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【完全ワイヤレスイヤホン Apple AirPods Pro レビュー】アクティブノイズキャンセリングとヒアスルーは現状最強。音質は大人びた濃厚感のある音。文句なくおすすめ。

Apple AirPods Pro

Apple AirPods Pro

Apple AirPods Pro

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「良好な装着感。通信品質も高い」

おすすめ度*1

Apple AirPods Pro

ASIN

B07ZPS4FSW

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

4.5h/24h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

IPX4

音質傾向

濃厚感がある、膨らみがある、豊満、豊か、コクがある、シンバルの聞こえが良い、音に深みがある、深煎り、大人びた音、落ち着いている、聴き心地が安定している

 AirPods ProはAirPodsのインイヤー型デザインとは異なり、カナル型のデザインを採用しています。装着感は自然で、遮音性はそこそこ良いです。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは新宿駅周辺です。駅構内の改札付近などではほとんど途切れはありません。繁華街を歩いていても、ほとんど途切れる場面はなく安定しています。バスターミナル付近ではやや途切れが目立ちますが、総じて通信安定度は高い印象を受けます。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、Cayin B6II/A01で行っています。

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

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【2】外観・インターフェース・付属品「充電ケーブルはType-Cです。ANC性能は実用性が高いです」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書です。

 

アクティブノイズキャンセリングは優秀

 AirPods Proはアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載しています。以前SONY WF-1000XM3のノイキャンを試したときは、率直に言って個人的には満足できるとは言い難いところがありました。まだまだ完全ワイヤレスイヤホンでノイキャンは静粛性が十分でないという印象を持っていました。

www.ear-phone-review.com

 

 しかし、AirPods Proを試したところ、WF-1000XM3よりも静粛性が増しており、充分な実用性を感じました。具体的には、電車のヴィーンとかキューンという駆動音がかなりカットされ、WF-1000XM3で不満を持った電車内での静粛性が増していて、実用的なレベルになっています。さらにサーキュレーターの風音テストでも、ブオーッという音をWF-1000XM3がサーッ程度にするのに対し、AirPods Proはスーッあるいはシーッというくらいまで静かにしてくれました。あくまで私の体感なので、装着性の違いによって差が出るとは思われますが、メディアのレビュー記事を読んでも大抵AirPods Proのノイキャンの方が優秀だという結論が出ています。

 ただし、無音楽状態では少し耳にツンとくる感じがありますので、それが苦手な人は注意が必要かも知れません。

www.phileweb.com

ascii.jp

 

 いつもお世話になっているBLINKYさんのこちらのツイートも参考になります。

 

ヒアスルーも優秀

 ヒアスルーも驚きました。「イヤホンを付けていないかのような透明感のある外音の聞こえ方」みたいなレビューもあって、しかし、「大げさだろう」と思っていましたが、本当に透過性が高めです。SONY WF-1000XM3はレビューでも書きましたが、自分の声が若干遮断されていた感じだったのに対し、AirPods Proは自分の声も明瞭で周囲に障壁がないかのようです。

 これまでヒアスルーに関して完全ワイヤレスイヤホンで、個人的に最も高く評価してきたのはJabra Elite Active 65tでしたが、EA65tはわずかにホワイトノイズがあり、AirPods Proの自然な音の聴かせ方に劣ります。鮮明度はわずかにEA65tのほうが高いかも知れませんが、総合的にはAirPods Proのほうが高い評価になるんじゃないかと思います。どちらにせよ甲乙付けがたいレベルで、高水準です。

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Apple AirPods ProApple AirPods Pro

 

【3】音質「温かみのある低域が特徴的。全体的にややふんわりしたマイルドな音色。豊満でコクがあり、大人びている」

 AirPodsは音質的にはコスパは良くないとよく言われます。たしかに低域にやや強めの温かみがあり、中高域から高域にかけてのディテール感は少しぼんやりとして聞こえやすく、鮮明さと繊細さに欠ける音質傾向です。中域と低域の境目も立体感が薄いので、人によっては篭もっていると感じやすいでしょう。また音場表現的にも濃厚系で中域は下の方で押し出しが強い感じがあり、清潔さと高域方向での立体感に欠ける印象を受けるところがあります。聴き心地は安定していますが、全体的に豊満でぼーっとした印象は免れないところがあります。

 低域はかなり中低域に厚みが持たせられており、低域弦楽はかなり太く重く出ますし、ドラム音も厚みを出して重量感高めにドスンドスンとした音になります。ベースはやや膨らみ、暖かみが強く、輪郭は少し曖昧に聞こえるかも知れません。量感的には少し重みが強調されやすい低域です。

 中域の下の方は低域とつながっており、少しもやもやした熱気を感じるかも知れません。中域は基本的に押し出しが強く、ボーカルは前面に出てきて、ギターサウンドもやや中域で膨らむバランスになっています。そのため中域だけを見ると、ややかまぼこの印象を受けるかも知れません。中高域に向かっては少し後退している印象で、楽器音のディテールはマイルドになっています。

 高域はさらに後退的になっており、シャープネスはあまり強調されません。高さはあまり強調される印象はないと思います。シンバルだけは少し空気感が強調されて聞こえる感じがあります。

 

 総合すると、中域の真ん中から低域にかけてに重点が置かれているような、やや豊満なサウンドになっており、音の広がりと量感に重点が置かれています。聴き心地はマイルドで、人によってはライブ感が感じられると思いますが、やや緩い立体感の音響になっており、空間に清潔感はあまり感じられないと思われます。そのため音楽全体が少しボーッとして聞こえやすい感じはあります。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。中域で押し出し感があり、音がやや厚めにしっかり聞こえる。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鈍い。エッジを強調する感じはあまりない。
明るさ
(明るい/暗い)
普通。中域の真ん中くらいに焦点があり、高域はそれほど明るい感じではない。自然光の明るさを感じる。
派手さ
(派手/地味)
普通。中域で音の広がりは良く、高域方向は暗いが、そこではややシンバルの高さが目立つ感じがある。
硬さ
(硬い/柔らかい)
柔らかい。全体的にエッジを強調しないソフトタッチ感があり、低域も膨らむ感じがあって柔らかい。
尖り
(尖っている/丸みがある)
丸みがある。ほとんど尖る音がない。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや穏やか。ディテールを強調する感じがなく、ややぼんやり気味に音を聴かせるので、騒々しい感じはあまりないが、押し出し感は少し強い。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。低域から中域下にかけて充分な量感があり、パワフル。
豊かさ
(豊か/貧弱)

豊か。音が豊満。

太さ
(太い/細い)
太い。中域から低域にかけて厚みがある。
手触り
(ざらざら/滑らか)
滑らか。音の質感的には膨らむ感じが強く、滑らか。
粒感
(きめの細かい/粗い)
粗い。ディテールの強調は少なく、ぼんやりしている。
清潔感
(澄んだ/濁った)
濁っている。全体的に温度感は高めで濃厚系のサウンドになっている。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや潤いのある。充分潤いを感じるには、中高域の光沢が少し足りない気もするが、中域で潤い感がある。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。低域方向に重心が落ち着く、安定的な音場になっている。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
濁っている 濁っている

明るいか

(明るい/暗い)

やや暗い やや暗い

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

普通 やや天井感がある

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

しっとりしている ややしっとりしている

太いか

(太い/細い)

太い やや太い

濃いか

(濃い/薄い)

濃い やや濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立たない やや目立たない

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや天井感がある
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)

やや狭い

主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
前屈み

 

美点
  1. ボーカルフォーカスが良い
  2. 濃厚感がある
  3. 低域に重量感がある
  4. 音が前進的で抱擁感がある
  5. マイルドで聴き疲れしない音質
  6. ボリューミーで満腹感がある
欠点
  1. 透明感に欠ける
  2. 篭もっていると感じられる可能性がある
  3. 高域のディテール感が抑えめ
  4. メリハリに欠けると判断される可能性がある
  5. 分析力に乏しい感じの出音なので、解像度に劣ると判断されやすい

 

[高音]:高域は基本的に閉じている。シンバルの空気感だけ少し清潔に浮き上がる感じがあるが、シャープネスは抑えめで、ボーカルの子音に尖る感じはない。弦楽や金管もそれほど高さを強調しない。基本的にはマイルドで少し暗い高域の印象を受けるだろう(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は真ん中付近とその下くらいに厚みがあり、基本的に濃厚で音の沈みが良く、少し滞留する感じがある。ボーカルフォーカスは良く、太くはっきり濃く、コクを出して聴かせ、ピアノ音や弦楽にもコクがあり、深みが感じられる。ギターサウンドはやや伸びやかさを抑えた豊満な横の広がりのある音で、色味が濃く、黒みがある。

[低音]:100hz~40hzまで太く緩いボーッとした振動。30hzでかなり沈み、20hzでほぼ無音。ベースは厚く、温かみもあってややブンブン太く聞こえ、唸りが強い感じがある。バスドラは重く、やや下に重い鈍い膨らみを感じやすい。総じて地熱感は高め。低域弦楽も太く出やすく、ボンボンしやすい(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域から中域に厚みがあり、下に豊満で重い音場になっており、清潔感に欠け、少し鈍重な感じはある。中高域以上のディテールや立体感は抑えめなので、やや平面的で奥行きが足りないように感じられやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスは低域で重みを感じさせ、全体的に少し豊満で、もさっとした感じがある。上辺の鼓面の弾けは抑えめでもさつく感じがあり、ボツボツと鈍い感じがある。フロアタムはドドンと少し重めに膨らんで出る。全体像は重めのバツンバツンないしバズンバズンといったところ。ハイハットはチンチンしたあたりを濃く暗めに出しつつ、高いところは意外と明るくシンシンと浮き上がる立体感がある(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは男女ともに濃く、コクがある。ボーカルは一般にほとんど最前面に出てきて、フォーカスは良い。女声ボーカルは少し太く暗い感じがあるが、甘味とコクがある。明るさを抑え、深みがある感じなので、男女ともに少し大人びて聞こえやすい。

 

【4】官能性「解像度感が高いとは言えないが、コクのある豊かな深煎りの音を出す」

パスピエ「永すぎた春」

永すぎた春

永すぎた春

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲ではかなりタムが膨らむので、熱気は強めになります。シンバルは結構高さを出して聞こえるので、高域で少し清潔感が感じられますが、中域は濃厚でぼんやりしている感じが強いので、祭りの場にいるようなライブ感がありますが、人によっては清潔感が足りず、リズムにビシバシ感がなくて、メリハリが弱いと思うかも知れません。ボーカルはかなりコクがあって、濃い感じの甘味を出すあんこのような声色になっています。

 


&DNA(初回限定盤)

 

ヨルシカ「冬眠」

冬眠

冬眠

【Hiby R6 Proで鑑賞】中域で濃厚になりやすく、ギター音も明るく伸びるというよりは下に沈み込むようなコクのある音になっているので、むしろこうした落ちついた沈潜する曲は深く聴かせる感じがあります。ドラムも重く下に広がって沈み込む音なので、メリハリを強調せず、胸に音が落とし込まれてくる独特の静謐感があります。ボーカルも落ち着きがあって大人びており、憂愁を感じさせる声色で、しっとりこの曲を楽しむならなかなかよいです。

 


負け犬にアンコールはいらない(通常版)

 

Sonny Clark「With a Song in my Heart」

With a Song in My Heart

With a Song in My Heart

【Hiby R6 Proで鑑賞】高域で明るさを強調しないので、落ち着いたJAZZを楽しむには持って来いです。シンバルだけ清潔に浮き上がって聞こえますが、ピアノは非常に穏やかで静謐感があり、金管も渋めに色味を抑えて聞こえてきます。空間には低域の熱気に由来する濃厚感があり、充満する空気感があって、風味が横溢してくるような充実感を楽しめます。

 


Sonny's Crib

 

【5】総評「ANC性能は最強。ヒアスルーも最強。音質は濃厚系で大人びている」

 アクティブノイズキャンセリングとヒアスルーにかけては現状最強と言って良く、機能性を重視するユーザーには非常に魅力的なガジェットに思えるはずです。音質は少し現代的でない、大人びた雰囲気の音で解像度を重視した感じではありませんが、豊かで風味があります。総じて使い勝手に優れており、文句なくおすすめできます。

 

まとめ
  • 濃厚で大人びた音
  • アクティブノイズキャンセリングとヒアスルーが素晴らしい完成度
  • 通信品質も高く、使い勝手も良い

 

Apple AirPods Pro

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ワイヤレスオーディオ送受信機 EKSA ET04 レビュー】据え置きタイプだが、2台までマルチポイントとaptX HDとLLに対応している。バッテリーは内蔵していないようなので、基本的に携行できない。

EKSA ET04

EKSA ET04

Bluetooth トランスミッター レシーバー 一台三役 Bypass Bluetooth5.0 Aptx-HD Aptx-ll 送信機 受信機 2台デバイス接続 AUX RCA 光デジタル AAC対応 ET04

 

 

【この製品のポイント】

  1. aptX HD / aptX LL / aptX / AAC など高音質コーデックに対応
  2. 据え置きタイプ
  3. 光オーディオインターフェース入出力に対応
  4. 2台までのマルチポイント対応
  5. ツインアンテナで通信品質が良い

 

 こういうレシーバー製品では定番になっているQualcommのワイヤレスチップCSR8675を搭載してaptX HD / aptX LLといった上位コーデックに対応したワイヤレスオーディオレシーバー/トランスミッターです。

 レシーバーとして高性能なスマホ、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)から高音質コーデックを使ってイヤホン・スピーカーに音楽を出力できるレシーバーとして使えるだけなく、反対にPCやコンポから入力された音楽をBluetooth対応ヘッドホンやスピーカーに転送するトランスミッターとして使うことも出来ます。

 これまでいくつかポータブルのレシーバー/トランスミッターを紹介してきましたが、この機種はバッテリーを内蔵しておらず、完全に据え置きタイプなのがこれまでの製品と異なります。モバイルバッテリーを組み合わせて運用すればポータブルできないこともないでしょうが、音質的に優れた製品でもないので、携行したい場合は素直に小型でバッテリー内蔵のポータブルレシーバーを使うべきだと思います。

 

  

【1】外観/操作性「スマホよりデカいサイズ」

 大きさ的にはスマホよりデカいです。縦横のサイズ感、表面積はスマホとほぼ同等と思われますが、厚みはスマホの2~3倍程度です。

 操作インターフェースはシンプルで、電源スイッチはなく、電源供給用のUSBを刺した途端に起動します。向かって左側面にトランスミッター/レシーバー切り替えボタン、上面にワイヤレスボタン・AUX光入力ボタン・音量の+とーがそれぞれ1つずつ用意された、計4ボタンで、操作に迷うことはほぼありません。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61ASfy%2BZICL._SL1100_.jpg

 

【2】通信品質「素直に優秀」

マルチポイントは切り替えスムーズというわけではない

 マルチポイントは2台までの動作が確認できました。2台のDAPにつないで、コーデックを一方はaptX HD、もう一方はSBCとわざとずらして接続してみてテストしましたが、ちゃんと切り替え動作しています。切り替えはスムーズではなく、1秒ほどかかるような感じです。

 以前紹介したLerbyee BT-B19では、さらにコーデックによって切り替えがうまくいかないパターンもありましたが、こちらは切り替えに失敗する感じはありません。

 

トランスミッターとしてよりもレシーバーとしてのほうがより優秀

 Bluetoothのバージョンは5.0です。アンテナ付きなせいか、通信品質も強化されている印象があり、Prime Videoを見ても遅延する感じはありません。わずかに遅れているような印象はありますが、口パク感は全くなく、自然です。おそらくテレビの音声を手許に転送して楽しむ用途でも充分使えると思います。

 次に完全ワイヤレスイヤホンのmifo O5とペアリングし、トランスミッターモードで使ってみました。トランスミッターモードの方がわずかに遅延が大きいらしく、口パクというほどではありませんが、動画ではわずかに口と音声のズレを大きめに感じます。それでもLerbyee BT-B19に比べるとだいぶ通信品質は良いようで、BT-B19のトランスミッターモードほど露骨なズレは感じません。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71tfzbP4dpL._SL1100_.jpg

 

【3】音質「価格帯では普通です」

 音質は以前紹介したLerbyee BT-B19とほぼ変わりません。レシーバーとして使う場合、音質は悪くはありませんが、とくに素晴らしいと言うほどでもないと思います。接続する相手によってはホワイトノイズが発生するかも知れません。

 トランスミッターとしてはaptX HDまで使えるのが魅力的です。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61YEagG1RgL._SL1100_.jpg

 

【4】総評「据え置きで使うには悪くありません」

 ぶっちゃけポータブルで使いにくいのがやや残念です。据え置きだからと言って、同じくらいのポータブル可能な製品に比べて音質が良いわけでもありません。通信品質は優秀なので、リビングなどで使うにはこちらのほうがいいでしょうが、自室で使うレベルなら持ち運びも出来るバッテリー内蔵式のほうが最終的な使い勝手は良いかも知れません。

 

EKSA ET04

EKSA ET04

Bluetooth トランスミッター レシーバー 一台三役 Bypass Bluetooth5.0 Aptx-HD Aptx-ll 送信機 受信機 2台デバイス接続 AUX RCA 光デジタル AAC対応 ET04

 

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【完全ワイヤレスイヤホン mifo O5 レビュー】やや膨らみやすい低域が好みを分けそうではあるが、清潔感と濃度感のバランスがよく、比較的万能に楽しめる。おすすめ

MIFO O5

mifo O5

ワイヤレス イヤホン MifoO5 左右分離型 Hi-Fiステレオ&AAC6.0搭載 IPX7防水 スポーツイヤホン 片耳/両耳モード 120航續時間 Siri起動 iOS/Android/window対応

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「IEMを意識したハウジングデザイン。通信品質もなかなか高い」

おすすめ度*1

f:id:kanbun:20191123215816p:plain

ASIN

B07WNW8W18

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

7h/100h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

IP67

音質傾向

潤い感がある、清潔、低域が膨らむ、シンシン、スコスコ、ブンブン、ボンボン、透明感がある、みずみずしい、ボーカルフォーカスが良い、甘味がある

 ハウジングデザインはユニバーサルIEMを意識したデザインになっています。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは新宿駅周辺です。駅構内の改札付近などではほとんど途切れはありませんでしたが、新宿くらいの繁華街を歩いているとそれなりに途切れます。バスターミナル付近でもそこそこ途切れます。

 通信品質は価格帯全体では標準よりは上くらいだと思われます。少なくとも同時にテストしたSabbat X12 Ultraに比べて安定度が高い印象を受けました。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、Cayin B6II/A01で行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「充電ケーブルはMicro-Bです」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Micro-B)、専用充電ケース、説明書です。

 

 なお私の環境ではこのイヤホンの音量はやや小さめに聞こえます。

 

 

Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra

 

【3】音質「ほどよく厚みのある低域、適度な中域フォーカス、やや清潔だが光沢感も忘れない高域。かなりフラット感を意識したサウンドを意識している」

 音質的には各音域のバランスを大事にして設計されているようです。高域は中高域に煌めき感を少し強調するところがありますが、Noble FALCONに近いような清潔感もあり、たとえばシンバルは上の方でシルキーで爽やかな清涼感を感じますし、スネアやタムの表面が少しスコンと明るく出る感覚があります。ピアノもキンキン感を強調せずに透明な感じに楽しめるところがあり、明るいですが適度に沈み込みも感じられるので、浮つく感じはありません。刺さる感じはないので聴きやすいバランスです。

 中域ではまずボーカルフォーカスは良好です。一般的にギターサウンドとともにボーカルは前進的に聞こえてきます。そのボーカルは中域で少しだけ膨らむ自然な実体感を持っており、子音はそれほど強調されませんが、息に生々しい温度感がのるバランスになっています。上方向への伸びは自然な感じで、媚びる感じは強くないですが、温かみのある甘味を感じます。中高域から中域では音にみずみずしさが感じられるので、シンバルの飛沫、弦楽音、ギターエッジの上辺は充分に潤って聞こえます。私は潤い感のある音を好む傾向にあるので、こういう音にはとても満足できます。

 低域はドラムに適度な胴鳴り感を出すくらいにはボリューム感があります。ドラムはしたがって少し温かみのある膨張サウンドになりやすいですが、人によってはそのせいで、やや中域と低域の境目が曖昧な感じを受けるかも知れません。とくにフロアタムはポポンと優しく感じられるでしょう。リズムコントロールの上ではこの膨らむ感じが、スピードをわずかに遅く感じさせる可能性はありますが、一方で音場に浮き上がりの良い感じももたらしており、躍動感に貢献しているところもあります。 ベース音も少し膨らみやすく、ベースが強い曲では少しぼんやりした熱気が出やすいかも知れません。キックの重みはそれほど強くないように思え、少し明るめに聞こえる印象を受けます。低域弦楽も太く出る感じになるので、低域が若干唸って聞こえやすいところはあります。そのため、低域のディテールはやや抑えめに感じられるかも知れません。

 

 総合すると、比較的高さのある清潔な高域、鮮やかさと潤い感のある、ボーカルフォーカスのある中高域から中域、やや太めに全体を支える低域という安定的な三角形サウンドという全体像を感じます。

