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【コラム】Maxellの新型完全ワイヤレスイヤホン「MXH-BTW1000」を聴いてきた!(附・Truefree+とZEUS ACE 音質チェック)

Maxell MXH-BTW1000

Maxell MXH-BTW1000

maxell MXH-BTW1000 完全ワイヤレス型 Bluetoothイヤホン TWS (WC ホワイト×カッパー)

 

 

 手持ちの完全ワイヤレスイヤホンの接続品質を都心でロケテストする意味も兼ねながら、気になっていたMaxell初の完全ワイヤレスイヤホン「MXH-BTW1000」を聴いてきました!あとは手に入れたDudios Zeus AceがSoundPEATS Truefree+と音質一緒かの確認もしてきました。

 

maxell MXH-BTW1000は硬質ドライバーらしい高域の発色と刻みの良い音

 この機種は行きつけの某YCはまだ試聴機なくて、同じく行きつけの某BC行ったら聴けました。

 maxell MXH-BTW1000はPEN(ポリエチレンナフタレート)振動板という独自素材を使っていることが特徴です。ぶっちゃけどんなもんか記事を読んでもよくわからんのだけど、音質的にはいわゆるグラフェン系に近いシャリシャリ感の強い高域の発色がよくて刻みがきれいな感じで、まあmaxellらしい音です。低域は硬め。Anker系と似た音質で差別化できているかは難しいところがあって、同じ価格帯にいるGLIDiC TW-7000あたりとガチバトル必至な感じがあり、コスパで勝てるかは結構微妙。

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 まだ到着したばかりの試聴機でのテストなので確実とは言えないけど、通信品質もこなれてなくて、BCの店舗内だと時々ポツポツ切れます。うーん。通信品質に関しては数時間鳴らすとこなれる可能性はあるので、第一印象で語れないけどね。

 スペック的にも旧世代で、装着感が工夫されているけど、今これで勝負するのはキツいんじゃないかな……?これならPioneer SE-E8TWのほうがって人もいそうだし。1万円切っちゃってコスパよくなってるからね、SE-E8TW。通信品質かなりしっかりしてるし。

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パイオニア Pioneer 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応 左右分離型 マイク付き イエロー SE-E8TW(Y) 【国内正規品】

 

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実際に手に入れたレビューはこちら

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 Dudios Zeus AceはSoundPEATS TrueFree+と音質変化なし。ケースのデザイン以外ほぼ同一機種

 もう一つのポイントとして、手に入れたDudios Zeus AceがTruefree+と音質違うかってのが気になってたんだけど、Truefree+の店頭試聴機と聞き比べた結論から言うと、たぶん一緒。違いは分かりませんでした。

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Arbily T-02Sの接続品質ロケテストもしてきました

 radius HP-T100BTとクリソツで気になっていたArbily T-02S。結局購入して朝届いたんで他の完全ワイヤレスイヤホンとともに都心に持って行ってロケテストしてきました。音質もだいたいテストしたんでぶっちゃけると、これはradius HP-T100BTの通信チップだけグレードダウンした機種の可能性が高いです。つまりほぼHP-T100BT同等品。5000円以下でHP-T100BTが買えるなら安いし、音質はかなりいいから、レビュー早く仕上げて紹介したい機種です。

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Maxell MXH-BTW1000

Maxell MXH-BTW1000

maxell MXH-BTW1000 完全ワイヤレス型 Bluetoothイヤホン TWS (WC ホワイト×カッパー)

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【ニュース】被害者続出の大人気キズナアイコラボモデル「AVIOT TE-D01d-kzn」再販決定!脳ミソとろける犠牲者が増える可能性大!

AVIOT TE-D01d-kzn

AVIOT TE-D01d-kzn

キズナアイ × AVIOT コラボレーションモデル 第二弾 TE-D01d-kzn 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン iphone android 対応 (White)

 

 

AVIOT TE-D01d-kzn あまりの人気に異例の再販決定!

 e☆イヤホンの公式通販で再入荷予告があったんで、「お?」と思っていたんですが、AVIOT公式サイトでも再販決定したようです。amazonや楽天のAVIOT公式ストアから再販分を予約注文可能です。amazonはAVIOT公式ストアのストアフロントから注文をどうぞ。出荷は5月下旬予定です。

 

大人気完全ワイヤレスモデル×大人気Vtuberのコラボ!

 一応この機種を知らない人のために簡単に説明すると、明瞭感のある元気で楽しいサウンドとかなり長持ちする恐るべきバッテリースペックを併せ持つ、現状で最も人気が高い完全ワイヤレスイヤホンの一つ、AVIOT TE-D01dと、ゲーム実況もできる驚異のスペックを持つAI、キズナアイがコラボしたという夢のモデル。インターフェース音声が魅惑のAIボイスになっていて、いつでもどこでも脳ミソとろかしてくれる魔の殺人兵器となっております。おかげで注文殺到!

 予約も早期に締め切ったせいか、品薄気味で価格高騰しているこの機種ですが、今回の再販であなたも手に入れることができます!お見逃しなく!

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AVIOT TE-D01d-kzn

AVIOT TE-D01d-kzn

キズナアイ × AVIOT コラボレーションモデル 第二弾 TE-D01d-kzn 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン iphone android 対応 (White)

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【コラム】うーんこれはどう判断すべきか?radius HP-T100BTの在庫流出品か?OEM品?Arbily T-02S

Arbily T-02S

Arbily T-02S

【Bluetooth5.0進化版】 T series Bluetooth イヤホン 完全ワイヤレス ブルートゥース スポーツ アウトドア 高音質 電池長持ち ハンズフリー通話 充電ケース付き タップ式 左右分離型 両耳 片耳 マイク付き iPhone7 iPhone8 iPhoneX Android 対応 (黒色)

 

 昨日紹介したradius HP-T100BTですけど、実はamazonにそっくりなやつがいます。それがArbily T-02S です。カスタマーレビューがあんまりなくて、実際の音質がHP-T100BTと共通かはわからん。しかしまあ個人的にせっかくradius HP-T100BT手に入れたんで、これを手に入れて聞き比べしようかなーとか思いつつ、つい先日も似たようなことやったばっかなんで、さすがに無駄遣いっぽいとも思案中。ぶっちゃけradius HP-T100BTはあんまり人気機種でもないので、やっても誰得な感じがありますし。

 ただこれはradius HP-T100BTと同じキットを使ってそうな感じは濃厚で、場合によっては在庫流出かOEM品の可能性もありますけど、わからん。radius HP-T100BTの通信品質不安定なところが改善されてたら、神だったりするけど、そんなことあるかもわからんし。

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 で、なんで紹介するかというと、この機種タイムセール祭り対象らしくて、4/22の10:00くらいからタイムセールされます。私も手を出そうか考え中(たぶん手を出さない可能性大)で、HP-T100BT自体は音は悪くないので、興味がある人がいたら、見てみたらどうでしょう?って話です。まあ実際どの程度同一性の高いモデルかはわかりません。スペックはちょっと違うみたいだし。

 

Arbily T-02S

Arbily T-02S

【Bluetooth5.0進化版】 T series Bluetooth イヤホン 完全ワイヤレス ブルートゥース スポーツ アウトドア 高音質 電池長持ち ハンズフリー通話 充電ケース付き タップ式 左右分離型 両耳 片耳 マイク付き iPhone7 iPhone8 iPhoneX Android 対応 (黒色)

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【完全ワイヤレスイヤホン radius HP-T100BT レビュー】重低感のあるサウンドは魅力的だが……通信品質がこのレベルではキツい。

radius HP-T100BT

radius HP-T100BT

ラディウス 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ブラック)radius HP-T100BTK

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感良好」

おすすめ度*1

radius HP-T100BT

ASIN

B07JHT611W

 丸みのあるハウジングでそこそこ付け心地は良い。遮音性は高め。音漏れは少し。

 

 通信品質は正直言ってキツい。家の中ならまだ普通に使えるが、街中の混雑するエリアでは左右がブチブチ切れてまともに使えない。

 

なおこの機種と音質や使い勝手がほぼ同一の格安機種があります

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【2】外観・インターフェース・付属品「連続再生時間は4時間、最大再生時間35時間」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 

 イヤホン単体の連続再生時間は4時間半、ケースで5回充電できるので、ケース込みの最大連続再生時間は27時間となる。

 

 自動ペアリング・自動接続/切断にはスムーズに対応し、ケースに出し入れするだけでペアリングや接続ができるのはいい。それ以前に通信品質なんとかしてほしいけど。

 

radius HP-T100BTradius HP-T100BT

 

【3】音質「重厚な音質。床面を強調しつつ深掘りされる低域が味わい深い」

 音質はラディウスらしくて好みではある。高域は発色抑えめでシックな感じ、中域は太い感じで、低域は床面を強調しつつ、厚みもあって重量感を感じさせる。低域の膨張感はそれほど強くなく柔らかみのある感じの音ではないが、表面の弾けがよいから躍動感は出るし、シンバルも尖りはあるが、チリチリとまとまりがよい感じで、ロックやダンス、JAZZなんかもいけそう。

 

[高音]:高域の発色は強すぎず、若干暗めな印象でシックに落ち着いている印象を受ける(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:やや太いが、意外と明るさはあり、快活。ラディウスっぽい音が濃い感じがあり、充実している。

[低音]:100hz~30hzまではっきり太めの振動。上では床面を作る感じで締まりが良く、黒みを感じさせる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域の締まりが良く、中域付近に音が集まる充実感のある横幅のあるサウンドステージ(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは表面の弾けを強調するバシンバシン系の音だが、一定の厚みもあり、黒みも出す。活きが良い。膨張感は抑えめで材質感は硬い。シンバルはやや尖りが強いが白味はあまり強くなく、チリチリしたまとまりのよい濃い感じの音(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:楽器音が太く、若干埋もれやすいところあり。

 

【4】官能性「衝撃力を感じさせる低域の床面はダンス向きの印象を受ける」

ねごと「アシンメトリ」

 音響を確認して、このバランスなら聴いてみたいな~と思ったのがこの曲。黒みがしっかり出てシックな感じの空間が大人びてるし、音は全体的に濃厚で充実してカッコイイ。シンバルはチッチッと濃い感じの音だし、シンセも濃い色合いでぬったりと濃厚。ただ中域付近に音が集まりやすいところもあって、混濁感は若干感じ、これを充実感とみるか分離感が悪いと感じるかはかなり微妙なライン。あとは低域だが、膨張感がないせいか、少し重量感に欠ける印象を受け、もう少しパンチがほしい気がする。

 


アシンメトリ e.p.

 

三月のパンタシア「街路、ライトの灯りだけ」

 ドラムの衝撃力は少し強く出る感じで良好。音場に横幅があり、充実感があるが、ボーカルは少し埋もれるバランスで聞こえてくる。ギターは少し膨らみながら聞こえてくるが、エッジ感は良くボケた感じはない。

 


ガールズブルー・ハッピーサッド

 

TVアニメ「やがて君になる」ED主題歌「hectopascal」

 シャリ味をやや強調しつつ、中低域方向に音を落ち着かせて安定感がある感じで聴かせる。中域充実で明るく濃い色合いで楽しめる。重厚感もしっかりしていて、楽しい。

 


TVアニメ「 やがて君になる 」エンディングテーマ「 hectopascal 」

 

(K)NoW_NAME「Knew Day」

 個々の音に締まった感じがあり、気持ちよい。中域付近にタイトに音を集めて、横長にして聴かせる感じ。情報量が多い曲だけど、音が散らずに焦点が定まって聞こえ、統一感がある。ハイハットがシャリシャリしやすいところだけ鼻につくけど、個人的には結構満足できる表現。

 


TVアニメ『灰と幻想のグリムガル』オープニング・テーマ 「Knew day」

 

久石譲「Summer」

 音が太めで中域付近に充実感がある。やはり音に散乱する感じがなくて、安定している。低域もしっかり厚みを出して、音場全体に濃厚感があり、聞き込める。悪くない。

 


菊次郎の夏(サントラ)

 

【5】総評「通信品質が悪く、外出用には使いづらい」

 音は結構聴き応えがあるんだけど、とにかくひどい通信品質のせいで外出時はまともに聴くことができない。家用に使うなら良いけど、家庭用として完全ワイヤレスイヤホンって需要あるか微妙。音質だけは悪くないけど、それでも目に見えてよいというわけではないし、Skullcandy PushとかZERO AUDIO TWZ-1000とかMavin Air-Xとか代替候補でより通信品質が優秀な機種がたくさんある。敢えてこれを選ぶ必要はあるのかなぁってのが正直な感想。

 

radius HP-T100BT

radius HP-T100BT

ラディウス 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ブラック)radius HP-T100BTK

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン Dudios Zeus Ace(btway SB-23) レビュー】人気機種 Truefree+のマイナーチェンジ版か。爽快感のある中高域としっかりしたベースラインのバランスが良いSoundPEATSらしい良質サウンド。おすすめ

Dudios Zeus Ace

Dudios Zeus Ace

【Bluetooth5.0進化版】完全ワイヤレス イヤホン 左右分離型 両耳片耳対応 8×交換用イヤーピース マイク内蔵 高音質 自動ペアリング 充電ケース付き ハンズフリー通話 メーカー(1年保証) 120時間連続駆 Bluetoothイヤホン 動小型 軽量 ステレオサウンド 交換性が高い(ブラック)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感良好」

おすすめ度*1

Dudios Zeus Ace

ASIN

B07QK4DQ8M

 今回興味を持ったのはこれ。明らかにハウジングの刻印がSoundPEATS系のブランド「Dudios」のものなので、もしやと思い、注文すると案の定届いたのは「Dudios Zeus Ace」。外観やスペックはSoundPEATS TrueFree+に準じているので、そのマイナーチェンジ版と言って良いだろう。

 

 Truefree以来の小振りなハウジングデザインで装着感がよい感じは共通。遮音性は悪くなく、音漏れもそれほど目立たないだろう。

 

