby R6 Proで鑑賞】中域に厚みがなく、低域も薄味なので、この曲は弦楽がやや浮き上がった感じで聞こえる。弦楽や金管に上で伸びる感じがあるので、奥行き感らしきものは感じられるが、床面が少し存在感が薄いので、ちょっと蜃気楼のように音の根立ちが悪い感じがある。少しヒステリックで幽玄な感じはあるが、重厚感には欠ける。クラシックを聴く場合はイヤピを変更するかイコライザーをかけて低域を強化する必要があるだろう。

 


ルロイ・アンダーソン:管弦楽名曲集

 

多田葵「灼け落ちない翼」

灼け落ちない翼

灼け落ちない翼

【Hiby R6 Proで鑑賞】音場全体に清潔感があり、高域で光沢感や金属的な硬質感をきれいに出してくれるので、この曲の透明感を解像度高めに味わうことが出来る。床面の主張は少なめで、人によってはスカスカに感じる可能性はあるが、フロアタムが少し明るめに広がってくれるので、深みはないが、支えがないわけではない。むしろ透明に近い床面のほうが臭みがなくて、中高域以上の煌めき感に集中できるだけよいとも言える。若干音の光沢にくどさがあり、少し聞き疲れる感じもあるが、総じて解像度高めにこの曲を楽しめる。

 


Bravely you/灼け落ちない翼(初回限定盤)

 

【5】総評「明るい高解像度サウンドが好きなら候補になり得る。コスパは高い」

 音質的には中高域以上に注力している感じがあり、明るい光沢感と清潔な音場、ディテール感の細かい音を楽しめる。一般に低域には不足が感じられると思われるのが欠点で、付属イヤーピースの質感的にも密閉性を確保しづらいところがあるので、低域がほしい場合はイヤピ交換が必須かも知れない。EDMやテクノ系が好きでとくに高域のディテールにこだわるタイプの人にはかなりおすすめ。

 

まとめ
  • 清潔感のある音で風通しがよく、解像度も高い
  • aptX HDに対応し、通信品質やバッテリー性能も充分満足できる
  • やや聞き疲れしやすい

 

TaoTronics SoundElite 71

TaoTronics SoundElite 71

【進化版 apt-X HD cVc8.0 18時間連続再生】TaoTronics Bluetooth イヤホン(IPX6防水仕樣 Bluetooth5.0)ノイズキャンセリング 自動ペアリング 高音質 マグネット搭載 スポーツ仕様 TAOTRONICS SoundElite 71(ブラック)

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン Noble Audio FALCON レビュー】ほどよくシャープなエッジ感と適度に主張する床面をうまく組み合わせた少しドライなドンシャリサウンド。清潔感と抱擁感のバランスもよく、解像感を出しつつ、馴染みやすいサウンドになっている。おすすめ

Noble Falcon

Noble Falcon

Noble audio FALCON (NOB-FALCON)トゥルーワイヤレスイヤホン完全ワイヤレス

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質は良好」

おすすめ度*1

Noble Falcon

ASIN

B07WYXDGS5

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

10h/40h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX7

音質傾向

弱ドンシャリ、爽快、シャープ、ドンドコ、シャキシャキ、サクサク、スコンスコン、派手め、抜けが良い、清潔、風通しが良い

 ノズル部分が長めなので、結構耳にしっかり嵌まる感じになっている。装着感は個人的に良好だが、相性はあるかも知れない。

 

 対応コーデックはaptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみた。テストしたのは関東某ターミナル駅周辺だが、ほとんど途切れはなく、バスターミナル付近や、人の多い交差点などで途切れが見られた程度である。私の印象ではAVIOT TE-D01gないしTE-D01dとほぼ同等の通信品質である。

 QCC3020特有らしい癖はあって、接続当初に荒れる傾向はあるが、時間経過によって落ち着く。また家の中で何もしてなくてもたまに大きく乱れることがある。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、SONY NW-A55で行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「インターフェースは物理式」

 付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書。インターフェースは物理式。反応はそこそこ機敏。

 

Noble FalconNoble Falcon

 

【3】音質「清楚なドンシャリ」

 音質レビューとしてはやや異例だが、この機種についてイメージを捉えやすいように、ライバルとしてよく挙げられるであろうNUARL NT01AXとKlipsch T5との音質的な違いについて語りたいと思う。なお聞き比べはそれぞれNW-A55に接続することで行い、NUARL NT01AXとの比較ではイヤピもスパイラルドットの同じサイズを用いた。Klipsch T5についてはステム形状の関係上イヤピは共通にしていない。

 まずFALCONとNUARL NT01AXとは個人的には音質デザインで結構似ている印象はあり、中域で奥行き感を出す感じ、高域で伸びる感じ、低域の存在感が感じられるような弱ドンシャリ的な音響に共通のセンスを感じた。しかし、細かな質感に違いを感じる。具体的には、NUARL NT01AXがみずみずしさと輪郭を優しく奏でる自然な音の広がりを感じさせるのに対し、FALCONの音はもう少しシャープで鋭角的である。輪郭が優しいNUARL NT01AXの音には、人によってややボンヤリする感じもあるだろうから、もしあのボンヤリ感がいまいち好きになれなかった場合は、FALCONで満足できる可能性は高い。たとえばロックやテクノ、EDMではよりはっきりとエッジ感を出してくれるのが、手がかり多めに感じられて好ましく思えるかも知れない。

 次にKlipsch T5と比べると、高低バランスに明らかな違いが見られ、フラット的な音響のT5に対して、FALCONは低域も高域も少し目立つドンシャリ傾向が顕著である。そのため低域の熱量も高域のシャープさもFALCONが勝り、Klipsch T5のほうは全体的に音が丸く、暖かい温和な雰囲気に聞かせてくれる。

 

 音質的には、やや中域が引っ込んで奥行き感を強調するドンシャリサウンドで、高域のシャープネスやディテール感も高く、どちらかというと清潔だが、低域の床面がほどよく音場を支えているので、中域がそれほど充実している感じがないにも関わらず、音楽に一定の抱擁感を出してくれる。

 低域に若干の暖かみはあるものの、音場全体を見渡すと必ずしもそれほど温度感が強い感じではない。音はどちらかというとエッジ重視であるが、刺さるような酷薄な感じはなく、聞き疲れる感じはあまりない。

 充分に高域でディテールを感じさせつつ、低域の存在感も良好、ボーカルもやや乾燥しているが自然な声色を維持していて、解像度を出しつつ、聴き心地の安定感を丁寧に実現している、万能性を考慮したこの機種のチューニングの妙はさすがNobleといえる。

 

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
少し色味が薄い。音が少しドライで清潔系なので、少し薄味に感じるところはある。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。シンバルやギターのエッジは強調されるので音楽に鋭い感じは出やすい。
明るさ
(明るい/暗い)
やや明るい。音場は清潔で高域も明るめに聞こえる。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。ツヤはほどほど抑えられており、風通しも良い感じだが、金属音などはやや派手めに聞こえる。しかし爽やかでもあるので、人によってそれほど派手さを感じないかも知れない。少なくともくどい感じはない。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。潤い感は少し抑えめで、シンバルやギターのエッジに硬さを感じやすい。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや尖る。耳に刺さる感じはないが、シンバルやギターのエッジ、ボーカルの子音に少し強調を感じる。ややシャープネスは高い。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
普通。エッジ感を強調するところはあるので、人によってはとげとげしいところはあるかもしれないが、音はよく整理されていて、ガチャガチャ混濁する感じはなく、全体的な印象に騒々しい感じはない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや強い。中域以上が清潔なので、相対的に低域の重みは感じやすく、強く強調はされないがパワフル感はよく出ている。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや貧弱。中域にあまり充実感はなく、どちらかといえば清潔で音が細い感じがある。

太さ
(太い/細い)
やや細い。中域や中低域で膨らむ感じはなく、どちらかといえばミニチュア的な細かさを重視したサウンドに聞こえる。
手触り
(ざらざら/滑らか)
ややざらざら。全体的にツヤは少し押さえたところがあり、ドライな感じがあるので、高域のちょっとシャリシャリしたザラつく感じが目立つ。ボーカルの息感にもやや強調がある。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや細かい。高域でややシャープネスが強調され、粒感が細かに出る。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや澄んでいる。清潔感は高め。質感的にはクールすぎる感じではないが、基本的にはちょっと無愛想でやや冷涼な清潔感を出す感じの出音。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いている。ギターやシンバルに潤い感が出ないわけではないが、相対的にドライ。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。低域は量感的にはそうでもないが、中域が清潔なせいか、ほどほど主張するバランスになっていて、重力をほどよく感じられる。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや澄んでいる やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

やや明るい やや明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか 伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

やや細い やや細い

濃いか

(濃い/薄い)

薄い やや薄い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややスカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
普通
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや奥まる

 

美点
  1. 中高域、高域のディテールが良い
  2. 音場が清潔で風通しが良い
  3. 低域に量感以上の存在感がある
  4. 決して暖かみが強いわけではないのに、聴き心地が安定している
欠点
  1. 中域での充実感が薄い
  2. 音が少し乾燥している
  3. 音にざらつきがある

 

[高音]:高域は高いところまでよく感じられ、シンバルの空気感は多め。輪郭も強調され、金属光沢成分も少し強めの、若干ドライな音になる。ツヤはほどよく抑えられており、派手さは目立ちすぎないようになっている(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は清潔系で膨らみは抑えられている。中高域が目立つバランスになっており、奥行き感が感じられるが、人によっては音に少しか細い印象を受けるかも知れない。低域が少し張り出して中域を支えているので、スカスカな感じは強くないが、それでも曲によってはやや豊かさに欠ける印象を受ける。

[低音]:厚みのある振動で100hz~40hzまで素直な減衰。30hz以下も振動感が残る。低域はキックが重く、ベースもはっきり聞こえる。低域の色味自体は深すぎたり黒すぎたりする感じはなく、やや明るめに浮き上がりもよい感じで聞こえる。見通しは良い(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域と中高域以上が少しはっきり分離される感じになっており、間の中域は少し清潔になっている。奥行き感と上方向への立体感に優れており、オーケストラ的な奥行きのある音響も充分楽しめる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスはフロアタムやバスドラの音が結構ドカッと重く聞こえるが、全体の雰囲気は明るめ。フロアタムくらいが少し膨らんで聞こえるバッツンバッツン。しかし音が膨らみすぎたり深く沈み込みすぎてリズムコントロールが緩くなる感じはなく、浮かび上がりも良く制動が利いている。シンバルはやや白く高く浮き上がる感じになる。黒いドラムと白いシンバルの二元論になるようなリズム表現になる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは率直に言って少し薄く、細めに感じる。中性的。女声ボーカルのほうもやや細身でサビで伸びて突き抜け感をやや強調する感じがある。また子音と息感に少し強調を感じるので質感的にも少しドライ。

 

【4】官能性「低域の床面をしっかり感じながら、清潔感のあるのびやかなサウンドを味わえる」

大橋彩香「ハイライト」

ハイライト

ハイライト

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲のように低域ドラムに推進力を感じつつ、基本的に高域に抜けていくような清潔感のある曲はとくに満足度が高いように思われる。ボーカルが若干甘味を抑えた清潔感重視で突き抜け重視になっており、中域の楽器音で暖かみがあまり感じられないところは少し好みを分けそうだが、風通しはとてもよく、ギターやピアノの上辺、そしてシンバルのシャリシャリ感がやや強いバランスで疾走感は強め。ドラムも浮き上がりがよく、リズムコントロールが良いので低域でもスピード感がある。

 人によっては中高域で若干派手めで質感的にもジャリジャリした感じがあるのが少しうるさげに思うかも知れないところはある。

 


TVアニメ『叛逆性ミリオンアーサー』 OP主題歌「ハイライト」(彩香盤) (特典なし)