 個人的には清潔感のある高さとみずみずしい飛沫を兼ね備えたシンバルはなかなか好みで、ギターエッジの潤い感も好きなので、ロックなんか楽しめる印象を受けます。好みにもよりますが、あるいは、潤いのある楽器音と厚みのある低域はクラシック音楽で説得力を発揮する感覚があります。少なくとも私がいくつかオーケストラサウンドを聴いてみた感じ、充分な重厚感と迫力を感じました。EDMは床面がボワボワしていて、リズムの出し方がやや緩い気がしますので、たぶん向きません。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。中高域で少し鮮やかさを強調し、音に潤い感がある。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鈍い。中高域で少し刻みを強調するところを感じるが、エッジに刺さるような鋭い感じはない。
明るさ
(明るい/暗い)
やや明るい。低域も明るく、中高域で少し明るさを出すので、自然光よりはもう少し照明が利いている昼白色から昼光色の間くらいの印象を受ける。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域で少し派手さを強調するバランス。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや柔らかい。全体的にエッジを強調しないソフトタッチ感があり、低域も膨らむ感じがあって柔らかめ。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや丸みがある。ほとんど尖る音がない。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
普通。音の手がかりは少し多く、情報量的な多さはあるが、ほどよくマイルドに聴かせる感じがあるので、一定の落ち着きがある。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。ドラムボディはしっかりしており、鼓面のアタックも感じられ、力強い感じがあるが、膨らみも良いので抜けは優しい感じになる。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや豊か。情報量的にも音の広がりの充実感的にも一定の豊かさを感じる。

太さ
(太い/細い)
やや太い。中高域のディテール感などは細かめの印象も受けるが、低域方向で膨らむ感じがあるので、音の全体象はややボディが太めに感じる。
手触り
(ざらざら/滑らか)
滑らか。全体的に音の質感は滑らかに感じる。
粒感
(きめの細かい/粗い)
ややきめの細かい。高域の弦楽や金管、シンバルに粒立ち感を感じる。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや澄んでいる。高域は清潔。低域は濁っている。全体の清涼感はやや清潔に傾いて聞こえる。
潤い
(潤いのある/乾いた)
潤いのある。潤い感はよく出る。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。低域は膨らみやすいので重心はなんとなく下に感じるが、重低音が重い感じではなく、その上のフロアタムや弦楽あたりで厚みを出す感じがある。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
普通 やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

普通 普通

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

普通 普通

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

しっとりしている しっとりしている

太いか

(太い/細い)

普通 やや太い

濃いか

(濃い/薄い)

やや濃い やや濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立たない やや目立たない

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや浮き上がりがよい
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)

やや広い

主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや前屈み

 

美点
  1. 高域は清潔で風通しが良い
  2. 中域はほどよい厚みと潤い感が感じられる
  3. 低域は膨らみが良く、弦楽と相性が良い
  4. ボーカルフォーカスが良い
  5. マイルドで聴き疲れしない音質
欠点
  1. 透明感に欠けると感じられる可能性がある
  2. 篭もっていると感じられる可能性がある
  3. 低域のディテール感が抑えめ
  4. メリハリに欠けると判断される可能性がある

 

[高音]:高域はシャープネスは強調しない。しかしシンバルの空気感はそれなりの高さを出し、ギターサウンドも最も先の穂先で爽やかにくすぐるような清涼感がある。タムやスネアも上辺にはスコンスコンとした清潔感がある。ボーカルの子音はサ行含めて強調感は感じないが、少し上に伸びる感じはある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域から中高域では潤い感を感じることが出来る。弦楽やピアノ、ギターエッジに充分な潤い感が出て、シンバルもみずみずしい飛沫を上げる。女声ボーカルは少し媚びる感じがあるが、基本的には中域の真ん中で膨らんで、温かみのある、吐息に絡むような甘味を出す。

[低音]:100hz~40hzまでややボーッとした振動。30hzでかなり沈み、20hzでほぼ無音。低域は少し唸るような膨張感があり、ベースはブンブンして感じられやすく、低域弦楽も少し太めに聞こえる。ドラムの方はキックはやや明るめで、フロアタムも少し膨らみやすく、浮き上がりの良いような、音場を押し上げる感じのある表現に聞こえる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:立体感では低域が広く、高域に向かって細く清潔になるような比較的素直な三角形構造を感じる。ディテールも幅に合わせてより高まっていく感じがあり、自然とボーカルとその上くらいの中高域に焦点が合い、そこからまた清潔に抜けていく(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスはまず、タムとスネアの最上辺は明るく清潔に聞こえ、パスパスという爽やかな感じで浮き上がるが、ボディは厚く出やすいので、鼓面が孤立して聞こえる感じはない。樽形に少し膨らむパッツンパッツンあるいはバッチンバッチンあたりに近く、重さの割に少し明るく感じる。ハイハットはチンチンのあたりはかなり濃く、上はシンシンしてシルキーに高さも出る(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは男女ともに少し豊満でセクシー系の甘味を感じる。息の抜けは清潔だが、少し濡れっぽい感じがある。そのため吐息に若干セクシー女優的な憂いのある甘味が感じられる。ボーカルフォーカスはよいので、一般に埋没感は感じないだろう。

 

【4】官能性「低域が膨らみ気味なのが好みを分けるだろうが、パワフルさはなかなかのもの」

沼倉愛美「Climber's High!」(vs Sabbat X12 Ultra)

Climber's High!

Climber's High!

【GRANBEATで鑑賞】この曲ではドラムがボスンボスンくらいの膨らみが強い感じが好みを分けそうで、ライブ感があると感じる人と、少し締まりが悪く、中域との境目も曖昧にしていてうるさいと感じる人に分かれる可能性があります。これをライブ感と評価できるならば、音場全体に重量感がありながらも、浮き上がりのよい躍動的なリズムが好ましく思えるでしょう。ボーカルは憂いを感じさせるやや懊悩した官能感があり、大人の女性の色香を振りまいて聞こえてきます。中域は潤い感もあってギターサウンドは艶やかに聴けるので、ボーカルのセクシーさをさらに引き立たせてくれる印象があります。最も上の空間は意外と清潔で、風通しが良いので、ボーカルは上には爽やかに抜けていきます。

 

 さて、この曲を、価格帯ではライバルになり得るSabbat X12 Ultraと聞き比べてみます。まずSabbat X12 Ultraのドラムはよりパンチが利いており、バチバチパチパチと火力が強いのにまず圧倒されます。ドラムサウンドの迫力は明らかにX12 Ultraのほうがパワフルで、問答無用でリズムを押し込んできて、世界観に惹き込んでくる魅力があります。このドラムに比べると、ややmifo O5の低域は柔らかくてまだ優しい感じがあります。しかし率直に言って音圧的にはX12 Ultraのドラムはうるさいので、ボーカルはO5のほうが前に出てきてしっかり聞こえてきます。が、セクシー女優的な誘惑の色があったO5に比べるとX12 Ultraのボーカルはより素直に太く深く、力強く切実に歌詞を聴かせてくる感じがあります。その意味でメッセージ性は一般にX12 Ultraの表現の方が高いと思われるかも知れません。

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 最終的には好みになりますから感想を述べると、個人的にはX12 Ultraの表現の方が好みです。ドラムサウンドの楽しさが断然違いますし、ボーカルもよりロックです。

 


Climber’s High!(初回限定盤)(DVD付)

 

Uru「Scenery」(vs Hiyoo A8-C5)

Scenery

Scenery

【Hiby R6 Proで鑑賞】音場に充分な潤い感があるので、こういう湿っぽい曲に充分な風味が感じられます。弦楽音やリズム音に全体的にみずみずしさがあり、音場はやや明るめに充分に波打って聞こえてきます。クライマックスで情感を盛り上げてくれるピアノも充分に透明感が維持されていて、しかも涙に濡れた色をしています。この曲を充分に説得的に表現してくれていると私は評価します。

 

 しかし、解像度はともかく、表現としての奥深さではHiyoo A8-C5のほうが個人的にはわずかに勝るように思われます。まず大きな違いとしては、重低音の深みと重さが異なり、A8-C5はより深いところにどっしりと音を落とし込んで聴かせるので、音場全体の深みが増して聞こえてきます。また好みはあるでしょうが、A8-C5の高域は閉じており、O5ほど開放的でないので、中域に音が充満してより濃くコクのある感じがあり、みずみずしい音がより重く心に落ち込んでくる説得力があります。重厚感で明らかに勝り、よりボーカルに重みが感じられ、説得的に思えます。

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願い (期間生産限定アニメ盤) (Blu-ray Disc付) (特典なし)

 

Rasmus Faber「ハレ晴れユカイ(Jazz Ver.)」

ハレ晴レユカイ(「涼宮ハルヒの憂鬱」より)

ハレ晴レユカイ(「涼宮ハルヒの憂鬱」より)

【Cayin N6II/A01で鑑賞】JAZZを少し明るめに、しかし低域も少し厚みのある感じで聴きたいなら悪くない選択肢です。ドラムやハイハットに潤いと清潔感があるので、ジュワッとしたみずみずしさを出してくれつつ、上では清潔に抜けて爽快な感じがあります。ピアノも同様にツヤッとした音を慣らしつつ、それを滞留させすぎない透明感があってくどさがなく、聴き心地が良いです。音場全てを支える低域弦楽はほどよく厚みがあって、適度に沈殿するような濁り具合がなかなかにムーディーで音楽に深みを出してくれます。

 


プラチナ・ジャズ~アニメ・スタンダード vol.1~

 

【5】総評「JAZZやクラシックをはじめ、そこそこ万能に聴かせてくれます。使い勝手も良いです」

 厚みを出す感じの低域が好きなら、このイヤホンの音はかなり楽しめるはずです。高域は清潔、中域はみずみずしく、ボーカルフォーカスもよく、ほとんど死角を感じません。低域音だけがやや選り好みされそうな膨張感を持っていますが、アコースティックな曲であれば比較的万能に楽しませてくれそうな対応力の高さを感じます。

 スペックや通信品質、ビルドクオリティ的にも高い品質を感じ、全体の完成度は高く思えます。

 

まとめ
  • 清潔な高域、みずみずしい中域
  • スペックも良く、通信品質もかなり安定している
  • 低域は膨らみやすく、好みを分けそう

 

MIFO O5

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン Sabbat X12 Ultra レビュー】インイヤー型で自然で滑らかに溶け込む高域音と重量感のある低域を持つ。とくに活き活きしている低域とともに中域を濃厚に聴きたいなら、おすすめ

Sabbat X12 Ultra

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【1】装着感/遮音性/通信品質「完全ワイヤレスでは珍しいインイヤー型。通信品質はそこそこ安定している」

おすすめ度*1

Sabbat X12 Ultra

ASIN

B07XXWS92S

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

6h/24h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX5

音質傾向

ドラムが楽しい、温もり感がある、中域が濃厚、ウォーム、調和的、音場に一体感がある、ボーカルフォーカスも良い、ライブ感がある、厚みがある、空気感がある、豊か、高域は暗い、マイルド、ボンボン

 ハウジングデザインはIEMのようにカッコイイデザインになっていますが、カナル型ではなく、インイヤー型です。遮音性はカナル型に比べると低めです。

 

 対応コーデックはaptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは新宿駅周辺です。駅構内の改札付近などではほとんど途切れはありませんでしたが、新宿くらいの繁華街を歩いているとかなり途切れます。バスターミナル付近でもかなり途切れます。

 QCC3020を搭載している機種で、私の環境の場合接続当初などに通信の乱れが見られます。時間が経つと通信品質が安定してきます。

 この機種はQCC3020搭載の機種としては通信品質は普通かやや劣るくらいに思います。価格帯全体では標準くらいでしょう。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、Cayin B6II/A01で行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「充電ケーブルはType-Cです」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書です。

 

 

Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra

 

【3】音質「低域はかなり厚みと重みを出し、温かみもあるが、インイヤー型のせいか篭もる感じは強くない。中域が濃くて実体感のある音楽が魅力。高域のディテールは一般に抑制的」

 音質はまず、低域にかなり量感が持たせられており、ドラムサウンドはかなり分厚く、重く、ブーム感もある音になります。バランス的には支配力が強いですが、インイヤー型のせいか低域音が中域以上に滲み出る感じは強くなく、低域の量感の割には中域は清潔です。しかし、中域は清潔系とは言いづらく、人によっては低域の支配力の強さから篭もっている印象を受けるかも知れません。一方、ロックやJAZZ、クラシックにライブ感を求める人には楽器音の胴鳴りや部屋鳴りが適度に感じられて、音に生々しさを感じると思われます。

 さて、その低域が支える中域に意識を移すと、こちらは高域方向がインイヤー型独特の空間に溶け込む感じがあるために、フォーカスが当てられて濃いコクのある音が聞こえてくるのが分かります。低域との繋がりもよいので音に深みがあり、実体感が感じられ、音像の底辺が安定感のある形で描き出されていることが分かります。発色は強めで音は濃いですが、輪郭は適度に溶け込むように表現されるので、個々の音が全体像の中に調和的に収まる形になっています。ソフトタッチなところはありますが、音がぼやける感じはあまりなく、艶やかな中高域が低域に沈んでいくリアルな空間表現があり、音が空間に浮き上がるようなデジタル的な音響ではありません。音に孤立感のないナチュラルな表現を愛する人にはなかなか魅力的なイヤホンに映るでしょう。たとえばピアノは中高域で艶やかな透明感をキンキンさせずに出した後、その余韻が重力に従って空間に溶け込みながら、下に沈み込んでいくリアリティが感じられます。

 一方で高域音はディテールの強調は抑えめになります。EDMやテクノなどのデジタルな音楽を楽しむ場合、高域はおとなしすぎると感じるかも知れません。一方で光沢はほどよく、シャープネスはかなり抑えて透明度を重視した音響になっているので、中域の充実感を好むリスナーには温和で聴き心地の良い高域音で、自然な奥行き感を感じることが出来ると思います。この高域は中域に自然なコクと温度感を閉じ込めるように閉じて聞こえるので、どちらかといえばアコースティック系のサウンド表現と相性が良いでしょう。

 

 総合すると、まず低域の量感が多めなので、低域が強い感じが苦手な人には向かない可能性があります。また音の輪郭は緩く、空間に濃厚感が出るので、清潔な音を好む人にもやや濃すぎる音に聞こえるでしょう。高域のディテール感も抑えめで、高域音に高さや爽やかさ、シャープネスを求める人にも向きません。どちらかといえばJAZZやクラシック音楽をホールで聴くような自然な立体感を求める人向きで、EDMやロックも楽しいですが、どちらかといえばライブ感重視になります。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
鮮やか。中域は濃厚で、低域も厚みがあり、活き活きしている。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

鈍い。一般的に音に鋭い感じはない。
明るさ
(明るい/暗い)
普通。中域が華やかで、自然光くらいの明るさがある。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。高域で輝きを強調されないが、中域に濃厚感があり、音に自然な華やかさがあり、色味も少し濃い。
硬さ
(硬い/柔らかい)
柔らかい。基本的にソフトタッチな出音である。
尖り
(尖っている/丸みがある)
丸みがある。音は丸く、空間に溶け込むように聞こえ、調和的。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
普通。音像は丸みがあり、自然な重力感もあるので安定感が強いが、中域は発色が濃く、やや派手で音の密度は高く思えるかも知れない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。音に充実感があり、密度感は充分。アタックで押し込んでくる感じではないが、腰を据えて音をじりじり押し込むようなパワフルさのある音響。
豊かさ
(豊か/貧弱)

豊か。中域の情報量と音の広がりがよく、低域も充分に豊満でありながら、インイヤー型独特の抜けの良さがあるせいか、ボワつきは少なめ。

太さ
(太い/細い)
やや太い。全体的に音が太め。とくに低域は豊満に感じる。
手触り
(ざらざら/滑らか)
滑らか。全体的に音の質感は滑らかに感じる。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや粗い。輪郭は溶け込みながら聞こえるので、粒が細かい感じではない。
清潔感
(澄んだ/濁った)
濁っている。空気感が強め。
潤い
(潤いのある/乾いた)
潤いのある。潤い感は強め。
重さ
(重い/軽い)
重い。低域の重みは強めなので、重心は低く感じるだろう。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや濁っている やや濁っている

明るいか

(明るい/暗い)

普通 普通

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

普通 やや天井感がある

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

しっとりしている しっとりしている

太いか

(太い/細い)

やや太い やや太い

濃いか

(濃い/薄い)

濃い 濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立たない やや目立たない

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
天井感がある
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)

広い

主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
前屈み

 

美点
  1. 全体的に温度感が高い
  2. 低域に重量感があり、温度感も高めでライブ感がある
  3. ギターサウンドがきれい
  4. ドラムサウンドが楽しい
  5. 中域にコクと甘味があり、発色も濃い
  6. 高域は空間に溶け込むように閉じており、マイルド
  7. 潤い感がある
欠点
  1. クリア感に欠ける
  2. 篭もっていると感じられる可能性がある
  3. 低域支配力が強い
  4. 女声ボーカルは少し暗い

 

[高音]:高域はインイヤー型独特の空間に溶け込むような抜け方をしており、丁寧に閉じられているため、中域によりフォーカスされやすくなっている。中域に充分な濃さとコクが感じられる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域はやや太く、ボーカルは中域の真ん中で充分に近く、甘味もある。中域はやや低域の空気感が滲み出しており、空間は清潔というよりは濃厚で、ギターには黒みのある熱気が乗り、ドラムサウンドも胴鳴りがしっかりしているのでボディに実体感があり、低域まで音がつながっている立体感がある。人によっては楽器音がややぼんやりとして感じられる可能性はあるが、音は充分に濃い。

[低音]:100hz~40hzまでややビーッとボーッの間くらいの厚みのある振動。30hzで沈み、20hz以下でほぼ無音。低域はベースやフロアタム、バスドラキックが重く広がる感じがあり、ブンブンしたブーム感は感じやすいはず。ベース音は暖かみが強い。ドラムの胴鳴りも明確で、音が沈むリアリティを求める人には好ましいだろう音。低域弦楽はボヨンと弾力と広がりのある音を鳴らし、音場にかなりの深みと重み、沈み込みをもたらす。全体の中では低域のリアリティが重視されている(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:重みと空気感のある低域が全体の音場を下支えし、中域は濃厚、高域は閉じている感じの、ホールのような音響を実現している(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは胴鳴り感がやや強めで、タムやスネアの上辺は粘って下に沈んでいくような革張り感が出て、バツバツしている。下方向に重量感が感じられる生々しい音で、バスドラは充分にズドンズドンしてくれる。重めのバズンバズン。ハイハットはチンチンしたあたりを少し角を取ってマイルドに聴かせる、耳に優しい音(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは男女ともにコクがあって濃い。男声ボーカルは深みもあって、渋みも充分に感じられる。中域でも力強くフルボディでしっかり聞こえてきて、ディテール感が良い。女声ボーカルは高域方向で閉じていく感じがあるので、媚びはやや抑えられ、若干暗く聞こえるかも知れないが、中域でドシッと重みを出して聞こえくるので、まっすぐこちらにメッセージを伝えてくるような力強さがある。コブシの利きは良い。子音はあまり強調されないが、ボーカルは近いので一般に歌詞は明瞭である。

 

【4】官能性「重力が感じられる、生々しいライブ感のある音が好きならおすすめ」

KANA-BOON「まっさら」(vs SoundPEATS Truengine SE)

まっさら

まっさら

【GRANBEATで鑑賞】この曲みたいなロックをドラムとギターの熱気中心にライブ感重視でたのしむならおすすめです。ギターはしっかり胴鳴りして音に黒みを出しつつ、エッジもジュワジュワとみずみずしい感じで実体感と生気感があり、バスドラムも温かみのあるベースとともに熱気の篭もった床面を作ります。ボーカルはやや熱に浮かされた感じがあり、コクも感じさせてくれるので、ボーカルがやや薄味気味のこの曲でも充分に埋没しません。

 

 さて、同じ価格帯の人気機種、SoundPEATS Truengine SEと聞き比べてみます。まず高域が閉じた感じがあり、低域にライブ感もあるのも似ていますが、明らかにSabbat X12 Ultraのほうが低域に量感があるので、音の実体感で勝る感じがあり、ドラムやギターの音の沈み込みや重力のリアリティは高く感じられます。一方で、SoundPEATS Truengine SEのほうが輪郭がしっかりしている感じがあり、音はより緻密に丁寧に聴かせてくれる感覚があります。またこの曲のやや薄味なボーカルはSabbat X12 Ultraでは埋没気味に聞こえましたが、Truengine SEではディテールがより明瞭に聞こえます。

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 音の質感としてはとくにギターサウンドを聴けば、X12 Ultraにはみずみずしさがあり、ボーカルも若々しい感じが強いですが、Truengine SEは全体的にドライで潤い感に欠ける印象は受けるかも知れません。

 

 で、この曲に関する限り、私の好みなのはSabbat X12 Ultraのほうです。よりライブ感が高く聞こえます。また私は一般的に潤い感のある音を好みます。

 


まっさら (通常盤) (特典なし)

 

藍井エイル「月を追う真夜中」(vs AUKEY EP-T10)

月を追う真夜中

月を追う真夜中

【Hiby R6 Proで鑑賞】まずこの曲の躍動的なドラムサウンドに量感もたっぷりによくフォーカスされるので、熱気のあるパワフルなドラムサウンドを楽しみたいなら有力候補です。低域支配力は強く、ボーカル近くまでその熱気がせりあがってきている感じはあるので、人によってはやや圧迫感を感じる可能性はありますが、そのボーカルにも良くフォーカスされ、声色も充分にみずみずしくて若々しく、コクもあるので、埋没感はありません。ギターや弦楽は潤い感のある音で根立ち良く上に向かって力強く、高さを強調しすぎないので、その風味が飛んでしまう感じもなく、自然に空間に充満する雰囲気があります。音の密度感は高めでやや聞き疲れしやすいところはありますが、ライブ感のある音はなかなか説得的です。