 通信品質も安定しており、途絶はないが、動画を見ると口パク感があるので遅延は少しある。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「連続再生時間は4時間、最大再生時間35時間」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 

 最大120時間連続駆動とかわかりづらいことが書いてあるので間違いやすいが、スペックはTrueFree+と共通で、イヤホン単体の連続再生時間4時間、ケース込みの最大再生時間35時間である。

 

【3】音質「中高域は見通しが良くスッキリ、低域はほどよく肉厚パワフルと、ロック・ポップス・エレクトロダンスの聴き応えに寄せた比較的万能な音質」

 音質的にはほどよく膨張感があって厚みを出しつつ、張りの良いベースラインと若干シャリ味の出やすいさわやかな中高域を共存させている。このバランスだと床面をそれなりに感じつつ、中高域で見通し感のあるサウンドを楽しめる。密度ぎっしりでもなく、スカスカでもなく、万人に受けそうな中庸な空間表現を作り上げてくるところはさすがSoundPEATSといったところ。

 高低バランス的には中低域付近に音の焦点が落ち着く安定した感じがあり、自然な定位感と言え、こういう定位感に充実感を感じる人は多いだろう。ボーカルは分離しすぎず、楽器と近すぎずで、中低域付近の密度の高いあたりの中心に収まり、楽器と一体的な感じもあって、これも充実感を与えてくれる。率直に言って、5000円以下ではレベルが高い仕上がり。

 

音質はSoundPEATS Truefree+とほぼ同一

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[高音]:キラキラ感はキンキンした感じでは出ないので、耳当たりが良い。シャリシャリした感じだけは少しでやすいが、それもシャープに尖らせすぎない感じで耳当たりのよい音。高域は地味めでやや暗い印象も受けやすいバランスだが、まろやかさを出しつつ発色もうまく、意外と丁寧に思える。密度のある中低域の領域から離れすぎない、浮き上がらない味付けになっており、中域との連携を重視している印象(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:低域との連携が良く充実した感じがある。ふっくらと厚みのある感じで音が聞こえるが、空間全体を充満させるバランスではなく、ところどころ空間が見えており、圧迫感がある感じではない。音が立ち上がる根元と音の厚みをしっかり感じさせる安定感のある音。

[低音]:厚い少し膨張する振動で100hz~40hzまでしっかり。30hzで少し沈み、20hzでも若干振動感が残る。この振動が太いベースを作り、厚みのある形で音場を支える。SoundPEATS系に多い味付けで、上で床面感を出しつつ、それを強調しすぎずに下方向に深く音が吸い込まれていく感じも出す。コントラスト感は一定程度出すが強調しすぎない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:地平線かそのやや下くらいの中低域あたりに音が安定していく感じで、高域方向には少し広い空間を感じるバランス。低域は顎から喉元くらいの間まで沈みを感じさせるので、深掘り感があるがズーンとかドーンとか力強く沈む感じではなく、ドゥーンというくらいの柔らかめに沈んでいく重量感がある。ほどよく低域で深みを感じながら、中域の充実を味わいつつ、高域は中域と連携良くだいぶ降りてきている感じ。自然、中低域に密度感が出るが、音は結構よく整理されていてガチャガチャした感じはないのはさすが(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは膨張感が強めで、地熱感も強いためボボンボボンという感じでやや空間に広がりやすい音。ハイハットは色味がドライで浮き上がる感じがない。粒感は結構良く、ライドシンバルなんか結構締まっている印象。どちらかというとパーカッションは暗い方向ではあるので、大人びて聞こえるかも知れない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルやや太め。やはりHihiccup Hi-TWSに比べて若干音像が緩い形で聞こえやすい。高域は少し天井感があり、色味は抑えめではあるが、暗い感じでもなく、意外と自然な色合いでバランスは良い。

 

【4】官能性「基本的には中低域に充実感があるが、上の方では爽快感も味わえるバランス良好サウンド」

三月のパンタシア「星の涙」

 三月のパンタシアの曲の中でも1,2を争う私のお気に入り曲である、この曲を聴くなら悪くないかな。まず金物がかなり発色がきれいで、さわやかなカンカン音(声にしづらいけど、厳密にはスキャンスキャンくらいさわやか)だし、スチャスチャと刻みのよい感じも気持ちいい。あと低域がしっかりズンドコしてるので、安定感もしっかりしてます。

 ただし背景で聞こえる電子音表現がやや濁ってきれいに聞こえてこない。ズンドコしてるベースに少し埋もれやすいようだ。まあこの電子音はぶっちゃけ元々音源でバランスが弱めで、この価格帯の解像度だと普通はCANAVIS J29みたいなドンシャリしたイヤホンじゃないとあまり響いてこないところがあるので、この点は大きなマイナスポイントにはならないんじゃないかと思う。CANAVIS J29はJ29で、生粋のドンシャリ野郎だからこの曲じゃシンバルがシャリシャリして白味が強く、ボーカルもタ行サ行尖ってうるさくなりやすいところがあるから、この機種より聴き心地が良いとは必ずしも言えないし。まあわからんけど。

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あのときの歌が聴こえる

 

早見沙織「ブルーアワーに祈りを」

 5000円以下でこの曲を聴くなら、かなりいいんじゃないかな。弦楽やピアノに厚みがあり、ベースやドラムも適度な膨張感があるから、この曲の暖かな温度感に合っているし、ボーカルは結構発色綺麗にボケない形でまっすぐのびるから、楽器に包まれるバランスでも埋もれず一体的にしっかり聞こえてくる。総じて中域充実のこのイヤホンと相性が良い。

 


ブルーアワーに祈りを

 

saya「宇宙を見上げて」

 この曲、イケてる。ドラムの膨張感と重量感のバランスも良いし、シンバルの発色も良好。アコギのギラつきがほどよい、耳に優しいやや暖かめの膨らんだ音の出し方も世界観に合っているし、ボーカルがふっくら感重視のほんわかした甘味のある形で、厚みのある感じが厚いドラムと親和的で、ドラムやベースの暖かい音に乗せて歌詞をしっかり胸に届く形で聴かせる。

 同じように充実感のあるZagzog TWS-M3との違いは密度感。TWS-M3はもう少しベースとドラムが支配的で熱気が高く、そのわりに篭もらないのが魅力的なんだけど、ボーカル周りに音が密集していて、頭全体を音で囲む感じがあるから、Dudios Zeus Aceにある、上の方に空虚な空間がある感じがない。どっちがいいかっていうのはにわかに判断しづらくて、個人的にどっちも同じくらい聴き応えがあるんだけど、同じように暖かで充実した音響にしても、たぶんバランスがよいのはZeus Aceで、どっちかというと万人向き。より没入感が高いのはTWS-M3といった違いになるだろう。

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TVアニメ「 宇宙よりも遠い場所 」オープニングテーマ「 The Girls Are Alright! 」

 

中原麻衣「秘密」

 この曲はベースと中域に充実感がないといまいちスカスカしやすい曲だが、このイヤホンの中低域の厚みのある表現力は充分満足に聴かせてくれる。この曲はまた、サ行に少し尖りやすいところもあるが、しっかり尖らせつつ、痛い感じではないギリギリくらいで収まっており、メリハリを出しつつ聞きにくい感じがないのも良い。上方向に広い空間も維持されているから、この曲の寂寥感も出ているし、かといって寂しすぎてボーカルに孤立感が出る感じもないから、素直に聴き応えがあるって言える。

 


シンフォニックレイン ボーカルアルバム「RAINBOW」

 

清浦夏実「僕らの合言葉」

 中域充実な感じはポップス向き。女性ボーカルを発色させすぎず、少しふっくらした甘味を出す形で楽器と連携良く聴かせるので、こういうウォームな音の多いブルースっぽい系統のポップス曲に向く。それでいて、上の方は少しすっきりするので、上では見通し感が出てウォームな音に埋没すぎない感じがバランス取れている。

 


僕らの合言葉

 

水瀬いのり&久保ユリカ「動く、動く」

 この曲も安定感しっかり、厚みのある音で少しウォームで耳当たり良い感じで聴ける。地平線付近に音を集めて、充実したリズム感とパンチのある感じを出しつつ、上方向はすっきりしていて、この曲の爽快な感じも維持している。バランス良し。

 


TVアニメ「 少女終末旅行 」オープニングテーマ「 動く、動く 」

 

【5】総評「5000円以下でロック・ダンス・ポップスを中心に楽しむなら有力選択肢」

 元になったと思われる、SoundPEATS TrueFree+を持っていないので詳しいことは言えないが、スペックやデザインを見る限り、同じ系譜に属する機種。人気の高いSoundPEATS系らしい、中低域に寄せつつ、バランス感覚のよい音響が出来の良い感じで、素直に5000円以下で選ぶなら、これは選択肢から外せないんじゃない?ということができる。ライバルたちと比べて尖ったところはないが、音質的には万能に近く、総じて万人向き。

 

Dudios Zeus Ace

Dudios Zeus Ace

【Bluetooth5.0進化版】完全ワイヤレス イヤホン 左右分離型 両耳片耳対応 8×交換用イヤーピース マイク内蔵 高音質 自動ペアリング 充電ケース付き ハンズフリー通話 メーカー(1年保証) 120時間連続駆 Bluetoothイヤホン 動小型 軽量 ステレオサウンド 交換性が高い(ブラック)

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【完全ワイヤレスイヤホン Zagzog TWS-M3 レビュー】まあスペックは過剰表記気味にしても、音質は悪くないし、コスパよさげでおすすめしたいけど、なんか問題ありそうでおすすめしづらい

Zagzog TWS-M3

Zagzog TWS-M3

【進化版 1回充電で12時間連続再生】完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth イヤホン ブルートゥース イヤホン Zagzog Bluetooth イヤホン カナル型 イヤホン Bluetooth5.0+EDR HI-FI高音質 ノイズキャンセリング IPX6防水 自動ペアリング タッチ式操作 両耳通話 充電式収納ケース付 軽量素材 持ち運び便利 左右分離型 日本語説明書 iOS/Android適用 Siri対応 ブラック

 

 

現在販売中のロットはパッケージがリファインされています

 この機種についてはレビュー掲載後にコメントを頂き、パッケージがリファインされ、ロットが変わって部品が変わったのか、あるいは元々間違っていた性能表記を変更したのか、パッケージから再生時間の記述が除去され、防水性能もIPX6→IPX5に変更されているとの情報を頂きました。情報提供ありがとうございます。

 

【1】問題含みな「見た目」

 たまたまamazonウォッチしてて見つけたこの機種。最初は「12時間連続再生」っていう驚くべき表記を見て、「ファッ!?」って感じだったんだけど、それ以上によく見るとなんかきな臭い気がするんですよね。

 にわかに嫌な予感がしたんで、急いで取り寄せました。

 

 えーと。パッケージよく見ると「up to 8+32hours playtime」って書いてあリますね。12時間じゃないな!?……まあ8時間でも充分長いからいいかなくらいに思ってました。実測値は実際はこれよりかなり低かったんですけど、それはあとで言及します。で、蓋を開けると……。

 

 カパッ。まあそうだよねー……そんな気がしてたんですよねー……。とはいえ、この段階でも何かの間違いだと思って取り出してみます。

 

 うん!なんかもう完全にアレだよね?本来牛革であるべきところが妙にテカテカしてるけど、でもなんかもう完全にアレ!

 

 えーと本家の牛革と比べると明らかに質感が違うのがお分かりかと思います。そう!これもう完全にBang & Olufsebn E8のクローンだねっ!最近完全にBang & Olufsenに入れ込んでる私がこのデザインを見逃すはずがないだろっ!

 

 中のデザインまで旧型のE8ケースにクリソツ!こう並べるとE8 2.0とE8のリミテッドエディションかなんかと並んでるように見えるかも知れませんが、右側パチモンです。牛革であるべき部分のケースの質感は明らかにテカテカのツルツルなんで、間違えようはないですけど。

 ただこれから詳しく解説しますが、このTWS-M3、Bang & Olufsen E8をよく真似ていて、装着感の良さまで似せており、それなりに再現度高いんで、ぶっちゃけ低価格完全ワイヤレスイヤホンの中ではフィット感優秀です。もちろん元のデザインがいいからなんですが。

 こんなクリソツなのにカスタマーレビューで1人もE8そっくり問題を指摘していないようですが、たぶんそれは購買層あまりに違うからかな。

 

【2】装着感/遮音性/通信品質「通信品質は安定している」

おすすめ度*1

f:id:kanbun:20190418025424p:plain

ASIN

B07KZX8SB2

 装着感はかなり良いです。元のE8の装着感の再現度もなかなかのもので、イヤホンの裏側のラバーはしっとりした質感で耳当たり良い感じもそっくり。5000円以下の完全ワイヤレスイヤホンとは思えません。パチモンだけど。

 イヤーピースも材質は完全に一緒じゃないけど、似せた感じで作っているんで、ついこの間べた褒めした本家のイヤーピースのいいところはかなり再現されています。傘の薄くて肌触りの良い感じはかなり酷似。

 SBC/AAC対応。通信品質は安定してます。ぶっちゃけDAPにつなぐなら本家より安定かも知れません。

 

【3】外観・インターフェース・付属品「連続再生時間は誇大広告気味」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 

 連続再生時間は実測しました。イヤホンを満充電後、適正音量ちょい下くらいの音量で音楽を流し続け、WEBストップウォッチを回します。そのままレシーバー側の電源が落ち、再生出来なくなるまで測定しました。その結果は……下の画像。

f:id:kanbun:20190418010732p:plain

 7時間以上持ちますみたいなカスタマーレビューもあったけど、ちょっとそれは無理かなーって感じ。最大12時間は明らかに誇張かスペック間違いで、パッケージの8時間が実態に近いにしても、普通3時間の誤差はちょっとないから、実スペックは連続再生最大6時間ってところでしょう。それでも5000円以下の値段で買えることを考えると優秀です。

 