 

三月のパンタシア「星の涙」

星の涙

星の涙

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】この曲ではシンバルに空気感があり、清潔でシャンシャンきれいに聞こえるのもそうだが、何よりドラムに濁りがなく、スコンスコン清潔に聞こえてくるのが非常に気持ち良い。ボーカルはややハーハーする息感が強調されて、サビ前では少し溺れているような息苦しさを感じるところもあるが、サビではのびやか。弦楽やピアノもツヤを抑えてやや淡い感じはあるが、それが逆にシンバルとギターのエッジ感をよく目立たせてくれてもいる。個人的な好みで言うと、もう少しボーカルに濃さとつやっぽさが欲しいが、清涼感のある音楽になっているので、これが好ましいという人も多いだろうと思う。

 


あのときの歌が聴こえる

 

ナナヲアカリ「ワンルームシュガーライフ」

ワンルームシュガーライフ

ワンルームシュガーライフ

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲の場合、ドラムがちょっとドライに少し明るくドンスコくらいな感じで聞こえながら、ボーカルもややスーハー息感を強調し、清潔感を出す感じになる。楽器ではとくにシンバルが炭酸水のようにシュワシュワした感じを少し目立たせつつ、やや薄味気味にキーボードがすっきり聞こえてくる感じになる。風通しが良く、清涼感重視。ナナヲアカリのボーカル特有の媚びた甘ったるい感じは少し減少するので、好みは分かれそうだが、くどい感じなくスカッと楽しめる風味になっている。

 


ワンルームシュガーライフ/なんとかなるくない?/愛の歌なんて(期間生産限定盤)(DVD付)

 

Rasmus Faber「The Galaxy Express 999(Jazz Ver.)」

>銀河鉄道999

銀河鉄道999

 【Hiby R6 Proで鑑賞】上の動画はライブ版なので、私が聴いているアルバム版とは少し異なるが、概ねの雰囲気を味わってもらいたい。

 臭みの少ない落ち着いた感じは、JAZZを楽しむのにも向く。ピアノや金管が派手すぎないので、それらが目立ちすぎず、空間に静謐感がたっぷりある。そのため、たとえばシンバルには必ずしもツヤを強調する感じでないにも関わらず、自然な潤い感がある。低域はそれほど音圧が強くないのに、床面の存在感は確かで、低域弦楽が調和的な出音でムーディーにボンボンと鳴動してくれる。この洗練された感じは他の完全ワイヤレスイヤホンではなかなか味わえないだろう。渋みがあるのにグルーヴを感じる。つまり、こいつは大人の味も出せるのである。

 


ラスマス・フェイバー・プレゼンツ・プラチナ・ジャズ ~アニメ・スタンダード Vol.3~

 

Christopher Tin「Water Prelude (feat. Angel City Chorale)」

Water Prelude (feat. Angel City Chorale)

Water Prelude (feat. Angel City Chorale)

 【Hiby R6 Proで鑑賞】そういうわけでFALCONの静謐感に魅了されてしまうと、たとえばこのような曲を味わってみたくなる。どうだろうか?イヤホンによってはこの曲、パンチが強く出過ぎてボヤボヤする感じがあるかも知れないが、FALCONで聴くとかなり音像が明瞭に聴ける。

 全体的に落ち着きがあり、音場全体に神話時代から続くかのような歴史を感じさせる重みと奥行き感があり、立ち上がってくる、あるいは響いてくる音の一つ一つが、決して鮮やかではないが、明確な音像を持って聞こえてくる。

 その清楚な音色によく耳を澄ましてみれば、そこに薫るような楽器音の味わいが存在して、その淡いけれども芳醇な音色は、我々の意識を瞑想へと導き、沈潜させて浸らせてくれる。低域がドンドコかしましく意識を乱したりはしないので、素直に意識を音の中に没入していける。

 そうして意識が音の息吹に包まれながらゆったりと下降していき、そして沈んだ先の意識の底からもう一度音楽が聞こえてくるような、そんな静謐の中でダイナミクスを感じさせるような音楽がある。

 FALCONはこうした音像に丁寧に寄り添った表現力を、究極の携行性を備えたポケットサイズで実現してくれている。これに魅了されない者はいない。

 


The Drop That Contained the Sea

 

【5】総評「清潔で爽やかにロックやダンスを楽しみたい人にはとくにおすすめ。奥行き感と高さ、床面の広がりがあるので、意外とオーケストラもいけます。かなり万能機」

 音質は低域でパワフルさを感じさせてくれつつ、価格帯ではかなり清潔な中域と高域が感じられるバランスになっている。人によってはややとげとげしかったり、ドライなジャリジャリしやすい感じは気になるかも知れないが、それでも多くの人にとって聞きづらかったり聞き疲れのするところはあまりない音のはずである。

 基本的には炭酸水を飲むように、のどごしのある、しかし泡立つような爽快感も同時に味わえる音響を楽しめる。シュワシュワ粒立ちが細かで爽やかなシンバルが好きならとくにおすすめ。

 

まとめ
  • 清潔感のある音で風通しがよい
  • 通信品質やバッテリー性能も充分満足できる
  • 甘味や抱擁感のある音楽を重視する人には向かない

 

Noble Falcon

Noble Falcon

Noble audio FALCON (NOB-FALCON)トゥルーワイヤレスイヤホン完全ワイヤレス

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン Arbily G7 レビュー】2ドライバー搭載で音質はパワフル、密度感も充分。しかし、通信品質とスペックは平凡。

Arbily G7

Arbily G7

【ワイヤレスイヤホン 3000mAh超大容量ケース付き 108時間連続駆動 Bluetooth5.0】bluetooth イヤホン ワイヤレスイヤホン 片耳 Hi-Fi高音質 自動ペアリング ノイズキャンセリン IPX5防水 スポーツイヤホン ブルートゥースイヤホン 完全ワイヤレスイヤホン 左右分離型 音量調節可能 iPhone & Android対応

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質は価格帯では標準的な品質」

おすすめ度*1

Arbily G7

ASIN

B07WYXDGS5

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

3.5h/108h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

IPX5

音質傾向

弱ドンシャリ、重みがある、厚みがある、ウォーム、力強い、どっしり、太い、シャープ

 デザイン的にはIEM的な耳に嵌まる感じの凹凸があるハウジングになっており、装着感は良い。遮音性もそこそこ良好。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみた。新宿駅構内から街中を歩いてテストしたが、人が多いところでは普通に途切れる。レシーバーはR側で、送信機器を右側のポケットに入れれば通信品質は若干改善するように思われるが、どちらにしても左右は途切れやすい。通信品質は同時にテストしたA.A Touch Two C5と同等か、わずかに良いくらいに感じた。

 しかし、混雑している場所で途切れやすいだけで、人が多くなければ駅構内などでも通信が安定しているので、おそらく価格帯では標準クラスの通信品質だと思う。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、SONY NW-A55で行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「インターフェースはタッチ式」

 付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Micro-B)、専用充電ケース、説明書。インターフェースはタッチ式。反応はワンテンポ遅れるくらいの普通の反応速度。

 

Arbily G7Arbily G7

 

【3】音質「2ドライバーらしいパワフルさがあるが、高域も充分に明るく、音は全体的にぎっしりしている」

 音質的には2ドライバーさらしいパワフルな音響表現が見られ、全体的に音に充分な太さと厚みがあり、ややぎっしりめに聴かせる感じになる。音色自体はややドライで乾燥した感じがあり、高域は少しだけ後退して落ち着き気味ではあるが、それなりにシャープネスと金属光沢感が出て派手めに目立つ感じがある。そういう意味で全体的に密度感は高く太い感じはあるものの、高域にほどよく風通しの良さを感じることができる。

 同じ2ドライバーの完全ワイヤレスイヤホン SoundPEATS Truengine  SEとNW-A55に同時につないで聞き比べてみると、このイヤホンの方が低域が若干浅く、響きの重さもセーブされて感じられるので、もう少し高域方向に明るく感じられるバランスとなる。Truengine SEに比べてやや迫力不足を感じるかも知れないが、おそらく中域でマスキングを感じる可能性はより低いと思われる。

 基本的には床面に力強さと、シンバルにそこそこのディテール感、ギターにほどよい厚みが感じられ、空間にほどよい熱気もあるので、ロック向きのように思う。ダンスも悪くないけど、やや空間に清潔感が出ないので、床面が少しドスンドスンする。一方で低域弦楽に充分な量感が出る感じがあるので、低域弦楽が味を出すやや重めの感じのJAZZも楽しめるかも知れない。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
普通。中高域にディテールがあるが、低域と中域の境目付近は少しボケる感じがある。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。高域で少しシャープネスを強調する感じはあり、ボーカルの子音にわずかに尖りが感じられる。
明るさ
(明るい/暗い)
やや明るい。低域の重心が高く、床面が少し明るく感じられるのと、ボーカルの伸びが良く、シンバルも少し派手め。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。低域は柔らかいが、高域でやや鮮やかさとシャープネスを強調して感じられ、発色と刻みが少し強い。 
硬さ
(硬い/柔らかい)
普通。高域は少し硬いが、低域が柔らかく膨らむので、全体的にはやや柔らかいくらいかも知れない。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや尖る。高域の高いところまでは音が出ないので、刺さる感じはないが、ややシンバルや弦楽にシャープネスの強調感が見られる。低域方向では丸みを感じる。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや穏やか。低域の暖かみの中に全体の音楽が調和して収まる感じがある。音圧も強すぎない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや強い。キックなどにドンという重みもあり、高域もややパワフルに伸びる感じがあるが、低域の質感は柔らかく、高域も強く主張はしない。
豊かさ
(豊か/貧弱)
やや豊か。低域の温度感がやや強く、温かみのあるサウンドで音に根立ちの良い太い感じがある。
太さ
(太い/細い)
やや太い。高域はシャープで少し細く感じるが、低域方向で充実しているので、音は深く太く広がる感じがある。
手触り
(ざらざら/滑らか)
ややざらざら。全体的にツヤは少し押さえたところがあり、ドライな感じがあるので、高域のちょっとシャリシャリしたザラつく感じが目立つ。ボーカルの息感にもやや強調がある。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや細かい。高域でややシャープネスが強調され、粒感が細かに出る。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや濁った。中域と低域の境目でややもっさりする感じはある。中域はどちらかというと低域の温度感を受けた膨らみのある印象。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いた。清潔感が強くないので、目立ってドライではないが、全体的な印象はややドライである。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。低域の存在感が強めなので、音場全体の重心はやや低く感じられる。ただし、その低域自体は濃さはそれほどでもなく、重さや深さもそれほど強く強調しない。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや濁る 普通

明るいか

(明るい/暗い)

やや明るい やや明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか やや伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

普通 普通

太いか

(太い/細い)

やや太い やや太い

濃いか

(濃い/薄い)

やや濃い 普通

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
普通
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
普通
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや前屈み

 

美点
  1. 全体的に密度感が高く、パワフル
  2. 中高域から高域でほどよいディテール感がある
  3. 音に太さと厚みがある
  4. ウォームで聴き心地が良い
欠点
  1. 高域がやや暗い
  2. 清潔感は抑えめ
  3. 人によっては篭もっていると感じるかも知れない

 

[高音]:高域は中域より奥にいるようだが、結構シンバルが空気感強めに聞こえるので、少し高いところまで伸びている感じがある。曲によってはボーカルの子音も少し強調される。ボーカルの抜けはたぶん大抵の曲で充分で感じられるはず(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は低域の暖かい感じを受けて、少し音に厚みを感じられる。中高域のツヤはほどほど押さえられて強調感は強くないが、明るさは充分。音源の組み合わせの寄っては中域で潤い感が見られるが、基本的にはシンバルの印象もあり、やや乾いた印象を受ける。