 

 さて、同じようにロックな音を奏でるAUKEY EP-T10と聞き比べてみます。まず音響バランス的にはEP-T10はドラムよりはギターとボーカルによりフォーカスを当てており、同じように躍動的で熱気のあるドラムを聴かせてくれるにしても、そのパワーはやや抑えめで、どちらかといえばギターの伸びのほうが明瞭です。高域の閉じた感じは似ていますが、中高域がより前面に出ているために、ハイハットはより刻みを強調して前に出てきますし、ボーカルも少し媚びて伸びていきます。Truengine SEの時とは異なり、EP-T10はみずみずしさもそれなりに出してくれるので、潤い感に不足を感じることはないでしょう。全体的にX12 Ultraよりはもう少し明るい感じになっています。

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 ドラムの重量感は抑えられるので、より中域以上のシンバルとギターにフォーカスして聴きたい場合、EP-T10は比較的魅力的な選択肢になり得ます。ドラムを量感強めにしっかり聴きたいなら、X12 Ultraのほうが満足度が高いでしょう。

 


月を追う真夜中 (期間生産限定盤) (DVD付) (特典なし)

 

ALL THAT JAZZ「となりのトトロ」

となりのトトロ

となりのトトロ

【Cayin N6II/A01で鑑賞】JAZZをちょっと濃厚感を感じながら聴きたいならおすすめできます。まず低域ですが弦楽がしっかり重みを出して沈み込んでくれるので、床面がしっかりブンブン熱気を感じさせてくれ、充実感があります。ピアノ音は明るさを出しながらキンキンせず、音に深みがあり、シンバルも温かみがあって調和的です。何よりボーカルが甘くコクを出して聞こえてきます。低域弦楽の活きの良さが音楽空間全体を暖め、躍動的にし、楽しませてくれます。

 


ジブリ・ジャズ

 

sora tob sakana「ささやかな祝祭」(vs Klipsch T5)

ささやかな祝祭

ささやかな祝祭

【Cayin N6II/A01で鑑賞】低域の床面に厚みとリアルな胴鳴り表現があって充実感に満ちており、こういう曲もスカスカせずに楽しめます。ぶっちゃけこの曲は金管音と弦楽音、ドラム音に幅が出ないと個人的には楽しめないので、このイヤホンの音がどストライクに近いです。

 

 たとえば同じように温かみのある音で、よりバランスの良い感じのKlipsch T5だと雰囲気は悪くない感じがありますが、いまいち低域に厚みが足りず、ちょっと中域が間延びした感じで聞こえてきて、悪くはないけど、足場にちょっと物足りない感じがあります。ムード感自体は悪くないですし、中高域音のディテールはT5はきれいに聴かせてくれますが、X12 Ultraの表現に比べてライブ感に乏しく、臨場感に欠け、ライブ中継かなんかで楽しんでいるくらいの距離感を感じます。

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sora tob sakana/ささやかな祝祭 (通常盤)

 

【5】総評「ライブ感のある音を求めているなら、検討に値します」

 インイヤー型なので遮音性は高くありませんが、デザインや使い勝手は良く、所有欲を満たしてくれるところがあります。カラーリングも豊富です。音質は低域強めですが、半開放で音の圧力は適度に抜けて輪郭も優しく自然に聞こえるので、音の聞こえ方に生々しい感じがあります。ライブ感重視の人には魅力的に映るのではないでしょうか。スペック的にも充分です。

 

まとめ
  • 低域が深く重く力強い
  • 濃厚感のあるサウンド
  • インイヤー型

 

Sabbat X12 Ultra

Sabbat X12 Ultra

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン Klipsch T5 レビュー】やや温かみのある空気感の中で、艶やかで情熱的な音を丁寧に聴かせる。全音域に配慮したフラット系。おすすめ

Klipsch T5

Klipsch T5

Klipsch T5 TRUE WIRELESS トゥルーワイヤレスイヤホン完全ワイヤレス

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「コンパクトで装着感は良い。通信品質は安定している」

おすすめ度*1

Klipsch T5

ASIN

B07QXLQT34

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

8h/32h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX4

音質傾向

ギターがきれい、温もり感がある、高域が詳細、キラキラ、ウォーム、ドシドシ、調和的、音場に一体感がある、ボーカルフォーカスも良い、ややデジタル、適度な膨張感

 独特のハウジングデザインで、Klipschっぽいノズルが尖った感じがあり、耳に深く入る感じです。遮音性は悪くありません。

 

 対応コーデックはaptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは某関東ターミナル駅周辺です。駅構内の改札付近などでは途切れはありませんでしたが、街中を歩いていると少し途切れが見られました。バスロータリー付近でも少し途切れます。

 QCC3020を搭載している機種で、私の環境の場合接続当初などに通信の乱れが見られます。時間が経つと通信品質が安定してきます。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、Cayin B6II/A01で行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「充電ケーブルはType-Cです」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書です。

 ONZOのサブスク版なので付属品が異なる場合があります。ONZOのサービスについて興味がある方は以下を確認下さい。

www.phileweb.com

www.onzo.co.jp

 

 ノズル形状は特殊で付属イヤーピースも特殊なデザインのため、イヤピの自由度が気になっていましたが、結構自由度は高いです。

 

Klipsch T5Klipsch T5

 

【3】音質「やや暖かみのある充実感の中で、中域上から中高域あたりをややフォーカスして聴かせる感じがあるが、基本的にはフラットに全音域に配慮されている」

 音質はギターの付近にフォーカス感があり、アコースティックギターは結構前面に出てきて聞こえてきます。空間は完全な透明感を目指しておらず、わずかに空気感があるために音場に人肌くらいの温もりが感じられます。ボーカルフォーカスも良く、とくに女声ボーカルはギター音やスネア・タムあたりにほどよく包まれながら、適度に前に出てきてくれます。

 低域から中域までがやや暖かみを感じさせるのに対し、高域はやや爽やかにさっぱりして抜けていく感じがあります。たとえば弦楽は上では少し筋立ちを強調して細くなって抜けていく感じが出ますので、人によっては少しヒステリックに感じるかも知れません。ボーカルの子音も強調感があって、ソフトタッチで透明感もあるわりに、高いところではツ音や息遣いにややディテールの強調が出ます。口の運びを明確に感じる一方、人によっては少し滑らかさに欠けるという印象を持つかもしれません。

 低域と中域の境目は少しゆるやかでライブ感を出しますが、人によっては篭もっている印象を受けるかも知れません。低域自体は印象に比べると案外透明度があり、バスドラキックやベースの音が鮮やかによく聞こえますが、温度感も強いので少しほの暖かい感じで聞こえます。意外と低域の支配力は強いようで、音の重心は少し下がっていくような、安定感のある音響に聞こえやすいです。

 低域の暖かみは中域に滲み出す感じがあり、清潔さを少し減少させ濃厚感を演出しているので、好みを分けるところはありそうです。ドラム表現に暖かみを求める人には、ディテールもほどよく、満足できる低域でしょう。低域弦楽も透明に寄せている感じですが、膨らみがあり、ボンボンと空気を伝わる生々しさも維持されています。JAZZに空気感を求める人にも好まれそうな出音です。低域の量感は多くなく、小音量ではやや厚みが足りなく思える可能性はありますが、音場全体に適度な深みをもたらしており、音には安定感があります。

 

 総合すると、やや中高域以上でデジタルな感じや少しシャープネスを強調するような細い感じがありますが、基本的にはほどよい暖かみの中でライブ感を大事にしつつ、全音域にほどよくディテールをまぶしたモニター的な音になっています。低域が中域に少し滲み出すところがあるせいで、濃度感がわずかに強いところもあり、低域のディテールや中域に鮮明さを出すのに音量を必要とするところはあります。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
鮮やか。中域から中高域にかけては充分に鮮やか。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。全体的に柔らかい音に見えて、高域では意外とシャープネスを強調する感じがある。
明るさ
(明るい/暗い)
やや明るい。中高域で少し明るめで自然光よりは少し明るいくらいの音場に感じる。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域以上で少し鮮やかさを強調し若干派手めに聞こえる。
硬さ
(硬い/柔らかい)
普通。音に手応えはあるが、硬い感じはない。
尖り
(尖っている/丸みがある)
普通。前述のように意外と音に鋭いところはあるが、輪郭の鋭さで、エッジの尖りという感じではない。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや穏やか。全体的に温和な空気感があり、適度な暖かみの中で音を聴かせる。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。低域は厚みのあるライブ感があり、一点で力点を強調するよりは全体的にやや押し出し感のある感じである。ダイナミックさは抑え気味に聞こえ、やや穏やかに聞こえるが、押し出し感を感じると、印象よりはもう少しパワフルかも知れない。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや豊か。全体的に音に一定の太さがあり、適度に膨らむ実体感がある。音の情報量も多めである。空間も少し濃厚。

太さ
(太い/細い)
普通。高域の高いところで少し細くなる傾向があるが、基本的には音に一定の太さがあり、低音は少し膨らむくらいである。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。全体的に音の質感は滑らかに感じる。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや細かい。金管やシンバル、弦楽は少し上で細い感じがあり、アコースティックギターもやや刻みが細かく粒立ちが少し強めに感じられる。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや濁っている。低域の熱気が中域に滲み出す感じがあり、空気感がある。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いている。ややドライである。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。わずかに低域に向かって重心を感じ、音が緩やかに下がっていく感じがある。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや濁っている やや濁っている

明るいか

(明るい/暗い)

やや明るい やや明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか やや伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

普通 普通

濃いか

(濃い/薄い)

普通 やや濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)

やや広い

主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや前屈み

 

美点
  1. 全体的に適度な温度感がある
  2. 適度に前屈みでボーカルフォーカスは悪くない
  3. ギターサウンドがきれい
  4. 全音域に適度なディテール感がある
  5. ライブ感がある
  6. 全体的に音に適度な太さがあり、鮮やかさもある
欠点
  1. クリア感に欠けると感じられる可能性がある
  2. 篭もっていると感じられる可能性がある
  3. 音が乾燥して感じられやすい
  4. 曲によっては低域は膨らみやすい

 

[高音]:高域の上の方はマイルドに抜けていく感じがあるが、ハイハットは結構高さを感じ、弦楽も少し筋立ちを出しながら上に伸びる感じがある。人によってはわずかにボーイングが強く、ギシギシしているように感じるかも知れない。ボーカルも少し上に伸びる感じがあり、子音は強調されやすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域上から中高域あたりに強調感があり、とくにギターは良くフォーカスされ、曲によってはボーカルよりも目立つかも知れない。中域は奥行き感が適度に持たせられているが、強調感はなく、少し空気感と鮮やかさを出しながら、音をソフトタッチで聞かせる。音には充分な太さがあり、実体感がある。

[低音]:100hz~40hzまでややボーッという感じの厚みのある重い振動。30hzで沈み、20hz以下でほぼ無音。ベース音が鮮やかでキックもやや濃い感じで深さを感じるが、暖かみも少し強いので人によってはぼんやりして感じられるかも知れない。低域弦楽や低域管楽も少し膨らんで聞こえてくる。音量を上げるとベースの輪郭がはっきりしてきて、明瞭感は増してくるだろうが、低音量だとややぼんやり具合が強いかも知れない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:ディテール的には低域はやや抑えめで、中高域に自然と音楽的な焦点が作られるようになっている。音は少し沈んでいく感じはあり、重心は低めで安定感がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:スネアのパリパリ感は結構出て、上辺でバチバチとした粘りを感じるが、少し膨らみながら聞こえる感じがあり、フロアタムがやや豊満に出やすい。少し重いバツンバツン。ハイハットは高さもそこそこ出しつつ、チンチンしたあたりに強調があり、濃い感じである(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは女声のほうが前に出てくる。男声ボーカルはつややかで自然な甘味はあるが、どちらかというとドライで子音は少し強調されている。女声ボーカルは男声よりはもう少し甘味が強く、上に少し伸びやすい感じではあるが、媚びた感じは強くなく、意外と情緒は安定して聞こえる。

 

【4】官能性「適度に詳細ながら、情熱と品格を感じさせるバランス感覚のあるサウンド」

Arty McGlynn「Jigs: The Humors Of Kilclogher」

Jigs: The Humors Of Kilclogher

Jigs: The Humors Of Kilclogher

【Cayin N6II/A01で鑑賞】ギター曲です。これまでT5はどちらかというとドライ、という話をしてきたと思いますが、この曲のようにギターだけのサウンドに集中してみると、充分な潤い感と立体感、そして温もりが感じられます。充分な煌びやかさと胴鳴りの沈む音も感じられ、深みのあるサウンドを味わわせてくれます。アコースティックギターのツヤのある音は本当にうまいと思いますね。

 


Masters of the Irish Guitar

 

Snail's House「なつまつり」

なつまつり

なつまつり

【Cayin N6II/A01で鑑賞】まず音場全体に適度な暖かみがあり、この曲のノスタルジックな温度感を丁寧に感じさせてくれます。高域の電子音はくっきりとしており、ディテールの集中があり、鮮やかに聞こえる一方、ピアノ音から下の方は徐々に柔らかいディテールになっていき、低域は温度感を増して祭りの熱気を感じさせてくれるように暖かみがあります。ほの暗い夕刻に、祭りの提灯の明かりだけ少し鮮明な中、行き交う人が暗がりでひしめいている、独特の明暗のあるノスタルジックな情景が目に浮かびます。人肌の温度感があるサウンドが、生々しい人々の息遣いの篭もった存在感を感じさせてくれるようです。

 


Love Magic

 

LiSA「一番の宝物 ~Yui final ver.~」

一番の宝物~Yui final ver.~

一番の宝物~Yui final ver.~

【Cayin N6II/A01で鑑賞】この曲ではギターの繊細な表現が鮮やかです。温もり感があるので、ボーカルには生々しい感情がのっており、フロアタムもそのボーカルを支えるような膨らみを出して、上に優しく押し上げます。弦楽はややヒステリックに高さを強調しますが、それがまた感情の高ぶりを感じさせてくれ、音場全体に充分な温もり感がありながらも上では気持ちが抜けていく、高い空が感じられます。音楽の重心は低く、地に足が付いた安定感がありながらも、サビでは楽器音すべてが上に向かい、高い空の星空の輝きに吸い込まれていくような、静かな突き抜け感を感じさせてくれます。

 ただし、私の好みよりはわずかにボーカルが明るすぎて、上で子音を強調するのが少しだけ気になります。

 


一番の宝物~Yui final ver.~(DVD付)【完全生産限定盤】

 

Kimii「ikanaide」

soundcloud.com

【Cayin N6II/A01で鑑賞】高域の粒立ち感はしっかりしており、緻密な明るさを感じさせてくれつつ、中域から低域にかけては少し熱量感のあるダンスフロアが広がっており、深みと適度な重みを感じさせてくれます。中域のピアノ音や弦楽音は艶やかでありながら、しっかりと低域とつながって深く沈む感覚があり、明るく詳細で明瞭感のある高域音と適度な対比を見せつつ、一方で全体像は適度に一体的な空気感に包まれて、わずかに熱狂するダンス空間が展開されています。ディテール感を丁寧に出しつつ、適度にノスタルジックで馴染んでくるような音は、テクノの電子音に沁み入るような深みを与えています。

 

【5】総評「音の完成度は高く、デザインも秀逸です」

 正直に告白します。T5について、私はこれまで必ずしも高い評価を与えていたとは言えません。Klipsch好きではありますが、この機種の音はどことなくデジタルで、優美で自然な、いつものKlipschサウンドとはわずかに異なる匂いを感じていました。しかし、実際静かな環境で聴き込んでみると、高域のちょっと輪郭が高めのデジタルな音を、適度な温もり感の中で印象づけて聴かせるバランスはなかなかに感動的で、またギターサウンドの艶やかさに心打たれました。

 それでも独特のノズルが使いづらいかも知れないと思っていましたが、実際試してみると、イヤーピースの自由度も低くないことがわかりました。そうすると、思ったよりも完成度が高いということが見えてきて、これはむしろおすすめ度が高くなりました。

 

まとめ
  • ギターサウンドが素晴らしい
  • コンパクトでかっこいいデザイン
  • イヤーピースの自由度も低くない

 

Klipsch T5

Klipsch T5

Klipsch T5 TRUE WIRELESS トゥルーワイヤレスイヤホン完全ワイヤレス

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【aptX対応Bluetoothレシーバー JVC SU-ARX01BT レビュー】音質はかなり完成度が高く、なかなかBTでは出しづらい奥行き感を出すことができる。通信品質はそれほどでもない。おすすめ

JVC SU-ARX01BT

JVC SU-ARX01BT

JVC SU-ARX01BT ワイヤレス リケーブル CLASS-S 高音質化技術 K2テクノロジー搭載/Bluetooth・NFC対応/連続7時間再生/MMCX端子採用

 

 

【導入】免責事項と何のためのレビューかについて

 そもそもこの記事はWestone B50のレビュー記事の続きみたいになっております。B50の記事を読んで頂けると分かるのですが、付属の純正Bluetoothケーブルについては比較対象がなかったので、保留としました。つまり、このSU-ARX01BTのレビューは、B50付属のWestoneの純正Bluetoothケーブルがどの程度の性能なのかを比較して明らかにするレビューでもあるということです。

www.ear-phone-review.com

 

 またこのレビューで用いるSU-ARX01BTはONZOのサービスを使っています。したがって、ONZOのサブスク版なので付属品は割愛します。ONZOのサービスについて興味がある方は以下を確認下さい。

www.phileweb.com

www.onzo.co.jp

 

 では前置きはこれくらいにして、早速レビューしちゃいましょう。

 

【外観&スペック】ネックバンド式&端子はmmcx

 まず軽く外観を紹介しますが、この機種はネックバンド式です。ネックバンド式なので、首回りにべたっとひっつく感じがありますが、ケーブル型に比べると装着感は相対的に安定感が出ます。

 ケーブルコネクタ端子はmmcxです。

 

 連続再生時間は約7時間です。これは最近のワイヤレスイヤホンのスペックからすると物足りないかも知れません。Westoneの純正ケーブルのほうは8時間で大差ありません。

 

 

【通信品質】最近のBluetoothイヤホンの接続性にはやや劣る可能性があります

 対応コーデックはaptX/AAC/SBCです。

 通信品質は関東某ターミナル駅周辺で行いました。比較用としてWestoneの純正BTケーブルも用意して、どっちもaptX接続でテストしました。まずWestoneの純正ケーブルに比べると通信品質はわずかに劣り、人が多いところでは途切れやすいです。駅の改札付近ではそうでもないですが、通信混雑しやすいバスロータリーや大通りの交差点などでも通信が乱れやすいです。

 Westoneの純正Bluetoothケーブルもほとんど同じ感じなのですが、より途切れる場面が少なく思えました。なお、最近発売されたワイヤレスイヤホンの方がこれらより通信品質は高めで、格安中華の完全ワイヤレスイヤホンでもこれより通信品質に優れた機種があります。たとえば、同時にテストしたEphram K7のほうが通信品質は優れていました。

 

【音質】K2テクノロジーの効果は意外と体感できるレベル

 音質ですが、この機種にはK2テクノロジーが搭載されており、スイッチでON/OFFできます。で、今回のレビューはK2テクノロジー込みで行っていますので、まずK2テクノロジーの効果について解説します。

 K2テクノロジーをONにすると、音の質感が滑らかになり、音の輪郭にアンチエイリアスがかかるような感覚があります。音の透明感と空間の静寂感が増したように感じる反面、音のシャープネスは若干抑えめになるように感じるので、激しい曲調の曲では、少し出音がマイルドになった印象を感じるかも知れません。どちらにしろ毛羽立つ感じが減り、音の輪郭付近に立体感が感じられるようになります。

e-words.jp

 

 この音質がどの程度なのか確認するためにWestone純正Bluetoothケーブルと聞き比べて見ます。同時に聞き比べをしたいのですが、mmcx端子の同じイヤホンを2本用意できなかったので、音の傾向が比較的よく似ている、Westone W40(旧モデル)とWestone B50を用意して、各ケーブルを2台のSONY NW-A55に同時に繋ぎ、数曲で交互に繋ぎ直して、違いを見ました。

 で、比較対象のWestoneのほうですが、K2をONにしたSU-ARX01に比べると輪郭が荒っぽく、音も毛羽立ちがノイジーに感じられるので、解像度は落ちて感じられ、音楽が若干平面的に感じます。

 

 私の感覚では結構違うなという印象を受けたので、よりよい音にこだわるならJVC SU-ARX01BTをおすすめしますが、実際上どこまで明確な音質差かというと、Westoneのほうがところどころノイジーに感じる以外はそれほど差が無いように思うので、デザインや通信品質で選んでも問題ないと思います。Westoneのほうも私は特に不満を感じないレベルですので、充分にアリです。

 

 

【総評】スペックや通信品質的には物足りないが、音質にこだわるなら注目です

 ぶっちゃけスペックは2019年11月の時点では優秀じゃありませんが、音に透明感を求めるならこのBluetoothケーブルは検討に値すると思います。ただしお値段も高めなので、コスパが良いかというと微妙です。比較対象のWestoneの純正BTケーブルは13000円くらいなのに対し、こちらはほぼ2万円です。

 