 自動ペアリング・自動接続・切断も完全に実現していて、本家のE8 2.0がこの点若干不十分だったことを重ね合わせると、より完成度は高いと言えるかも知れません。

 

 防水性能はIPX6。雨の中でも問題なく使えます。

 

【4】音質「充実感のある濃密サウンド」

 ぶっちゃけパチモンなんで、音質は期待してなかったんですけど、案外いいです。

 ウォームで少し中低域がふっくらするバランスになっており、澄んだ透明感のある本物とは明らかに違う音ですが、ややもっさりするくらいで意外と聴き応えのある音です。解像度感が高い感じではないので鮮明さはそれほど高くありませんが、E8をパクったハウジングデザインが秀逸なのか、音はふくらみながらも輪郭は悪くなく、篭もった印象は受けないはずです。聞き疲れしない音で悪くありません。

 基本的にはロック・ダンス向きの音質です。率直に言って、あまり言いたくないですが、5000円以下最強説さえあるくらいのパワフルさのある音響です。JBL Free XMAVIN Air-Xあたりの音響デザインが好きな人は、同じく好きになりそうな音です。

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[高音]:高域はおとなしめの印象。どちらかといえば中華の低価格完全ワイヤレスイヤホンは中低域の厚みを感じる音響のものが多いので、これも共通ドライバーを使っている可能性はある。本家の透明感のあるみずみずしい高域とは似ても似つかない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ボリューミーな低域と連携が良く、充実感がある。やや密度が高く充満した感じがあるが、ボーカル含め各楽器の音の分離感は悪くなく、篭もった感じは出ない。パワフルな低域と連携して躍動的な音響を奏でる。

[低音]:膨らみのある太い振動で100hz~30hzまで素直な減衰。20hz以下も振動感が残る。このバランスだと明らかに重低感が感じられるはず。実際締まりはそれほど強くない重みと膨らみのあるベースで、かなり万能系で良質に思える音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:頭を囲むような音場で一見狭い印象を受けるが、音をよく聴くとそれなりの距離感や分離感があり、印象ほどに全部の音が前屈みなわけではなさそう。それでも全体的に音が近い印象を受けるはず(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:悔しいけど、結構好きなドラム音。表面の弾けも強すぎず、膨張感もあるけど、輪郭も強調しないながらもタイトなまとまりが感じられ、濁りのないクリアな感じながら躍動感が見えやすく、パワフルな印象を受ける。シンバルも結構きれいに粒感を出し、解像度が高い印象を受ける。気持ち的には外観は似せてるけど音はゴミって言いたいんだけどね。ちょっと言えない。後述するけど、少なくともUVERWorldの「CORE PRIDE」を聴く感じ、ドラムセットについてはあんまり文句が言えない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは自然。楽器との距離感は違いが、その割に分離感は良い。たぶん5000円以下じゃかなりクリアで良質。あまり褒めたくないけど。

 

【5】官能性「スムーズで解像度感も悪くなく、比較的万能に楽しめる」

UVERWorld「CORE PRIDE」

 正直言いたくないけど、大好きな「CORE PRIDE」聴く限り、5000円以下最強説あり得ます。足りないと思うところはあることはあって、金管やピアノがクリアすぎて渋みがなく、ちょっと垢抜けすぎている気がするし、ドラムも少し地熱に欠けるクリアすぎる感じで少し上品すぎない?って思うところもあるけど、ここらへんはもはや粗探ししてる感がしないでもありません。ぶっちゃけ5000円以下でここまでスムーズな解像感で聴かせる機種他にあったかなってくらい。あまり言いたくないけどね。音は好み。

 


CORE PRIDE

 

DAOKO「終わらない世界で」

 「CORE PRIDE」はそれでもまだ文句言う余地があるから良いけど、この曲になると、5000円以下で括ればまず文句の付けようがなく、充実感のある頭を囲む音場感や低域の厚みと明瞭感、中高域のなめらかな艶味、躍動感、素直に「好み」って言わないといけない感じです。 

 


終わらない世界で

 

Chiho feat. majiko「エガオノカナタ」

 かなり充実感強めでベースが太い感じでやや支配的に聞こえるから好みはありそうだけど、弦楽に濁る感じはないし、ボーカルは少し暗めでドライにしっかりロックしてるし、組み立てはちゃんとしています。若干低域の黒みが足りないとか、もうちょっと中高域さわやかな方が良いとか、好みはあるかも知れないけど、5000円以下の完全ワイヤレスイヤホンでここまで聴かせるなら満足できるでしょ。イライラしますけど。

 たとえば低価格完全ワイヤレスイヤホンでは、このイヤホンと同じような高低バランス感覚で、個人的にこの曲をかなり聴き応えのある形で聴かせてくれるHihiccup Hi-TWSにロック向きの引き締まった音響になるAZLA SednaEarfitをつけて聞き比べてみても、重厚感の出方とか個々の音で好みはあるかも知れないけど、音の整理された感じからくる解像度感はTWS-M3のほうがいいよねって感想に私はなります。

 


エガオノカナタ

 

TVアニメ「干物妹!うまるちゃんR」ED主題歌「うまるん体操」

 たとえばこの曲でもHihiccup Hi-TWS + TWS+AZLA SednaEarfitならコントラスト感が高く最初は聴き応えを感じますけど、中高域の電子音が入ってくるとややズシャッとする感じが出てガチャガチャします。まあこのちょっと崩れる感じも楽しい感じではあるんで悪くはないですが、TWS-M3のほうが音のまとまりがもうちょっと良く粒感があってキュラキュラしてるから聞きやすいですし解像度感があります。聞き疲れもしにくいはず。

 


「うまるん体操」TVアニメ『干物妹! うまるちゃんR』エンディングテーマ

 

東山奈央「月がきれい」

 この曲を低域にくるまれるバランスで充実した感じで聴きたいなら、たぶん価格帯最強。楽器音がボーカル周りに少し充実しているので、この曲をボーカル周りに清涼感がある形で聴きたい人には向かないけど、濃厚でダイナミックな楽器とともに聴きたいなら、たぶんかなり満足できるはずで、シンバルの発色も、弦楽の伸びも、ピアノの味わいもレベルが高いです。そして低域ドラムの出し方がボンと重量がありながら、ボケずに丁寧に幕を張る音で生命的で暖かいっていうおまけつき。ベースもジュワジュワ涙腺攻めてくる感じにしっかり出ているしなぁ。うーむ。

 


イマココ / 月がきれい

 

フランシュシュ「To My Dearest」

 5000円以下でこの神曲を聴くなら、ぶっちゃけ最有力候補です。解像度感、低域の厚み、ピアノの光沢感と深み、ボーカルの明瞭さ、充実感のある空間表現、どれも認めたくないけど、たぶん多くの人が悪くないって思うはずです。最初のフレーズの後のドンがね、きれいに決まっている。あのドンがね、すっげー曲を引き締めてるし、弦楽の厚みと透明感も充分だし、充実してるのに空間に透明感がありますよ。褒めたくないですけどね。うーん。

 


ゾンビランドサガ SAGA.2 [Blu-ray]

 

菅野よう子「青い波頭」

 充分な厚みのある濃厚な表現になっていて、音が近く密度感がありながら、あまり音に圧迫感がないのでアナログな楽器のあるサントラやインストゥルメンタルに浸るのもよいと思います。この曲なんか素直に聴き応えあるって言えるし。

 


光栄ゲームミュージック・ワークス~菅野よう子コレクション

 

【6】総評「Bang & Olufsen E8をよく研究している」

 本物そっくりのラバーの質感、本物によく似せたイヤーピースデザイン。装着感と音質に関わる要素はかなり研究していてそっくりに作ってあるので、5000円以下でこれに敵うイヤホンがないのは当たり前とさえいえます。それくらい忠実にBang & Olufsen E8に似せていて、その点の満足度はどうしても高くなるはず。たぶん音響に関わる内部構造もかなりコピーしている可能性があって、明らかに価格帯の水準を越えた濁りのない音を出します。おそらくドライバーはHihiccup Hi-TWSとあまり変わらない共通のやつを使っているような雰囲気がありますけど、音響設計が明らかに上質です。手放しで言いづらいんですけど、もしパチモンじゃなければ5000円以下最強と文句なく断言する可能性がありますが、これは大々的に紹介&おすすめできませんねぇ。

 ちなみにレビュー前にバッテリー表記が誇大気味でパッケージとも不整合という問題と、Bang & Olufsen E8の意匠をパクっている可能性があり、権利関係に問題があるかも知れないという懸念は、amazonのカスタマーサービスに報告済みです。

 

Zagzog TWS-M3

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【コラム】Bang & Olufsen E8 2.0 AACで音質変わる説を検証!

Bang & Olufsen E8 2.0

Bang & Olufsen E8 2.0

 

 

Bang & Olufsen E8 2.0はAACで化ける?

 さて、私が最近夢中のBang & Olufsen E8 2.0。かなり極め尽くしたかな~なんて個人的な満足感に浸りながら、「売れ行きどうよ~?」みたいな感じで他の人のレビューやランキングなんかを見に、ネットサーフィンしていると気になる情報発見!

「Bang & Olufsen E8 2.0はAAC接続で音質が変わるらしいぞ!」

 

 ……あん?どっちかっていうとアンチAppleで反AAC派の私ですが、この情報、気になる!気になるぞー!もはやE8 2.0をこよなく愛していると言っても過言ではない私にとって、E8 2.0で知らないことは残しておきたくないのです。

 ということで、タブレットはiPad、スマホはiPhoneばかりという家族よりiPhoneを1台借りてきました。

 

早速聴いてみる!

 早速「Bang & Olufsen」アプリをインストールして、amazon musicからEd Sheeranの「The A team」を再生します。レビューで「透明感のある淡い感じが情緒醸していいね」みたいなこと言ってたヤツね。どれどれー?

 

 ……?

 …………!!

 

 おおっ………!!!出とる!出とるぞ!低音がっ!

 高域の透明感が強い感じは同じ。おそらく機種の音質差みたいな程度で、若干味付けが違う印象ってだけっぽい。まあiPhone相手だと若干音がシャープになるのか、妙にサ行タ行が尖るようになってNW-A27で聴いた時っぽい若干うるさい音になりましたが。で、とにかくSBCコーデック接続ではこれまで聞こえてこなかった低域がしっかり聞こえてきて、コントラスト感が一気に良くなっています。へぇ、なるほどね。こりゃ面白ぇ。

 

問題はAAC接続で再生するDAPが手持ちにないこと

 やべぇ。E8 2.0のさらなる面白いところを発見しちゃったけど、問題はiPhoneが借り物で、AAC接続できる手持ちの機器がないこと。そしてさすがにE8 2.0のためだけにAAC接続可能な最新スマホとか買うほど酔狂じゃねぇってこと。詳しく聞き比べとかしてみたかったけど、iPhone借り物だから、できん!

 まあDAPでほとんどAACコーデック対応している機種がなくて、iPod以外ではSharling M0ってやつだけ。手持ちだとLerbyee BT-B19をトランスミッターモードにしてAACコーデックで音飛ばすって方法があるかも知れないけど、ちょっと考えた感じ、DAPからわざわざ一度音をトランスミッターに移して、そこから飛ばすメリットがあまりあるように思えなくて、正直SBCでDAPから飛ばした方が結局音質良いって結論になりそうでやる気がしません。

 


【国内正規品】SHANLING ハイレゾ音源対応ポータブルミュージックプレーヤー M0 専用ケース同梱版 チタニウムグレー

 

結論「私はとことんSBC接続での透明感のある音を愛す」

 で、結局いろいろ考えた結果、別に今のE8 2.0の透明感のある音が好きだから、このまま使ったら良いじゃんって結果になりました。イコライザーいじって、イヤーピースもAZLA SednaEarfitに変えればだいぶ低域聞こえるようになるしね。知識深めようと思って、ラディウスのディープマウントとか近々低域強めのイヤーピースもうちょっと試してみることになってたしー。AACできなくて悔しくなんてないんだからねっ!

 


AZLA SednaEarfit [イヤーピース S/M/Lサイズ各1ペア]

 

 AACを聴いたおかげで元々低域が出ない機種ではないってことがわかったのが収穫で、イコライザーいじって素直に低域に色が乗るのも、ある意味生来の才能が甦っている感じらしいってのがわかったし。

 まあE8 2.0の素の低音が聴きたい場合はAACコーデック接続で聴くと良いよって感じのまとめになるかな。

 

Bang & Olufsen E8 2.0

Bang & Olufsen E8 2.0

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【完全ワイヤレスイヤホン AVIOT TE-D01d-kzn キズナアイコラボモデル レビュー】キズナアイボイスで耳がおかしくなりそうなほど楽しいイヤホン。音質的には明瞭感が高い快活サウンドが特徴

AVIOT TE-D01d-kzn

AVIOT TE-D01d-kzn

キズナアイ × AVIOT コラボレーションモデル 第二弾 TE-D01d-kzn 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン iphone android 対応 (White)

 

 

【1】UNBOXING(開封)「コラボモデルらしく、化粧箱も楽しい」

 ようやく念願のAVIOT TE-D01dが手に入りました!それもキズナアイコラボモデルがなっ!だいぶ待たされたけど、満足度は高いので、待っただけはあったかな?