[低音]:100hz~40hzまで、締まった振動で聞こえる。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域はキックがやや重い。ベースもはっきり聞こえる。ただ、音の感じは柔らかく、やや明るく感じるくらいで、黒みを強調しすぎず、温もり感がある(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に密度感は高め。シンバルが意外と目立ちやすく、低域の量感も多く感じるので、基本的にはドンシャリだと思うが、中域も充分にボディがあるので、弱ドンシャリくらいと言えばたぶん誤解がない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:やや下で重い樽形のドラム音に聞こえる。タムは革張り感が強いバツバツしたドライな感じ、バスドラはドンと重みを出すが、深くまで沈む感じはなく浮き上がりは良い。やや下に重いバズンバズンといった感じ。ハイハットは白味や刻みがよく相対的に浮き上がりがよい。黒めのドラムと白めのシンバルのコントラストが利いている二元論的なリズムサウンドに聞こえる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルも女声ボーカルも温かみのあるふっくら系サウンド。色味も濃いめ、太さも太めに感じるが、潤い感は相対的に抑えめ。声色に厚みがあるが、伸びも悪くなく、天井感はあまり感じない。

 

【4】官能性「ベースの暖かみを感じながら、密度と厚みのある音を楽しめる」

河野マリナ「たからもの」

たからもの

たからもの

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】低域ではベース音に温かみがあり、この曲の温和な雰囲気を充分に感じさせてくれる。床面のドラムもほどよくパンチを利かせて、パスッと気持ち良く決まるが、他の音に比べて音圧が強くなりすぎる感じはなく、温かみのあるベースと調和性がある。膨らみに不足も感じないだろう。膨らみすぎるほどでもない。ボーカルは少しふっくらするくらいの温度感でピアノにも深みがあり、ボリューム感は充分。それでいて、明るいボーカルの上辺には息感がしっかり出ていて、シンバルの音も爽やかで清涼感も感じられる。

 


たからもの

 

Aimer「Monochrome Syndrome」

Monochrome Syndrome

Monochrome Syndrome

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】この曲はこのイヤホンだと、ベースが強めで、少し床面が主張する感じで表現されるので、ライブ感は強めだが、人によっては中域に篭もる印象を受けるかも知れない。高域の爽やかさも抑えめになって聞こえる。とくに多用されるハンドクラップ的な効果音はやや埋没して聞こえやすく、その爽快感だけが少し物足りなく思える人は多いかも知れない。

 


Sun Dance & Penny Rain(初回生産限定盤A)(Blu-ray Disc付)(特典なし)

 

川井憲次「Going To "ZONE"」

Going To "ZONE"

Going To "ZONE"

【Hiby R6 Proで鑑賞】かなり低域に厚みがあり、とくに低域弦楽のボンという音のディテールが高めで、床に鳴動する振動感と空間に広がる深みのある感じがきれいに出る。しかし、この曲ではやや低域にフォーカスされすぎている感じもあり、ギターや金管が若干派手さに欠け、やや退廃的な雰囲気が足りない感じがする。重みと渋みのある、ホールで聴いているような重厚感のある音響で、すごく説得力はあるが、個人的にはもう少し中高域が鮮やかに感じられるバランスで退廃的な雰囲気を味わいたい。

 


Metropolis (Original Motion Picture Soundtrack)

 

【5】総評「音質的にはオススメできるが、通信品質は標準クラス、連続再生時間はそうでもないことを考えると普通か」

 音質はパワフルで厚みと密度感もあり、かなり没入感高く聞かせてくれる感じはあるが、スペック的には結構物足りない。また音質の特性上、曲によってはやや篭もって聞こえやすい印象もある。面白い機種ではあるが、個人的な印象では、Truengine SEに比べると、やや劣った印象を受ける。

 

まとめ
  • とくに低域で量感のある音が好きなら好みかも知れない
  • 通信品質が平凡
  • 連続再生時間が物足りない

 

 

Arbily G7

Arbily G7

【ワイヤレスイヤホン 3000mAh超大容量ケース付き 108時間連続駆動 Bluetooth5.0】bluetooth イヤホン ワイヤレスイヤホン 片耳 Hi-Fi高音質 自動ペアリング ノイズキャンセリン IPX5防水 スポーツイヤホン ブルートゥースイヤホン 完全ワイヤレスイヤホン 左右分離型 音量調節可能 iPhone & Android対応

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ANC搭載ワイヤレスヘッドホン OneAudio A10 レビュー】A9より低域が少し強く、中域のまろみとコクをより重視しているようなどっしりサウンド。ノイキャン性能はA9よりカジュアル・通勤向き。おすすめ

OneAudio A10

OneAudio A10

【Bluetooth5.0 PD急速充電】ノイズキャンセリング ヘッドホン Bluetooth 40時間 CVC8.0 有線 ワイヤレス マイク内蔵 折りたたみ A10

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質は価格帯では標準的な品質」

おすすめ度*1

OneAudio A10

ASIN

B07PQCMWFM

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間 40h(ANC OFF)/25h(ANC ON)/80h(ANCのみ)
Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

たぶんなし

音質傾向

パワフル、ズドン、どっしり、濃厚、ズンドコ

 ほぼ一日付けて試したが、装着感は比較的良好。遮音性はヘッドホンとしてはそこそこ。

 ANC搭載機種だが、同じOneAudioのA9に比べるとノイキャンは少し低めで、カジュアルになっている。具体的には電車や自動車の走行音にある低域のゴーッって音はかなりカットされ、背景の静寂感も増し、周囲の声などはむしろ聞き取りやすくなる。

 A9は結構強めのノイキャンで、静穏性を求めるならA9だが、通勤ならむしろA10が向きそう。駅のアナウンスなどをはっきり聴かせてくれるようなノイキャン。

 精度的にはやはりA9には劣るので、ときどきノイズが入る。たぶんチップがうまくマイク音声を処理できていないのだと思う。A9でこの手のノイズはまずない。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質を見てみたが、人通りの多い秋葉原の街中なんかでは途切れたが、基本的には安定している。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、SONY NW-A55で行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「インターフェースはタッチ式」

 付属品は充電ケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書。インターフェースは物理式。 

 

OneAudio A10OneAudio A10

 

【3】音質「A9より重厚でドラムがドンドン重く広がるパワフルサウンド」

 NW-A55にA9とA10両方を繋いで聞き比べてみたが、A10はA9より重低域近くの音がかなりパワフルに聞こえるバランスになっている。そのせいかA10を聴いた後でA9を聴くと、ややすっきりとした開放的な音響に聞こえ、とくに女声ボーカルはA10に比べて上に伸びていく感じがある。A10は低域が重く、中域ももう少し太くコクを感じられる感じで、総じて色味自体はそれほど変わらず、ニュートラル系か少しクールくらいに聞こえる。

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美点
  1. 低域がパワフル
  2. 音に厚みがあり、中域に少し濃厚感がある
  3. 音場もほどよく広く、やや開放的
  4. 中高域に適度なディテール感がある
欠点
  1. 低域がかなり目立つので、人によっては圧迫感を感じるかも知れない
  2. 高域の抜けが良いとは言えない

 

[高音]:A9も高域の広がりはそれほど強い感じではなかったが、こちらは低域が強まったせいか、さらに一段高域がおとなしめになる傾向がある。A9同様中高域にディテールが結構丁寧に出て、シャリシャリ感やカンカンするシンバルの音はきれいに出るが、低域が支配力強めなので、やや弱々しいバランスに感じるかも知れない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:低域のパワフル感が影響するのか、A9に比べると低域でやや色味が濃い印象を受ける。ただしズンズンブンブンしやすい重低音の影響を受けやすいところはあり、コクは感じられても、音のツヤは若干弱くなるような感じを受ける可能性はある。ややまろやかに少しぼーっとするところはあり、曲によっては中低域の膨らみで暖かみが強めに感じられる。A9の比較的清潔な中域に比べると、まろやかさとコクが増しているため、ボーカルの甘味やピアノの深みは少し強い。

[低音]:100hz~40hzまで厚みがあるが少しおとなしい振動。30hzで沈み、20hzでもほぼ無音。振動自体の印象はA9に似ている。A9に比べて中低域と重低域の境目あたりでパワフルに重量感を出す調整になっており、ベースは濃く、キックも重く、沈み込みは強く感じられる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音質的には中低域から重低域のあたりと中高域に強調があるような、ドンシャリ的構造を感じるが、バランス的にはピラミッドのように底辺が広くなって重みと深みを感じさせる音響になっている(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:キックが重いバランスになっており、ドンドン目立つ。タムは粘りがあり、バリバリとした感じだが、バスドラの支配力強め。重めのバズンバズン。ハイハットはドラムに比べてやや弱いバランスで聞こえる。チンチンしたあたりが一番強調されている感じがある(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルはそれほど前面に出てこない。男声ボーカルは低域に近く、ドラムが強いロックではやや埋没しやすい。女声ボーカルも少し太めにやや濃い感じがある。子音に強調はほとんどなく、コクが強め。

 

【4】官能性「ベースラインとキックがパワフルに感じられるので、重厚にロックやダンスを楽しみたい人に向くし、ポップスではより暖かみが感じられる」

水瀬いのり「三月と群青」

三月と群青

三月と群青

【SONY NW-A55で鑑賞】この曲をA9と聞き比べて見ると、A10はドラムのキックが強いので、ドスドスパワフルに聞こえ、力強い感じがある一方、とくに小音量ではボーカルが篭もりやすい印象を受ける。ボーカルは少しふっくら中域で甘味が出てコクが強い感じに聞こえる。音場全体の印象もA9に比べて少しウォーム。低域の支配力が強いので、きれいに中高域を味わうために多少音量を必要とする感じはあるが、どっしりとした重厚感のあるサウンドは説得力がある。

 


BLUE COMPASS【初回限定盤】

 

坂本英城「プレカトゥスの天秤」

プレカトゥスの天秤

プレカトゥスの天秤

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】低域に充分な重厚感があるので、オーケストラはかなり厚みがあり、ホールで聴いているような鳴動感がある。また弦楽や木管もやや濃いめにまろみのある感じで聞こえる。音の根立ちも感じられる。音場は少しもやもやした熱気は出ており、清潔感は少し足りないかも知れないが、一方でそれがホールの空気感として感じられるところがある。

 


プレカトゥスの天秤 Original Soundtrack

 

大塚愛「プラネタリウム」

プラネタリウム

プラネタリウム

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】ベースのブーム感がかなりきれいに出るので、深みのある音響になっている。人によっては少し重たく感じるかも知れないくらい。ただスピーカーで聴いているかのような部屋鳴り感あるいはライブ感がある。ピアノも少しコクが強く濃いめで。ボーカルはちょっと乾燥して聞こえる。クライマックスの花火の演出音が本当にズドンときて迫力がある。

 


プラネタリウム

 

ハート♡インベーダー「好感Win-Win無条件」

好感Win-Win無条件

好感Win-Win無条件

【Hiby R6 Proで鑑賞】かなり低域ズンドコするんで、人によってはたぶん篭もった印象を受ける人もいるはずで、ボーカルが埋没しやすいところはあり、もっさり感が出やすい。音の温度感もウォームに寄っている気がする。しかし、優しくコクのある音で低域が重厚なのでライブ感もあり、まろやかさも強くて人によってはすごく楽しめるサウンドかもしれない。ボーカルはコクが強く、ふっくら甘めでほっこりしたじゃがいものような感じである。

 


好感Win-Win無条件(初回限定盤)(DVD付)

 

【5】総評「低域好きをかなり満足させてくれるANC機」

 かなり重厚感が強めでどっしりした音響になっている。低域が好きな人にはコスパの良いANC機としてかなりおすすめできる。一方で低域がブンブンズンドコ主張しやすいので、低域が苦手な人にはややしつこめの音である。どちらにせよ低域支配力はやや強く、曲によってはもっさりしやすい。