JVC SU-ARX01BT

JVC SU-ARX01BT

JVC SU-ARX01BT ワイヤレス リケーブル CLASS-S 高音質化技術 K2テクノロジー搭載/Bluetooth・NFC対応/連続7時間再生/MMCX端子採用

 

 

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【完全ワイヤレスイヤホン TRN T200 レビュー】粒立ち重視で清潔感もある、チャリチャリシャリシャリ高解像度系イヤホン。QCC3020搭載で通信品質は高め。おすすめしたいが、使い勝手にクセがある

TRN T200

TRN T200

TRN T200 Bluetooth 5.0 高解像度ワイヤレスイヤホン ハイブリッド イヤホン 1BA+1DD 搭載 CVC8.0ノイズキャンセリング IPX5レベル防水機能 AAC aptx 対応 左右独立型 完全ワイヤレスイヤホン (ブラック)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「付け心地は良い。通信品質も安定している」

おすすめ度*1

TRN T200

ASIN

B07Z8PDJBK

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

7h/24h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX5

音質傾向

ドンシャリ、シャリシャリ、カリカリ、チャリチャリ、サクサク、アタック感がある、透明感がある、光沢感がある、爽やか、清潔、澄んでいる、のびやか、ドライ、子音が尖る、サ行が刺さりやすい、薄味、繊細、ミニチュア的

 IEMに似せたデザインで耳への装着感は良好です。遮音性もそこそこあります。

 

 対応コーデックはaptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは某関東ターミナル駅周辺です。比較的通信品質は安定していましたが、駅の改札付近では途切れが見られました。バスロータリー付近や人の多いところでも途切れが見られましたが、価格帯では通信品質は高めです。

 通信チップはQCC3020です。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、SONY NW-A55で行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「動作が不安定」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Micro-B)、専用充電ケース、説明書。

 

挙動の個体差が大きい

 私がハズレ個体を引いた可能性もありますが、私の個体ではまず接続すると必ず自動で曲再生が始まるという謎仕様になっています。また不定期に曲停止や曲送りが勝手にされることがあり、非常に動作が安定しない印象を受けます。

 なお私の個体の場合、この症状はHiby R6 Pro、Cayin N6II、SONY NW-A55で確認しましたので、おそらくプレーヤー側の問題ではなく、完全にこのイヤホン固有の問題と思われます。

 ほかに確認された不具合としては、接続時に音量が勝手に0になる、右長押しで音量アップの操作しているとなぜか左耳からひどい電子音がして再生が止まるといったものがありました。後者の音量バグは再現率が低く、条件がよく分かりません。

 

 またTwitter上で他のユーザー様から情報提供を頂いたのですが、私の個体と使用感にだいぶ差があるらしく、私の方では発生していない、音量操作をしようとすると問答無用でアシスタントが起動してしまう不具合があるようです。私と違って自動で曲停止することはカーオーディオに繋いだとき以外はないということでした。

 iPhoneユーザーの方なので、もしかするとiOS機器にAAC接続だと安定するのかも知れません。

 

 

TRN T200TRN T200

 

【3】音質「シンバルに執着しているドンシャリです」

 音質はかなり高域の高いところに強調があるようで、清潔感と高さ重視の音に聞こえます。とくにシンバルは非常に目立ちやすく、高いところのシャンシャンまで派手に白く輝いて聞こえるので、大抵の曲で主役のように聞こえます。ボーカルのサ行も強調が見られますが、こちらは思ったより刺さっては来ない印象です。それでも人によってはやや刺激が強すぎる感じがするでしょう。ボーカルは清潔系で若干色味が薄く、澄んだ感じになりやすいので、とくにシンバルが強い曲では埋没しやすいかも知れません。金物は明るく目立ちやすく、ディテールも詳細に感じられますが、そのせいで音楽全体がミニチュア的に感じられるところがあります。

 弦楽はやや細く、少しヒステリックに伸びやすく、ボーカルも少し横幅が足りない感じで、やや苦しいくらいに伸びる感じがあります。子音に強調があり、妙にスーハーした感じもあるので、清潔ですが、ふっくらしたところがほとんどないので、ちょっと不自然で親しめないところはあります。若干切れ切れで息苦しい感じもあるかも知れません。また繰り返しますが、人によって刺さる印象があるかも知れません。

 リズム表現はタムやスネアの上辺がキレよく目立つアタックの良い聴かせ方をするので、ノリはよく楽しく感じられます。中域より下は清潔系の音になっているので、バスドラも薄味ですが、それなりに目立ってくれて深さを感じさせてくれます。ただし高域が目立ちすぎて、あんまり縦軸で楽しい感じではないので、ワイドレンジな味付けをしたかったんでしょうが、あまり成功しているとは言えない気がします。

 空間が清潔なので、ボーカルへのフォーカスは悪くありませんが、基本的に後退してます。

 

イヤーピース考察

 音質が若干派手なのが気になったので、イヤーピースもいろいろ試してみました。手持ちではAZLA SednaEarfit Shortにすると、低域に張りが出て、高域の派手さもほぼそのままにバランスが取れたドンシャリに聞こえました。元々のドライな風味を生かして聴くならこれはありだと思います。ケースにもギリギリ収まります。逆に中域の不足を改善させたい場合はケースに収まる範囲ではfinal E Violetが良かったですが、中域に厚みが出るのはよいとして、高域の派手さが失われる感じがあったので、少し物足りなく思うかも知れません。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
鮮やか。シンバルの空気感がかなり目立ちます。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

鋭い。シンバルのエッジがかなり刺さってくる感じがあります。
明るさ
(明るい/暗い)
明るい。異様に明るい。
派手さ
(派手/地味)
派手。派手なシャリシャリ感が目立ちます。
硬さ
(硬い/柔らかい)
硬い。音は鋭く硬く、金属的に聞こえやすいです。
尖り
(尖っている/丸みがある)
尖る。エッジは鋭いです。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
騒々しい。とにかくシンバルが(以下同)。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや嫋やか。やたらシンバルが目立ちますが、音が細いので力強い印象はあまりありません。ただし攻撃的です。
豊かさ
(豊か/貧弱)

貧弱。とにかくシンバル含め高域での細さが目立ちやすいです。

太さ
(太い/細い)
細い。全般的に針金細工のような音楽です。
手触り
(ざらざら/滑らか)
ざらざら。シンバルが妙に鋭角的でザラザラして感じられやすいです。ボーカルも少し潤い不足でカサカサしてます。
粒感
(きめの細かい/粗い)
細かい。シンバルは詳細です。
清潔感
(澄んだ/濁った)
澄んでいる。過剰に清潔な印象を受けます。
潤い
(潤いのある/乾いた)
乾いている。かなりドライです。
重さ
(重い/軽い)
軽い。シンバルがとにかく浮揚感を出します。ボーカルも質量が軽めで妙にふわふわしている感じに聞こえます。低域は薄味です。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
澄んでいる 澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

明るい 明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

伸びやか 伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

乾いている 乾いている

太いか

(太い/細い)

細い 細い

濃いか

(濃い/薄い)

薄い 薄い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

目立つ 目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
スカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや狭い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや奥まる

 

美点
  1. 高域が明るく、爽やかでシンバルが活き活きしている
  2. ボーカルは清潔で息感や子音に強調があって歌詞がわかりやすい
  3. 透明感の強いサウンド
  4. 解像感が高い
  5. アタック感も良い
  6. 緻密
欠点
  1. シンバルが異様にフォーカスされすぎている
  2. 音がミニチュア的で親しみに欠ける
  3. 人によって露骨に刺さりやすい
  4. 聞き疲れしやすい
  5. 抱擁感がなく、親しみが湧かない
  6. ガチャガチャしやすい

 

[高音]:高域はどうも高いところに強調点があるらしく、シンバルは異様に空気感が多く、フォーカス感が強め。大抵の曲で主役のようにシンバルが目立つので、人によっては臭みが強い音に感じるかも知れない。弦楽もややヒステリックに伸びる。清潔感は強く、光沢成分も多めで非常に透明度が高く感じられるかも知れないが、人によってはヒスりやすい印象を受けるはず。音は非常に繊細で、解像度が高い印象を受けるかもしれないが、妙に芯が目立つような音で、親しみが湧かないかも知れない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は清潔で、高域の繊細な感じをむしろ強調するように、音の膨らみが抑えられている。そのためボーカルや楽器音はミニチュア的に聞こえやすい。またボーカルは少し後退している感じがあるが、周囲が清潔なのでシンバル以外はほとんどボーカルの邪魔をしないため、フォーカス感は良い。

[低音]:100hz~30hzまでやや淡い輪郭のはっきりしたブィーって感じの振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域は基本清潔で暖かみはなく、下まで妙にすっきりしていて、ベースやキックがよく聞こえる感じになっている(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:とにかく高域方向で繊細かつ清潔、ドライで乾燥している。低域は深いところが出る感じなので、全体的には縦軸でワイドレンジに感じるかも知れないが、高域が目立ちすぎるせいで若干眩しさが強く、せっかくのワイドレンジ感をあまり活かせない可能性はある。音が細い分だけ空間は多く、開放的に感じるところはあるが、思ったより音場は広くなく、奥行き感もほとんどない。総じて縦長に聞こえる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスはタムやスネアにパリパリと明るく、キレの良い張りがあってノリノリ。バスドラは薄味気味だが、間が清潔な分だけ浮き上がりは良い。フロアタムが膨らむ感じはほとんどなく、広がりのあるリズム表現にはならない。基本的に乾いて明るいパシンパシン。ハイハットはかなり高さを出して歯切れ良く、明瞭感も高めに目立つ。力関係的にはドラム上辺が明るく、少しシンバル優位の軽快系サウンドになる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男女ともにボーカルは薄味で澄んでおり、カサカサしているところがある。子音も尖っており、場合によってサ行が刺さりやすい。清潔感は高いが、濃厚な甘味は少なく、甘味の出し方は媚びが強いキャンキャンしたぶりっ子(死語か)のような感じになる。実体感も薄く、親しみが湧きづらいかも知れない。

 

【4】官能性「チクチクしたところのある繊細な音が好きなら、なかなかよい」

Moe Shop「You Look So Good」

You Look So Good

You Look So Good

【GRANBEATで鑑賞】この曲が妙にチクチクシャキシャキして聞こえます。重低音のほうは意外と存在感があるので、音が薄い割に床面にあまり不足感がなく、むしろ締まって気持ち良く聞こえるくらいです。非常に繊細で緻密で、シンバルのドライな歯切れの良い粒立ちがかっこよいですが、一方で妙にギシギシしている余裕のなさそうな感じもあります。

 


Pure Pure

 

OxT「UNION」

UNION

UNION

【Hiby R6 Proで鑑賞】こういうロック曲はボーカルがかなり薄味なのが気になりますが、清潔なので曲調には合っている感じがします。相変わらずシンバルが主役を主張して異様に目立つ感じでシャリシャリサクサク清潔感を出しますが、ピアノも明るくキラキラしており、ギターエッジも明るく浮かれた感じで気持ち良く上に伸びるので、のびやかで元気よく、楽しめます。ドラムスも妙に明るくキレよく快活にリズムを刻んでくれるので疾走感も爽快です。

 


【Amazon.co.jp限定】SSSS.GRIDMANオープニング主題歌「UNION」(デカジャケット付き)

 

TVアニメ「ひとりぼっちの◯◯生活」OP主題歌「ひとりぼっちのモノローグ」

ひとりぼっちのモノローグ

ひとりぼっちのモノローグ

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲はかなり解像度高くなりますが、尖りも強くチクシャリするので好みを分けそうです。ボーカルは清潔でツ音がかなり強めで歌詞は明瞭ですが、人によってはキャンキャンうるさい感じがあるかも知れません。金管もプ音が強く明るめです。中高域でかなり発色が強くキラキラするのが人によっては刺激的で楽しいと思われますが、聴き疲れはしやすいです。この曲のわちゃわちゃした感じが5割増しくらいで楽しめるので、人によっては中毒性が高い音に思えるでしょう。逆にうるさいのが苦手な人には向きません。

 


TVアニメ 「 ひとりぼっちの○○生活 」 オープニングテーマ 「 ひとりぼっちのモノローグ 」

 

小田和正「たしかなこと」

たしかなこと

たしかなこと

【Hiby R6 Proで鑑賞】繊細で清潔なこういう曲とは相性良く思えるところはあります。ただしボーカルはややサ行が目立ち、膨らみが薄いので、アルデンテスパゲティよりもさらに芯が残っているような、フキの茎やゆでてないアスパラの、筋があるような感じに聞こえます。妙にスースーしている感じです。ギターはかなり繊細で張り詰めた空気感を出してくれ、全体的に冬の朝のように冷涼です。

 


たしかなこと

 

【5】総評「音は人によっては気持ち良いかもしれないが、使い勝手が安定しない」

 音質はちょっと尖りやすい、光沢も強めで、しかも清潔すぎる音なので、個人的にはどうかなと思うところはありますが、解像度重視で悪くないかも知れません。若干刺激が強く聞き疲れやすく、ピーキーですが、曲によってはかなり気持ち良い音です。しかし、個体差の可能性もありますが、使い勝手は最悪に近く、とにかく不安定で勝手に曲停止したり曲送りされたりする謎の症状に悩まされます。長く使っていると落ち着くこともありますが、再発するので安心できません。通信品質は悪くなかっただけに残念です。

 ただしこの妙な使い勝手の悪さは、私の個体の不具合かもしれないことには留意して頂ければと思います。

 

まとめ
  • 音は聞き疲れやすいが、繊細で解像度が高く、清潔
  • 通信品質とバッテリー性能はほとんど申し分ない
  • 不具合と思われるほど動作不安定で使い勝手が悪すぎる

 

TRN T200

TRN T200

TRN T200 Bluetooth 5.0 高解像度ワイヤレスイヤホン ハイブリッド イヤホン 1BA+1DD 搭載 CVC8.0ノイズキャンセリング IPX5レベル防水機能 AAC aptx 対応 左右独立型 完全ワイヤレスイヤホン (ブラック)

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン Tuayoo SKY-FREE(H88) レビュー】Sky-freeの改良版。ケースが小さくなり、音の輪郭がよくなって、解像度が改善されたモデル。おすすめ

Tuayoo SKY-FREE(H88)

Tuayoo SKY-FREE(H88)

【令和第2世代 LEDディスプレイ 】Bluetooth イヤホン 独立オン/オフ イヤホン ワイヤレスイヤホン 電池残量インジケーター付き イヤホン 6Dステレオ高音質 AAC対応 最新bluetooth 5.0第2世代 完全ワイヤレスイヤホン ブルートゥース イヤホン 左右分離型 自動ペアリング Siri対応 IPX7防水 PSE&技適認証済 iPhone & Android対応

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「付け心地は良い。通信品質も安定している」

おすすめ度*1
Tuayoo SKY-FREE(H88)
ASIN

B07XLC7SHK

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

8h/72h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

IPX7

音質傾向

弱ドンシャリ、シャリシャリ、パチパチ、チャリチャリ、ドンドコ、アタック感がある、透明感がある、光沢感がある、爽やか、清潔、澄んでいる、潤いがある、甘味がある、コケティッシュ

 ノズルがなだらかに盛り上がっているハウジングデザインになっており、装着感は悪くありません。遮音性はそこそこ良いです。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは某関東ターミナル駅周辺です。比較的通信品質は安定しており、駅の改札付近でもほとんど途切れません。バスロータリー付近や人の多いところでは途切れが見られましたが、価格帯では通信品質は高めです。

 通信チップはairohaのA1526です。

 ただし、距離耐性は高くないのか、送信機器から距離をとると5mくらいでブチブチ切れやすいです。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っています。SONY NW-A55で行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「コンパクトなデザインです」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書。

 

 

Tuayoo SKY-FREE(H88)Tuayoo SKY-FREE(H88)

 

【3】音質「5000円以下の低価格ではかなり解像度に寄せたバランスの調整」

 この機種は以前レビューしたwewow X11 sky-freeの改良版に当たる機種です。sky-freeもツヤパリした透明感と光沢感の高い輪郭の良いサウンドが特徴でしたが、この機種はさらに輪郭が細かくなっており、ディテール感が増しています。モバイルバッテリー機能はオミットされましたが、ケースデザインはコンパクトになって持ち運びやすくなっており、通信品質にも向上が見られます。

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 聞き比べた感じ、音質的な第一印象はsky-freeとほとんど変わりません。高低バランスもあまり変化がないように思われますが、わずかに低域の存在感が増したように思われます。一方で解像感には目に見える改善が入っており、これまでわずかに輪郭が甘く、カクカクしたりギャンギャンまとまりが悪い感じになっていたところが、かなりディテールがよくなっていて、さらに細かく描かれるようになっています。音像の鮮明度が一段階上がっていて、以前よりもさらに音に磨きがかかりました。これは大部分はチップ変更によってもたらされたと思われます。

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 さて、肝心の音質ですが、中高域でガラス質の光沢感を出し、奥行きがあり、立体感のある音を奏で、ツヤツヤ系の鮮やかな、解像度重視系のサウンドになります。中域が清潔なので、透明感は高めに感じられやすく、楽器音がかなり分離してレイヤーを詳細に描き分けているように聞こえ、ボーカルの浮き上がりも良く感じられます。そのボーカルはやや子音を強調するところがあり、ツ音は若干尖りますが、基本的に清潔で媚びた感じもある思春期の声色に聞こえます。

 低域はほとんど強調がありませんが、中域が清潔なので、浮き上がりは良く、量感はそれほどでもないですが、存在感があります。ただし、一般的に低域は淡泊なバランスで、下の方でやや濃いくらいの風通しの良い音になります。床面のディテールは悪くないとは思いますが、低域を重視する人には些か物足りないでしょう。

 全体的に縦軸でワイドレンジなサウンドで、床面は低く、高域は少し腰高に、奥行き感もあるサウンドになります。音場はよく整理されている印象を受けるでしょう。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。全体的に音の光沢感が強く、鮮やか。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

普通。エッジはやや強調されるが、音の端は少しツルッとしており、滑らか。
明るさ
(明るい/暗い)
明るい。中高域の光沢感は強めで明るい。
派手さ
(派手/地味)
派手。中高域は少し眩しいくらいなので派手に感じる。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。高域で明るく派手な感じがあり、音は若干硬質なところが強調されやすい。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや尖る。音の先は丸い印象があるが、少し緻密さを強調しやすく、シンバルやギター、弦楽でエッジを強調する感じがある。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。奥行き感があり、よく整理されているが、それでも中高域が少し目立ちやすく、わずかにガチャガチャしやすい。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。ドラムのパンチを始め、ギターや弦楽のアタック感が強めで、ノリが良い。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。解像度が高く、情報量は多い。

太さ
(太い/細い)
普通。高域で少しスリムに聴かせる感じはあるので、曲によってはわずかに細く感じられる可能性がある。
手触り
(ざらざら/滑らか)
滑らか。シンバルはややざらざらするが、全体的にツヤのある光沢成分が多く、音は滑らかである。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや細かい。中高域は充分に明るく、ディテールの強調が見られる。
清潔感
(澄んだ/濁った)
澄んでいる。音場は明るく、見通しが良い。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや潤いのある。ボーカルにしっとりした感じは感じられ、アコースティックギター音にも潤い感がある。
重さ
(重い/軽い)
普通。低域はやや量感的には軽い印象を受けるが、少し深く床面を出すところがあり、重心が高くなる感じはない。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
澄んでいる 澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

明るい 明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

伸びやか 伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

しっとりしている しっとりしている

太いか

(太い/細い)

やや細い やや細い

濃いか

(濃い/薄い)

普通 普通

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

目立つ 目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややスカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや奥まる

 

美点
  1. 中高域のディテールが良く、ツヤも強く明るい
  2. 低域はやや薄味だが、深みがある
  3. やや透明感の強いサウンド
  4. 解像度感が高い
  5. ボーカルのディテールが細かく、口の形がわかる
欠点
  1. 全体的に透明感が強く、ややデジタルで人工的な印象を受ける
  2. 音がややチャラく、派手めでガチャガチャしやすい
  3. 一般に低域の量感が不足気味

 

[高音]:高域は透明感があり、少しガラス質の光沢感を強調する、「クリア」なサウンド。高域の高いところはなだらかで、シンバルの空気感の強調はそこそこで、白味は充分に出るものの、その白味を強く押し出す感じではないが、輝きは強く、キラつく感じになる。ギターもかなりギラつき、タムやスネアはパリパリパチパチしやすく、アタックが強い。金管も艶やかにププッという粒立ちが強調される。全体的に高域は音の粒子がつぶらに浮かび上がるような立体感があり、質感は滑らかだが、分離感は強く緻密に聞こえる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域はやや清潔で中高域に比べると後退しており、奥行き感重視に聞こえる。しかしボーカルフォーカスは良く、基本的にちょっと前に出て聞こえ、ほどほど実体感があり、甘味も感じられる。楽器音は基本的に中域で膨らまず、少し輪郭を強めにくっきりして聞こえる。