 というわけで、コラボモデル恒例の開封紹介から始めます。いつもどおり画質が悪く、しかも縦長になったり横広になったりしますが。

 

 外箱の蓋を開けるとこんな感じ。イラストが楽しい化粧箱です。SONYのNW-A55のコラボモデルと違って、収納も楽なので、使ってないときはディスプレイしてもいいですね。SONYもせっかく本体を見せる化粧箱なら収納しやすいよう考慮してくれれば良いのに。

 

 付属品はピンク・ブラウン・ラベンダー3色のイヤーピースにポーチ。付属品までNUARL NT01AXとそっくり。

f:id:kanbun:20190413104328j:plain

 

 どうでもいいけど、やってみたかったのがこれ。NUARL NT01AXをTE-D01dのケースに入れてみました。台座の方は問題なく収まったんですけど、蓋が閉まらなかったー。ケースのスペックはTE-D01dのほうが優秀なので、このケースでNT01AX持ち運べれば便利だったのにね。残念ながら、NUARL NT01AX「ケースバッテリー強化計画」は開始早々暗礁に乗り上げました。

 ちなみに写真は撮ってないけど、TE-D01dをNUARL NT01AXのケースに入れると、問題なく収納できます。

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【2】装着感/遮音性/通信品質「通信品質は安定している」

おすすめ度*1

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ASIN

B07P3JKCV3

 装着感は比較的良い。イヤーフックをしっかりと耳の対輪に引っ掛ければまず落ちることはないだろう。遮音性はそこそこで、音漏れは少しだけ目立つかも知れない。

 aptX対応。通信は基本安定している。遅延・途絶はない。NT01AXと同じく、使い始めの当初だけ通信が荒れるが、すぐに治まる。

 

【3】外観・インターフェース・付属品「連続再生時間は抜群に優秀」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、ポーチ、説明書。

 

 音声ガイダンスは日本語で声優を起用している。キズナアイコラボモデルはキズナアイ先生の声になってる。甘い声で耳がおかしくなりそう!

 充電ケースはNUARL NT01AXとほぼ同等の使い勝手だが、バッテリー容量が増しており、モバイルバッテリーとしても使えるようになっているが、高さが1.5倍くらいになっている。

 連続再生時間はイヤホン単体で9時間だが、おそらくNUARL NT01AXと素体はほとんど変わらないはずなので、aptX接続時7時間というNT01AXのスペックがそのまま当てはまると思われる。充電ケース込みで最大100時間以上と、驚くくらい優秀。

 防水性能はIPX4。小雨程度なら問題ないという品質だが、水たまりに落としたり派手な水はねを被ると支障が出るかも知れないので、雨になったらしまったほうがよいレベル。どちらかといえば防汗目的と考えた方が良い。

 

 なおネット上でNT01AXやこのTE-D01dが自動ペアリングや自動接続に満足に対応していないという情報もちらほら見るが、私の手持ちの個体は両機種ともケースから出した途端にペアリングモードになり、接続も自動。まあここらへんは相性もあるのかも知れない。

 あとはL側じゃなくてR側をペアリングしている場合、自動接続がうまくいかないことがある。自動接続しない場合はR側でペアリングしてないか確認してみると良い。

 

付属イヤーピースがしっくりこなかったら

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【4】音質「シャープネスがしっかりしていてコントラスト感もある快活なサウンド」

 音質については今回はNUARL NT01AXと聞き比べながら解説します。

 大きな相違点はやはり高域の発色で、NT01AXのほうがピアノや弦楽の高域はきれいに聞こえるのでダイナミックさでは大きく勝ります。NT01AXに比べると、TE-D01dは若干高域が落ち着いて少しおとなしく聞こえやすいところがあります。もう一つの相違は中低域のボリューム感で、NT01AXが厚みのある充実感に満ちた音なのに対し、どちらかといえばTE-D01dは床面を強調する傾向があります。そのため低域の重量感はNT01AXのほうが強く、逆に反発感、爆発力はTE-D01dのほうが高めに聞こえます。

 最後にボーカルの分離感はTE-D01dのほうが一般的には高い印象です(場合によってNT01AXのほうがボーカルの聞こえが良い場合がありますが、それについては官能性で詳しく述べます)。ただし楽器音はNT01AXより混濁しやすいので、音場全体の分離感はNT01AXのほうが高く感じられ、NT01AXは個々の音を多少角を取って聴かせてくれるので、聞き疲れしにくいです。

 全体像を捉えると、NT01AXとは中域付近のボリューム感で差があり、こちらのほうが少しスカスカした感じでドンシャリな印象は強くなっています。一方でシャープネスは高く、ロックやポップスなどの元気な曲では特にドラムセット周りで快活さに勝るこっちの音が好きって人は多そう。

 素性自体はおそらくNT01AXと同じでHDSSの有無やチューニングの差で音質差がある感じだと思いますので、NUARL NT01AXと充分勝負できる機種であることは確かでしょう。音の雰囲気は兄弟機らしく結構似てます。ただチューニングは今までのAVIOTの見通し感とか透明感重視の感じとは異なるので、もしかするとほぼNT01AXの素体をそのまま使っている可能性があります。発色は少し異なるけど弦楽の全体の雰囲気や、音場の明るい感じもそっくりだし。弦楽はパリパリで芯を強調するTE-D01bとは明らかに違うチューニングです。

 

[高音]:高域はNT01AXの活きの良い音を聴いてしまうと、さすがに劣って感じられるが、それでも充分に発色が良く、のびやか。自然な厚みみたいなものを感じさせたNT01AXに比べると、もう少し剥き出しな音で、弦楽の芯は素直に見えてくる音だし、シンバルの高いあたりはシャリシャリ感が素直に出る発色の良さはある。ただ高域が頭一つ抜けて高く分離された形でしっかり聞こえたNT01AXに比べると、やや分離感で劣る印象で、ガチャガチャしやすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:色味自体は高域との連携の方が良さそうな明るい中域。NUARL NT01AXと同様に高域方向に上向いた感じに音が発色する感じがあり、しかもNT01AXより個々の音の広がりが抑えられていて、空間に音が充満していくNT01AXに対して、こちらは背景の空間が見えるバランスになっており、低域の表現の違いもあって快活で若々しく、さわやかさの増した音になっている。NT01AXで「籠もる印象」を受けた場合はTE-D01dの音で幸せになれるかも知れない。

[低音]:厚みのある振動で100hz~40hzまで素直な減衰。30hz以下も振動感が残る。この重低音部分はほとんどNT01AXとほぼ同じ印象。だが、中域方向に厚みがあったNT01AXと比べてベースラインが輪郭よく出る感じがあり、下方向にしっかりとした床面を作る。ロックやダンスなどでは床面を意識したこちらのベース音のほうが好まれそう(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音は全体的に近めに感じる。NUARL NT01AXではおそらく高域の分離感と中域のやわらかな感じで圧迫感を感じなかったが、こちらは中高域付近にもう少し音がぎっしり詰め込まれるくらいのバランスで感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:NT01AXと同様にドラムの輪郭が少しパリパリと強調される感じがあって、グラフェンっぽい傾向はわずかに感じる。ドラムでのNT01AXとの違いは重量感。NT01AXのほうが肉が詰まった重ための音になっており、粘りや地熱感も少し出る。一方TE-D01dは表面の反発力が強調され、爆発力のある感じ。ニュアンスを強調して表現するとNT-01AXがズドンズドン系、TE-D01dはバシンバシン系である。NT01AXと比べてシンバルはシャープな発色で明るみが強く、ロック向きに思う(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:やや明るめで女声ボーカル向き。NT01AXに比べるとシャープネスが強く、ボーカルの分離感は高く思える一方、サ行や息感が尖りやすい傾向が出ている。

 

【5】官能性「明るくシャープで歯切れの良いサウンドが楽しい。ただし場合によってガチャガチャして感じられる場面もある」

ヨルシカ「藍二乗」

  TE-D01dの音はNT01AXに比べて、ボーカル周りに少しさわやかな空間があるバランス。かなりシンバルの発色が良くシャープに目立ち、低域は床面が強調されて元気に反発するコントラスト感とシャープネスともに高めの元気な音響。ボーカルも輪郭がしっかりしていて、浮かび上がって聞こえます。

 NT01AXは少し低域に重量感とボリューム感、そして空間を充実させるバランスで、ギターエッジも少し丸みを帯び、もう少しウォームで空気感のある音で聞き疲れしにくい感じになっている印象です。

 正直ロック向きイヤホンとして括ると、正統派の表現になっているのはTE-D01dのほうで、率直に言ってNT01AXの表現は少しJAZZっぽい空気感を醸す感じになっています。けれども、個人的により快適で、聴き応えを感じるのはNT01AXのほう。おそらく私が決定的に好みだと思ったのは低域の重量感かな。それとボーカルの生気のある温もり感。逆にギターエッジやシンバルのシャープな表現を重視する人にはTE-D01dのほうが気持ちよく快活に感じられるはず。

 


【早期購入特典あり】だから僕は音楽を辞めた (初回生産限定盤)(オルゴール特典CD(3曲(「藍二乗」「八月、某、月明かり」「だから僕は音楽を辞めた」オルゴールver.)入り)付き)

 

Chiho feat. majiko「エガオノカナタ」

 以前、この曲はNT01AXだと少し中域付近に低域があふれ出す感じが出ちゃって、もっさりするかもしれないみたいなことを言いました。この曲に関してはよりドンシャリ感が強く、中域付近にさわやかさのあるTE-D01dのほうが、個人的には明確に聴き応えを感じます。NT01AXのほうが弦楽が優美に聞こえるんですけど、シャープネス的に、もう少し芯を感じさせるヒステリックさを強調した発色の方が好みというのは置くにしても、この曲は弦楽が主役になる場面があるとはいえ、それがメインの味わいの曲ではないので、そこらへん優秀でも決定打になりにくいです。

 むしろNT01AXでは中域と低域の境目が曖昧で、やや締まりが悪い感じになっているのが気になり、明らかに悪いわけじゃなくて聴き応えはあるんですけど、いまいちメリハリ感に欠けます。その点、床面がしっかり出るTE-D01dのほうが中域と低域の境目が明瞭で整理されている音響になっています。

 ただ重量感と高域表現力はNT01AXのほうがしっかりしているので、イコライザーで250hz~500hzを下げて1khzと4khzあたりを上げるような感じでいじってやると、TE-D01d以上の音響を発揮するかも。でも素の状態でこの曲を聴く場合は、明らかにTE-D01dの方が好みだと私は宣言します。まあ前曲とこの曲の聴き応えの差を見る限り、ロックの聴き応えはTE-D01dのほうが全体的に上だろうということは言えそう。

 


エガオノカナタ

 

ハルカトミユキ「17才」

 この曲は出だし付近のメロディとサビで密度感がだいぶ違う曲。で、出だしではTE-D01dのさわやかな感じの空間のすっきりした音響の方が、発色が明瞭で気持ちよく聞こえますが、率直に言ってサビで音数が増えて密度が出て、情報量が多くなってくると、ガチャガチャ絡まる感じが出てきます。シンバルの発色なんかとてもきれいだけどね。

 NT01AXは全体的にウォームで出だしは少しぼんやりするかなって感じですが、柔らかで温かみがある感じです。刮目すべきは密度感が変わるサビ。TE-D01dではガチャガチャした感じがあったのですが、NT01AXは低域の重量感を中心に音響をうまくまとめ上げていて、うるさい感じがありません。こういうバランス感覚のよいところはNT01AXのHDSSの恩恵かな。というわけで個人的にはこの曲をしっかり聴けるのはNT01AXのほうって感想になるかな。

 


17才(期間生産限定アニメ盤)(Blu-ray Disc付)

 

TVアニメ「干物妹!うまるちゃんR」ED主題歌「うまるん体操」

 この曲は個人的にNT01AX推し。情報量がちょっと多いせいか、TE-D01dだとサビで音が混濁する感じが出てくるのと、サ行あたりが少し尖ってボーカルのなめらかな感じに若干劣る印象。あと低域のボリューム感の差でNT01AXのつややかなめらか、ついでに重量感も備えたサウンドにより説得力を感じます。

 個々の音だけ見ると、キラキラ感を出す電子音やエレキギターのエッジは、より剥き出しで聞こえるのはTE-D01dのほうですけど、音のバランスをうまく調整して全体的な調和性が高く、統一された充実感があるのはNT01AXですかね。ガチャガチャしないから聞き疲れもしないし。

 


「うまるん体操」TVアニメ『干物妹! うまるちゃんR』エンディングテーマ

 

三月のパンタシア「ピンクレモネード」

 大きく括ればロックサウンドな曲ですけど、ピアノ音などかなり強く演出に関わってきている曲です。はっきり言って、この曲を聴く感じ、ピアノサウンドはNT01AXのほうが上かな。TE-D01dの音は少しキンキンしやすいところがあるかな。どっちがより良いかは厳密には難しいところがあると思うんですが、光沢感の分だけつややかさではTE-D01dのほうが強く感じられるけど、なめらかさではNT01AXが勝っていて、サビでの情報量の多い場面ではNT01AXの音の方が収まりが良いかな。

 あとボーカルの分離感は一般的にTE-D01dのほうが良い感じなんですけど、この曲ではTE-D01dのほうの楽器音に少しゴチャゴチャした感じがあるせいか、NT01AXのほうがつややかで甘味が乗ってしっかり浮き上がって聞こえてきます。個人的にはボーカルの聴き応えにかなりの差を感じるので、最終的にはNT01AXに軍配を上げます。

 


ピンクレモネード

 

Choucho「Flyleef」

 これくらい中高域に音が多い曲だと、率直に言ってTE-D01dだとうるさい感じが出やすいです。NT01AXのほうが音が整理されて、なめらかさも勝り、分離が丁寧で音の混濁感がありません。TE-D01dだと少し音がガチャガチャして混ぜこぜになって聞こえやすく、ボーカルも楽器に埋もれる感じなので、すっきり聞こえてきません。この曲に関してはNT01AXのほうがボーカルの味はよいと思います。

 


flyleaf

 

【6】総評「1万円台コスパ最強の一角」

 音質面では総合的に見ると、NT01AXのほうが万能性が高い印象を受けますが、ロックではTE-D01dのほうがより満足度の高いサウンドを得られる可能性が高いですし、バッテリースペック分の差を考えると、価格差ほどの実力差があるかは難しいです。少なくとも総合的にコスパで評価する限り、1万円台では最強の一角と評価して問題ないはず。

 音質的には1万円台前半で敵う相手はたぶんTWZ-1000か同じAVIOTのTE-D01bJBL Free XSkullcandy PushMAVIN air-XGLIDiC TW-7000ぐらいかな。密度感の出やすい音響なのでガチライバルはたぶんJBL Free XとMAVIN air-Xってあたり。シャリシャリしやすい発色が強い感じはGLIDiC TW-7000とも購買層が結構被りそう。ブライトネス重視か、よりシックな音響かの違いはあるけど、ロック向きって括りではTWZ-1000も意外と購買層被りやすいかも。

 総合的なコスパでの競合相手はGLIDiC TW-7000で、こちらはヒアスルー完備な上に値段がこなれて手に入りやすくなったので機能面も含めると場合によってはTE-D01dが負ける可能性すらあります。とはいえ現状、最も買って損がない機種の1つであることは確か。

 

【追記】再販決定してます。

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AVIOT TE-D01d-kzn

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ニュース】NUARL NT01AXに新色追加!大人びた「ブラックメタリック」登場!