 ロックにパワフルさを求める人とか、ダンスで床面重視の人、ポップスに暖かみが欲しい人に向く。またクラシックは詳しくないので少し自信がないが、個人的にはフルオーケストラのクラシックはかなり説得力がある気がする。

 

OneAudio A10

OneAudio A10

【Bluetooth5.0 PD急速充電】ノイズキャンセリング ヘッドホン Bluetooth 40時間 CVC8.0 有線 ワイヤレス マイク内蔵 折りたたみ A10

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー COLORFLY U6 レビュー】U8に比べると光沢感・輪郭感・透明感が増した現代的なサウンドになっている反面、嫋やかな情感が減って、ありがちな音質になった。U8の欠点はほとんどそのまま継承してしまっている

COLORFLY U6

COLORFLY U6

COLORFLY カラーフライ U6 64GB Bluetooth Wifi/AirPlay DLNA対応 microSD対応 ハイレゾ対応 フルバランス ポータブルプレイヤー

 

 

【0】COLORFLY U6の特徴

U6の特徴、それはCOLORFLYらしい透明感と繊細さを重視したサウンドです。

 率直に言ってしまうと、個人的にはこのDAPは物足りない、その一言に尽きます。COLORFLY U8で感じた、COLORFLYらしい音響哲学は感じられ、それが全体的に感じられる見通しの良い透明感がある音は魅力的です。鮮やかさを強調しすぎずに、輪郭と光沢感をうまく調整することで、臭みのない表現なのに音をくっきり感じさせてくれるその音質は解像度も高くて風味もあります。

 しかし、U8に比べて音が全体的に硬く、さらに音質傾向はよりESS系を採用したDAPの正統派に近づいたので、ほかのESS系DAPとの差が縮んでいて、差別化は難しくなっています。

 一方でU8で見られた使い勝手の問題は改善されていません。UIはU8から改善が見られ、操作性と使い勝手は向上しましたが、それでもU8で見られた次のような欠点がそのまま改善されずに残されています。U8のレビューの繰り返しになりますが、問題点を説明しておきます。

  1. Bluetoothオーディオへの対応が不十分
  2. Androidだが独自カスタムで拡張性がなく、アプリが入れられない
  3. 発熱が多く、電池の消耗が激しい
  4. プラグを抜き差ししても曲が止まらない

 

 1.について。私がテストしたところ、ハイレゾ音楽ファイルはほとんどの場合、ワイヤレスで再生されないようです。16bit/44.1khzのCD音質のflacファイルでもうまく再生されない場合がありました。逆に24bit/48khzのハイレゾ音質のflacやwavは再生されました。24bit/96khzのflacは再生されず、DSD128のファイルはノイズになりました。有線では問題ありません。

 2.について。ワイヤレスオーディオ製品を中心に付属アプリが普通になってきたご時世で、アプリが使えないのはややきついです。SpotifyやAmazon Musicなどのサブスクリプションも楽しめません。

 3.について。U8に比べると若干改善されたように思われますが、それでも電池持ちは良くありません。低ゲイン設定でアンバランス接続しても発熱は多めで、電池の減りは1時間に10%~15%くらい持って行かれる感覚があります。バッテリーは消耗品でスペックはどんどん悪化するので、この減り具合は長期使用を考えると不安です。

 4.について。最近のDAPはオーディオプラグを抜き差しすると自動で止まりますが、こいつは止まりません。

 

 

【1】外観/操作性「小さめで持ち運びやすい」

 携行性は高めです。DAPの中でも小さめのデザインでポケットにも収まりやすいです。

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左からONKYO GRABEAT、SONY NW-A55、COLORFLY U8、COLORFLY U6、Hiby R6 Pro

 

 オーディオ端子は3.5mmアンバランスと3.5mmバランス接続に対応しており、ワイヤレスオーディオコーデックとしては SBC / AACのみに対応します。

 

【2】連続再生時間「基本的に物足りないです」

 この機種の電池持ちはよいとは言えません。標準駆動時間7時間とかいうスペックが与えられています。U8よりはマシになっていますが、総じて五十歩百歩の気がします。

 

製品名

操作性

対応コーデック 連続再生時間
SR15 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
CT10 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
NW-A27 SBC/aptX/LDAC 23時間(SBC時、充分一日使える)
NW-ZX300 SBC/aptX/aptX HD/LDAC 14時間(LDAC時、ほぼ一日使える)
NW-A55 SBC/aptX/aptX HD/LDAC 13時間(LDAC時、ほぼ一日使える)
GRANBEAT SBC/aptX/aptX HD 22時間(私の使い方ではワイヤレス接続利用しても、実測10時間はもつ)
DP-X1A SBC/aptX/aptX HD 16時間(普通は10時間も持たないだろう)
KANN CUBE SBC/aptX/aptX HD 不明(「低ゲイン」なら10時間持つかも)
Cayin N6II SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC 14時間(たぶん10時間くらい)
Hiby R6 PRO SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC 12時間(ワイヤレスで10時間くらい)
COLORFLY U8 SBC/AAC 7時間(実質もっと短そう)
COLORFLY U6 SBC/AAC 7時間(低ゲイン・アンバランスならこれくらい持ちそう)

 

【3】音質「透明感重視だが、U8に比べると派手めの出音。COLORFLYらしい繊細さはあるが、一方で意外とよくある感じの音に聞こえるので、新鮮味に乏しいところがある」

 音質についてはすでに述べたようにCOLORFLYらしい透明感を重視した感じがありながら、より出音が派手めになっています。具体的にはシンバルを聴けばとくに顕著ですが、輪郭と光沢が増しており、シャリシャリ感がより明確に感じられるようになっています。U8のほのかな人肌の温度感の音に比べるとクールになっており、もう少しくっきり明瞭で、音の鮮やかさはよりはっきり区別して聴かせる感じになっています。

 しかし一方で、こうした音はONKYO GRANBEATDP-X1ASONY NW-A55audio-opus OPUS#2といった機種の音と、解像度や音場表現はともかく、風味の上では大差なくなっており、U6を積極的に選ぶ理由を若干薄めています。ある意味ありがちな音になっており、たとえばスマホにaune BU1をつなげば近い音が出せそうな気がするくらいの音です。

 

 アコースティック感をはっきりめに聴かせるタイプなので、シンバルや硬質なピアノが目立つタイプのこういうJAZZなんか、かなりキメてくれます。はっきりシンバルを白く浮き上がらせつつ、鮮やかにさせすぎない、音場全体を意識した背景の黒さが見える透明感を大事にしてくれるところもあり、輪郭はくっきりしつつもその末端は細かでよく粒立って空間に広がるので、うるさげな感じはありません。

 そういう意味で、全体の雰囲気は比較的ありふれた感じではあるかもしれませんが、10万円以下では実力が高いことは確かです。COLORFLYらしい、音を剥き出しにしすぎない、上品で繊細な感じはしっかりあります。結局そのCOLORFLYらしさをどこまで肯定できるかでこの機種を欲しいかどうかが決まりそうです。

 

Caravan

Caravan

 

 この機種を特徴をまとめると以下のようになります。

美点
  1. 基本はESS系らしい透明感と明瞭さのある音
  2. フラットで見通しが良い
  3. とくに中高域以上でやや派手めにくっきり音が出る
  4. とくに高域で粒立ちが細かく、解像度感を高めに出してくれる
  5. 音を剥き出しにしすぎない上品さと繊細さがある
欠点
  1. やや暖かみに欠ける
  2. 意外といろんな機種で聞ける感じがする音の質感

 

製品名

音質傾向

音場 解像度
SR15 フラット 広い 高い
CT10 フラット やや広 高め
NW-A27 ドンシャリ(シャリ感強め) 狭い 普通
NW-ZX300 ドンシャリ(低域やや強) やや広 高い
NW-A55 ドンシャリ やや広 高め
GRANBEAT 弱ドンシャリ 広め 高い
DP-X1A ドンシャリ 広め 高い
KANN CUBE パワフルフラット 広大 最高
Cayin N6II かまぼこフラット 広い 高い
Hiby R6 Pro 低域厚めフラット 広い 高い
COLORFLY U8 フラット 広い 高い
COLORFLY U6 フラット 広い 高い

 

DAP比較の参考記事

 いろいろDAPを比較しているんで、もっと知りたい人は以下の記事も読んでみてください。ただし過去記事なんで、この機種は取り上げてません。

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【4】総評「U8に比べると出音は珍しい感じではなくなってしまった。さらに使い勝手の面で完成度が高いとは言えないのがネック」

 9万円という価格ではかなり良質な音質であることは事実で、私も発売前後に聴いたときに「COLORFLY、やっぱ音は凄いな」と感じたことは事実です。しかし、一方で「これはよくある音かな」と感じるところが多いのも事実で、敢えて音質でこの機種を選びたいという積極的な理由に乏しいところがあります。追い打ちをかけるのがCOLORFLY製DAPにつきものの洗練されていない使い勝手で、結局音質はそれなりによくても、総合的には些か割高感があるのは否めません。

 

COLORFLY U6

COLORFLY U6

COLORFLY カラーフライ U6 64GB Bluetooth Wifi/AirPlay DLNA対応 microSD対応 ハイレゾ対応 フルバランス ポータブルプレイヤー

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【ハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー COLORFLY U8 レビュー】音質は同価格帯のDAPの中でも聴き心地が良く、風味もある素晴らしいサウンド。だが、操作性・機能性・使い勝手で大きく劣り、率直に言って総合的には割高な印象を拭えない。音質だけならおすすめ

COLORFLY U8

COLORFLY U8

COLORFLY U8 ハイレゾプレイヤー 内臓メモリ64G

 

 

【0】COLORFLY U8のどこが好きですか?

淡く、しかも情緒に満ちたその風雅な音です。

 このDAPは店頭で聴いたときから、良い音鳴らしてるなぁと思ってました。DACチップはESS系のカスタムチップを搭載しているんですが、ESS的な解像度重視の感じがありつつ、手持ちではa&norma SR15のように音を柔らかに均すような温和な感じで聴かせてくれ、しかもみずみずしさがあって妙に琴線に触れてくる音を鳴らすんです。少なくとも10万円台前半では最も私が好きな音を鳴らしてくれるDAPであると断言できるほどです。

 しかし結局のところDAPはただ音を鳴らせればよいわけではなく、使い勝手が問題になってきます。この機種には素晴らしい音質とは裏腹に次のような欠点があります。

  1. Bluetoothオーディオへの対応が不十分
  2. Androidだが独自カスタムで拡張性がなく、アプリが入れられない
  3. 操作性が悪い
  4. 発熱が多く、電池の消耗が激しい
  5. DSDの再生でうまく次の曲に行かないことがある
  6. 曲の途中で曲戻しをすると曲の先頭ではなく、前曲に戻る
  7. プラグを抜き差ししても曲が止まらない

 

 1.について。私がテストしたところ、ハイレゾ音楽ファイルはほとんどの場合、ワイヤレスで再生されないようです。16bit/44.1khzのCD音質のflacファイルでもうまく再生されない場合がありました。逆に24bit/48khzのハイレゾ音質のflacやwavは再生されました。24bit/96khzのflacは再生されず、DSD128のファイルはノイズになりました。有線では問題ありません。

 2.について。ワイヤレスオーディオ製品を中心に付属アプリが普通になってきたご時世で、アプリが使えないのはややきついです。SpotifyやAmazon Musicなどのサブスクリプションも楽しめません。

 3.について。この機種は音量調節がタッチ式で物理式ではないために、ちょっと操作性が独特です。電源スイッチの押下感もちょっと独特で、なんとなく馴染みにくい感じがあります。