[低音]:100hz~30hzまで太いやや鈍い振動。20hzでもわずかに振動感あり。中低域に厚みがあまりなく、重低域まですんなり音が沈んでいる。低域弦楽は透明系でエッジを深く強調する印象を受ける。バスドラキックは結構濃いが、少し硬質でタイト傾向。ベース音も中低域が清潔な分だけ相対的にやや濃く浮かび上がる。とはいえ、重低音は広がりを強く主張する感じもあまりなく、人によっては薄味なくらいかもしれない。そのため人によっては存在感の割に低域が少し狭くスカスカしているように思うかも知れない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:やや中高域から高域あたりの音が目立ちやすいバランスになっていて、ビシバシした衝撃感が強く出る場面も多い。深い重低音の広がりはあまりなく、低域に向かうほど細くなっている逆三角形の印象を受けるかも知れない。中高域のディテール感は輪郭含めてかなり詳細になり、ここでは音場も広く感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:タムやスネアの明るく弾ける音が少し目立ちやすく、一方でバスドラキックはタイトで硬く広がりに欠ける一点突破な感じに聞こえる。バシンバシン系のやや硬質なドラム表現になる。シンバルは高域の空気感がそれほど広がないため、立体感はそれほどでもないが、白味は充分にあり、シャリシャリとした刻みを強調し、やや金属的な味の強い明瞭感がある(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルはやや色が薄く、中性的に聞こえやすい明るめの声色になる。女声ボーカルは少し明るいくらいの自然な感じに聞こえることが多く、輪郭がはっきりして明瞭感が強い。ボーカルは全体的に輪郭強めで息感も丁寧に出すが、場合によってツ音などがきつめに聞こえることはあるかも知れない。

 

【4】官能性「一言で言うと、明るいアニソンにぴったりです」

777☆SISTERS「MELODY IN THE POCKET」(vs Antro TouchTwo C5S)

MELODY IN THE POCKET

MELODY IN THE POCKET

【GRANBEAT/NW-A55で鑑賞】基本的には清潔感と透明感重視の明るく伸びていくサウンドになります。低域はかなり抑えめでやや薄味で、人によってはちょっとスカスカするくらいに感じるかも知れません。若干細い足場に聞こえますが、それでもベースはそれなりに黒みを出し、フロアタムもそこそこ床面を出すので、音場に透明感があるおかげで存在感はそれなりに感じられます。ボーカルは媚びてコケティッシュな味わいを出しつつ、清潔で明るく、思春期的な清純さも兼ね備えてのびやかで素直な声色です。

 

 さて、音質的に似ている機種として、比較的最近レビューしたAntro TouchTwo C5Sが挙げられます。イヤピを同じにして、双方をNW-A55に繋ぎ、聞き比べてみました。

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 全体の印象を見てみると、TouchTwo C5の方が少し中高域の光沢感が強く、派手です。ピアノ音のキンキン感に差が大きく出ており、TouchTwo C5のほうがかなり艶やかでノリは良いですが、一方で少しうるさげでもあり、SKY-FREEのほうはわずかに輪郭がまろやかで聴き心地が優しいです。その他の楽器音も中高域のアグレッシブさはTouchTwo C5Sが強く、出だしからアタック強めに迫ってくる感じがあります。SKY-FREEはそれに比べるとわずかに穏やかです。

 ボーカル表現もTouchTwo C5Sのほうがわずかに媚びた感じが強く、キャンキャンした弾む感じが強めに出て、鮮やかさとノリの良さで勝ると思いますが、SKY-FREEのほうはより清潔で澄んだ伸びやかさを出すので、より清純派に聞こえます。同じ思春期系の声色でも、TouchTwo C5Sがアイドルっぽいとしたら、SKY-FREEはお嬢様くらいの差を感じます。

 一方で逆にシンバルはTouchTwo C5Sが案外白くて清潔系なのに対し、SKY-FREEはかなり輝きが強めでギラつきます。そのため、クラッシュ感はSKY-FREEのほうが結構強くなります。

 低域の床面表現はTouchTwo C5Sのほうがわずかに硬く、ダンスフロアのビシバシ感は強めです。

 しかし、ぶっちゃけるとこの2機種のこの曲の表現はほとんど近似していると言って良く、ビシバシ感と光沢感をより重視するならTouchTwo C5Sを、よりマイルドで少し清潔感の強い音を求めるならSKY-FREEを、となりますが、ほぼほぼ代替可能です。通信品質的には総合的に、わずかにTouchTwo C5Sのほうが高い印象を受けるので、その差を優先して選んでも良いかも知れません。

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MELODY IN THE POCKET【初回限定盤】

 

佐藤聡美&茅野愛衣「君にまつわるミステリー」

君にまつわるミステリー

君にまつわるミステリー

【Hiby R6 Proで鑑賞】こういう透明感のあるウキウキ系のアニソンなんかは相性が良く、ギターエッジがかなり浮かれてディストーションしてくれるし、そのエッジも端は丸くて和やかです。アタック感も良く、ドラムの疾走感もタムタム気持ち良く明るく出してくれますが、ベースはやや薄味で若干上滑りに思うかも知れません。ボーカル表現は甘味を出しつつ、清潔な印象も感じられますが、ツ音をはじめ子音がかなり尖るのが人によってはうるさく感じられる可能性はあります。口の形が明確に聞こえ、歌詞が明瞭ではありますが、人によっては声質が清潔な割に、唾が妙に多めに出ているように感じるかも知れません。

 


君にまつわるミステリー

 

Matt Bianco「Golden Days」/Takamatsu「Einstein」

Golden Days

Golden Days

【Hiby R6 Proで鑑賞】好みにもよりますが、こういう明るく透明感のあるスムースJAZZ的な曲を楽しむにも良いです。この曲もウキウキした感じで、ピアノも透明感高め、弦楽も下で重みを出すような、深掘り感のある、少し透き通った床面表現になり、ボーカルものびやかで上で清潔です。金管やピアノに渋みがなく、うわ滑っていく妙にスマートな音色で、濃厚感はほとんどないと思われますが、奥行き感があって音の粒立ちがよく、スピード感があります。より電子的な音を使う本格的なスムースJAZZにはなおさら親和的です。

 下の動画のような曲を透明感重視で、輪郭くっきりめに楽しみたいような人にはおすすめです。

Einstein

Einstein


 


Matt’s Mood

 


4

 

【5】総評「5000円以下でひたすらに解像度を求める人には有力選択肢の一つです」

 透明感と煌めき感のある高解像度系サウンドが好きなら、低価格ではおすすめできる機種の一つです。同価格帯で同じような高解像度サウンドのAntro TouchTwo C5Sに比べると、こちらの音の方が少し落ち着きがあり、聴き心地もより安定しています。一方で、通信品質的にはわずかにAntro TouchTwo C5Sに劣る印象を受けますが、それでも価格帯では優秀な方です。アニソンや電子音の多いEDM、テクノ、スムースJAZZあたりを透明感重視で高解像度で聴きたいなら、おすすめ度は高めです。

 

まとめ
  • 清潔感と光沢感を兼ね備えた音で解像度が高い
  • 通信品質は比較的良好で、バッテリー品質は高い
  • やや低域が薄く感じられやすい

 

Tuayoo SKY-FREE(H88)

Tuayoo SKY-FREE(H88)

【令和第2世代 LEDディスプレイ 】Bluetooth イヤホン 独立オン/オフ イヤホン ワイヤレスイヤホン 電池残量インジケーター付き イヤホン 6Dステレオ高音質 AAC対応 最新bluetooth 5.0第2世代 完全ワイヤレスイヤホン ブルートゥース イヤホン 左右分離型 自動ペアリング Siri対応 IPX7防水 PSE&技適認証済 iPhone & Android対応

 

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【aptX LL対応ワイヤレスヘッドホン OneOdio A61 レビュー】高域でそこそこ明るく、中域でなだらかに安定感を出す、やや清潔系のサウンド。低域スイッチONでどっしり系ウォームサウンドに変わる。音ゲーにも向く。おすすめ

OneOdio A61

OneOdio A61

【AptX-ll&低音モデル】OneOdio テレビ ヘッドホン Bluetooth TV ヘッドホン ワイヤレス 低音強化 遅延なし 密閉型 A61

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は軽量。マルチポイントにも対応」

おすすめ度*1

OneOdio A61

ASIN

B07TJRJ78S

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

20h/-

Bluetoothバージョン 4.2
対応ワイヤレスコーデック aptX LL/aptX/AAC/SBC
防水性能 たぶんありません
音質傾向

フラット、シルキー、粒立ちが良い、爽やか、シャリシャリ、シャンシャン、チリチリ、ふんわり、透明感がある、清潔、パスパス、パシパシ、カシカシ、トントコ

 

[低域スイッチON]+どっしり、+ウォーム

 本体はプラスチッキーでややチープな見た目ですが、ヘッドバンドは金属製の芯が通っており、実際は見た目ほどチープではありません。本体は軽量で、イヤーマフは結構厚みがあり、側圧もそれほど強くないので装着感は一般に良好な部類と思われます。遮音性もそこそこよいです。

 

 対応コーデックはaptX LL/aptX/AAC/SBC。Hiby R6 Proで接続品質をみました。家庭内では遮蔽物がなければ10mは普通に途切れることなくつながったままでした。手持ちの中でも距離耐性・遮蔽物耐性は高めのようです。

 2台までのマルチポイントにも対応しています。Hiby R6 ProとONKYO GRANBEATでマルチポイント動作を確認しました。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「パッケージは比較的簡素です」

 付属品は充電ケーブル(Micro-B)とAUXケーブル、多言語マニュアル。パッケージングはやや簡素。

 

OneOdio A61OneOdio A61

 

【3】音質「標準では上でややすっきりしたフラット系サウンド、BASSスイッチONでどっしりしたウォーム系サウンドになります」

 このヘッドホンはBASSスイッチが付いており、それをONにすると低域の量感が増します。以下のレビューは基本的にBASSスイッチOFFの標準モードでレビューしています。

 さて、スイッチOFFの標準モードではほとんどフラットで、若干高域の上の方に強調があって、ややシャープネスを高めているかなと思うくらいの印象の出音です。印象的にはボーカルのサ行がやや強調されて上の方で透けながら清潔に伸びる感じがあり、シンバルも少し粒感細かめにチリシャリを高めにシルキーな質感で聴かせつつ、中高域の光沢感はやや抑えめ、低域は適度に厚みと重み、深さがあって音場に引き締め感あるくらいの万能系サウンドに聞こえます。奥行き感も強調されるほどではありませんが、適度に感じられて音も整理されており、やや風通しが良いくらいの清潔感がありつつも中域で音の広がりも感じられるので、バランスは良い感じです。

 BASSスイッチをONにすると、中域の下方にあきらかに温もり感が出て、ボーカルや楽器音の甘味が増し、低域は少し膨らんでベース音の暖かみとフロアタム、キックあたりの重みが増し、抱擁感が増して聞こえるようになります。BASSスイッチをONにしても高域方向で清潔感がある感じ、中域でほどよく見通せる感じはそれほど変わらないので、奥行きはわずかに減ったり、音全体に重力感が出てややもっさりはしますが、篭もった印象はそれほど出ないと思います。

 BASSスイッチOFFのややモニター的な音と、スイッチONのリスニング寄りな感じをほとんど不自然さを感じずにワンタッチで気分や曲調に合わせて切り替えて使えるので、かなり楽しませてくれます。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。ツヤや光沢感は少し抑えられており、モニター的な

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。シンバル音などが粒立ち細かく、ややシャキシャキと強調があるが、刺さる感じはない。
明るさ
(明るい/暗い)
明るめ。中高域であまり輝きを強調しないが、高域方向に明るいバランスになっており、音場の見通し感は良い。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。音は清潔系だが、音の粒立ちは細かく、若干緻密に感じられるので派手に思うところはあるかも知れない。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。若干高域でカリパリした感じが強い。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや尖る。刺さる感じはないが、シンバルはややシャリシャリと高さを強調する刺激的なエッジを持っている。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。高域で少しかしましい感じはある。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。パンチはほどよく利いており、アタック感もあるが、低域のパワフルさはそれほど強くない。BASSスイッチをONにすると、量感が増してややパワフルに傾いて聞こえる。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。高域から中高域で少し緻密なので、情報量はあるが、高低バランスはフラットで充実感は強くない。BASSスイッチをONにすると、音に抱擁感が出てやや豊かなバランスになる。

太さ
(太い/細い)
普通。中高域以上で少しだけ緻密で細くなる感じはあるが、全体的な印象は中庸な太さ。
手触り
(ざらざら/滑らか)
ややざらざら。高域はシルキーだが、粒立ちが強くわずかにざらついた感じはあり、それが若干目立って聞こえるかも知れない。
粒感
(きめの細かい/粗い)
きめの細かい。シンバルがサクサクシャキシャキと、とくに粒立ちよく聞こえる。
清潔感
(澄んだ/濁った)
澄んでいる。ツヤを強調しすぎない、清潔系でモニター的なサウンドである。
潤い
(潤いのある/乾いた)
乾いた。シンバルが乾いた感じに聞こえやすい。ツヤも抑えめの出音で、印象的には乾燥している。
重さ
(重い/軽い)
普通。清潔な感じではあるので、低域は量感はそれほど強くないにも関わらず存在感はしっかりしている。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
澄んでいる 澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

明るい 明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

伸びる 伸びる

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

乾いている 乾いている

太いか

(太い/細い)

少し細い 少し細い

濃いか

(濃い/薄い)

やや薄い やや薄い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
ボーカル因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややスカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
普通

 

美点
  1. 爽やかで風通しと見通しのよいモニター的な音場表現
  2. 分離感とディテールが良い音質
  3. 低域は量感はそうでもないにも関わらず、存在感が良い
  4. 聴き心地が安定している
  5. 暖かみが足りない場合はBASSスイッチをONにすれば、ウォームなサウンドに早変わり
欠点
  1. ツヤには欠け、音が乾燥している
  2. 若干爽快感が強く、どんな曲も明るくなりやすい
  3. やや分離感が強すぎて人によっては親しみを持てない可能性がある
  4. 外連味は抑えめで音が生真面目、ノリが悪い

 

[高音]:高域は基本的に爽やかで、風通しが良く、ツヤをあまり強調せずに、高いところまでまっすぐ伸びていく感じがある。そのため金管や弦楽は若干平坦に突き抜けていく感じがあるが、とくにシンバルはシャリシャリシャキシャキと細かな粒感を出してシルキーにかなり浮かび上がって聞こえるので、清潔感は非常に高く感じられる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域も基本的に清潔で、たとえばボーカルはややサ行や子音を強調して、ハキハキ系の音になり、ピアノも透明感重視で膨らみは少し抑えめに聞こえます。中高域や低域に対して目立って後退しているわけでもないので、奥行きを強調する感じは強くなく、音が目立って細く感じられる感じもありませんが、中域ではやや抑揚や広がりが少なく、モニター的な平坦さを出している感じに聞こえます。

[低音]:振動のはっきりしたやや太めのビーッという振動。100hz~40hzまで素直な減衰。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。

 BASSスイッチOFFだと低域は比較的清潔で、ベースとキックをくっきり黒く出す感じになっている。中低域の上の方では膨らみが抑えられており、抱擁感は抑えめでモニター的。低域弦楽も厚みは抑えめで、下のゴリゴリえぐるあたりを強調して深掘りする音になる。

 BASSスイッチONにすると、ベースは膨らんで地熱感を出し、低域弦楽もボンボン音に厚みを出すようになって、暖かみが増し、量感も強く感じられて濃厚感が出る(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:基本的には高域に向かって音が抜けていくような上昇気流を感じるフラットサウンドである。しかし低域の存在感もしっかりしているので、重心は真ん中に落ち着いていて、聴き心地に安定感もある。上から下まで分離感良くモニター的に聞こえる。BASSスイッチをONにすると、低域に足場ができ、中域の下の方がもっこりする感じになって、より安定感が増す(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスは上辺で若干明るい感じはあるが、基本的にはスネア・タムの上の方とバスドラのパワーバランスが均衡していて、モニター的で平坦な感じに聞こえる。バチンバチンあるいはバシンバシン。BASSスイッチをONにすると、バスドラキックに熱が篭もるようになってバズンバズンと重みが増す。ハイハットはかなり高さを出してシルキーに浮き上がるが、白味が強めで濃い音ではない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男女ともにサ行がやや目立ち、清潔系の息感が出やすい。男声ボーカルはやや薄味でわずかに後退して聞こえるかも知れない。女声ボーカルは男声ボーカルに比べるともう少し前に出てくる感じではあるが、基本的には清潔系で肉感は少し抑えめでサラサラして聞こえやすい。BASSスイッチをONにすると、濃さは増すが、やや暖かみが増してもっさりする印象を受けるかも知れない。中高域にほとんど強調がないので媚びた感じの甘味はほとんどない。

 

【4】官能性「清潔系モニターで結構万能に聴ける」

fhána「虹を編めたら」

虹を編めたら

虹を編めたら

【GRANBEATで鑑賞】清潔なモニター系サウンドなので、たとえばヘッドホンによってはややガチャガチャドコドコうるさくなりやすいこういう曲でも、ほとんど臭みがなく、すっきり楽しめます。シンバルだけがややシャリシャリ派手めに目立ちますが、たとえばボーカルはギャンギャンせずに、清潔に上にシームレスに突き抜けるように伸びていきますし、ドラムサウンドもドンと重みをほどよく出しつつも、基本的にトコトコくらいの強すぎないバランスで聴かせるので、うるさげな感じはありません。弦楽音も派手にならず、スラッと上に伸びていく出音で、素直に高さを感じさせてくれます。

 このヘッドホンは一般にうるさい曲ほどむしろきれいに音を分離して聴かせてくれるでしょう。逆に音数が少ないとスカスカするくらいに感じるかも知れません。

 


TVアニメ『ハルチカ~ハルタとチカは青春する~』OP主題歌「虹を編めたら」

 

Endorfin.「Sincuvate」

Sincuvate

Sincuvate

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲も非常に清潔で、ガタガタしたり低域ドラムがうるさくなって淡いボーカルを邪魔したり、シンセ音がギラつきすぎてかしましくなることもありません。そのおかげで清潔な空間に清潔なボーカルが澄んだ透明感を持って聞こえてきて、全体として風が抜けるような清涼感のある形で楽しませてくれます。この曲も人によって少し音が混濁しやすく、うるさげになりやすい曲だと思いますが、全体的に分離良くディテール重視で聴かせてくれます。

 


Sincuvate

 

Void_Chords feat. LIO「FLARE」

FLARE

FLARE

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲も清潔に音を良く整理して聴かせてくれます。ただしちょっとツヤや濃厚感を出してJAZZっぽく演出しているこの曲だと、このヘッドホンは少し清潔すぎて、金管音はすーっと淡泊に伸びてしまうので渋みはありませんし、ドラムも重みはありますが、若干粘りがなくて滑っていくように聞こえてきます。非常に聴き心地が安定していますが、モニター的過ぎて外連味に欠けます。

 なおBASSスイッチONにすると床面が少しどっしりして、もう少し金管にも味が出ます。

 


TVアニメ『ありふれた職業で世界最強』OP主題歌「FLARE」

 

【5】総評「モニター的な音が好きならおすすめできます。音ゲーにもどうぞ」

 かなりモニター的な音で分離感と清潔感に優れ、聴き心地も安定しているので、それこそ音ゲーなんかに向いていそうです。低域から高域まで満遍なく音を見通しよく聴かせてくれます。ただし、出音は少し真面目で、親しみは湧きにくいところもあるかも知れません。BASSスイッチでもう少しリスニング向きに出来ますが、中高域のツヤ不足は解消されません。

 aptX LLに対応しているところを見ても、音ゲーユーザーには歓迎されそうで、マルチポイントにも対応しているのは魅力です。

 

まとめ
  • 真面目なモニターライクな音で、清潔で分離感も良い
  • aptX LLに対応し、通信品質も高度に安定している
  • 音が真面目すぎるところがあり、やや親しみに欠ける

 

OneOdio A61

OneOdio A61

【AptX-ll&低音モデル】OneOdio テレビ ヘッドホン Bluetooth TV ヘッドホン ワイヤレス 低音強化 遅延なし 密閉型 A61

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン Antro TouchTwo C5S レビュー】やや薄味ながら深みを出してくれる重低音と、明るく眩しいくらいの中高域の透明感を共存させて聴かせる機種。TouchTwo C5の亜種。おすすめ

Antro TouchTwo C5S

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【令和最新版 超大バッテリー容量】Antro Bluetooth イヤホン ワイヤレス スイヤホン 150時間連続駆動 LEDディスプレイイヤホン CVC8.0ノイズキャンセリング IPX8防水 左右分離型 自動ペアリング Siri対応 ボリューム調節可能 片耳&両耳とも対応 iPhone/ipad/Android適用 マイク付き 技適認証済

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「柔らかな付け心地」

おすすめ度*1

Antro TouchTwo C5S

ASIN

B07YYBFLHK

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

7h/150h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

IPX8

音質傾向

弱ドンシャリ、チャリチャリ、ドンドコ、アタック感がある、透明感がある、光沢感がある、爽やか、清潔、澄んでいる、潤いがある

 ハウジングの耳に当たる部分はカスタムIEMのように立体的になっており、装着感は良く、外れにくくなっています。遮音性もそこそこよさげです。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは某関東ターミナル駅周辺です。比較的通信品質は安定しており、駅の改札付近でもほとんど途切れません。バスロータリー付近や人の多いところでは途切れが見られましたが、価格帯では通信品質は高めです。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「モバイルバッテリー機能付き」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 

 充電ケースは容量3500mAhもあり、モバイルバッテリー機能が付いていて、スマホを丸々一台充電できるほどです。

 

Antro TouchTwo C5SAntro TouchTwo C5S

 