NUARL NT01AX

NUARL NT01AX

 

 

NUARL NT01AXの新色は「ブラックメタリック」

 NUARL NT01AXに新色が追加されるとのニュースが流れました。4月26日から発売されるようです。新色は「ブラックメタリック」。マット仕上げで落ち着いた深みのある色合いになります。これまでの「ブラックゴールド」の派手な感じが苦手な人には、朗報かも知れません。詳しくは以下の記事を参照してください。

av.watch.impress.co.jp

 

新色はたぶん「NT01Bの色を濃くした感じ」 

 完全に予想ですけど、色合い的にはNT01Bの色をちょっと濃くした感じになるのかなぁと思います。NT01Bの色は「ブラックシルバー」表記です。濃淡を除けば質感は似ているはずなので、色合いが気になる人はNT01Bを店頭で確認するといいかもしれません。

 

NUARL NT01B

NUARL NT01B

 

NUARL NT01AXとは?

 NUARL NT-01AXを知らない人のために補足。

 NUARL NT-01AXはQualcommの新チップ「QCC3026」を搭載し、従来機種とは別次元の接続安定性とバッテリー持続を実現しています。さらにHDSSという音響技術を用いていることが特徴で、厚みがあるが濁らない、篭もる感じのない中低域と、自然な太さを維持しつつどこまでも伸びるかのような高域を共存させた機種です。価格.comのランキングで現在1位という人気機種。

 ただ、ちょっと金ぴか過ぎて派手という声はちらほらあったので、今回の決定はそうしたユーザーの声を捉えてのことかもしれません。1月後半くらいからずっと品薄だったのが3月末に解消されたので、ようやく生産も追いついてきたっていうのも、たぶんあるんでしょうけど。

 NT01AXの音は好き嫌いはあるでしょうけど、2万円以下ならおそらく一番万能性が高いので、個人的におすすめNo.1です。

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【追伸】「手に入れちゃったぜ!TE-D01dキズナアイコラボモデル」

 「AVIOT TE-D01dキズナアイコラボモデル」届きました。いずれレビューいたします。残念ながらシークレットじゃなかったっぽい。←よく確認したらシークレットモデルでした。ラッキー?

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【ニュース】Ankerから新完全ワイヤレスイヤホン「Liberty Neo」登場。早期購入割引あり。「Zolo Liberty」ないし「Liberty Lite」の後継機的位置づけか

Anker Liberty Neo

Anker Liberty Neo

Soundcore Liberty Neo(Bluetooth 5.0 完全ワイヤレスイヤホン by Anker)【PSE認証済 / 最大12時間音楽再生 / Siri対応 / グラフェン採用ドライバー / マイク内蔵 / IPX5防水規格 】

 

 

 Ankerから大人気Libertyシリーズの新機種が登場しました。その名も「Anker Liberty Neo」。名称的には、人気だった「Zolo Liberty」の後継機的な位置づけのようです。ただケース込みの最大再生時間が「Zolo liberty」の24時間から12時間に引き下げられていますから、もしかすると、より安価な機種の扱いなのかも。そうすると、「Liberty Lite」の置き換えかな?携行性は増していて「Zolo Liberty」よりさらに軽量になっています。

 

懸念だった接続安定性が向上!

 「Zolo Liberty」は接続安定性があまり高くないことは私も以前レビューしましたが、この「Liberty Neo」はハード・ソフト両面の設計を見直して接続性を向上させたとのこと。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

av.watch.impress.co.jp

 

グラフェン採用で高音質を実現!

 ドライバーはグラフェンを使用しています。グラフェンは特に高域の分離がよく鮮明に聞こえる傾向があり、最近は多くの機種で採用されている人気素材です。

Bluetooth 5.0対応の左右分離型ワイヤレスイヤフォン。コーデックはSBCとAACをサポートする。シリーズ最軽量のコンパクト設計を維持しながら、安定した接続を実現。ハード/ソフトの両面からチップセットを見直し、音飛びや接続不良を大幅に改善したという。IPX5防水に対応。重量は充電ケース込みで約51g。

 

グラフェン素材を用いたドライバーを搭載。正確な振動により、クリアで臨場感の溢れるサウンドを再生可能としている。

 

引用元:https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1179396.html

 

お値段は「Zolo Liberty」より安い!

 販売価格は「Zolo Liberty」より安いようです。amazonで「Zolo Liberty」が6999円なのに対し、「Liberty Neo」は5999円(「Liberty Lite」と同等。やっぱり「Liberty Lite」の置き換えっぽい)。amazonでは現在1000個での早期購入割引が適用されており、1000円引きの4999円で購入可能です。

 

Anker Liberty Neo

Anker Liberty Neo

Soundcore Liberty Neo(Bluetooth 5.0 完全ワイヤレスイヤホン by Anker)【PSE認証済 / 最大12時間音楽再生 / Siri対応 / グラフェン採用ドライバー / マイク内蔵 / IPX5防水規格 】

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【コラム】いくつか細かく修正すべき点はあるが、『GetNavi』2019年5月号の完全ワイヤレス評価はおそらく妥当性が高い。『家電批評』は相変わらず意味不明で参考にならない。少なくとも完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際は『GetNavi』の方が百倍役に立つはず

GetNavi 5月号

GetNavi 5月号

 

 

  モノ雑誌大好き人間でもある私。ちょうど春の新製品シーズンで各雑誌精力的に特集記事を組んでいるのですが、完全ワイヤレスイヤホン関連に関して『GetNavi』の記事に感心しました。

 内容は立ち読みするなり、買って読むなりしてほしいので、ここでは概略だけ述べますが、網羅的で評価ポイントやコメントは簡潔ながら、各機種の評価に関してはかなり私の実感に近く、「お、わかる!」って感じが満載。

 ほんとに簡潔ですけど、結構綿密に調査して書かれている印象で、数値だけ適当に並べて詳しく書いているように見えて実質内容ペラペラの『家電批評』とは断然違います。そもそも評価している機種の数が違うしね。なので、完全ワイヤレスを選ぶ参考にするなら、今号の『GetNavi』は個人的にいいお供になります。

 ただ個人的に細かい修正だけは必要と思ったので、より参考になるよう、少しだけ指摘しておきます。

 

『GetNavi』レビューの修正すべきと思うポイント

「NUARL NT01AX」の機能性と装着感について

 「NUARL NT01AX」の機能性が「4」になっていますが、「ZERO AUDIO TWZ-1000」と「AVIOT TE-D01d」の機能性が「3」評価であることを考えると、「3」が妥当であると思われます。装着感も「NUARL NT01AX」が「5」なら「AVIOT TE-D01d」は「5」にするべきじゃないかと思います。

 

「EOZ AIR」と「JBL ENDURANCE」の接続安定性について

 私が複数のDAPやスマホで店頭でテストした限り、この2つの機種の接続安定性は品質があまりよろしくないところがあります。「eoz air」は店頭で切れすぎて、まともに音を聴けたことがありません。「JBL ENDURANCE PEAK」については私の持っているGRANBEATで左右ズレが発生しました。今のところ、まともなメーカー品でこの左右ズレが起こったのはENDURANCEくらいなので、接続安定性に疑問符が付きます。

 

「GLIDiC Sound Air TW-7000」の機能性について

 おそらく防水性能まわりで評価が下げられている可能性があり、難しいところですが、「GLIDiC Sound Air TW-7000」の機能性は「5」をあげるべきではないかと思います。精度が良いかは別にして、ヒアスルー機能は便利ですし、バッテリースペック的にも優秀です。

 

「BOSE SoundSport Free」の接続安定性について

 私のテストした範囲では、「BOSE SoundSport Free」はそんなに接続安定性が高い方ではないです。「5」はちょっといきすぎで、「SENNHEISER MOMENTUM True Wireless」が「4」相当なら、こちらも「4」以下が妥当な気がします。

 

今号の『家電批評』の問題点:「そもそも完全ワイヤレスイヤホンに興味が無いレビュアーを起用しないほうがいい」

 そもそも一番のおすすめだという「ZERO AUDIO TWZ-1000」に新録のコメントがありません。3号ぶっつづけで同じコメント載せ続けているだけなのが『家電批評』です。愛読者の私にとって「またこれか」の繰り返しで、継続して読んでいる読者ほど読む価値がない記事です。

 それ以上にランキングの機種のチョイスも見当外れで古すぎます。

 新録のコメントがないというのはどういうことかというと、要はこのレビュアーは新たな発見やコメントが思いつくほど使い込んでいないということです。完全ワイヤレスイヤホンに興味があるなら、長く使っていれば新しい発見があるものですが、彼らにはそれがないのでいつまで経っても「第一印象」を繰り返すだけで、その評価には使い込んで初めて見えてくる「生の声」がありません。率直に言ってひどいレビューであると私は思います。

 一番のおすすめ機種なら、言いたいことは山ほどあるはずです。だっておすすめ機種なんだから。『家電批評』自らが絶対一番だと豪語するおすすめ機種に対して、3ヶ月連続同じレビューコメントはいくらなんでも読者を馬鹿にしすぎでしょう。このゴミ雑誌が!

 漫画雑誌で看板になっている漫画の同じ話が三号連続載ったなんてことがあったら、読者は呆れて読みませんよね?雑誌としての常識が欠けている時点で論外です。

 

まじめに取材して記事を書いている『GetNavi』の姿が本来あるべきもの

 というわけで、今号の『GetNavi』。個人的に記事内容はわかりやすく参考になると思います。

 

GetNavi 5月号

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【特集】イコライザー遊びをしていて気づいた。Bang & Olufsen E8 2.0は音質的にはマジでスゲェ機種。イコライジングが素直に乗る万能音質を持っている。

Bang & Olufsen Beoplay E8 2.0

Bang & Olufsen Beoplay E8 2.0

 

 

 最近ONKYO GRANBEATとかいう神DAPに夢中で、レビューしなきゃなぁと思いつつ、日々楽しさ(といくつかの致命的な欠点)を発見してるんで、なかなか結論を定めづらくもあるんですが、そんなGRANBEATで遊んでいて気づいたのが、このE8 2.0の音質の凄さです。

 以前、少なくともミドルレンジ帯のDAPで比較する限り、GRANBEATとE8 2.0は相性は最高に良いということを述べました。素の音質的な相性、通信品質の相性もさることながら、お互いの性能を充分に引き出し合うことができ、GRANBEATの良さを引き出してくれるのがE8 2.0、E8 2.0の良さを引き出してくれるのがGRANBEATというお互いがお互いを高め合うよい関係を感じます。DAPを比較したころよりももっと使い込んだ今はさらにいろいろ発見があって、この相性の良さはもはや運命的なのではないかと思えるくらいになっているので、この1ヶ月で発見したさらなる魅力について一度詳しく語りたいと思ってこの記事を書きました。お付き合いください。

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一見特徴を掴みづらいE8 2.0の音質

 これまで何度もE8 2.0についてはいろいろ述べてきて、聞き比べもしてきました。そのたびに音に厚いところもなく、見通しが良い透明サウンドで一聴すると地味ですが、曲の特徴を素直に味わわせてくれるところがあり、たとえばSENNHEISER MOMENTUM True Wirelessなどに比べて曲のメリハリ感はよく出て、場合によって尖りなんかも強く出るみたいなまとめ方をしていました。

 私の個人的な感想ではE8 2.0は低域方向が少しすっきりしすぎていて、充実感に乏しい印象があり、その点中低域に豊かな厚みを出しながら高音もしっかり伸びるNUARL NT01AXみたいな音のほうが、どちらかといえば万能で万人向きかなと考えていました。実際アコースティックな楽器音とデジタル音をうまく共存させる感じのうまさ、個々の音の解像度感はそれほど高くない印象なのに、全体として見ると音の分離感が良いという離れ業みたいなことをやってのけるNT01AXは率直に言って恐るべき機種ですし、この性格のはっきりした傾向の万能音質は再生機器による音質差の影響を受けづらいので、たぶん低価格のDAPやスマホとペアリングしても、ちゃんとした音を奏でてくれます。少なくとも私の手持ちではかなり古い機種であるSONY NW-A27とペアリングしてもその万能な音質をしっかり味わわせてくれます。

 E8 2.0の音質はこれとは異なり、性格のはっきりしない万能性と言えるかも知れません。もちろんどんな音響機器でも無色透明の音というのはありえず、E8 2.0にも音にキャラクター性があるのですが、それは見通し感が良いという感じで音自体は臭みみたいなものが徹底的に排されているかのような音です。そのため、音質的に素直すぎて聞こえる感じがあり、一聴すると個性がないように聞こえるのです。この音質の凄さを後述しますが、よく考えると、この音質にはかなりの訴求力があります。ただ店頭で試聴する感じだと没個性的に聞こえるところがあって分かりづらいだろうとは思います。

 

 イコライザーで見えてくる、秘められた万能性

 E8 2.0は自分自身が音の器になるようなところのあるイヤホンで、自分が個性を出すというよりは組み合わせる再生機器の個性を引き出すところがあります。E8 2.0の音をいろんなDAPで聴いてみると変幻自在というほどではないにしても、かなりの表情の変化を見せてくれます。これについては最初に紹介したDAPにつないだ聞き比べで詳しく述べたので繰り返しません。興味がある人はそちらを参照してください。