 4.について。電池持ちは良くありません。低ゲイン設定でアンバランス接続しても発熱は多めで、電池の減りは1時間に15%~20%くらい持って行かれる感覚があります。バッテリーは消耗品でスペックはどんどん悪化するので、この減り具合は長期使用を考えると不安です。

 5.について。全てのDSD音源で再現するわけではないのですが、DSDのアルバムを再生しているときに、曲の終了後次の曲に自動で行かないことがあります。

 6.は曲の先頭に戻るのが手間なので、やや面倒です。

 7.最近のDAPはオーディオプラグを抜き差しすると自動で止まりますが、こいつは止まりません。

 

 そういうわけで音質は価格帯で最高クラスと言って良いと思いますが、使い勝手は最低クラスかもしれませんので、結局同じ価格くらいならHiby R6 ProCayin N6IIなどを買った方が長く幸せになれそうな気がします。本当に音は良いのですが。

 

【1】外観/操作性「薄く持ち運びやすい」

 携行性は高いです。10万円台のDAPでは抜群と言って良いほどのコンパクトで薄型のデザインになっています。厚みと大きさでSONY NW-A55より一回り大きいというくらいになります。

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左からONKYO GRABEAT、SONY NW-A55、COLORFLY U8、COLORFLY U6、Hiby R6 Pro

 

 オーディオ端子は3.5mmアンバランスと2.5mmバランス接続に対応しており、ワイヤレスオーディオコーデックとしては SBC / AACのみに対応します。

 

【2】連続再生時間「基本的に物足りないです」

 この機種の電池持ちはよいとは言えません。標準駆動時間7時間とかいうスペックが与えられています。これまで私が使ってきたDAPの中で一番電池持ちが悪いことは間違いない事実で、基本的に電池持ち重視の私の哲学に反するけしからんDAPです。

 

製品名

操作性

対応コーデック 連続再生時間
SR15 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
CT10 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
NW-A27 SBC/aptX/LDAC 23時間(SBC時、充分一日使える)
NW-ZX300 SBC/aptX/aptX HD/LDAC 14時間(LDAC時、ほぼ一日使える)
NW-A55 SBC/aptX/aptX HD/LDAC 13時間(LDAC時、ほぼ一日使える)
GRANBEAT SBC/aptX/aptX HD 22時間(私の使い方ではワイヤレス接続利用しても、実測10時間はもつ)
DP-X1A SBC/aptX/aptX HD 16時間(普通は10時間も持たないだろう)
KANN CUBE SBC/aptX/aptX HD 不明(「低ゲイン」なら10時間持つかも)
Cayin N6II SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC 14時間(たぶん10時間くらい)
Hiby R6 PRO SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC 12時間(ワイヤレスで10時間くらい)
COLORFLY U8 SBC/AAC 7時間(実質もっと短そう)

 

【3】音質「解像度が高くツヤと潤い感があるのに、淡くセピア色の懐かしい原風景を感じさせる音。切ない曲なんか最高」

 ついこの間、Hiby R6 Proのレビューで「音質に関しては最高に好みです」なんて言ってましたが、実際のところこっちのほうが好きなくらいです。

 ESS系らしい見通しよい感じで輪郭もしっかりありながら、そのタッチは優しく、色づきも淡い感じですが、ほんのり色づけされているような温和な透明感のある音で、鮮やかでも派手でもないのに非常に情感に訴えかけてくる音です。

 

 そうですね、たとえば高橋李依さんの「粉雪」カヴァーをSONY MDR-M1STと組み合わせて聴いてみると、優しく丸い質感でふんわりしていながら、音にツヤと潤い感があり、尖ったところがなく、音はほどよく遠く聴き心地の良い感じでありながら、沁み入るように琴線に触れてきます。決して演出感が強いわけではない音ですが、透明で、ほの暖かく、人肌の感覚がある絶妙な温度感のある音を奏でてくれます。

粉雪

粉雪

 

 この機種を特徴をまとめると以下のようになります。

美点
  1. 基本はESS系らしい透明感と明瞭さのある音
  2. フラットで見通しが良い
  3. 音ににじみ出るようなほのかな潤い感とほの明るい人肌の温度感があり、ノスタルジック
  4. セピア色に色づくような情感の篭もった音
欠点
  1. 解像度を強調しない
  2. 鮮やかさや濃厚感は強くない

 

代替DAP

 非常に残念なことにこのDAPに関してはほぼ代替候補がありません。COLORFLY U8の音は本当にU8しかこの方向を目指していないかのような音です。しかし、好みによって代替案は示せます。

 このDAPに匹敵するみずみずしい音が味わいたい場合はHiby R6 Proをおすすめします。音の色味はより濃い感じになりますが、潤い感は匹敵します。

 このDAPの淡い、輪郭の優しい感じが好きなら、a&norma SR15iBasso DX160Hiby R5あたりが似ています。ただし音はより乾燥して感じられるはずです。

 このDAPのフラットで見通しの良い、そして透明感のある感じが好きなら、ONKYO GRANBEATがそれに近い表現を聴かせてくれると思われます。COLORFLY U6も近いと言えますが、使い勝手やワイヤレスオーディオの貧弱さとか一緒なので代替候補としてほとんど意味をなしません。

 

 

製品名

音質傾向

音場 解像度
SR15 フラット 広い 高い
CT10 フラット やや広 高め
NW-A27 ドンシャリ(シャリ感強め) 狭い 普通
NW-ZX300 ドンシャリ(低域やや強) やや広 高い
NW-A55 ドンシャリ やや広 高め
GRANBEAT 弱ドンシャリ 広め 高い
DP-X1A ドンシャリ 広め 高い
KANN CUBE パワフルフラット 広大 最高
Cayin N6II かまぼこフラット 広い 高い
Hiby R6 Pro 低域厚めフラット 広い 高い
COLORFLY U8 フラット 広い 高い

 

DAP比較の参考記事

 いろいろDAPを比較しているんで、もっと知りたい人は以下の記事も読んでみてください。ただし過去記事なんで、この機種は取り上げてません。

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【4】総評「音は素晴らしいが、他がダメなので、この機種と心中したいくらいの覚悟がないと買えない。しかし、素晴らしすぎる音なので、是非聴いて欲しい」

 音質だけは個人的にこの価格帯随一に近いです。少なくとも私はこの音がとても大好きです。しかし、ぶっちゃけ貸し出し機を使ってみて、なおさらその不便な使い勝手を確認し、ほとんど同じ価格で売られているHiby R6 ProやCayin N6IIとの落差に驚くばかりです。音質だけそのままに、性能や使い勝手をまともにして作り直して欲しいです。これは本当にもったいない。もったいなさすぎです。

 繰り返しますが、音は素晴らしく、この音が出せる他のもっとまともなスペックの機種があれば欲しくて仕方ありません。あるいはこの機種がもっと安かったら私は買います。今のままでは……無理です。

 ただこのDAPについてはもっと世間で知られて欲しい、それだけが望みです。

 

COLORFLY U8

COLORFLY U8

COLORFLY U8 ハイレゾプレイヤー 内臓メモリ64G

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【完全ワイヤレスイヤホン A.A Touch Two C5 レビュー】基本的にはHiyoo A8-C5の劣化版という評価。ドライバーが一緒でチップが違う模様。A8-C5に比べてよりウォームでゆるやかな音響になる。

A.A C5

A.A C5

【最新Bluetooth5.0 イヤホン 120時間連続駆動 IPX7防水】完全ワイヤレスイヤホン CVC8.0&AAC対応 Hi-Fi 高音質 ブルートゥース 片耳・両耳モード 左右分離型 自動ペアリング タッチ式 3500mAh大容量 モバイルバッテリー 音量調節可 技適認証済 日本語説明書 iPhone&Android対応 (C5)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質は価格帯では標準的な品質」

おすすめ度*1

A.A C5

ASIN

B07XBSS9HJ

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間 6h/120h
Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

IPX7

音質傾向

中域と中低域重視の弱ドンシャリ、ウォーム、マイルド、もっこり、メロウ、まろやか、ボーカルフォーカスが良い

 イヤホンは小型で耳に良く収まる。IEMのように傾斜が設けられていて装着感は良い。遮音性はこの価格帯の完全ワイヤレスでは結構高め。

 

 対応コーデックはAAC/SBCとあるが、私のテスト環境ではSBCでしか使えなかった。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみた。新宿駅構内から街中を歩いてテストしたが、人が多いところでは普通に途切れる。レシーバーはたぶんL側で、送信機器を左側のポケットに入れれば通信品質は若干改善するように思われるが、どちらにしても左右は途切れやすい。

 しかし、混雑している場所で途切れやすいだけで、人が多くなければ駅構内などでも通信が安定しているので、おそらく価格帯では標準クラスの通信品質だと思う。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、SONY NW-A55で行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「インターフェースはタッチ式」

 付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Micro-B)、専用充電ケース、説明書。インターフェースはタッチ式。反応はワンテンポ遅れるくらいの普通の反応速度。

 

 充電ケースはモバイルバッテリー機能付きです。

 

 

A.A C5A.A C5

 

【3】音質「基本的に音がゆるくなったA8-C5です」

 外観が似ていたので、気になっていたが、音を聴いてみるとHiyoo A8-C5と高低バランスがそっくりである。ただA8-C5に比べるとどうも感動が薄かったので、双方をSONY NW-A55に繋いで、よく聞き比べてみた。そうするとやはりハウジングデザインとドライバーは一緒のようだが、チップが違うらしく、A8-C5の方が明らかに奥行き感や音の発色、コントラスト感、輪郭感などでくっきりした手応えが感じられ、Touch Two C5のほうは全体的に音がもっこり、もっさりしていて輪郭が緩い印象を受ける。またA8-C5は重低音が結構はっきり感じられたが、Touch Two C5の重低音はゆるくなっており、ぼやっとしている感じがある。そういうわけで、個人的にあえて踏み込むと、同じ価格であれば、Hiyoo A8-C5を買った方がたぶん満足度は高いと思われる。中高域のくっきり感も違うので、A8-C5のほうが音が活き活きと、そしてみずみずしく聞こえやすい。

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美点
  1. ボーカルフォーカスに優れる
  2. 音が丸くまろやか
  3. 音に厚みがある
  4. 低域もボリューム感があり、柔らかく温和で暖かい
欠点
  1. 高域が暗い
  2. 中高域も派手さがなく、音が全体的に地味
  3. 立体感に欠け、音が平板に聞こえやすい
  4. 低域のスピード感は少しゆったり

 

[高音]:高域は中域より奥に位置し、マイルド系。シンバルの粒立ちは悪くないものの、存在感は強調されず、背景に聞こえてくる感じがある。ボーカルの抜けも抑えめで、アイドルソングのような明るいボーカル曲は暗めに聞こえる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域ではギターとボーカルによくフォーカスされ、ギターの存在感と厚みが強い。ピアノも厚めで、全体像としては暖かみと広がり、穏やかさを併せ持つ。そういう意味で基本的な性格はA8-C5に準ずるが、中高域の発色が控えめで見通し感は若干悪くなっており、よりもっさりした柔らかい感じになっているため、メリハリはゆるめに感じやすい。また演出感も抑えめになる。