【3】音質「ツヤと光沢が多く、透明感の高い中高域を深みのある低域が支える」

 この機種はA.A TouchTwo C5Hiyoo A8-C5の系列に属し、とくに後者とは外観までそっくりでほぼ違いがありません。以前Touchtwo C5のレビューで上記2機種の聞き比べを行い、音質差については紹介しましたが、このC5Sもこれら2機種とは音質が微妙に異なっています。

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 単純化すると、C5→A8-C5→C5Sといくにつれ高域の明るさは増し、音場にツヤ成分が増し、透明感が出ます。一方で低域はC5→C5S→A8-C5という順で存在感があります。その結果、A8-C5はかなり濃厚感が強い懐のある出音になりますが、C5Sはどちらかといえば明晰な透明感のあるのびやかな出音になっています。

 したがってこの系列では単純に解像度を求めるならば、おそらく最も明瞭感があるのはC5Sであると思われますが、一方で個人的にはA8-C5のメロウな音の方がぶっちゃけ好みだったりします。

 

 そういうわけでこのイヤホンはこの系列の中では最も高域が明るく、音場全体の見通し感に優れ、ディテール感の高い音になります。ただしその分、高域で風通しが少し強くなっており、ボーカルはサ行を少し強調する息感重視の音になっているほか、高域弦楽やピアノはやや煌めき感が強くなって派手に聞こえるようになりました。

 音質的にはTouchTwo C5は少し劣るので除きますが、AA8-C5とC5Sは価格帯では標準以上のレベルを備えていると言えるので、どちらを選んでも満足できると思われます。そのため、とくに明るく伸びやかなボーカル表現が好きならC5Sを、豊かな広がり重視でコクのある音が好きならA8-C5を選ぶという形で良いと思います。

 

 好みもあるので一概には言えませんが、たとえば次に挙げる2曲のうち、1曲目の「ブルーアワーに祈りを」のほうが聴きたいなら、おそらくC5S、2曲目の「mnemonic」のほうが聴きたいならA8-C5を選んでおけば、基本的に満足度がより高いと思われます。

ブルーアワーに祈りを

ブルーアワーに祈りを

mnemonic

mnemonic

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。全体的に音の光沢感が強く、鮮やか。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

普通。光沢感は強く、中高域でエッジの強調は感じるが、低域に一定の量感があって丸めてくれる感じがある。
明るさ
(明るい/暗い)
明るい。中高域の光沢感は強めで明るい。
派手さ
(派手/地味)
派手。中高域は少し眩しいくらいなので派手に感じる。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。中高域の硬さがやや目立つ。
尖り
(尖っている/丸みがある)
普通。中高域が硬い感じではあるが、低域が柔らかめなのでバランスが取られている。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。中高域がやや目立ちやすく、少しガチャガチャしやすい。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。ドラムにパンチがあり、アタック力を感じるが、厚みはあまりないので、軽快。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。中域は清潔に傾いており、低域も厚みは多くない。全体的に少し透明で清潔な感じがあり、ややモニター的に感じられる。

太さ
(太い/細い)
普通。高域で少しスリムに聴かせる感じはあるので、曲によってはわずかに細く感じられる可能性がある。
手触り
(ざらざら/滑らか)
滑らか。全体的に音は滑らかである。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや細かい。中高域は充分に明るく、ディテールの強調が見られる。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや澄んでいる。音場は明るく、見通しが良い。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや潤いのある。ボーカルにしっとりした感じは感じられ、アコースティックギター音にも潤い感がある。
重さ
(重い/軽い)
普通。低域は結構深みを出すが、音場全体は明るく、軽やかなところがある。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや澄んでいる やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

明るい 明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

伸びやか 伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

しっとりしている しっとりしている

太いか

(太い/細い)

やや細い やや細い

濃いか

(濃い/薄い)

普通 普通

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややスカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや奥まる

 

美点
  1. 中高域のディテールが良く、ツヤも強く明るい
  2. 低域に深みがある
  3. やや透明感の強いサウンド
  4. 解像度感が高い
欠点
  1. 中域での充実感が薄い
  2. 音がややチャラく、派手めでガチャガチャしやすい
  3. やや風通しが良すぎ、人によってはすっきりしすぎた音に聞こえる

 

[高音]:高域は中高域で一番明るさを強調するが、高域の高い方もそこそこ出ていて、シンバルはシャンシャンした明るいところも粒立ちよく出る。本当に高いところはやや抑えられていてシャープネスは相対的に抑えられているが、それでもボーカルのサ行はやや目立つ感じはある。刺さる感じはたぶんないと思われるが、全体的に明るく派手。アタックもやや強い(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は中高域に比べて後退しており、奥行き感を感じ、やや清潔。ボーカルや楽器音はそのため、若干細めにキラキラ感高めに聞こえる感じがある。さらに中高域音が目立つせいか、音にやや硬い感じがある。

[低音]:100hz~40hzまで、鈍く重たい振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域では中低音はそれほど強調されず、中低音の下辺から重低音あたりの広がりが意識されやすく、重心が低く、ベースとキックが少し強調されるような深掘りサウンド(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:基本的にはドンシャリ。低域はやや床面を深く、中域は清潔で、中高域で音が浮き上がって聞こえてくるようなワイドレンジ感がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスは上辺が明るく、スネア・タムの鼓面がビシバシ明るく感じられる。バスドラキックは重めに聞こえるが、中盤は清潔で胴鳴りはやや薄味に聞こえる。明るめのバッツンバッツン。シンバルも明るめで高いところのシャンシャンまで白味を出して浮き上がる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは明るく、やや細く、サ行にも少し強調があるので清潔な印象を受ける。少し中性的。女声ボーカルも少し清潔でサ行がやや尖る感じがある。上辺に向かって伸びやかで少し媚びる感じはあるが、さらに高く伸びるので、爽やか系のすっきりボイスに聞こえやすい。

 

【4】官能性「上で明るくキラキラ爽やか、下では少し深掘りされる若干煌めき感の強い清潔系のドンシャリサウンド」

777☆SISTERS「MELODY IN THE POCKET」

MELODY IN THE POCKET

MELODY IN THE POCKET

【GRANBEATで鑑賞】清潔系のドンシャリで艶やかさを出しつつも、基本的には風通しが良い感じはこういう曲と相性が良さそうです。ドラムはパリパリタムタムした明るめの上辺と、少し明るめにドスッと引き締めるキックの二元論で分離感が強く、基本的には上辺が若干強く軽快に聞こえますが、下での引き締まりもあるので浮つきません。ボーカルは伸びやかで艶やかさを出しつつ、突き抜けもよく、爽やかさもある思春期を思わせる若々しい声色です。シンバルが少しシャリシャリ派手めに浮き上がり、鼻につくところがあり、またギターが若干薄味なのが少し好みを分けるかも知れませんが、基本的に爽やかで歯ごたえのよいシャキシャキしたサウンドで楽しめます。

 


MELODY IN THE POCKET【初回限定盤】

 

東山奈央「月がきれい」

月がきれい

月がきれい

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲の透明感はきれいに感じられます。音場全体に明るさと風通しの良い感じがあり、清潔です。ボーカルもスースーした息感を強調しながら、少し艶やかに伸びていくので、清澄感のある声色になります。楽器音も全体的に明るさを強調してキラキラして聞こえてくる感じになります。一方で低域にも少し深みが感じられるので、やや中高域が浮き上がるバランスでありながらも、音に一定の安定感が感じられます。透明で伸びやかにこの曲を楽しみたいならおすすめできます。

 


イマココ/月がきれい (アニメ盤)

 

安月名莉子「be perfect, plz!」

be perfect, plz!

be perfect, plz!

【Hiby R6 Proで鑑賞】個人的にはこのくらいの曲になるとこのイヤホンはややかしましく、中域の不足が意識されてきます。音の光沢と尖りがかなり露骨にキラキラシャリシャリするうえに、ボーカルもかなりサ行とツ音が強く、ギスギスして聞こえます。音量を上げるとこの尖りはますますきつくなるので、聴き苦しいところが増してしまう感じがあります。

 明るめのアニソン向きな印象を受けますが、元々清潔感と光沢感を強調している感じの曲だと意外とガチャガチャしやすいところはあるかもしれません。中域はやはり少し不足気味のような気がします。ぶっちゃけこの曲は中域が濃く、低域もより深みをはっきり出すA8-C5のほうが聴き心地が断然良いです。

 


TVアニメ「 慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~ 」エンディングテーマ「 be perfect, plz! 」

 

【5】総評「低価格で煌めきと爽やかさを共存させた解像度重視の音を聴きたいなら、おすすめ」

 透明感と煌めき感のある高解像度系サウンドが好きなら、低価格ではおすすめできる機種の一つです。曲によっては、ややはっちゃけすぎるところはあり、うるさいところが出やすいところがあるのは気になりますが、ガールズロックやアイドル系の曲を清潔感を出して爽快に聞かせてくれるでしょう。

 

まとめ
  • 清潔感と派手さを兼ね備えた音で解像度が高い
  • 通信品質は比較的良好で、バッテリー品質は高い
  • ガチャガチャしやすい

 

Antro TouchTwo C5S

Antro TouchTwo C5S

【令和最新版 超大バッテリー容量】Antro Bluetooth イヤホン ワイヤレス スイヤホン 150時間連続駆動 LEDディスプレイイヤホン CVC8.0ノイズキャンセリング IPX8防水 左右分離型 自動ペアリング Siri対応 ボリューム調節可能 片耳&両耳とも対応 iPhone/ipad/Android適用 マイク付き 技適認証済

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ワイヤレスヘッドホン Bluedio T3 レビュー】どっしり系の音が好きな低域ジャンキーなら、選択肢に入れておいていいワイヤレスヘッドホン。おすすめ

Bludio T3

Bludio T3

Bluedio T3 (Turbine 3rd) ブルートゥースヘッドホン ワイヤレスヘッドセット Bluetooth イヤホン ステレオサラウンド (ブラック)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感はやや重く、場合によって側圧もやや強いかも知れないが、イヤーマフがフカフカで耳が痛くならない」

おすすめ度*1

Bludio T3

ASIN

B01LY06OG2

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

20h/-

Bluetoothバージョン 4.1
対応ワイヤレスコーデック SBC
防水性能 たぶんありません
音質傾向

低域重視、弱ドンシャリ、重厚、ドスドス、重量感がある、ギラギラ、鮮やか、ドカドカ、ドンドコ、ズンドコ、色が濃い、どっしり、甘味が強い、鳴動感が強い、地熱がある

 本体は金属製で作りがしっかりしている分、少し重量があるので、女性にはやや負担感があるかも知れません。側圧は少し強めかも知れませんが、イヤーマフが厚みがあってクッション性が高いので圧迫感はないと思われます。

 

 対応コーデックはSBCのみ。Hiby R6 Proで接続品質をみました。家庭内では遮蔽物がなければ5m~10m程度は途切れることなくつながったままでした。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「パッケージは意外としっかりしてます」

 付属品は充電ケーブルとAUXケーブル、多言語マニュアル。パッケージングはしっかりしており、化粧箱の作りも良くてチープさはないので、贈り物にしても問題ないと思われます。

 

Bludio T3Bludio T3

 

【3】音質「中高域はややカッツリ、ギラギラで派手さがあります。低域は下で膨らみやすく、どっしりとした重みとボリューム感も出ます。重厚系です」

 音質的には中高域で結構ピアノが派手にキンキンするところがあり、高域弦楽もそこそこ筋立った感じでヒョルリ~って感じで上に伸びます。足元のほうはかなり低域が重くどっしりしていて、ベース音は黒みが強く、キックもドシッとかなり重量感を出します。

 したがって、安定感の高い重心の低い全体像の中で、中高域以上が派手めに少しギラついて立ち上がる感じになります。そのため、基本的には少しウォームで聴き心地が安定していながら、サビ付近では外連味強めに明るく音が伸び上がる感じを味わわせてくれ、ポップスなんか迫力も出しつつメリハリきいてるし、JAZZ、クラシックも充分に迫力を出しながら少しのびやかに聴かせてくれます。

 ダンスはかなり床面が重く主張するんで、そこらへんの量感重視ならおすすめできますが、人によってはちょっと重量感多過ぎて重苦しいって思うかも知れません。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
鮮やか。低域は色味も黒く重量感を出すし、中高域でギラつくくらいに鮮やかな色彩感を感じる。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

普通。中高域は少しギラつくが、低域の量感が強めで膨らむので大抵中和される。
明るさ
(明るい/暗い)
明るめ。中高域が明るく、音場全体を少し強めの光沢で浮かび上がらせる印象がある。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域でツヤを強めに出すので、少し派手な感じになる。
硬さ
(硬い/柔らかい)
普通。音響構造が中高域重視になっている感じがあるので、その硬い感じが音楽全体に影響を与えやすいところはある。ただ低域の膨らみも良いので中和される。
尖り
(尖っている/丸みがある)
普通。中高域は少しカツカツしているが、低域がドシドシ重く、中和する。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。低域は重量感もあり、ドシドシ重みを出してくるし、中高域も派手めなので、若干騒々しいかもしれない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
力強い。低域がパワフル。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや豊か。中高域で少し緻密で情報量多め。低域は重み重視で量感多め。全体的に不足感はない。

太さ
(太い/細い)
やや太い。低域の太さが目立つ。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。中高域に硬い感じはあるが、基本的にツルッとした印象の出音である。低域はドシッと重く、音楽全体をよくまとめあげて統一感を出してくれる。
粒感
(きめの細かい/粗い)
普通。ピアノや弦楽は少し緻密に明るくキンキンしたりするが、低域が結構強いのでそれほど鼻につかない。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや濁った。中高域で少しガラス質の透明感を出すところはあるが、大抵の曲で低域支配力のほうがおそらく強いので、多かれ少なかれマスキングされる印象はあると思う。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いた。低域の黒い感じが強く出やすいので、ドライに感じやすい。
重さ
(重い/軽い)
重い。大抵の曲で低域が支配的で、その低域はドシッと重い。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや濁っている やや濁っている

明るいか

(明るい/暗い)

普通 普通

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや天井感がある 普通

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや潤っている やや潤っている

太いか

(太い/細い)

少し太い 少し太い

濃いか

(濃い/薄い)

濃い やや濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立たない 普通

 

空間因子評価
ボーカル因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
普通

 

美点
  1. 中高域が艶やかで目鼻立ちがしっかりしている
  2. 低域の重みと量感が高く、ドシッとした安定感がある
  3. 全体的に音が濃く、色づきが良い
  4. ライブ感は強め
欠点
  1. 清潔感に欠ける
  2. 音楽がもっさりしやすい
  3. 低域が重たすぎるバランスになりやすい

 

[高音]:高域の高いところは抑えめだが、シンバルのシャーンという空気感はそれなりに感じられるので派手さと高さはそこそこ良い。ピアノはキンキンしたあたり、アコースティックギターは金属光沢感のあるギラつくあたりに強調があり、派手めの演出観もある。高域弦楽も少し派手さを出して上に伸びる感じがある。鮮やかだが、シャープネスはツヤよりは抑えめなので、全体の雰囲気にきつい感じはあまりない。ただ少しガツガツした感じにはなりやすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中高域の派手さと低域の重さに比べると、バランス的に中域は少し凹み、ちょっと清潔になっている感じになる。そのため少し奥行き感が出るし、ボーカルは少し遠ざかって感じられるが、厚みが不足する印象は受けない。

[低音]:振動のはっきりした太い、ボーッという振動。100hz~40hzまで素直な減衰。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域はベースやキックに黒みを出してやや地熱強めに鳴動させる感じになる。低域弦楽は深掘り感のある印象で、厚く膨らむよりは下のほうの重い音がドンドン床面に鳴り響く系の大人びた音になる。低域は明度的には少し暗い感じである(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域は重みと深さ重視で聴かせるが、やや支配的になりやすい。中高域は派手めで、たとえばJAZZだとちょっと深みの強い黒い静寂感のある空間に、若干派手で若い感じの金管やピアノが浮き上がる感じになるが、ロックだともっと重たげにドシドシドラムとベースが黒く熱気を出してくる感じになる。中高域と低域の二元論に感じやすいところはどちらかというとドンシャリと言えるだろうが、全体的に密度が高い。また曲によってはややもっさりしやすいし、音源の低域の量感次第でマスキングは出やすいと思われる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスはバスドラキックがドシンドシンと支配的になりやすい。上辺はやや暗くバツバツ乾いた音になっており、ドラムスの全体像はやや黒くドライに感じやすいかもしれない。弾ける感じは強くなく、内向きにエネルギーを溜め込んで膨張していくような感じがある。地熱の鳴動感も強い。重めのバズンバズン。ハイハットはチンチンチリチリした音に強調があるが、シャンシャンという高さも少し感じられる。しかし、ドラムに比べると一般的に存在感は抑えめ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは濃いめで、やや下方向の重力を感じる。そのためサビでは少し上に伸びるほど、少しずつ息苦しくなっていくような感じは出るかも知れない。少しホットな表現になっている。女声ボーカルは甘味が少し強く、のしっとしたコクを出すところがある。ちょっと大人びた感じになるが、キャンキャンしたような媚びた感じも少し出るので暗い感じではない。男女ともに子音にはほとんど強調はなく、滑らかに聞こえる。

 

【4】官能性「低域の重み重視の人向け」

Snail's House「雪の降る街で、あなたを待っている。」

雪の降る街で、あなたを待っている。

雪の降る街で、あなたを待っている。

【GRANBEATで鑑賞】この曲だとベースとキックがかなりドシッと重く出ます。床面に軽快に弾ける感じも出ないわけではありませんが、下の方は本当にドスドスドコドコと重い感じになるので、とくにベースのブーム感が中高域の透明感を邪魔していると感じる人もいるかも知れません。一方で低域の重みが好きな人には、音場全体に深みがあって静寂感が増しているように感じられ、ドラムが活き活きしつつも、全体には抑制の利いた風格みたいなものを感じると思うかも知れません。EDMを楽しむ場合、重厚感が好悪の境目になりやすそうです。

 その低域を除いた印象は中高域で電子音に透明感を出し、シンバルは活き活きしていて、シャンシャンちょっと高いところまで出してくれて躍動感もあるので、ディテールは悪くないと思われます。

 


Snö

 

雨宮天「奏」

奏

【GRANBEATで鑑賞】重厚感のあるこういう暖かいポップスは、ベースに充分な深掘り感と暖かみが乗るので、おそらく満足度が高いと思われます。ピアノや弦楽に適度な派手さがありながら、ドラムキックとベースの二段重ねでしっかり音場をまとめあげてくれるので、浮つかず、その派手な光沢感に深みが出て、メロウに感じられます。ボーカルはサビで、少し詰まるような天井感があるのが気になりますが、暖かで甘味たっぷりです。

 


TVアニメ「一週間フレンズ。」エンディングテーマ「奏(かなで)」

 

Holly Cole「Walk away」

Walk away

Walk away

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲の粘っこい感じのボーカルとは相性が良さそうです。低域弦楽も膨らむというよりは深掘りして下で重く、弦を弾く音の輪郭も丁寧に感じられるのでディテールよく、落ち着いたピアノや渋い金管も、明るいところはちょっと派手になっているので、色づきが丁寧に感じられます。全体的に渋めの曲にも関わらず、ディテールと艶やかさ、深みの表現が良く、メリハリ感があって楽しめます。

 


Night

 

【5】総評「基本的には重厚感重視で楽しみたい人向けです」

 厚みもあるが、より重みと深さに重点を置いた低域は、好みの人にはかなり刺さるはずです。ベース音のブンブン音や床面にドシッという重みがあり、しかもそれが変に上で膨らまず、下方向に明確な重力を持っているので、ブーミー系の音ではありますが、意外とタイトに感じられて音像もしっかりして聞こえるように思うはずです。中高域に結構な派手さがあるのもよいアクセントになっていて、なかなか楽しめますが、明るいボーカル表現の曲相手だと伸びが足りず、少し物足りなく思うかも知れません。

 

まとめ
  • 深掘り感と重量感のある低域
  • 中高域も派手で外連味を楽しめる
  • 低域の主張が強く、重みが強くなりやすい

 

Bludio T3

Bludio T3

Bluedio T3 (Turbine 3rd) ブルートゥースヘッドホン ワイヤレスヘッドセット Bluetooth イヤホン ステレオサラウンド (ブラック)

 

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JBL REFLECT FLOW

JBL REFLECT FLOW

JBL REFLECT FLOW 完全ワイヤレスイヤホン 連続約10時間再生/IPX7防水/Bluetooth対応/トークスルー機能搭載 ブラック JBLREFFLOWBLK【国内正規品/メーカー1年保証付き】

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良好」

おすすめ度*1

JBL REFLECT FLOW

ASIN
B07YSB9NLB
スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間 10h/30h
Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

IPX7

 音質傾向

フラット、ビシバシ、のびやか、艶やか、ほっこり、豊か、暖かい、ポンポン、チリチリ、ポロポロ、甘味がある

 イヤホンハウジングの見た目はJBL UA Sport Wireless FLASHを継承しているかのようなデザインになっています。装着感はかなりよく、遮音性もそこそこ優秀です。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。Android端末でのAAC動作をしっかり確認しました。店舗内テストでは通信品質は問題ない印象を受けました。しかし、あまり通信の混雑していない店舗内でのテストでしたので、当てになりません。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProONKYO GRANBEATで行いました。

www.ear-phone-review.com

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【2】外観・インターフェース・付属品「ヒアスルーは二段階」

 付属品は割愛。

 