 で、今回語りたいのはその万能性は充実したイコライザー機能を持つDAPやミュージックプレイヤーアプリとすっごく相性が良いということです。

 


ONKYO DP-CMX1 デジタルオーディオプレイヤー GRANBEAT/ハイレゾ対応 ブラック DP-CMX1(B) 【国内正規品】

 

GRANBEAT + E8 2.0で音を遊ぶ

 ここでは実際にGRANBEATの良質イコライザーと組み合わせることで発揮されるE8 2.0の恐るべき魅力について語りたいと思います。

Chiho feat. majiko「エガオノカナタ」

 個人的に、2019年最初の1-3月期クールのアニソンの中では、おそらく1,2を争う出来と評価しているこの神曲については以前紹介しました

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 で、私はこの曲を味わうときには基本的にGRANBEATとE8 2.0を普段使っています。他の組み合わせではNW-A55とNUARL NT01AXの組み合わせも悪くないのですが、他の曲では比較的好みのチョイスであるa&norma SR15とNT01AXの組み合わせた場合だとわずかに低域にもっさり感が出るところがあり、NT01AXだともしかするとこの曲で締まりが少し良くない印象を受ける場合もあるかもしれないと思っています。

 まあここらへんは好みになりますが、NT01AXと個人的に音質的に相性が良いと判断しているNW-A55やSR15と組み合わせても、ボーカル周りに少し低域音が漏れ出す感じがあって、ややボーカルがぼやっとする傾向はあります。だからこの曲でイコライジングする場合は250~500hzと2kを少し下げて、4kを少し上げるバランスにすると低域のあふれ出す感じが鎮まり、ボーカルの分離感が増して活き活きしてくると思いますが、迂闊なことは言えないので、ここでは深追いしないでおきます。NT01AXの音に欠点があるとすればやはり厚い中低域が少し上に広がってしまい、ボーカル周りにうるさい感じが出てしまうあたりだと思われますので、気になる人はそこらへんを調整するのが良いでしょう。稀にNT01AXの音が篭もると表現するレビューも見ますが、この中域に溢れる感じを言っているのだと思います。

 あるいは低域の深掘り感が足りない場合はたぶん30hzと60hzを少し持ち上げて100hzをカットすると深みが出るかな。まれによくある、NT01AXの低域のピークが高くて深掘り感や重低感に欠けるというレビューと同じ印象を受けた場合はこんないじり方が効果的なんじゃないかと思います。よくわからんけど。

 残念ながらNW-A55はBluetoothイコライジングに対応していないので、NT01AXの音質自体をいじれないんだけど、似た音質の有線イヤホンOriolus Finschiを聴きながら試しにNW-A55でイコライジングしてみると、この曲の場合、以下の画像みたいな感じで調整すると個人的に聴き応えを感じます。

f:id:kanbun:20190406051001j:plain

 

 ついでに比較的死角のないNW-A55に欠点があるとすれば、イコライザーの低域が60hzまでというところがかなり弱点かな。なんか日本の楽曲は基本的に重低音をバッサリ切っちゃってるって話もあるみたいだから、60hzまでというのは何か理由があって区切っていると思うんだけど、30hz音を持ち上げるのと下げるのとでは、場の躍動感とボーカルの聞こえ方に個人的にだいぶ差を感じるのでここは調整できた方がいい気がします。

 実際に30hzをカットすると音場にかすかに感じられる地熱のような振動感が減ってボーカルや音の聞こえががすっきりします。逆に持ち上げると生々しい熱気のようなものが音に出てきます(やりすぎるとノイジーになります)。この30hz音を濁りとみるかリアルな音と見るかはおそらく好みによりそう。私の場合は30hzをイコライザーで持ち上げた方がリアルな深掘り感を感じやすいです。まあここらへんはまだ研究中。

 

 さて、ついNT01AXについて語ってしまいましたが、それはともかくE8 2.0です。このイヤホンは上から下まで音に厚ぼったいところがあまりないので、低域を持ち上げると素直に存在感が増しますから、イコライザーの効果が感じられやすいです。

 たとえばこの曲ならGRANBEATと組み合わせれば、イコライザーをかけない場合、すっきり見通しよく、ドラムの締まりも非常に良く聴かせてくれますけれども、全体的に凹凸に乏しく、なんとなくメリハリ感が足りない印象です。

 これにGRANBEATについている「Hey Pocky Way」を適用してみると、あら不思議。ドラムに粘りと厚みが出てきてより肉厚なロックらしい音に聞こえてきます。ベース音もより鮮明に深掘り感を主張してきます。中高域方向は少し発色が強くなって、シンバルはシャリシャリ、ボーカルの息感は尖る感じが強くなりますが、弦楽は少しヒステリックに伸びるようになって、外連味が増して楽しくなります。NT01AXでも同じような効果が得られることは確かですが、元々厚い中低域の性質は変わらないので、これほど変化を強く感じません。E8 2.0はイコライザーの効果で完全にロック向けイヤホンに変貌しています。

 「Hey Pocky Way」が少しドンシャリ過ぎて重苦しかったり、シャープネス強すぎて楽しいけど聴き疲れるという場合は「Haven't Told Her」を試してみてください。こちらは同じドンシャリにしても少しウォーム感が出てきて、低域やボーカルは少しふんわりして聞こえてきますが、弦楽の伸びやかな音だけは鮮明度が高く聞こえて、上方向をより意識した優美な音に聞こえるはずです。ていうかイコライザーでここまで音の印象が素直に変わるE8 2.0すげぇな。

 

Jess Glynne「Hold My Hand」

  E8 2.0のレビューで私は、率直に言ってR&BはちょっとE8 2.0では楽しめないところがあるみたいなことを述べました。実際標準の音質では、音に厚みがないので、R&Bの充実感があまり感じられず、なんかスッキリして聞こえてきやすい傾向があります。ボーカルもさわやかな傾向なので濃厚味に欠けます。

 しかし現在、この評価は少し改める必要を感じています。たとえばGRANBEATのイコライザー「People Say」や「Jim Wand」を適用すれば、ボーカルや低域に厚みが出て充分なボリューム感が出て気持ちよく聴かせてくれますし、「It Ain't No Use」を適用すれば、音にメリハリ感が増してボーカルやリズムがパワフルに感じられ、さらに低域にしっかりした地熱感が出るので深掘り感や熱気が出ます。

 

【総評】GRANBEAT + Bang & Olufsen E8 2.0は最高に「遊べる」完全ワイヤレスオーディオ環境(GRANBEATはONKYO HF Playerでも代用可)

 ここ最近、GRANBEATでイコライザー遊びを始めてから、Bang&Olufsen E8 2.0の神がかった変化に富んだ音質に夢中です。さすがB&O製品、素性が良いのでとにかくイコライザーの音質調整を思う存分楽しませてくれます。

 これまで私はE8 2.0単体だと透明感があって分離の良い中高域は味わい深いけど、正直万能性の面ではそれほど優れた感じではないかなという評価でした。しかしこの機種はイコライザーで劇的に変貌します。標準の「Bang&Olufsen」アプリのイコライザーはあまり楽しめなかったんですけど、GRANBEATの多彩なイコライザーを楽しみだしてから、この機種の評価はかなり変わりました。E8 2.0はとことん音楽を遊び倒したい人向けの高級おもちゃです。現状の完全ワイヤレスイヤホンの中で、「音で遊べる」という一点に限れば文句なく最高の機種であると言えます。これはすげぇ。

 おかげで最近はほとんどGRANBEAT + E8 2.0の組み合わせで音楽を聴いており、これがお気に入りになってきてます。この組み合わせなら接続安定性も高く、今のところ文句がありません。

 

 ちなみにGRANBEATに搭載されているイコライザーはスマホやタブレットがあればONKYOのミュージックプレイヤーアプリ「ONKYO HF Player」で楽しめます。興味がある人は「Google Playストア」や「App Store」で検索するか、下のリンクからインストールしてみてください。この機種を店頭試聴するときは、「ONKYO HF Player」を入れたスマホをつないで、イコライザーを試しながら聴いてみることを個人的にオススメします。

www.jp.onkyo.com

 

Bang & Olufsen Beoplay E8 2.0

Bang & Olufsen Beoplay E8 2.0

Bang & Olufsen 完全ワイヤレスイヤホン Beoplay E8 2.0 NFMI/AAC/Qi充電対応 防塵防滴仕様 リモコン・マイク付き 通話可能 5.7mm インディゴブルー(Indigo Blue) 高級オーディオブランド 【国内正規品/保証期間2年】

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【完全ワイヤレスイヤホン wewow TouchTwo C3 レビュー】いろいろコスパは良さそうだが、音質・通信品質・装着感は基本的に劣化版Hihiccup Hi-TWS。小編成のJAZZ向き。とはいえU5000円ではそこそこ有力候補

wewow TouchTwo C3

wewow TouchTwo C3

【2019年最新IPX8級完全防水 90時間連続駆動  bluetooth5.0イヤホン CVC 8.0ノイズキャンセリングaacオーディオ対応】ランニングイヤホン bluetooth イヤホン 完全ワイヤレス bluetoothイヤホン 片耳/両耳通話 HiFi高音質 重低音 左右分離型 ワイヤレス イヤホン ブルートゥースイヤホン 自動ペアリング 自動電源ON/OFF  Bluetooth ヘッドホン 超軽量 タッチ式 マイク付き Siri対応  3000mAh充電ケース付き iPhone&Android対応 スポーツイヤホン 日本語音声ガイド 呼吸式LEDライト(C3)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感独特、通信品質は場合によって不安定」

おすすめ度*1

TouchTwo C3

ASIN

B07P8KRV5F

 ステムが出っ張った独特の構造をしており、装着感は好みを分けそう。イヤーピースをよく合わせないと安定感は出ないかも知れない。私は一番大きめの付属イヤーピースでようやく安定した感じ。

 遮音性はあまり高くない。音漏れも少し目立つかも知れない。

 コーデックはおそらくSBCのみ対応。通信は基本安定しているが、Hihiccup Hi-TWSと聞き比べしているときはあまり安定せず、Hihiccup Hi-TWSのほうが普通に再生出来ているのに、こちらは左右がプチプチ途切れていた。ちなみに接続先は両方ともNW-A55なので、接続相手に起因する相性の悪さが原因とは考えづらい。個体差の可能性もあるが、たぶんチップの差かもしれないと思っている。そのため、街中ではより途切れやすい可能性がある。

 

 この機種はTouch Twoシリーズに属しており、Hihiccup Hi-TWS(別名Touch Two C3)とはおそらく親戚関係にある。たぶんTouch Two C3の2019年最新版という位置づけだと思うが、スペックや音質的にはHihiccup Hi-TWSに劣ると思われるところもあるし、販売価格帯も少し異なるので単純な置き換え機というわけでもないようだ。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「使い勝手は良い。ケースも防水仕様」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 

 珍しいところでは音声ガイダンスが日本語対応している。

 充電ケースは同価格帯ではデカイほうで、Hihiccup Hi-TWSやiKanzi X9と同じくらい大きい。イヤホンの取り出しはスムーズ。これらの先行する同じ系統のイヤホンとの違いは、ケースも防水対応しており、USB接続部にカバーが設けられていて、これで保護すればケースの防水性能はIPX5相当になる。またそのせいかケースカバーの噛み合わせが少し硬く、最初は開閉に手間取るかも知れない。

 

 イヤホンの連続再生時間はスペック上4時間。ケースを含めると最大90時間まで再生可能になる。この充電ケースにはモバイルバッテリーもあり、付属の充電ケーブルを使ってスマホへの充電も可能だ。

 イヤホンをケースから取り出すと自動でペアリング、接続モードになる。収納すればそのまま充電モードに。同じ系統と思われるHihiccup Hi-TWSが自動接続を充分に実現していたので大丈夫だとは思っていたが、この機種も問題なく実現していた。

 操作はタッチパッド式。この点は少し好みじゃない。

 防水性能はIPX8でつまりIPX規格上最強という位置づけ。水没させても大丈夫なレベルで、雨の中で使っても全然大丈夫という性能だ。

 

TouchTwo C3TouchTwo C3

 

【3】音質「重厚な方向でHihiccup Hi-TWSとほぼ同じ味付けだが、音はより膨らみやすく、場合によって篭もっていると形容されやすい音」

 音質的には重厚な低域が目立つ感じでHihiccup Hi-TWSに近い。おそらくドライバー部分にほとんど差は無いと思われる。

 ただしハウジングの作りとステムの耳への入り方が異なるせいか、低域音がより柔らかく聞こえてくる傾向にあり、ボーカルの音像も少し空気に溶け込んだ感じが強くなる。こういう音を「篭もる」と表現する人も多いので、おそらく構造的な問題でHihiccup Hi-TWSよりぼやーっとした音だと感じる人は多いだろう。装着感がHihiccup Hi-TWSより安定しないので、装着感による音質の印象の差も大きく、しっかりイヤーピースを選ばないとクリアな感触は得られないと思われる。その影響は高域方向はそれほど大きくない印象を受けるが、中低域は影響を受けやすく、ベースラインと男性ボーカルが聞こえる音域で分離が悪く、特にもさっとした感じが出やすいところがある。

 好みにもよるだろうが、全体的に劣化Hihiccup Hi-TWSという印象を受けやすいことは事実。

 

[高音]:突き抜け感はあまりない。自然な色味で煌めき感や透明感は普通(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:金属光沢はややドライに聞こえる。ピアノの色味も情緒が落ち着いていて、ほどよく透明感があるが浮き上がらない。やや下方向に音がまとまりやすい傾向があって、高域方向に向かうほど少し空疎な雰囲気がある。