[低音]:100hz~40hzまで、重たい振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域では中低音はそれほど強調されず、中低音の下辺から重低音あたりの広がりが意識されやすく、重心が低い。A8-C5に比べると低域も少し見通しが悪くなっていて、深いところの広がりが感じづらくなっている。そのためどことなく中低域の優しさが感じられ、よりウォームで温和な低域に感じられる。スピードコントロールはゆるめ(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:屈折ピラミッドのように底辺が広かったA8-C5に比べると、深いところの広がりは抑えめになり、中域の真ん中と中低域に強調がある感じになった。そのため縦軸がやや狭くなった感覚があり、それに伴って音の強弱がゆるくなった感じが出て、若干ナロウレンジになったように思われる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムセットはタムの手応えはやや柔らかく粘り、少し余裕を持ったバスドラキックが重めに響く、バッツンバッツンといった感じのゆったりしたサウンド。ハイハットは濃いめだが、奥の方で聞こえるので存在感はそれほどでもない。しかし中低域が膨張しないので、ドラムにシンバルがマスキングされる感じはない。基本的にはドラム優位の下に重い重厚サウンド。A8-C5に比べるとバスドラの深みが少し浅く、ドラムは全体の重みがやや軽い印象を受ける(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルも女声ボーカルも温かみのあるふっくら系サウンド。どちらも色味は濃いめで前面にしっかり出てくる。明るさは強調されず、甘味や湿っぽさのある感じの声色。A8-C5に比べると中高域でツヤが強調される感じがなくなり、ややドライでもさっとした感じになった。

 

【4】官能性「A8-C5のほうがくっきり聴かせてくれるので、よりメロウに感じます」

鹿乃「day by day」

day by day

day by day

【SONY NW-A55で鑑賞】この曲をA8-C5と聞き比べてみた。ぶっちゃけまず中高域の聞こえがA8-C5のほうがしっかりしており、ボーカルの明るさ、ギターのカッティングの輝きと浮き上がり、エッジと発色、シンバルの鮮やかさにかなりの差を感じる。また中域下方の静寂感が違い、A8-C5のほうが清潔でより背景がしっかりしているのに対し、Touch Two C5のほうが静寂感が足りず、中高域から中低域にゆるくつながっている感じになってしまっている。そのせいで低音の存在感もやや甘い。全体としてはTouch Two C5のほうがよりボリューミーで、ボーカルもより甘味を感じさせてくれるところもあるが、メリハリ感では少し物足りなくなっており、個人的にはA8-C5のほうが好み。

 


day by day

 

昆夏美「虹のかけら」

虹のかけら

虹のかけら

【SONY NW-A55で鑑賞】この曲も聞き比べてみると、まずドラムの躍動感が違う。Touch Two C5は中低域と中域の境目が緩く、少しぼんやり篭もった感じがあるのに対し、A8-C5はここをしっかりパリッと輪郭を感じさせて描き分けてくるので、ドラムのパンチが明確でより躍動的に感じられる。またベースの沈み込みもよりしっかり浮かび上がる。さらに中高域のシンバルやギターの刻みもより明るく明瞭。この曲ではやはり中高域の鮮やかさが風味に大きく影響しそうなので、A8-C5のほうが優れていると言えそうだ。

 


虹のかけら(TVアニメ『一週間フレンズ。』オープニングテーマ)

 

KOKIA「愛はこだまする」

愛はこだまする

愛はこだまする

【SONY NW-A55で鑑賞】この曲を聞き比べてみるとTouch Two C5も悪くないかもと少し思えるかも知れない。A8-C5が中高域くっきりめで少し中域で透明感を出すのに対し、Touch Two C5の音はややぼんやりふっくらで甘味がある穏やかな感じがある。ボーカルが若干明るさが足りなくて埋没気味な印象も受けるが、調和的で穏やかな雰囲気を感じる。A8-C5はボーカルは中高域に明るい感じがある分だけもう少し伸びが良く、息感も少しくっきりして聞こえ、空間が澄んで透明感が感じられる。Touch Two C5で感じたボーカルの埋没感はほとんどない。あれ?やっぱA8-C5のほうが上位互換かな?

 


Where to go my love

 

【5】総評「A8-C5がほぼ同じ価格で手に入ることを考えると、苦しい」

 音の好みはあるので迂闊なことは言えないけれども、やはりA8-C5のほうが解像度は高く聞こえるはずなので、両者がほぼ同じ値段で売られている場合はこちらを敢えて選ぶ必要性をあまり感じない。通信品質の面でもA8-C5のほうが私のテスト環境では優秀だったので、なおさらこちらを選びづらいと思われる。

 ところでTouch Twoシリーズはこれで、初代、V2、C3、C5と確認されたわけだが、C4は見たことがない。どこかにいるはずだと思うんだが。

 

A.A C5

A.A C5

【最新Bluetooth5.0 イヤホン 120時間連続駆動 IPX7防水】完全ワイヤレスイヤホン CVC8.0&AAC対応 Hi-Fi 高音質 ブルートゥース 片耳・両耳モード 左右分離型 自動ペアリング タッチ式 3500mAh大容量 モバイルバッテリー 音量調節可 技適認証済 日本語説明書 iPhone&Android対応 (C5)

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【aptX対応ワイヤレスイヤホン AUKEY EP-B33 レビュー】3種類の優秀なイコライザー搭載。とくにEQ1モードでは、かなりの奥行き感と広さがあり、価格帯では音場表現に優れる。JAZZ、ロック向き。おすすめ

AUKEY EP-B33

AUKEY EP-B33

【aptX 、aptX LL低遅延&高音質AAC対応】AUKEY Bluetoothイヤホン ワイヤレスイヤホン Bluetooth5.0 グラフェン採用ドライバー 3段EQモード マグネット搭載  USB-C急速充電  IPX6防水  8時間再生可能  マイク付き ハンズフリー通話 ネックバンド型 スポーツ向け 技適認証済み Key Series EP-B33

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は軽め。通信品質もよい」

おすすめ度*1

AUKEY EP-B33

ASIN

B07WVCKJYD

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間 8h/-
Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX LL/aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX6

音質傾向

低域重視、音場が広い、奥行き感がある、ナチュラル、音が丸い、ウォーム

 イヤホンは小型で耳に良く収まる。装着感は軽い。遮音性はそこそこ。

 

 対応コーデックはaptX LL/aptX/AAC/SBCとなっている。テストした範囲では接続安定性はかなり高めに思う。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「3段階EQ搭載。イコライザーが自然で優秀」

 付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(TypeC)、説明書。インターフェースが物理式。反応はかなりスムーズ。

 

イコライザーが優秀

 イコライザーを搭載しており、本体右側前面のスイッチボタンを押すことで切り替え可能。3段階のモードがあり、ボタンを押したときに流れるモニター音の回数で判別する。1回なら「EQ1」で低音重視、2回なら「EQ2」でフラット傾向、3回なら「EQ3」で高音重視となる。

 個人的に感心したのが「EQ1」で、よくある低域強調とは異なり、低域が膨らむというよりは、前に出てきて、中域以上に奥行き感が出る感じになる。そのため、ヘッドホンクラスかと思えるような広めの音場を感じることが出来るようになる。「EQ2」でも音場は比較的広め。「EQ3」だと高域強調で音がきつくなるというよりかは、露骨に中高域が前傾してくる感じになるので低域方向で奥行き感が出る感じになる。

 どちらにせよこのEQは単純に各音域を強調しているのではなく、聞こえ方を意識してナチュラルに変化させてくれるので、いじっても音楽的に破綻することがほとんどなく、これは個人的にすごくいい。

 ぶっちゃけこのEQにも丁寧なチューニングが感じられ、最近のAUKEYのオーディオに対する本気度が充分に窺える。

 

AUKEY EP-B33AUKEY EP-B33

 

【3】音質「低域の床面重視で音場が広い『EQ1』、フラット傾向の『EQ2』、ボーカルフォーカスが強い『EQ3』。どれも音味はナチュラルでほどよく丸く、ウォーム」

 音質的にはウォームで丸みのある音でどこかがうるさくて聞き疲れるという感じは基本的にない。やや高域が閉じていて、中域にややフォーカスされた感じが強めだが、左右の広がりも良く、定位感が良い感じは共通している。「EQ1」にするとより奥行き感が出て、より音場の広さが感じられ、「EQ3」ではボーカルフォーカス感が高まる。

 以下のレビューは基本的にフラットで標準だと思われる「EQ2」で行っている。

 

 このイヤホンのサウンドイメージ的には、私はなんとなくNulbarich的世界観を感じた。奥行きのある中域、強調されるけどタッチが柔らかく、膨らみを抑えたまとまりのよい低域、なめらかに閉じている高域といった具合だ。

NEW ERA

NEW ERA

Sweet and Sour

Sweet and Sour

Lost Game

Lost Game

It's Who We Are

It's Who We Are

 

美点
  1. 奥行き感がある中域
  2. 音の広がりもよく没入感がある
  3. ボーカルのボディが充分
  4. 音の色合いが鮮やかだが、輪郭は丸く聴きやすい
  5. 低域も強調されるが、床面はドシッとした一定の厚みがあり、マイルド
  6. ウォームで聴き心地が安定している
欠点
  1. 中域でやや音が遠く感じるかも知れない(「EQ3」にすれば改善される)
  2. 高域で明るさやディテールの強調がなく、やや暗い
  3. シャープネスは抑えめで緻密感はやや薄い

 

[高音]:高域は基本的にマイルドカーブしており、中高域以上では派手さや明るさは抑えめになっている。高域強調の「EQ3」も高域よりさらに中高域が出てくるので、基本的にはマイルド系の丸い高域になっているため、基本的に高域でディテールは強調されず、女声ボーカルへのフォーカスが強め(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域の甘いあたりと中高域の光沢感が感じられるツヤに強調がある。質感的にはややドライでウォームになるので、しっとり感や潤い感は抑えめで、ギターのエッジも乾いた攻撃的なものに聞こえる。ピアノも充分に上辺で明るいが、少し落ち着いた感じで沈み、中低域で膨らむ感じがあるので深みは感じやすい。この中域は中域やや下あたりに後退があるようで、奥行き感と清潔感がある。「EQ1」にすると低域の張り出しが強くなるので、より奥行きが強調され、オーケストラ的な立体感が出るようになる。

[低音]:100hz~40hzまで太めのボーッという感じの重く深い振動。30hzでわずかに振動音が残り、20hz以下無音。低域はパンチとキックがやや浅い感じで少し膨らむ感じで出やすいので床面が少し高く強調される感じがあるが、ベースの音も聞こえが良く充分に濃いので、低域自体の立体感もしっかりしている。タイトさはほどよく抑えて広がりはかなりあるが、ブーミーに広がりすぎる感じもなく、とくに中低域でスピードコントロールは良さげ。ドラムの膨らみも表現されつつ、浮き上がりも良く、うるさくなりすぎないので、耳当たりの良い感じ(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:大雑把に言えば中高域と中低域に強調点があるので、シャリシャリではないが、ドンシャリ的ではある。中域の下側に引っ込んでいる感じがあって、低域との分離と奥行き感をもたらすような音響デザインになっており、ボーカルフォーカスと音場の広さに配慮が見られる。高域に強調がなく、ディテールを重視している感じではないので、解像度的には分離感ではなく、定位感と音の広がりの厚みを重視した感じに聞こえる。そういう意味では音の塗り方、つまりテクスチャ重視の音響である(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは基本的に中低域の膨らみがやや強めになるので、少し弾みと張りを重視した音になる。スネアやタムは革張り感、パンチは少し膨らみ重視、キックは若干浅めにドンドンといった感じ。全体として見ると膨らみ気味のバッツンバッツンって感じかな。ハイハットは少し分離して浮かび上がるので存在感は結構しっかりする(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルはホットでウォームな感じで、深みもそこそこで濃さも適度にある。女声ボーカルはあまり潤い感を強調せず、中域で甘味、中高域でツヤを少し出しつつ、やや伸びは抑えて太い感じで聞こえる。輪郭は丸く、息感に強調はあまりない。

 

【4】官能性「イコライザーによって音の印象をあまり変えずに聴き心地をコントロールできるのは素晴らしい」

aimer「StarRingChild」

StarRingChild

StarRingChild

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】この曲、結構ドラムのズンドコとボーカル周りにぎっしり感があるんで、このイヤホンの色味がドライなのは雰囲気によく合っていていいんですけど、標準の「EQ2」だとドラムのズンドコとギター音がボーカルにかかりまくりでややうざったい感じに聞こえます。