 左のイヤホンをワンクリックすることで、ヒアスルー機能が使えます。1回目のクリックでトークスルーモードとなり、マイクで外環境音が聞こえるようになるとともに、再生音量が下がります。2回目のクリックでアンビエントモードになり、再生音量だけ元に戻ります。3回目のクリックでノーマルモードに戻り、外音取り込みがなくなります。

 

JBL REFLECT FLOWJBL REFLECT FLOW

 

【3】音質「ややデジタルな音に聞こえるが、上から下まで一定の厚みがある、マイルドな万能系サウンド」

 音質は中高域で充分に鮮やかで、艶やかさを強調しつつ、その音が角張って目立ちすぎないように中域と低域が一定の厚みを持って支えるような音響になっています。高域はマイルドでシャープネスの強調はほとんどありません。中高域でクリッとした感じの手応えを感じ、若干デジタル風の解像度感を感じさせてくれますが、中域と低域がソフトで、全体としてみると、温和な音楽表現になっていて、聴き心地が安定しています。

 実は発売前にJBLの販売員さんから「新作REFLECT FLOWはFree Xをさらに丸くした感じで非常に優しく、すっきりした音作りでよかったですよ」という話を聴いていたのですが、その通りの優美な印象を受ける音になっています。少しヤンチャなTUNE120TWSや低域多めのUA FLASHに比べて、より起伏の少ないフラットサウンドの味付けになっています。

 中域では、女声ボーカルはツヤツヤで甘味も強めで少しふっくらしたバランスで聞こえ、甘美といった装いになります。ピアノやギターエッジも温かみがあり、シンバルもチンチンしたあたりを聴かせる、あまり高さを強調しないマイルド系です。低域に向かうと、ベースも暖かく、低域弦楽が豊かに広がるほか、ドラムも温かめの出音になります。

 中域の清潔感は強くありませんが、見通しが悪い感じでもありません。低域から中域に目立った凹凸がない感じではあるので、奥行き感は少し物足りないと思う可能性はありそうです。

 

美点
  1. ほどよく豊かで、透明なバランスの良いフラットサウンドで万能系
  2. ボーカルや楽器のボディが中域でしっかりしており、音に一定の充実感がある
  3. 中高域の艶やかさ重視で明るく優雅
  4. 音が全体的に滑らかで聴き心地が良い
欠点
  1. コントラスト感は高くなく、ややぼーっとして感じられるかも知れない
  2. 低域の量感は場合によって少なく感じる可能性がある
  3. 奥行き感がやや抑えめで、若干平面的な音響に感じられる可能性がある

 

[高音]:高域の高いところに強調はなく、マイルド。シンバルのシャーンという空気感は強調されず、弦楽も高く突き抜けると言うよりは滑らかに伸びる。シャープネスは強調されず、ボーカルの子音も尖らない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域の後退は少し感じるが、ほとんどフラットに低域までつながっている印象を受ける。出音は基本的にソフトで、アタック感は結構出るが、音の質感が滑らかで圧迫感はなく、温和。ドラム音はパンチが聴いてパワフルだが、膨らみもよいので輪郭にタイトさがありつつも、ほどよく太くなってボディを感じさせてくれる。全体的に温かみがあり、音の広がりも良くて、密度感もありつつも、見通しも悪くない、中庸なバランス感覚を感じる。

[低音]:100hz~40hzまでビォーッという太めの振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域はベース音に少しの膨らみと黒みを感じ、キックもやや目立つ。フロアタムのあたりでそれほど広がる印象はないが、低域弦楽やパンチのあたりで量感を感じる。透明な感じではないが、見通し感は悪くなく、制動も利いていて、分離を強調する感じでもないが混濁感はない。ドラムの浮き上がりは良い(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中高域で光沢感を少し強調して鮮やかさを出すが、基本的にはフラットで見通し感と暖かみのバランスを取った、リスニングに少し寄せたサウンドに感じる。立体感はほどほどに抑えられており、コントラストも強調されない。全体的に音は少し濃い感じで、どちらかといえば濃厚で豊かな印象を受ける(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:タムやスネアの鼓面は少しパリパリして元気に弾ける。中域で少し膨らみ、パンチを強めに出すので、肉厚でソフトな抱擁感もある。その全体を、やや柔らかめのバスドラキックが重みを出して支えている。どちらかというと豊満な音に感じるが、リズムコントロールはよくてアタックが感じられ、ビシバシ感を結構出してくれるので、タイトな味に劣ることもないだろう。色味は少し明るい。パツンパツンないしパズンパズン。ハイハットはチリチリ感強めで温かみのあるマイルドサウンド。全体的にアタックは良く出るが、質感は温和(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:やや温かみのある吐息を強調するところがある。ほっこりふっくらとした感じである。男声ボーカルは薄くはないが、コクを出し過ぎないくらいの中庸な濃度感で、渋すぎないバランスになっている。女声ボーカルは温かみがあり、ツヤにも優れたやや媚びた感じのある声で、成人女性くらいの成熟は感じられ、わずかにハスキーさも強調されている。

 

【4】官能性「外面はマイルドで上品。しかし意外とエネルギッシュ」

山崎あおい「アイソレイト」

アイソレイト

アイソレイト

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】この曲だとチリチリ系のシンバルがかなり粒立ちよく聞こえます。ボーカルは少しほっこりして、こしあんのような甘味があり、やや濃厚ですが、暗くならずに上に滑らかに伸びるので、甘美といった雰囲気の声色です。全体的な色合いは少し濃いめですが、ドラムはほど良くアタックが利いていて、この曲のカシカシしたメリハリのあるリズムを結構明確に刻んで、疾走感を出してくれるので、スピード感が鈍くなる感じは全くありません。

 


FLAT

 

ClariS「again」

again

again

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】音場に適度な温度感があり、ボーカルのボディはしっかりしているので、中域で暖かみをほっこりと出す感じがあります。それでいて、上方向にはしなやかに伸びてくれます。その伸びは、ボディから飛躍して突き抜けるというよりは、ボディをそのまま持ち上げていくような伸びやかさで、落ち着きが感じられ、そのおかげでボーカル全体に少し成熟した甘味を感じることが出来ます。音の質感はほどよくソフトで、アタックやパンチは結構強く出ているにも関わらず、全体の印象は温和に思えます。弦楽は少し膨らんで、空間を全体を色づけるような広がりの感じられる音で、音場全体が鮮やかになる充実感があります。

 強く刺激的なキラキラ感とビシバシの強い衝撃力のあるスピード感、ボーカルに突き抜けるような鋭さを求める人には若干物足りないかも知れませんが、聴き心地はかなり安定しています。

 


Fairy Castle(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)

 

Rasmus Faber「The Galaxy Express 999(Jazz Ver.)」

>銀河鉄道999

銀河鉄道999

 【Hiby R6 Proで鑑賞】上の動画はライブ版なので、私が聴いているアルバム版とは少し異なりますが、概ねの雰囲気を味わってください。

 JAZZを聴いてみると、低域では弦楽が充分に膨らみ、ボボンと肉厚かつ温和な音で聞こえてきて、深掘りするというよりは厚みを出して床面を演出し、調和的な雰囲気で音楽全体を支えてくれます。金管も膨らみが良く、コクを出して聴かせ、ピアノもポロポロと温もり感があります。中域はJAZZを楽しむには少しだけ清潔に寄ったバランスかも知れませんが、そのおかげで中高域の艶やかな音色が空間に浮かび上がってくるように感じます。

 JAZZはおそらくかなり満足できるレベルで聴かせてくれると思われます。

 


ラスマス・フェイバー・プレゼンツ・プラチナ・ジャズ ~アニメ・スタンダード Vol.3~

 

MINMI「四季ノ唄(Tribute to Samurai Champloo)」

Shiki No Uta (Tribute to Samurai Champloo) (Japanese Version)

Shiki No Uta (Tribute to Samurai Champloo) (Japanese Version)

【Hiby R6 Proで鑑賞】鮮やかに浮かび上がるギターエッジは暖かい感触を持っています。アタックも良く、余韻の広がりも気持ち良いです。この曲だとだいぶ低域でズンズンと重みが出てくる感じですが、タッチが最終的にはソフトになるせいかうるさい印象は受けません。電子タンバリンのチャリという音がかなり明瞭に刻みを出して目鼻立ちがよい印象を受け、ボーカルも甘味が濃くて味わい深い印象です。ドラムも上辺でカリッパリッとした感触をきれいに出して楽しませてくれます。

 


Shiki No Uta (Tribute to Samurai Champloo) (Japanese Version)

 

【5】総評「暖かみのある聴き心地の安定した万能系サウンドです」

 JBLの新たな普及帯の機種として充分に高い完成度を感じました。ヒアスルー機能も搭載して手頃な値段に収まっており、スペック的にも日常使用からスポーツまで万能に使えそうです。なにより音質がFree Xをさらにマイルドにしたような万能系になっており、万人向きになりました。1万円台前半の中では間違いなくスタープレーヤーの1つになるかも知れない機種です。

 

JBL REFLECT FLOW

JBL REFLECT FLOW

JBL REFLECT FLOW 完全ワイヤレスイヤホン 連続約10時間再生/IPX7防水/Bluetooth対応/トークスルー機能搭載 ブラック JBLREFFLOWBLK【国内正規品/メーカー1年保証付き】

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン オウルテック samu-SE04 試聴レビュー】派手で立体感もあるドンシャリ。直情的で快活な楽しいサウンドを奏でてくれる。おすすめ

Owltech OWL-SAMU-SE04

Owltech OWL-SAMU-SE04

オウルテック 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ブラック)Owltech OWL-SAMU-SE04-BK

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「コンパクトなデザイン」

おすすめ度*1

Owltech OWL-SAMU-SE04

ASIN
B07XPVHY16
スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間 9h/63h
Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX7

 音質傾向

ドンシャリ、明るい、シャリシャリ、キラキラ、ズドンズドン、コントラスト感がある、のびやか、突き抜ける、派手、アタック良好、立体感がある

 見た目はMpow M5NUARL NT110に似ています。小型で装着感は良いです。遮音性もそこそこ。

 

 通信チップはQCC3026です。対応コーデックはaptX/AAC/SBC。店舗内テストでは通信品質は問題ない印象を受けました。しかし、あまり通信の混雑していない店舗内でのテストでしたので、当てになりません。

 この機種の通信品質については情報提供を頂いており、その人の環境だと少し途切れが目立つようです。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProONKYO GRANBEATで行いました。

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【2】外観・インターフェース・付属品「割愛」

 付属品は割愛。

 

Owltech OWL-SAMU-SE04Owltech OWL-SAMU-SE04

 

【3】音質「派手めのドンシャリサウンド。ドシっと重い低域とシャリシャリ系の高域を持つ」

 音質的にはAVIOT TE-D01dをさらに明るく、低域も目立つ感じにしたドンシャリサウンドになっています。ボーカル表現も明るく伸びやかに聴かせて、全体的に高域では浮かれた感じになります。一方で低域も前面に出てきて存在感が増しており、ロックやダンスではしっかり床面を感じさせてくれます。

 

美点
  1. 正統派ドンシャリ
  2. コントラスト感が高く、明瞭感がある
  3. 奥行きがあり、音が良く整理されている
  4. 派手で楽しい出音
欠点
  1. 人によっては刺激が強すぎる
  2. 音楽全体の安定感には少し欠ける
  3. 音が直情的でやや単調に感じるかも知れない

 

[高音]:派手。とくにシンバルのシャーンという空気感は強く、クラッシュシンバルやハイハットの粒立ちもシャリシャリと白味が強く刺激的。弦楽も細身に、ややヒステリックに伸びる感じがある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域の下の方は引っ込んでおり、清潔にされている印象を受けるが、ボーカルや楽器音の潤い感は少し足りない。中低域で厚みが感じられるので、後退している割に中域はそれほどスカスカには感じないが、良く聴くとドライで少し無愛想。TE-D01dに比べると奥行き感がある中域になっており、分離感で考えると、音はこちらのほうが整理されて聴きやすく思うかも知れない。

[低音]:100hz~40hzまでブーッという少し締まった振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域はかなり存在感が強く、ドシッと重みを出してくる。やや支配力が強いので、人によっては重たげに感じるかも知れない。低域の色味は明るめで、床面は少し高い印象があり、やや音場がせり上がっている腰高な感じも出やすいと思われる。キックははっきり聞こえ、リズムコントロールはよく制動されている印象を受ける(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:ドンシャリ。AVIOT TE-D01dの明るい出音をドンシャリにして、コントラストをはっきりくっきりさせましたみたいな音質。高域と低域がはっきり区別されて聞こえ、中域に奥行き感もあり、音の立体感は非常に鮮明に感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:タムやスネアが少し明るく弾け、パンチも少し強め、キックがパンチよりは若干弱いといったバランスに聞こえる。パツンパツン。ハイハットの浮き上がりは良く、白く高く感じられる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:基本的に明るい。男声も女声ものびやか系で、質感は少しドライ。

 

【4】官能性「コントラストの利いたパワフルかつ立体感の強いサウンド」

沼倉愛美「叫べ」

叫べ

叫べ

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】こういう曲はまあ得意です。上では弦楽が結構高くヒステリックに伸びますし、ドラムは活き活きしていて快活。パワフルに疾走感を出してくれます。ボーカルは明るく底抜けなくらいに伸びやかで、突き抜け感も強くて爽快。ギターも上に向かって攻撃的なエッジを見せてくれ、躍動的に音場を色づけてくれます。

 


My LIVE(通常盤)

 

TVアニメ「猫神やおよろず」OP主題歌「神サマといっしょ」

 神サマといっしょ

神サマといっしょ

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】この曲のキラキラ感を強めに、下の方の床面は濃いめに、といった具合になります。ズドンズドンシャンシャンキラキラみたいな、とにかく鮮やかでコントラスト感高めの楽しげなサウンドを聴きたいなら、かなりオススメです。ドラムからボーカル、電子音に至るまでみんなキラキラしていて、それぞれのアタック感も強く衝撃力のあるメリハリ重視な感じで聴かせてくれます。

 


神サマといっしょ

 

BURNOUT SYNDROMES「Good Morning World!」

Good Morning World!

Good Morning World!

【Hiby R6 Proで鑑賞】ボーカルは少しウキウキした感じで、ノリが良い感じになります。楽器音も全体的にグルーヴ感強めの疾走感強め、かつ上に伸びやか系の抜けていくサウンドです。たとえばNT01AXと聞き比べてみますと、NT01AXの音にはより多くの奥行き感としっとりした落ち着きと深みを感じますが、こちらはより直情的で元気に、この曲の晴れやかな部分を元気いっぱいに歌うような感じです。明るい太陽に向かって、思いの丈を元気いっぱいに叫んでいるような、そんな素直な力強さのある音楽が楽しめます。難解さがなく、没入感も高めです。

 


Good Morning World! (期間生産限定アニメ盤) (DVD付) (特典なし)

 

(K)NoW_NAME「Knew Day」

Knew day

Knew day

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲はちょっと音数が多く、イヤホンによってはガチャガチャしやすいので、とくに奥行き感とか立体感を感じるのに聴いていることが多いです。

 で、このイヤホンは音は派手めなんですが、意外と奥行き感が丁寧でこの曲を聴いてもほとんどガチャガチャする感じがありません。出音は少し過剰な演出感を加えるところがあって、たとえば弦楽は露骨にヒステリックだし、ドラムはドカドカうるさい感じはあります。ボーカルも若干突き抜け感が強いところがありますが、外連味満点で楽しい音になっています。

 


TVアニメ『灰と幻想のグリムガル』オープニング・テーマ 「Knew day」

 

【5】総評「ロック・ダンスなんか気持ち良く聴けます」

 露骨なドンシャリといった感じですが、魅力は凄く分かりやすく、好きな人にはたまらなく楽しいイヤホンだと思われます。床面はかなりはっきりし、アタック感も強く、のびやかな音は、明るく元気で聴いているだけで、ウキウキさせてくれます。高く突き抜けるような抜けるようなサウンドと、緻密で明るいディテール感のある感じが好きな人なら、このイヤホンは見逃せないのではないでしょうか。

 

Owltech OWL-SAMU-SE04

Owltech OWL-SAMU-SE04

オウルテック 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ブラック)Owltech OWL-SAMU-SE04-BK

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【aptX対応ワイヤレスヘッドホン Bowers & Wilkins P7 Wireless レビュー】ツヤを鮮やかに感じさせつつ、ウォームな聴き心地の安定感も大事にしている秀逸機種。おすすめ

Bowers & Wilkins P7 Wireless

Bowers & Wilkins P7 Wireless

Bowers & Wilkins ワイヤレスヘッドホン Bluetooth/aptX/AAC対応 ブラック P7/WI

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「細長い感じのデザインではあるので、前後にずれやすい感じはあるが、装着感は概ね良好」

おすすめ度*1

Bowers & Wilkins P7 Wireless

ASIN

B01LY06OG2

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

17h/-

Bluetoothバージョン 4.1
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能 たぶんありません
音質傾向

弱ドンシャリ、くっきり、鮮やか、ツヤツヤ、のびやか、ふっくら、コケティッシュ、艶やか、ドシドシ、デジタル

 側圧は少しだけ強く、重量もわずかに重みを感じますが、概ね装着感は良好。やや細長い感じのデザインなので、前後にずれやすいところはあるかもしれません。

 

 対応コーデックはaptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで接続品質をみました。家庭内では遮蔽物がなければ5m~10m程度は途切れることなくつながったままでした。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「付属品は割愛」

 付属品はなし。ただしONZOのサブスク版なので製品版とパッケージ内容が一緒かは不明です。以下の記事によると「キルト製のキャリーポーチや、充電用USBケーブル」が同梱されているようです。

av.watch.impress.co.jp

 

 ONZOのサービスについて興味がある方は以下を確認下さい。

www.phileweb.com

www.onzo.co.jp

 

Bowers & Wilkins P7 WirelessBowers & Wilkins P7 Wireless

 

【3】音質「はっきりめに中高域を聴かせる明るいサウンド表現。やや歯ごたえ強めにカリッと聴かせるところはあり、色彩感豊かで目鼻立ち重視に聞こえる」

 この機種の元となるP7については以前持っていたので、レビューしたことがあります。まあこのブログ初期のころの、ほとんど黒歴史に属するレビューなんで、参考にならないと思います。一言で言ってゴミレビューかもしれません。つまり、このレビューはP7の再レビューも兼ねているという感じになります。

www.ear-phone-review.com

 

 さて、そのP7 Wirelessの音質ですが、かなり中高域の鮮やかさ重視のくっきり系のサウンドになります。電子音やギターエッジ、ピアノ音に少し硬めのカリッ、あるいはパリッとした手応えがあり、ややディテールを強調して目鼻立ち良く聴かせる感じになります。高域はマイルドに抜けてシャープネスは抑えめ、中域と低域は中高域に比べると柔らかい印象です。中高域で音をくっきり明瞭に感じさせた上で、中域と低域でその音が自然に沈み込む、あるいは溶け込んでいくような音響デザインを実現して、全体の調和のバランスを取っているような感じになります。

 音楽空間の印象はどちらかといえば前進的でぎっしりめに音を聴かせてきますが、強く前進的でもないので、音が一定の距離感に落ち着く感じがあり、のびてくる中高域だけがやや前傾して強く主張してくる程度で、低域と中域はむしろフラットに近いような印象です。

 ドラム音なんかは結構アタックもよく力強く叩いてくれますが、ビシバシ感はすこしふくらんで優しく、暖かみを少し出すくらいで主張は強くありませんが、量感的には安定感があります。一般に下から上の方にエネルギーが流れていくような、のびやかなサウンド表現になりますが、低域の支えも良く音響に落ち着きがあります。そのため中域と低域の境目あたりは若干立体感に欠けるところはあり、篭もる感じはありませんが、曲によってはもっさりして感じられる可能性はあります。もちろんこういうもっさり感は他の曲ではライブ感になることも多いですし、音場をなだらかにして聴き心地を安定させるところもあります。またJAZZでは濃厚感に感じられることも多いでしょう。

 中高域でツヤと輪郭を少し強調する感じは、音にパリッとした透明感を出してくれますが、一方で少し人工的に音をくっきりさせているような、デジタルな印象を与えるところはあります。少なくとも音空間は適度な濃厚感がありつつも、なんとなく透明で、少しガラス張りに近い印象を受けるところはあるでしょう。その分、解像度感は高いのでくっきりめの音が好きな人には魅力的に映るはずです。中高域の上側はなだらかにマイルドカーブしているようで、シャープネスは強調されず、音の質感は一般になめらかです。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
鮮やか。色味は全体的に濃く、くっきり鮮やかに聴かせてくれる。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

普通。中高域で音が少し硬く目立つ印象はあるが、質感は基本的に滑らかなので、鋭いとは感じないはず。
明るさ
(明るい/暗い)
明るめ。中高域が明るく、音場全体を少し強めの光沢で浮かび上がらせる印象がある。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域でツヤを強めに出すので、少し派手な感じになる。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。音響構造が中高域重視になっている感じがあるので、その硬い感じが音楽全体に影響を与えやすいところはある。
尖り
(尖っている/丸みがある)
普通。これまで述べてきたように音に硬い感じはでやすいが、基本的にはなめらかなので、若干角は立って聞こえやすいが、それが目立ちすぎない。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
普通。曲にもよるが、中高域でツヤを強調しつつも、低域に暖かみも出やすく、中高域の派手な出音は大抵中和される。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。低域は必ずしも支配的ではないが、少し膨らむのでドシッという重みで安定感を出してくれる。その重量感には力強さを感じる。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや豊か。まず中高域で音を明瞭に出してくれるので情報量的な豊かさを感じ、中域・低域ではほどよく音が膨らむので量感的な豊かさはほどほど感じられる。そのため、全体を見ると大抵の曲で少し豊満で温和な印象を受けるだろう。