[低音]:はっきりした太い振動で100hz~40hzまでしっかり。30hzでも少し振動を感じ、20hzはほぼ無音。太いベース音で深掘り感もある。構造のせいか、少しぼわっと広がる感じがあり、同じ音質傾向のHihiccup Hi-TWSに比べると音像にふやけたところを感じる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音の太さの割に音場は少し広めであまり圧迫感を感じない。大抵の完全ワイヤレスイヤホンは音が近いので、そういう音場表現に圧迫感を感じている人は、密度感と広さのバランスが良く感じられるかも知れない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは膨張感が強めで、地熱感も強いためボボンボボンという感じでやや空間に広がりやすい音。ハイハットは色味がドライで浮き上がる感じがない。粒感は結構良く、ライドシンバルなんか結構締まっている印象。どちらかというとパーカッションは暗い方向ではあるので、大人びて聞こえるかも知れない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルやや太め。やはりHihiccup Hi-TWSに比べて若干音像が緩い形で聞こえやすい。高域は少し天井感があり、色味は抑えめではあるが、暗い感じでもなく、意外と自然な色合いでバランスは良い。

 

【4】官能性「JAZZやロック、R&B向き。ベースラインが少し被さりやすいところはある」

早見沙織「ブルーアワーに祈りを」

 Hihiccup Hi-TWSと聞き比べた際の、低域の膨張感(≒締まり具合)や音のクリア感の違いは、この曲を聴くとよくわかる。Hihiccup Hi-TWSではサビの部分で低域が強く印象づける場面でも中域方向に音があふれ出す感じがなく、分離感がスッキリしていて床面として感じられる。それに対し、このイヤホンでは低域が膨張して中域音と混濁してモサモサした感じが出てしまう。また高域ボーカルもその低域音に影響されるのかすっきりと伸びてくれず、高い部分の発色が悪くて突き抜け感に乏しく、結果として暗くつややかさに欠ける印象を受ける。Hihiccup Hi-TWSはパーカッション周りの発色も異なり、よりキラ味がきれいに出るほか、弦楽もすっきり伸びて背景を作るのでダイナミックさでも勝る。

 もちろん好みによってこちらの音が良いと思えるところもあり、調和的でウォームな雰囲気は強くなるので、中域のふくよかさはこちらのほうが充実感を感じやすいところがある。

 


ブルーアワーに祈りを

 

Pharrell Williams「Raspy Shit」

 HONDAのCMで流れる「Happy」って曲が好きで個人的にハマっているPharrell Williams。この曲をHihiccup Hi-TWSと聞き比べると、低域周りの膨張感の違いが明確で、よりすっきり分離して聞こえるのは明らかにHihiccup Hi-TWS。ただこのイヤホンの若干篭もった印象を受ける低域の膨張感も悪くなく、ボリューム感では勝るところがある。しかし、ラップはどちらかというと歌詞の語感的な味わいが大切で、ボーカルのキレが最も重視されやすい傾向にあることが多いと思うので、口の動きが明瞭に聞こえる印象が強いHihiccup Hi-TWSのほうがラップ向きなんじゃないかということは言えそう。

 


イン・マイ・マインド

 

三月のパンタシア「ピンクレモネード」

 三月のパンタシアの曲でも私の好きな曲の一つ。実際のところこのイヤホンではHihiccup Hi-TWSに比べてやや低域の音が支配的で、ピアノとギター音が少し低域ドラムとベースに埋もれて聞こえてくるくらいのバランスになる。充実感はあるが、クリーンな空間が少ないので、スッキリした酸味を感じさせるレモネード感はない。

 ドラム表面の張りがかなり異なり、Hihiccup Hi-TWSではバスバスと反発力を感じるのに対し、このイヤホンのドラムはボンボンとした感じで曲から受ける快活さでだいぶ差がある。ロック向きで重厚感が出やすいのは共通にしても、個人的にはHihiccup Hi-TWSの聞こえの方が解像度感を感じやすいので、おすすめしたい気がする。ギターのエッジ感に差があるし。

 


ピンクレモネード(初回生産限定盤)(DVD付)

 

田中あいみ「かくしん的☆めたまるふぉ〜ぜっ!」

 最近のエレクトロ色の強いダンスロックみたいな曲では、このイヤホンの高域の発色の悪さが気になる。正直言って、この曲に関してはドラム周りの熱気がこちらのほうがやや勝るものの、Hihiccup Hi-TWSに比べて発色と輪郭の悪い中高域のせいで、さわやかさに大きく欠ける。そのせいでこの曲の明るくキラキラした楽しいサウンドがほとんど死んでしまっていて、残念な印象を受ける。この曲を聴くならHihiccup Hi-TWSのほうが個人的には断然おすすめ。

 


「かくしん的☆めたまるふぉ〜ぜっ!」TVアニメ『干物妹!うまるちゃん』オープニングテーマ

 

Elephant Revival「Don't Drift Too Far」

 一方でウォームで膨張感のある低域表現とやや暗めで中域充実の音質がふさわしいと思えたのがこの曲。Hihiccup Hi-TWSだと高域が少し明るすぎるのと低域の膨張感がうまく出なくてベースラインがすっきりしすぎ、濃厚な空気感が感じられない。そう考えるとこのイヤホンの本領はJAZZやフォークで発揮されるのかも知れない。これくらいの音数だと音の混濁感もない。

 ただ弦楽の発色はもう少し良いと楽しい気がするけど、一方でムード感を考えるとこれくらい落ち着いているほうがむしろ良いという人もいるだろうし、ここらへんは最終的に好みになりそう。

 


It's Alive

 

【5】総評「無理して最大限の賛辞を考えるとすれば、低価格帯のSENNHEISER MOMENTUM True Wireless。欠点と強みは似ている」

 というわけで音質の面ではやや中低域の厚みが強く出やすく、ウォーム。分離感がいまいちよくないところがあるので、音数が多い曲はかなり苦しいかも知れない。表現の雰囲気としてはJAZZ向きで濃厚な感じが出るので、無理矢理感がハンパないが、敢えて興味を引くような言い方をすると「低価格帯の分離感の悪いSENNHEISER MOMENTUM True Wireless」とでも言っておきたい。いや音の解像度とか雲泥の差があるけどね。でも高域の少しおとなしい感じ、地平線付近に音が厚い感じ、音場が少し下向きな印象を受ける感じは似ている。

 いろいろ不満はあるけど、5000円以下の価格帯では案外スペック的にも隙が無いし悪くないところがあり、結構コスパは良いかもしれない。

TouchTwo C3

 

wewow TouchTwo C3

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【2019年最新IPX8級完全防水 90時間連続駆動  bluetooth5.0イヤホン CVC 8.0ノイズキャンセリングaacオーディオ対応】ランニングイヤホン bluetooth イヤホン 完全ワイヤレス bluetoothイヤホン 片耳/両耳通話 HiFi高音質 重低音 左右分離型 ワイヤレス イヤホン ブルートゥースイヤホン 自動ペアリング 自動電源ON/OFF  Bluetooth ヘッドホン 超軽量 タッチ式 マイク付き Siri対応  3000mAh充電ケース付き iPhone&Android対応 スポーツイヤホン 日本語音声ガイド 呼吸式LEDライト(C3)

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【特集】名曲「Make debut!」を聞き比べて、味わう!低価格完全ワイヤレスイヤホンの重厚感と金管表現力[アーモンドアイ ドバイターフ制覇記念]

Make debut!

Make debut!

 毎回、私が愛する名曲を紹介するとともに、低価格の完全ワイヤレスイヤホンを聞き比べようという不定期企画です。今回は10回目になります。

 毎回名曲をいろいろな中華製格安完全ワイヤレスイヤホンで吟味していますが、最終的にはプレイリスト作成に役立てるための個人的なメモっていう程度の記事です。どうぞくつろいでお楽しみください。

 

 

【過去記事】

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【特報】日本競馬史上最強牝馬アーモンドアイ、ドバイを制す!

 みなさんお元気ですかー!?なんとみんなのアイドル、アーモンドアイがドバイターフぶっちぎりの末脚を見せて1位で制しました!こいつはやべぇ。

 心ウキウキしてきちゃったんで、うちのブログでも何か書こう、でも競馬記事とかアレだしどうしよう?って考えた挙げ句、A&norma SR15 ウマ娘 プリティーダービー Special Editionに収録されていた「Make debut!」の聴き比べしようということに決定。

news.netkeiba.com

 

【試聴する完全ワイヤレスイヤホン】

 今回取り上げる6種類のイヤホンもいままで同様、手持ちの低価格完全ワイヤレスイヤホンから選びました。ラインナップはメジャーとは言えない製品ばかりです。この記事の趣旨としてはレビューが少ないこういったマイナー機種の情報をなるべく詳しく提供しようという目的でやっていますから、当然の結果です。メジャーな製品にはネット上含めたくさんレビューがありますからね。

  1. Hihiccup Hi-TWS
  2. ifancier KD-66
  3. JuLong TWS-i7plus
  4. KOMODO U10
  5. LEZII A1
  6. TIAMAT Thor

 

 ラインナップは前回から少し入れ替えました。

 

【音質比較レビュー】

課題曲について

 TVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー」のOP曲です。競馬アニメっぽく金管を楽しく響かせつつターフを走り抜ける馬足感のあるリズムに疾走感があって楽しい曲です。一定の重厚感と金管がそこそこかっこよく聞こえてこないと、この曲は楽しめないかな。もちろんボーカルの聞こえがさわやかでないと晴天を感じないので、そこらへんも味わいポイントになりそう。

 


TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』OP主題歌 ANIMATION DERBY 01 Make debut!

 

 

Hihiccup Hi-TWS

CANAVIS J29

 重低感はこの価格帯ではかなりあるほうなので、重厚感のあるリズムに精彩があります。金管も下方向に厚みが出て充分膨らんで聞こえるのでパワフルで楽しいです。ボーカルはやや楽器に埋もれるバランスとは思いますが、一体感があって悪くないです。

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ifancier KD-66

ifancier KD-66

 重厚感がしっかりあったHi-TWSに比べると、低域方向がおとなしく、やや軽めの火力感になります。その分ボーカルが聞こえやすいところはあって、やや清涼感強めにきれいに聞こえますが、一方で解像度の悪さも目立つ感じがあって、シャリシャリした効果音に引きづられて音にカサカサした感じが若干出ています。あと金管が細すぎるかな。

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JuLong i7plus

JuLong i7plus

 KD-66と同じように軽めの火力感のある中高域の発色の方が強い音を鳴らします。そのためこの曲では少しシンバルと金管が目立ってガシャガシャしやすいところも似ていて、少し鼻につき、うるさげに感じるところはあります。KD-66に比べると音像がまだつややかでこちらのほうが聴きやすい印象があります。

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KOMODO U10

KOMODO U10

 この曲に関してはたぶん解像度感は1番。場合によってLEZII A1のほうが高く感じるという人がいるかも知れないので、2番手になるかもしれませんが、中高域の音像の明瞭さはかなりいいです。一方で全体の音がミニチュア的で細い印象を受けるところがあり、金管が細身に縦長に伸びてくる感じは少し好みを分けそう。床面は硬めですが、この曲は元々そんなにドラムが強すぎないので、たぶんうるさくは感じません。むしろリズム感がしっかりして感じられて、この曲の軽快さを気持ちよく感じさせてくれるくらい。

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LEZII A1

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 中高域の見通し感のよさには少し驚きます。ドンシャリ系の音なので、この曲だと少し一部の音が引っ込んでリズムとボーカルが目立ち、楽器音はスカスカするところはあります。ただハイハットの聞こえと金管の聞こえが発色、かなり精彩があり、かつ滑らかで聴き応えがあって楽しいです。低域は厚みが少しありますが、全体的にやわらかく空間を支えていて、聞き疲れはしにくいですが、重低感には欠ける印象です。解像度感は今回の機種の中では1番か2番目に高めです。

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TIAMAT Thor

TIAMAT Thor

 低域ドラムに充分な火力感とハイハットに詰まった粒感があって楽しいです。黒みがしっかりしたタイトな低域が中高域の発色を引き立てるので、この曲はかなり気持ちよく聴けます。金管も渋みのある厚みの出る音で、満足できます。

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【総評】

 前回に続き、今回の曲でも正統派ドンシャリサウンドでメリハリ感よくTIAMAT Thorを一番に推したいです。曲ジャンル的に相性が良いのもありますが、全体的に音の締まりと発色のバランスが良く、コントラスト感が聴いていて元気に楽しめます。

 次に聴き応えがあったのは、Hihiccup Hi-TWSで、重厚感をしっかり出して金管の味わいもよく、満足できます。

 迷いましたが、その次におすすめしたいのはLEZII A1です。中高域の見通し感が良く、ボーカルを気持ちよく味わえました。

 次はKOMODO U10を推したいです。LEZII A1との差はわずかで、ほとんどの人はこっちの音の方が解像度感が高く感じられるので難しいのですが、やはりちょっと音が細く鳴りすぎてミニチュア的で満腹感に欠ける印象を受けたところが物足りなく、A1より一段下げました。人によっては逆に解像度感でこの機種が一番イイという人も多いでしょう。

 続いてJuLong i7plusを推します。個々の音は案外悪くない気もするんですけど、この曲くらいの情報量だとガシャガシャうるさかったので、評価を下げました。

 今回一番物足りなかったのはKD-66で、分離勘が悪くて音が混じり合い、ハイハットあたりの音味に影響させて音場全体が妙にカサカサしていたので、印象がよくありませんでした。

 

 というわけで、このささやかなレビュー記事はこれでおしまいです。毎度のことでありますが、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。この記事が皆様の参考になり、楽しい音楽ライフにつながれば幸いです。

 皆さんの音楽ライフを応援しつつ、今回もお別れしたいと思います。

 

Make debut!