 ところが、まず「EQ3」にすると低域のズンドコが引っ込んでボーカルが前面に出てきて、ギター以外の大半の音よりよく聞こえるようになるので、聴き心地が安定します。

 反対に「EQ1」にすると、これはこれでズンドコが目立ちますが、奥行き感が出るのでギターとボーカルの絡まりが整理されて聞こえるので、こちらも聴き心地が安定します。

 普通このくらいの価格のイヤホンに搭載されているイコライザーは、ただ低域を盛ったり、高域を盛ったりするだけなので、色味自体が変わりやすいですが、このイヤホンのイコライザーは各音域の色味はなるべく変えずに存在感だけを変化させてくれる感じがあり、個人的にはAUKEYやるねって思います。結構音場の印象は変わりますが、音自体の雰囲気は変わりません。

 


StarRingChild EP

 

Matt Bianco「Say The Words」

Say the words

Say the words

【Hiby R6 Proで鑑賞】中高域で艶やかさを出しつつ、全体の色味はやや抑えめにドライな感じがあり、中域は音が丸く広がる感じがあるのに、見通し感も悪くないので、濃厚感がありつつほどよく清潔。ボーカルの浮き上がりも良く、抑制されながらも鮮やかさのあるセクシーサウンドがじつに大人びた感じで聞こえる。

 


Matt’s Mood

 

西木康智「Octopath Traveler -メインテーマ-」

Octopath Traveler -メインテーマ-

Octopath Traveler -メインテーマ-

【Hiby R6 Proで鑑賞】「EQ1」にして低域をちょっと張り出させ、奥行き感を出すと、たとえばこういうオーケストラ的な曲をより雄大に楽しめるようになる。低域楽器が床面を厚く作る上に、木管や金管、弦楽が奥から音が伸びてくるような立体感が出て、なかなかの没入感が出る。音量を上げてもうるさい感じが出ないのも良い。

 


OCTOPATH TRAVELER Original Soundtrack

 

sora tob sakana「ささやかな祝祭」

ささやかな祝祭

ささやかな祝祭

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲でも「EQ2」だとちょっと音がいっぺんに出過ぎる感じがあるので、「EQ3」で上のにぎやかな感じにフォーカスするか、「EQ1」で奥行き感を出すとかなり雰囲気はよい気がする。全体的に丸みのある音で、高域は少し明るさを抑えて中高域で鮮やかさを出しつつ、中域は清潔な感じで聴ける。

 


sora tob sakana/ささやかな祝祭 (通常盤)

 

【5】総評「価格は結構強気な気もするけれど、完成度は高い」

 元々の音がかなり聴きやすい上に、イコライザーで自分の好みのバランスを簡単に追及できるのは良いです。そのイコライザーも音の性質が変わる感じではなく、音の印象はあまり変えずに、音場の表現バランスを変える感じで、自然に調整できるようになっています。通信品質も安定していますし、音質的にもナチュラル系で聴き心地とボリューム感のバランス感覚が良く、最近のAUKEYらしい良質な調整になっています。

 

AUKEY EP-B33

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【完全ワイヤレスイヤホン Astrotec Motivation レビュー】音が中高域元気な、いつものAstrotec。通信品質も良く、元気にポップス・ロック・ダンス聴きたいならすごくいいかも。おすすめ

Astrotec Motivation

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【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感はなかなか良い。通信品質はかなり良い」

おすすめ度*1

Mpow M5

ASIN

B07TWDH7RR

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間 5h/20h
Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
 防水性能

IPX5

音質傾向

ドンシャリ、クール、パンチがある、ガツガツしている、明るい、シャキシャキ、シャリシャリ、シャープ、華美、ビシバシ、ズンドコ、清潔

 少し丸っこい形にはなるが、装着感は悪くない。標準イヤピでの遮音性は標準からそこそこ高いの中間くらい。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみた。かなり人の多い某関東のターミナル駅付近でテストしたが、駅のコンコースでもほとんど途切れなし、改札付近ブラブラしても途切れなし、バスロータリーと人の多い交差点で多少ブチブチ。

 他のレビュー予定の完全ワイヤレスイヤホン2台といっしょにテストしたけど、その中で一番品質が良く、かなり安定性が高いと思われる。私の環境ではこの価格帯では最高水準クラスかも知れない。

 ただし理由は分からないものの、AAC接続時に顕著だが、ときどき少しだけ荒れる。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「操作インターフェースはタッチ式」

 付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Micro-B)、専用充電ケース、説明書。インターフェースがタッチ式。反応は普通で、ワンテンポの遅れがある。

 

 

Mpow M5Mpow M5

 

【3】音質「低域のパワフルさとスピード感、高域の派手さと突き抜け感に優れた明るいじゃじゃ馬ドンシャリサウンド」

 音質的には聴いた途端にAstrotec。まあ私のAstrotecのイメージは完全にDelphinus5だけど。音質はスピード感のあるクール系サウンドで中高域から高域でかなり派手めでくっきりシャキシャキ系の元気な音を奏でる。とにかくアグレッシブで音はアタック感が強い。

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 低域はDAPやイヤーピースによって結構印象が変わり、たとえばHiby R6 Proのような低域に少し厚みのあるDAPで聴いてみたり、イヤーピースをSednaEarfitに変えてみるとズンドコパワフルな低域を味わえる。またSednaEarfitで低域強化するとウォームな感じも出て、高域のクール感が少し中和されて感じられる。ただしSednaEarfitを付けるとケースに収納できない。

 

  サウンドイメージ的には下の曲みたいな感じかな。とにかく明るく元気。

 

 

美点
  1. 高域が派手で明るく、手がかりも多くとても華やか
  2. 中高域から高域への連携が良く、のびやか
  3. 中高域でもディテール感が高く、解像度が高く感じられる
  4. 非常に清潔な空間
  5. 低域もパンチがパワフルでスピード感があるが、標準イヤピでは相対的にパワーを抑えめ
欠点
  1. 人によってはアグレッシブすぎてうるさいサウンド
  2. 音がシャープで聞き疲れしやすい
  3. 音が怜悧な緻密系サウンドかつクールになりやすいので、人によって親しみづらく感じられる

 

[高音]:高域の拡張性は高く、音が非常にクリアにディテール良く、のびやかに派手めに華やかに聞こえる。クール系のサウンドで、緻密で細かく空気感や刻みを表現する。価格帯ではこの記事執筆時点で、非常に優れた高域を持っていると思われる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は中高域に強調があり、中域の下の方は抑えられており、清潔。ギターやピアノ、弦楽は上辺で明るく、高域方向に伸びやかな浮かれた音を出す。低域との分離は明確。

[低音]:100hz~40hzまでビビビビッという輪郭感のある細めの振動。30hz以下はビビビの振動だけが聞こえる。標準イヤーピースだと低域は少し抑えめで、パンチはかなり強いが、ベースの方は派手な高域音などに埋もれてしまうかも知れない。素性は良いらしく、イヤーピース次第ではこの低域に厚みを出してよりパワフルにできる。スピード感も良好(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:高域方向で縦軸が高く感じられる。低域方向でも床面が少し透明で深みがわかりやすく、大抵の曲で縦長に感じるかも知れない。中域も清潔で奥行き感に優れている(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:タムやスネアの鼓面の弾けが強く、パチパチ明るい。パンチも強めで、バスドラキックもアタック感の良いガッツン来る音。かなりビシバシ系のドラム表現になる。人によってはややアタックがキツい気がするかも知れない。明るめのバッツンバッツン。ハイハットの方も白味も強くてシャープにシャリシャリ。アグレッシブ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルはやや細く、中性的に感じやすい。女声ボーカルもツヤを少し出した後に上に煌びやかに伸びるような細身の声色で、サビでは上方向に圧に加えて突き抜ける感じになる。

 

【4】官能性「とにかく力強く、アグレッシブで明るく派手。良い意味でじゃじゃ馬」

AXiS「HEAVEN'S RAVE」

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】この曲では中高域以上に高いディテールを感じ、明るく華美な味わいが緻密に表現される。かなりアグレッシブで攻撃的な上、突き抜け感もあり高さも強調される。低域はパンチが利いた床面がパワフルで、全体として明るい感じで少し浮ついていながら、確かな力強さでリズムコントロールされており、疾走感で容赦なく押し込んでくる説得力がある。こりゃいいね。

 


HEAVEN'S RAVE(通常盤)

 

しちごさん。×ABSOLUTE CASTAWAY「mirage」

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】やや高域派手めで少しシンバルやドラム音がボーカルに被さってくるところがあるが、基本的にクリアで清潔な感じで高域も明るく、見通しよく、ボーカルの抜けも良い。ビシバシとアグレッシブな床面もパワフルで迫力充分。

 


Cross bouquet

 

Snail's House「インベーダー☆」

【Hiby R6 Proで鑑賞】少しガツガツした感じに中高域から高域でくっきり聴かせる感じになる。低域の方もかなり詳細に聞こえる感覚があり、スピード感も良いので疾走感も充分。パンチの利いた床面を感じつつ、中高域以上でもクリクリした手応えのあるサウンドがアグレッシブに押し迫ってくる、力強いサウンドになっている。それでいて音場は清潔で詰まる感じはない。

 


エイリアン☆ポップ III

 

はるひの with DODOWAKA「令和 -UME no UTAGE- 」

【Hiby R6 Proで鑑賞】明るい。ボーカルの子音がやや尖り、サ行に刺さりやすい感じがあるのが少しだけ気になるが、華やかで音が上で突き抜けていく感覚があり、スピード感もあるので非常に元気で快活。かなりポジティブでとても楽しそうに聞こえる。音の立ち上がりが良く、とくにボーカルが空に吸い込まれるように伸びていくのは爽快。

 


令和 -UME no UTAGE-

 

【5】総評「聞き疲れしやすい音質ではあるので好き嫌いはありそうだが、解像度高めでパワフルな音が好きならおすすめ」

 音質的には解像度感が高いとはいえ、少し派手でクールに聞こえやすく、聞き疲れもしやすいビシバシ感が出やすいアグレッシブサウンドなので選り好みはありそうだが、パワフルなサウンドが好きならおすすめ。使い勝手の面でも通信品質は高そうだし、デザインも洗練されている印象を受ける。なかなかこの価格帯の完全ワイヤレスイヤホンでは味わえなそうな音を出すので、店頭で見つけたら是非聴いてみてほしい。

 

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【ポータブルミュージックプレーヤー Newiy Start L360B レビュー】私の個体がおかしかった可能性があるが、ぶっちゃけ使いづらい。

Newiy Start L360B

Newiy Start L360B

【Newiy Start】mp3プレーヤー Bluetooth sdカード対応 合金製 mp3プレイヤー 超軽量 無損音質 デジタルオーディオプレーヤー 8GB内蔵容量 最大128GBまで拡張可能 音楽プレーヤー 小型 FMラジオ 歩数計 AUXケーブルダイレクト録音対応 [2019最新版】

 

 

 

 今回紹介するミュージックプレーヤーはNewiy Start L360Bです。

 この機種は同価格帯のポータブルミュージックプレーヤーの中ではかなり小型で持ち運びやすいデザインになっています。付属品にイヤホン付いてます。

 

【1】連続再生時間は長め

 連続再生時間のスペックはマニュアルと商品ページで異なっています。マニュアルによると有線イヤホンで最大40時間、Bluetoothで13時間とされています。商品ページによると最大再生時間は30時間(おそらく有線)。

 

 

【2】外観/操作性「直感的なインターフェース」

 液晶の品質はとくに高くありません。アルバムアートは表示が横長になり、よく見えません。またワイヤレス接続時はアルバムアートが表示されないという謎仕様です。

 