太さ
(太い/細い)
やや太い。全体的に音の広がりを意識させる。低域は広がりが良く、中域は中庸で、高域はほとんど細くならない。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。硬い感じはあるが、基本的にツルッとした印象の出音である。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや細かい。アコースティックギターのエッジやシンバルが刻み細かく出る感じがあり、粒立ちは細かめ。
清潔感
(澄んだ/濁った)
普通。中高域で少しガラス質の透明感を出すところはあるが、中域と低域は温かみがある。
潤い
(潤いのある/乾いた)
普通。一定の潤い感があるが、強く押し出す感じでもない。
重さ
(重い/軽い)
重い。低域は少し膨らんで量感を感じさせるところがあるので、重さはやや強く感じやすい。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや濁っている 普通

明るいか

(明るい/暗い)

やや明るい 普通

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか やや伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

普通 普通

太いか

(太い/細い)

少し太い 普通

濃いか

(濃い/薄い)

やや濃い やや濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立たない 普通

 

空間因子評価
ボーカル因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや前屈み

 

美点
  1. 中高域が艶やかで目鼻立ちがしっかりしている
  2. ウォームで豊か、聴き心地が安定している
  3. 中域が中庸でバランスが良い
  4. ライブ感は強め
  5. 女声ボーカルが少し大人びた峰不二子的なセクシーさを出す
欠点
  1. 清潔感に欠ける
  2. ダイナミクスに少し欠ける
  3. 音楽がもっさりしやすい

 

[高音]:高域の高いところは閉じており、シャープネスはそれほど強くないが、シンバルの空気感は派手に白くはならないものの、充分に浮かび上がって聞こえる。シンバルやアコースティックギターのつま弾きのような金属質の音は鮮やかにくっきり聞こえるバランスになっている。ピアノは光沢感があるが、つるんとした質感で、やや硬く出やすいが、キンキンはせずに、基本的にコンコン的な感じになる。中高域で艶やかさを目立たせるので、エレキギターエッジに一定の伸びる高さがある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は清潔になりすぎず、ほどよく厚みと透明感を共存させて、自然に高域と低域を繋いでいる印象がある。低域の床面は意外と膨らんで存在感を出してくれるので、その上の中域もスカスカせず安定感が感じられる。

[低音]:振動のはっきりしたやや太い、ボーに近いブーッという振動。100hz~40hzまで素直な減衰。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域はフロアタムや低域弦楽あたりの音で厚みを出す傾向があり、ベースも少し太い。やや横幅を出す低域になる。重低音にランブル感はあるが、基本的に明るい感じで、目立った遅れは感じないものの、スピード感はわずかにゆったりめかもしれない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:ロックやドラムの存在感が強い曲ではどっしりした安定感を感じやすいし、低域弦楽も少し太く重みを出してくれるので、大抵は床面にやや暖かな厚みと広がりを感じつつ、そこからほぼフラットにつながっている中域を経て、中高域の一番鮮やかなあたりを楽しんでから、マイルドに高域は抜けていく感じになる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスは上辺でバチバチと粘りと弾けを強く明るめに感じさせつつ、フロアタムやバスドラにどしっとした重い広がりを感じる形になる。上と下で若干分離が良いような、やや縦軸を意識した表現になる。重みはあるが、深さはそれほどでもない。バシンバシンに近いバツンバツン。ハイハットはチリチリチンチンしたあたりの濃い音を目立たせつつ、ややシルキーにシュワシュワして聞こえる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは充分にボディがあり、大抵の曲で充分に濃い。やや明るく上に伸びる感じはあり、甘い吐息が少し強調される。女声ボーカルはやや甘味を強く濃厚に出すが、中高域でもツヤを出すので、セクシー系のボイスに聞こえる。子音にあまり強調はなく、やや太めに肉厚な感じ。

 

【4】官能性「ツヤを強めに出しつつ、暖かみもあるサウンドを奏でる」

fhána「僕を見つけて」

僕を見つけて

僕を見つけて

【GRANBEATで鑑賞】この曲を全体的にツヤを強めに、低域方向はドラムをドカッと角立てず、ドシッと下に重く、膨らんだ感じで聴かせます。ヘッドホンによってはこの曲はドラムがドカドカしすぎてうるさい感じが出ると思いますが、このヘッドホンは床面を少し暖めて重くすることで、そのうるさいドカドカの部分をもう少し重心の低い、ドコドコくらいの感じにして聴かせます。

 中域の真ん中でも豊かに膨らむ感じがあるので、少しギャンギャンしやすいところのあるボーカルも、くどく伸びる感じはなく、豊かなボディに支えられて、暖かみを維持したまま艶やかに伸びます。おそらく大抵の人がボーカル表現は充分に官能的だが、大人っぽい落ち着きもあると感じるでしょう。そのボーカルと一緒に伸びる高域弦楽の出音は派手で少しギラッとしますが、上ではマイルドに抜けるので、そのギラつきがしつこくなく、最終的にはほどよいアクセントになるくらいの、調和性が維持されています。

 


TVアニメ『ナカノヒトゲノム[実況中]』ED主題歌「僕を見つけて」【アニメ盤】

 

nano.RIPE「アザレア」

アザレア

アザレア

【Hiby R6 Proで鑑賞】まず出だしのドラムですが、タンタンする音をドンとボンの間くらいの低域ドラム音が包み込んで聴かせてくる、迫力はありますが優しい感じになります。タンのところの音もトコトコする感じではなく、トストスといった感じできつさを抑えつつ、輪郭はうまく描き出します。そして弦楽は中高域で少し鮮やかに膨らんでギューンとした派手な音になりますが、上にはマイルドで温かみがあります。ボーカルは上への突き抜け感がしっかり出ながらも全体的に暖かく、調和的で甘い感じがあります。ドラムは躍動的、ギターと弦楽も伸びやかで、かなりグルーヴを利かせてノリノリでありながら、ほどよい滑らかさを維持して聴かせるので、素直にそのノリに身を任せることが出来ます。

 


TVアニメ『citrus』OP主題歌 「アザレア」

 

花譜「忘れてしまえ」

忘れてしまえ

忘れてしまえ

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲では、ボーカルは少しほっこりした吐息を強調して聴かせる感じがあります。そのためときどき他のイヤホンで感じる、花譜のボーカルに鼻が詰まったような感じはほとんど出ることはあまりません。ドラムや電子音も丸みを帯びて優しく聞こえてきます。ドラム表現はドシッと重く、広がりもあり、音場を若干下に押し広げて安定させるような鳴り方になります。全体的に結構濃厚感があって音に迫力も結構ありますが、その空気感の押し出しが少し強い中でも、ボーカルは明確に浮き上がるので埋没する感じはあまりありません。

 


観測

 

【5】総評「迫力をうまく出しつつも、聴き心地の安定感を大事にし、さらに中高域の艶やかさも丁寧に出す、細かな手心を感じるヘッドホンです」

 音に適度な厚みと解像度と迫力を持たせつつ、その楽しい感じを丁寧に聴き心地よいところに落とし込んでいる機種です。音の出し方は緻密ではありませんが、ほどよく輪郭感があり、若干デジタルな印象を受けますが、調和的な温かみもあって、空気感重視に聞こえるところもありながら、ほどよく見通しも良いです。アナログ的な音楽からデジタルなものまで、没入しやすいサウンドになっています。

 欠点としては細かなディテールや立体感を強調する感じではなく、音色も基本的にリスニング向きなので、モニター的な音が好きな人にはややぼんやりして聞こえる可能性があるところでしょうか。

 

まとめ
  • 充実感とツヤのある音質
  • aptXに対応し、距離的な通信品質もそれなりに高いので、家の中で快適に使える
  • リスニング寄りになっており、人によっては出音がぼんやりして感じられるかも知れない

 

Bowers & Wilkins P7 Wireless

Bowers & Wilkins P7 Wireless

Bowers & Wilkins ワイヤレスヘッドホン Bluetooth/aptX/AAC対応 ブラック P7/WI

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【5BAイヤホン Westone B50 レビュー】旧W40的な温もり感のある音。輪郭とツヤをしっかり強調し、音像を丁寧に描き出しながら、聴き心地は安定している。情感豊かな曲に強い。おすすめ

Westone B50

Westone B50

Westone ウェストン B50 ユニバーサルイヤホン 低音重視モデル 5バランスドアーマチュアドライバ IEM WST-B50

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感と遮音性の高さはいつものWestone」

おすすめ度*1

Westone B50

ASIN

B07NDR26D3

スペック・評価
再生周波数帯域 10~20000Hz
インピーダンス 25Ω
感度 118db
ドライバー

バランスドアーマチュア型(BA×5 3Way)

音質傾向

弱ドンシャリ、分離が良い、輪郭が丁寧、パスパス、カスカス、ドスドス、ベースラインが明瞭、温和、ウォーム、甘味がある、聞き疲れしにくい、見通しが良い、ドライ

 Westoneのハウジングは欧米人の間ではかなり評価が高く、コンパクトで目立たないのに装着感と機密性が高いことで知られています。遮音性は高めです。

 

テスト環境

 今回のテストはAstell&Kern KANN CUBEa&norma SR15Hiby R6 ProCayin N6II/T01ONKYO GRANBEATで行っています。ゲイン設定は低設定です。

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【2】外観・インターフェース・付属品「mmcxリケーブル可能。ワイヤレスケーブルが付属します」

 付属品はイヤーピースの替え、aptX対応Bluetoothケーブル、キャリイングケース。リケーブル時のコネクタはmmcxになります。

 

 純正Bluetoothケーブルについては今回のレビューに含めるか迷ったんですが、いろいろ考えた結果ややこしくなりそうな気がしたので、このレビューではあくまで有線に的を絞り、レビューします。純正Bluetoothケーブルについては比較用に注文したJVC SU-ARX01BTが届いたら、それと比較したレビューを行う予定です。

 

 

Westone B50Westone B50



【3】音質「分離重視でありながら、暖かく聴き心地の良いWestoneサウンドの王道を行く」

 さて、音質のレビューに入る前に、Westoneの最近の商品展開について少しだけお話ししておくことは有益であると思われます。Westoneはプロユースを想定したモニターイヤホンのUMシリーズと、コンシューマーユースを想定したリスニングに寄せたモデルのWシリーズの二本立てで従来商品展開してきました。

av.watch.impress.co.jp

 

 このうちUMシリーズについては2017年に大幅な調整が行われており、今年2019年になってからはWシリーズもラインナップの見直しと調整が行われました。このあたりの事情については当ブログでも簡単に紹介したことがありますが、下の記事が参考になると思います。

www.phileweb.com

 

 で、このWシリーズの再編に伴い、従来W30/W50として展開されていた2機種が、新たに低域強化モデルのBシリーズとして差別化され、B30/B50として展開されることになりました。前掲のインタビュー記事によれば、これら2モデルはとくにベース表現をより強調したモデルとして設計されたことがわかります。

 以前私がW40の新旧モデルについての簡単な聞き比べをおこなった際も感じたことで、上の記事でも触れられているのですが、新Wシリーズは旧シリーズより高域方向で少し明るくなっており、新しいW40は確かに以前のW30に近づいた印象を受けました。以前の高域がそれほど明るくないW40が好きだった私にはその点、新W40には少し物足りないところがあったわけです。

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 そういうわけで前置きが長くなりましたが、このB50はむしろ2019年リファイン前のW40に近いと海外のレビューで言われており、旧W40好きの私にはなかなかそそる機種だったというわけです。では早速音質を紹介したいと思います。

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  さて、ずばりど真ん中のところから言ってしまうと、旧W40の懐の深い、ゆったりした感じが好きなら、まさにB50は好ましいと感じられるでしょう。実際、手持ちの旧W40と聞き比べていましたが、第一印象ではほとんど違いが分からないくらいです。W40は甘味の強い官能的な女声ボーカル表現も大きな魅力でしたが、あの感じもほとんどそのままです。W40に比べると低域がもう少し主張するので、ほっこり感が強くなっているというとわかりやすいでしょうか?

 また高域方向はW40に比べると、少し光沢感の強調が強くなっており、粒立ちとアタック感を強調しやすくなっています。総合的に考えると、フラット傾向のW40に対してよりはドンシャリっぽい音響になっているようです。そのため、W40よりはメリハリが利いてディテール感は若干高まっている印象を受けることが多いと思われますが、魅惑的な女性ボーカルへのフォーカス感はわずかに弱くなりました。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。ウォームでややほっこりして温和な音出しなので、派手さは強く感じないが、中高域では充分色が鮮やか。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

普通。ギターエッジがのびやかで、シンバルや高域シンセ音にもカリッパリッとした感触はあるが、低域まで含めた全体的な印象は温和である。
明るさ
(明るい/暗い)
普通。やや低域が重いバランスになっているので、高域の明るさはそれほど強調されない。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域のディテールはやや細かめに強調され、緻密傾向ではあり、出音も少しアタックが強く、やや派手め。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや柔らかい。温かみのある低域や中域の膨らむ感じが中高域の派手な感じを全体的な丸みの中に包み込んでいる印象はあり、全体の印象は柔らかい。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや丸みがある。シャープネスはあまり強調されず、全体的には丸みのある音響。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。輪郭を強調するところはあり、人によっては音は少しガチャガチャ気味に聞こえるかも知れない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。ドラムやギターに結構強いアタック感があるが、音のはじのほうは柔らかく丸められる感じがあり、音圧はきつくない。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや豊か。低域に厚みがあり、中域でも豊かなボディが感じられるので音響に安定感がある。

太さ
(太い/細い)
普通。高域の方で少し細くなるが、中域でやや豊満で低域は少し締まってくるが、細い感じではない。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。輪郭を強調するので、中高域で少しカクカクする感じはあるが、質感は全体的に滑らかである。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや細かい。中域で少し暖かくぼんやり膨らむが、中高域の艶やかさは明確に出て、輪郭感も強めなので粒立ちは緻密に聞こえる。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや濁っている。清潔感よりは温もり感重視の音である。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いている。潤い感は抑えめ。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。重心は少し下がって聞こえやすい。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや濁っている 濁っている

明るいか

(明るい/暗い)

普通 やや暗い

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

普通 やや天井感がある

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

普通 普通

濃いか

(濃い/薄い)

やや濃い やや濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

普通 普通

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
天井感がある
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
普通

 

美点
  1. 暖かみに満ちたマイルドな聴き心地
  2. 中高域でディテールを丁寧に出す
  3. 甘味のあるボーカル表現
  4. アタック感はあるが、優しく穏やかに抜ける出音
  5. 濃厚感がある
欠点
  1. Wシリーズの平均から考えると、ボーカルが若干後退している
  2. 場合によってもっさりしやすい
  3. 清潔感に欠ける

 

[高音]:中高域にはWシリーズらしい艶やかな色づきがあるので、ギターやシンバル、ピアノのアタック感もノリが良く聞こえる。しかし高いところのディテールは比較的抑制されており、全体の傾向としては旧W40に近いマイルド路線の出音。そのため、たとえばハイハットは高さを強調せず、温もり感のあるチリチリしたあたりが浮き上がって聞こえる感じになる。ピアノもキンキン感は抑えて、ポロポロとした温もり感重視。弦楽はかなり華やかになる反面、上に向かってきつく高さを強調して伸びるようなヒステリックな感じにはならない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域はたっぷりめのボディを強調して聴かせる感じがあり、やや派手に傾いた中高域で疲れた耳を落ち着かせる腰掛けみたいなクッション性を持っている。W40に比べるとややボーカルが後退しているが、それでも充分にふっくらした甘味を強調し、とくに女声ボーカルは安心感のあるほわっとした吐息で楽しませてくれる。ピアノやギターサウンドは豊かに広がる。

[低音]:100hz~40hzまでやや輪郭のはっきりしたブーとボーの間くらいの音の振動。最初はブーに近く、徐々にボーに近づいていく。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。中低域で少し膨らみ、暖かみを出す傾向がある。曲にもよるが、ベース音はかなり広くわかりやすく深みを出しやすい。一見穏やかな印象を与えつつ、実際には輪郭は明瞭でディテールがしっかりしているので、アタックは強く出て、スピードコントロールも印象以上に制動が利いている(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中域に結構な充実感があり、人によっては第一印象はもっさりしているように感じるかも知れない。しかし、はっきりと主張しないながらも実はディテールラインの出し方は丁寧で、基本的に聴き心地優先の穏やかな空間の中で、個々の楽器の輪郭が結構しっかりわかるようになっている。高低バランス的にはWestone的フラットモデルだというW40を基準に考えると、少しドンシャリになる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスは全体的に輪郭をしっかり出して粘りや弾けを感じさせながらも、音圧はほどよくセーブされて聞こえる。全体は下に重く感じるが、上辺でも柔らかめながらバシバシ張りを出してアタックを充分に感じさせてくれる。バッツンバッツン。ハイハットはややチンチンしたじんわり系の音に聞こえやすく、リズムは全体的に温かみがある(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは少し温かめに充分に濃く聞こえる。コクもある。女声ボーカルはやや甘味強めで高域では少し暗く、突き抜け感はややセーブされている。濃厚系のボイスに聞こえやすく、甘ったるく媚びる感じが強めに聞こえる。子音は明確に聞こえてボケる感じはないが、強調される感じもあまりない。男女問わず、甘い吐息が好きな人におすすめ。

 

【4】官能性「艶やかで温かみのある濃厚サウンドが魅力」

松下萌子 「雨あがり」

雨あがり

雨あがり

【Cayin N6II/T01で鑑賞】この曲だと、ドラムやベースが少し暖かみを強調しつつ、ギターやピアノもじんわり気味に、しかしはっきり鮮やかに浮き上がります。ボーカルは上に伸びるよりは、中域で甘い吐息を吐くのが目立つ、若干アンニュイかもしれないくらいの声色に聞こえるでしょう。サビで突き抜ける感じは弱くなるので、若干落ち着いた大人びた感じになりますが、充実感は高いと感じられます。

 


雨あがり

 

ずっと真夜中でいいのに。「蹴っ飛ばした毛布」

蹴っ飛ばした毛布

蹴っ飛ばした毛布

【KANN CUBEで鑑賞】空間に濃厚感があって、静寂というよりは少し空気感を感じます。圧迫感を強調したり、張り詰めた感じはあまりないにも関わらず、ピアノやギターはかなり輪郭良くツヤも強めにはっきり浮かび上がります。そのため全体像は穏やかな印象を受けるにも関わらず、出音はむしろ派手です。ピアノやドラムに比べるとボーカルはやや埋没するバランスになりますが、それがまた若干切羽詰まった感じを出していて、意外と味わい深いです。そのボーカルは中域の吐息を中心に聴かせるバランスになっているので、高域で抜けて開放される感じが薄く、むしろ切迫して聞こえます。それがたたみかけるピアノと一緒になってまっすぐ届いてくる印象があるので、鬼気迫る雰囲気がよく出て息を呑んでしまうところがあります。

 


潜潜話 [初回生産限定盤 α]

 

Galileo Galilei「青い栞」

青い栞

青い栞

【Hiby R6 Proで鑑賞】この曲のちょっとノスタルジックな温度感を味わうにはちょうどいい濃厚感です。シンバルやギターは温もりを出しつつ、かなりしっかりアタックも良く浮き上がるうえ、ベースのディテールもよく、じんわり感も丁寧に出ます。何よりちょっと吐息感の強い温かみのあるボーカル表現がこの曲の雰囲気と良くマッチしています。B50は曲によっては、ややもっさりしやすいところがありますが、この曲は元々透明感が強い感じでもあるので、B50の温度感の味付けはむしろ薫るようなセピアの色の色づきに感じられてプラスのフレーバーに感じられるくらいの、ほどよいバランスで聞こえます。

 


青い栞

 

Gypsy Kings「Inspiration」

Inspiration

Inspiration

【SR15で鑑賞】中域で音を均してはっきり風味を強調する感じのあるSR15と組み合わせてみると、たとえばこの曲なんか非常にギターを鮮やかに、弦のしなりの震える感じの空気感まできれいに聴かせてくれます。かなりガリッとした感触で強めに弦の輪郭を強調しつつ、しかし全体の雰囲気は故郷を思わせる独特の懐かしい温もり感があって、かなりディテールを強調して聴かせているにも関わらず、聞き疲れる感じはなく、むしろ心が馴染んでいくような親しみが湧きます。

 


Gipsy Kings

 

【5】総評「かなり輪郭をしっかり出してモニター的な分離感を出してくれますが、ノスタルジックな温度感も出してくれるので、情感豊かに楽しめます」

 旧W40好きな私にはたまらないイヤホン。W40に比べるともう少し全体の暖かみ重視になっていますが、情感を豊かに感じさせてくれる感じはよく似ていて、とても好ましい雰囲気です。W40の系統の音が好きだったけれども、わずかに物足りなさを感じてた人には、B50のほうがもう少し目鼻立ちがくっきりしたところがある点は魅力的に思われるかも知れません。また低域ベースの存在感をしっかり味わいたい人には有力な選択肢になるでしょう。

 

  • 低域ベースが良く聞こえ、温かみがあり、情感にも優れる
  • 甘味のある官能的なボーカルとギター表現
  • 曲によってもっさりして感じられやすいところがある

 

Westone B50

Westone B50

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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