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【完全ワイヤレスイヤホン LEZII A1 レビュー】中高域の光沢ある解像度感に振った、ややシャリ傾向の明るい鳴らし方をする。高級感ある外観も悪くない。おすすめ

LEZII A1

LEZII A1

LEZII A1 TWS Mini Bluetooth Earphone Wireless Touch In-ear Binaural Earbuds - Dark Gray

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「小型で付け心地はコンパクト。通信品質は距離耐性は異様に良好なんだが、まれに不安定」

おすすめ度*1

LEZII A1

ASIN

B07MF742YX

 装着感は悪くない。大きさは現状の完全ワイヤレスイヤホンでも小型な部類で嵌まりやすく、耳当たりもなめらか。遮音性は高く、音漏れもそれほど目立たない。

 aptXには対応しない。コーデックはおそらくSBCのみ。通信品質は基本的に安定しており、遅延途絶はない。ただし、ONKYO GRANBEATでabemaTVを見たら、若干の遅延を感じるときがあり、それほど不自然ではないが、口パク感は時々出る(ここらへんは通信状況で全く遅延が出ない場合もある)。ゲームは厳しいかな。

 また稀に途絶がある。耳を手で覆ってみても途絶する感じはないので、左右の通信が悪いわけではないらしく、何らかの環境的要因によっている可能性がある。もしかすると外出時には環境によって途切れやすいかも知れない。

 一方で距離による音飛び・途絶に対する耐性は高く、距離をとっても音が途切れずシームレス。私の家の場合、自分の部屋に再生機器を置いて、階下にあるトイレに入り、扉を閉めるとほぼ全ての完全ワイヤレスイヤホンは音が途切れて使えなくなるが、このイヤホンは使えた。GRANBEATとSONY NW-A55で試して途切れなかったので、たぶんこの距離耐性は万能。よくわからんけど、この点はすごい。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「ケースデザインはこの価格帯ではありえないほどかっこよく、耐久性もある」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書。

 

 専用充電ケースはジュラルミンっぽい高級感のあるアルミニウム合金で、この価格帯では屈指のかっこよさ。しかも開閉部にLEDライトが仕込まれていて、イヤホンの着脱時、ケースの充電時などに光る、妙に近未来的なデザイン。この価格帯でここまで高級感があって耐久性も意識したデザインは他にない。ただしデカイので私のオーディオバッグのポケットにうまく収まらない。

 イヤホンドックの部分はマグネット式で吸い付く。左のイヤホンドックが少し陰になる位置で若干取り出しづらい感じはある。

 画質は悪いけど、同じような質感のNW-A55と並べた画像を以下に掲載する。質感が似ていることがわかると思う。NW-A55は外観にかなり高級感があるので、これに劣らない高級感があることが伝われば嬉しい。

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自動ペアリング&自動接続/切断には完璧対応

 ケースからイヤホンを出しただけで自動ペアリング、自動接続/切断を完全に実現している。ここらへんは最新機種らしく、スムーズな使い勝手を実現している。

 

連続再生時間と最大再生時間ははっきりしないが、優秀という感じではない

 GearBest.comの商品ページには音楽再生時間5-6時間と書いてあるんだけど、マニュアルには3時間と書いてある。イヤホン単体のバッテリーが50mAhでケースの容量が400mAh(100mAh×4回分)ケース込みの最大再生時間は15時間~30時間となるが、たぶん15時間くらいが実感に近い。

 というのも、テスト中満充電状態から実測2時間42分くらいにレシーバー側のLイヤホンの充電が切れて接続が止まったので、おそらくスペックは連続再生3時間が正しいんじゃないかと思う。そうするとスペック的には物足りない。

 

【3】音質「清潔感のある中高域の魅力を生かす、鮮明感と見通し重視の音」

 音質的には全体的に少し音が細めに感じやすく、明るい感じはあり、輪郭感も少し強い。ピアノも少しキンキンした光沢感があり、弦楽も芯を強調する感じがあって少し尖ってところがあり、ボーイング感を重視した鳴らし方で場合によって少しヒステリック気味に感じやすいところもあるかも知れない。

 金属光沢やボーカルの息感、「ツ」音やサ行は出やすいところはあり、ロックではシャープネスを強調した感じでやや攻撃的な味が強めに出る。ドラムも表面の反発力を強調した音で重厚感を感じる音ではないので、明るくアグレッシヴな若い感じになる。正統派ロックよりはポップスに寄った表現。

 クラブサウンドやアイドル系アニソンは明るく聴かせる音質傾向が合致するところがあり、音の分離感はこの価格帯では高めな方である。グラフェン系に近いサウンド表現であるが、光沢感や透明感は強すぎるほどのバランスはなっておらず、音にふっくら感はあまりないが細すぎる感じでもない。ボーカルの分離感は良く、さわやかな空間につややかな女声ボーカルがかなり綺麗に出るので、ここらへんのジャンルには強みを感じる。

 クラシックやJAZZに関しては全体的に明るく、輪郭感を出して中高域に寄った表現になるので、弦楽や明るい金管、高域木管に妙味があるが、深掘り感は出ても重厚感に乏しい。JAZZのジャンル的にはスムースJAZZのような比較的都会的で明るいサウンドを楽しむのに向く。

 同価格帯ではKOMODO U10といったグラフェン系キラキラサウンド全開のイヤホンと同じ傾向を目指しながら、少しだけ音に丸みを出して聴きやすいバランスにしたという感じ。ただ全体としてはキラシャリ系サウンドとして括られることは間違いない。低域も目立っているが、厚みはなく、音場全体が晴れているので、こういうサウンドをドンシャリと表現できるかは微妙なところで、印象的にはドンシャリ系に聞こえるので、たぶんドンシャリという人もいるだろうが、ドンはあまり出てこない。

 かなりシンバル周りがシャリシャリするのと、ボーカルによって息感が強く出るので、おそらくロックジャンルの曲ではやや聞き疲れしやすい要素が出るが、それを除けば、輪郭を強調して鮮明感が強い音作りをしている印象を受ける割に意外と音に丸みや少しの厚みが維持されており、解像度を無理に出し過ぎる印象はなく、聞き疲れはそれほどでもない。音味はクール。

 

[高音]:キラキラ感や透明感は強調され、弦楽も芯が伸びて突き抜ける感じがある。全体的に発色が良く、目立ちやすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:明るめでかなり晴れ渡っている。この価格帯では楽器音の分離感はかなりよい印象。ギターはエッジが目立つバランスで少し明るい。

[低音]:ゆるいやわらかめの振動で100hz~50hzまで素直な減衰。40hz以降は少し淡く薄い印象で、30hz~20hzもかすかに振動を感じる。低域はブーミーさはなく、厚ぼったい感じもなく、淡泊でズンズンと少し沈んで味付けするくらいの印象。ただし見通し感があるので、重量感はあまりないが音の存在感ははっきり感じる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中高域がさわやかで、低域も厚くなく軽快な味付けで、上から下まで視界良好。圧迫感のない音。床面が強く感じられないので、足場は抜けている印象を受ける(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはパツパツと詰まる感じが強い、粘りも少し感じられる音。色味は明るめで火力は軽快なエンジン感がある。シンバルの粒感と発色のバランスはこの価格帯では悪くなく、ライドシンバルでツッツッと詰まる感じは結構感じられる。意外にもドラムスティックの残響感は明るすぎず、コツコツした傾向の少し肉のある太さが感じられる音。このバランスだとカッカッって感じでもっと明るく聞こえるかと思ったけど(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは明るめ。女声ボーカルの艶やかさは味わいやすい。サ行と「ツ」音は相対的に目立ちやすく、ロックでは気になるかも。男性ボーカルは少し女性っぽくなりやすい。

 

【4】官能性「清潔感のあるすっきりサウンド」

坂本龍一「The Wuthering Heights」

  すっきりした中高域の空間に、やや明るめに弦楽とピアノがきれいに聞こえるバランスは、おそらくこの曲向き。全体的にクールな音味なので、楽器音のテンションが強めに感じられるところはあり、少しヒステリックな感じが強いとも思うが、それがこの曲の静かな激情をよく表現する。音は全体的に少し細いが、細すぎて無機的には聞こえない。この名曲を低価格完全ワイヤレスイヤホンで味わうなら有力選択肢の一つ。

 


1996

 

小田和正「そのままの君が好き」

 私はこの曲を普段、NUARL NT01AXBang & Olufsen E8 2.0で聴いているが、この機種はバランス的には後者に近く、低域のウォーム感を抑えて、淡いベースラインに中高域の鮮明感重視で聴かせる。空間の透明度を高く感じさせる鳴らし方で、ハイハットとボーカルとシンセの透明感、ライドシンバルの音が目立つバランスである。ボーカルは透ける感じが若干強く、小田和正の透明感を味わうには悪くない。しかも光沢は強調されているが、強調しすぎているほどではないので、艶やかで息遣いも鮮明に聴ける。低価格でもこの曲をすっきり聴けるんだから、小田和正の曲に限ればコスパは悪くない気がする。

 ただしE8 2.0に雰囲気は似ているが、E8 2.0のほうがライドシンバルはさわやかなバランスで、ドラムの反発感はより張りのある清明な音に聞こえ、この機種よりはもっと清潔感に寄っている。逆に透明感はこちらのほうが強く、ボーカルがよりつややかに聞こえる。若干「ツ」が強く出やすいところとかは似てるけど。

 


MY HOME TOWN

 

澤野弘之「never gonna change」

 私の大好きな澤野弘之どのと私の大好きなスキマスイッチがfeaturingしてるとかいう私にとっての神曲。ほかにもこのアルバムには私の好きな、さユりとfeaturingってる曲もあってヤバイ。

 で、この曲結構低域が持ち上がってきたりするとだいぶうるさい感じが出ると思うけど、このイヤホンなら低域かなりすっきりして中高域の緻密さとボーカルを思う存分味わえます。もう一つこの曲を味わう上で、このイヤホンがかなりいいと思えるのは、ギターのカッティングが刻みもよく、しかもわずかに丸みもあって尖ってはいるけど、尖りすぎないバランスで聞こえてくるあたり。この曲を楽しむにはかなりいいね。

 


R∃/MEMBER(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)(特典なし)

 

UVERWorld「Touch off」

 この曲は少し明るいバランスで聴かせる。この点もう少し低域に黒みがあってダークな感じとかドライな感じがほしい人は多いと思うので、難しいが、この価格のモデルにしては中高域を分離感よくすっきり聴かせるので、うるさくなりやすい傾向があるこの曲でも混濁した感じがなく、意外と解像度感が感じられて素直に感心する。低域にブーム感があまりないので迫力に劣るところがあるのは事実だが、聞き疲れせずに聞き込みやすい感じではある。

 


【早期購入特典あり】Touch off(初回生産限定盤)(2CD)(ポストカード(UVERworld絵柄)付)

 

三浦秀美「Gatherway」

 中高域の解像度感とか見通しは悪くないので、結構聞き込めるんだけど、やっぱり低域のボリューム不足感だけは如何ともしがたいところがあって、たとえばこの曲の中高域の聞こえはギターのエッジの良さも含めて、お値段以上くらいには精彩があると思うんだけど、低域音に膨張感が出ないから、妙にスカスカする。中低域にほどよい厚みがあるNUARL NT01AXやJBL FREE Xで聴くと、そういう不足感はないから、最近の曲よりも音数の少ない一昔前のポップスやアニソンを聴くと、少し物足りなさを隠せないかも知れない。

 


Gatherway 「勇者エクスカイザー」主題歌

 

笠原弘子「空の向こうに」

 上のHD版Trailerは岡崎律子バージョンで笠原弘子版じゃナイネ。

 この曲は意外とボーカルの色合いが変わって聞こえやすい曲で、たとえばSENNHEISER MOMENTUM True Wireless(MTW)で聴くとかなり暗く感じやすいので、私はNUARL NT01AXやBang & Olufsen E8 2.0の発色の良いボーカル表現が好き。で、このイヤホンもどちらかと言えば発色が良い方で明るく聞こえる。ただし、「ツ」の音やサ行が尖って出やすく、これらの格上イヤホンに比べると滑らかな聴き心地はない。透明感と見通しが良い感じで聴けるので、この曲の清潔感は良く出ているが、空間がクリーンなだけに余計に息感の尖りが目立つところがある。

 どうでもいいけど、このボーカルアルバムがamazonでものすごいプレミア商品化してて草が生える。まあ岡崎律子「For RITZ」と合わせて私にとってもこのアルバムは神アルバムなんで、金積まれても手放す気ないけど。「For RITZ」はぼったくってないので、曲が聴きたいならそちらをおすすめ。ただ、個人的にはこっちのボーカルも捨てがたくて困るけど。「For RITZ」にはさらに神曲「For フルーツバスケット」も入ってるけどね。思い出したけど「フルーツバスケット」新アニメくるんだった。←宣伝

fruba.jp

 

 そういや私の大好きなrionosさんがカバーしてるけど、いいね。

 


シンフォニックレイン ボーカルアルバム「RAINBOW」

 

【5】ライバルとなる機種「KOMODO U10」

KOMODO U10

KOMODO U10

 音質傾向が似ていて、よりはっきりした明瞭感のあるサウンドを奏でるKOMODO U10は価格帯も近く、ライバルになる。KOMODO U10はこの機種に比べると、より音が硬質で金属光沢も強く、刻みも強い感じの音になるので、少しトゲトゲしい感じがあるが、デジタル系サウンドの緻密感はより繊細に味わえる。

 価格的にはKOMODO U10のほうが若干格上で、スペック的にもU10が勝るが、付け心地や通信品質はA1のほうが優秀に思える。

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【6】総評「音像重視のサウンドと高級感のあるデザインが気に入ったならオススメ」

 中高域の音像重視ですっきりきれいに聴かせる感じには好感が持てる。デザインも凝っていて、独特の格好良さがある。通信品質面はやや独特で、一概に優れているとは言いづらいが、距離に対する途絶や遅延がほぼなく、この点だけは驚いた。

 最近のデジタル系サウンドに強く、女声ボーカルがきれいに聞こえるので、とくにアニソンにはそういう傾向の曲が多く、満足感を感じられるだろう。

 

LEZII A1

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LEZII A1 TWS Mini Bluetooth Earphone Wireless Touch In-ear Binaural Earbuds - Dark Gray

 

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