 液晶はタッチ対応ではなく、操作は全て下のタッチインターフェースで行います。このインターフェースは電源ボタン以外は全てタッチパネル式になっており、レスポンスは良いです。

 曲選択などでいらだつことはなく、比較的スムーズに操作できます。

 ほかのプレーヤーではBluetooth接続機器を選ぶときなどにもたつく感じがありますが、この機種は若干読み込む感じがあるものの、比較的スムーズです。

 

【3】機能

 いくつかこの機器にはいくつか便利な機能が付いています。

  1. ボイスレコーダー機能
  2. FMラジオ機能
  3. ダイレクト録音
  4. 動画/画像ファイル表示機能、電子ブック閲覧機能など

 

 中華プレーヤーあるあるで、この機種も単なる音楽プレーヤー機能だけでなく、いろいろな機能を備えています。ボイスレコーダー機能とラジオ機能が付いているのはほとんどお約束になっています。あとは動画や画像ファイル再生表示機能があります。この中で個人的に実用的だと思えるのは1.のボイレコ機能だけです。ボイレコ機能は精度は低いですが、それなりに便利かも知れません。

 またこの機種独自の機能として3.のダイレクト録音が挙げられます。これは他のプレーヤーやPCなどからAUXケーブルを通してダイレクトにmp3/WAVファイルに録音する機能です。

 その他の機能は個人的には実用性が低いと判断しており、興味も薄いのでこのレビューでは割愛します。amazonのカスタマーレビューなりを参照してください。

 

【4】対応ファイル形式

 ハイレゾには対応しません。有線でMP3/WAV/WMA/FLAC/APE/M4Aに対応していますが、44.1khz/16bitまでの対応です。BluetoothではMP3(mp1、mp2 )/WMA/WAV/FLAC/APEに対応します。動画再生はAVI/AMVに対応します。

 

ファイル転送ができない?

 私の手持ちの個体だけの不具合かも知れませんが、PCにUSBで繋いでもこの機種が認識されず、ファイルがうまく転送できません。マニュアル通りにやっても無理で、もしかすると他のやり方があるのかも知れませんが、わかりません。そこで現状本体のメモリは使えず、MicroSDに曲を入れて運用するしかありません。

 

【5】音質「ワイヤレスチップが若干品質がよいのかワイヤレスの音質はよい」

 有線の音質はスマホ並みです。わずかにハムノイズのようなジリジリ音がするのが気になります。妙にドライでモシャモシャした質感なのも気になります。そういうわけで有線の音質はあまりよいとは言えないので、有線イヤホンメインで運用している人は同価格帯の他のプレーヤーを買った方がマシだと思われます。

 

 一方でワイヤレスのほうはBluetooth 5.0に対応している最新チップを搭載しているせいか幾分まともに聞こえます。接続品質も高めに思います。

 

【6】総評「使いづらい感じがある」

 私の手に入れた個体は本体メモリーに曲を転送できない時点で使いづらく、再生画面もチープで、同価格くらいのVicture M5XAGPTek M30を買った方が満足できるような気がします。この製品は正直あまり使い勝手が良いとは思いません。

 

Newiy Start L360B

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【完全ワイヤレスイヤホン Mpow M5 レビュー】良いところはそのままに、単純にスペックアップしたMpow T5。ロックやダンスで力強い床面を感じながら聞きたい人におすすめ。

Mpow M5

Mpow M5

【T5進化版】Mpow M5 Bluetooth ワイヤレス イヤホン AAC&APT-X 高音質 レザー調 6時間再生 IPX7防水規格

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は軽め。通信品質は標準クラス」

おすすめ度*1

Mpow M5

ASIN

B07TWDH7RR

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間 6h/42h
 Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX7

音質傾向

ドンシャリ、パンチがある、ガツガツしている、色味が濃い、太い、密度感がある、没入感がある、パワフル

 小型で耳に良く収まる。遮音性はそこそこ高め。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみた。箱開け後、接続当初は大幅な通信の乱れが見られたが、使っているうちに十数分程度で安定した。それ以降は基本的に安定した通信品質で、ターミナル駅の改札付近やコンコースくらいでしか途切れを感じない。ただし、まれに通信がわずかに乱れるときがある。しかし、しっかり確認したわけではないが、これはもしかすると親機を切り替えているので一瞬途切れるのではないかとも思っている。

 少なくとも同時にテストしたNexAudio Q65よりは通信安定性は高く、SONY WF-1000XM3と比べてもわずかに安定性が高い気がする。

 

テスト環境

 今回のテストはSONY NW-A55、Hiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「操作インターフェースはタッチ式」

 付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Micro-B)、専用充電ケース、説明書。インターフェースが物理ボタン式。反応は普通で、ワンテンポの遅れがある。

 

Mpow T5との違い

 Mpow T5とは外観上の差は全くない。音質や通信性能的な差があるかを確認するために、T5とM5をそれぞれNW-A55に接続し、同じ音量で同じ曲を何曲か聞き比べてみたが、感覚的に若干M5のほうが音場が整理されて個々の音の音像がきれいに聞こえるような気がするけど、実質的な音質差はないと考えて良いと思う。

 通信品質的にもわずかにM5のほうが接続が早くなった感覚があるが、タイミング差もあるかもしれず、これも確実な差とは言えない気がする。通信安定性はどちらも同じくらいに高い。

 したがって実質上はM5はT5からケーススペックが向上しただけと思われる。

付箋が付いている方がM5

付箋が付いている方がM5

 

Mpow M5Mpow M5

 

【3】音質「デジタル的な質感でぎっしり近く音を聴かせる密度感重視のサウンド」

 音質的にはT5の特徴をほぼそのまま引き継いでいて、AVIOT TE-D01dと同じような中高域と中低域に強調があるようなぎっしり系のドンシャリ。T5の時にも述べたように、TE-D01dに比べると低域の張り出しが強く、よりズドンズドンという重量感を強調する音響になっている。

 音が太く近いので、音場は少し狭く感じるが、奥行き感はほどほどあり、音が前屈みに聞こえてくるため、没入感は高い。アニソンやロック、ポップスを力強く聴かせてくれる。ボーカルは若干楽器に近いが、それなりによくフォーカスされている。

 

  サウンドイメージ的には下の曲みたいな感じかな。2曲目は最近妙にハマってるドイツのフォークロックバンド。

 

美点
  1. 低域にしっかりした濃さと厚みがある。
  2. 全体的にコントラストが高く、音がはっきりしている。
  3. 音の輪郭もわかりやすい。
  4. ギターが黒くかっこいい
  5. 中域でのボーカルフォーカスがよい
欠点
  1. わかりやすいドンシャリで独自性を感じない。
  2. 全体的に音がややデジタル的で音圧重視。
  3. なんていうか、音の出し方が直情的で、ちょっと雑。ボーカルとか結構ギャンギャンしやすい。

 

[高音]:高域についてはぶっちゃけTE-D01dの方が抜けが良く、「お、なるほどJapanチューニングってこんなんね」ってのが逆算して分かる。中高域から高域にかけての立体感はTE-D01dのほうが優れていて、同じ曲でも音が伸びて抜ける感じや、奥行き感がよく感じられる。T5の音は全体的に音を近く聴かせる傾向があるが、高域でも押し出しが強い感じがあって、音の煌めき感や色味は分かりやすいが、平面的で抜けはあんまり良い印象を受けない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域でも高域と同様のことがいえ、少なくとも奥行き感は抑えめ。左右もちょっと狭く、音が全て前屈みである。中域は低域と高域の押し出しが強いので引っ込んでいる感じではあるが、全体的に音が近いので、あんまり奥行きを出す感じがなく、なんだかんだいって押し出し強め。相対的に弱いだけで、結構音圧しっかり前に出てくる。そういう意味で音がぎっしりしている。

[低音]:100hz~40hzまでややぼーっとした振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。色味の違いは若干感じるが、NT01AXやTE-D01d、TE-D01gとよく似ている。低域はかなり押し出しが強く、音は濃い。厚みはそこそこある(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:密度感は高めで、低域がやや強めに音場を囲むくらいに聞こえる。TE-D01dなどに比べると音の重心が少し低く、色味も濃く、暗めに聞こえるかもしれない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:パーカッションもなんかTE-D01dあたりと似ていて、タムの鼓面がちょっとパリパリしている感じ、バスドラに膨らみが少しあって柔らかみがある感じ、地熱は意外と少なめな感じと共通な印象が多い。TE-D01dはタムのほうが目立ったが、こちらは低域が重いバツンバツン系。ハイハットは意外と発色抑えめで少しなめらかに空気感を出す(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:低域に濃さがあるので、男声ボーカルは意外と濃いめでしっかり聴ける。むしろ高域が少し暗く、明るい女声ボーカル曲では少し重たさを感じるかも知れない。全体的に少し太め。

 

【4】官能性「重厚でややどっしりしたドンシャリ」

DOES「曇天」

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】低域は意外と明るめで黒く渋い感じというよりは、ややポジティブな色合いを持っているが、ドラムにパンチ力がしっかりあって、ベースも分離されてしっかり聞こえるので、組み立てはしっかり。ボーカル周りに楽器がかなり近づいて聞こえるので、とくにサビでボーカルが少し埋もれる感じがあるが、基本的にフォーカスは悪くない。ギターの黒みのあるエッジを丁寧に聞かせてくれるので、基本的にこういう曲には説得力がある。

 


曇天

 

シギ「輝いた」

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】「曇天」と案外変わらないバランスだと思ったんだけど、この曲はどうも中高域あたりの発色が足りないのか、もっさりして感じられた。「あれ、これこんな重めの曲だったっけ?」と思ってNT01AXで聞き直してみたけど、そっちだとちゃんとサビで伸びてる。やっぱりギターのディストーションとかピアノの光沢とかが足りなくて、下に寄りすぎているような聞こえ方になっているようだ。全体としては重厚で悪くない気もするけど、サビでの明るさと開放感が足りなくて、少しもさっとしてしまっているところがある。

 


輝いた

 

 Void_Chords feat. LIO「FLARE」

【Hiby R6 Proで鑑賞】どちらかというと低域に重みを付けて聞かせる感じになり、高域方向の華やかさはかなり抑えられているので、少し熱気のある若干もっさりした感じに聴かせる。中低域のパンチが利いていて、床面は決まっていてかなり満足できるけど、それでも少し派手さに欠けて開放感や躍動感に物足りなさがあり、暗い印象が強いかも知れない。渋い感じでかっこよくはある。

 


TVアニメ『ありふれた職業で世界最強』OP主題歌「FLARE」

 

angela「ANGEL」


【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲はかなり迫力を出し、照準も適切で一番良いところに陣取って聞かせてくれている感じがある。全体的に少し黒みの強い中域と、パンチの乗った中低域がこの曲の圧倒的世界観で頭を囲い込むように、没入させて聞かせてくれる。

 


ANGEL/遠くまで

 

【5】総評「充分に密度感があり重厚なサウンドと安定感のある通信品質。ロックにおすすめ」

 T5のパワーアップ版なので、結論もT5と変わらない。QCC3020を搭載して通信品質的にはかなり安定が見られるし、バッテリー的にも1日充分使える使用時間を実現し、音質的にも10000円台機種にも引けを取らないとなれば、まあコスパは良いとしかいいようがない。高域の明るさが足りない感じはあるので、明るいアニソンなんかは少し抜けが足りない感じがあるけど、JAZZや重厚系のロックなんかは逆にしっかり聴ける印象。アニソン・EDM的な音作りのAVIOT TE-D01dやgに比べて、よりロックしてるイヤホンなので、ロックやJAZZ好きなら個人的にはこっちをおすすめする。

 

Mpow M5

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